理系夫婦Y子とMの昭和から令和まで

都内で働く薬剤師Y子と、パソコン・DIY・生物などに詳しい理系の夫M。昭和30年代から今日までの実体験に最新の情報を加え、多くの方々、特に子育て・孫育て世代の皆様のお役に立つことを願いつつ発信する夫婦(めおと)ブログです。

Windows10 イメージ・バックアップシステムにご用心!!

Mです。

 仕事場で片手間に作り込んでいるWindows10マシンが、ここ数日、同じトラブルに見舞われ続けている。

そして判ったことは・・・

 

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 PCを使っている人の多くは、システムやデータのバックアップについて少なからず気にしているはずだ。頼れる相棒であると同時に、一旦マシン・トラブルに遭遇すると、仕組みに詳しくない人はアタフタして解る人を探し、詳しい人だと、対応のためにけっこうな時間を割かれる。

 そのための、「転ばぬ先の杖」として、マイクロソフトさんがWinsowsに標準装備してくれているのが、「システムイメージ」を復旧のための道具として使う、バックアップシステムだ。

 自作機ばかりで20年近く遊んでいるMは、その間に幾度もシステム不良が発生したりHDDがおかしくなったりして、Windowsシステムの修復、あるいは再インストールを経験してきた。

 システムが壊れるのはしかたがない、と、達観している。しかし、かといって、いろいろなアプリケーションを組み込んでいるマシンを、ゼロから再インストールする作業は、あまり嬉しいことではない。そんなとき、少なくとも1カ月くらい前のシステムイメージがあれば、かなりの確率でバックアップからの復旧が出来ることも経験済みである。(それ以上旧いと、その間に新しいソフトを入れたりしていてうまく復旧できないことが多い)

 だから、今までは基本的に月一のバックアップスケジュールを設定しておいて、マシンのメンテを行ってきている。手がけたマシンは、誰に渡ったものも同じで、トラブルの連絡が来たら、最新のバックアップデータからの復元を試して貰うことで、殆どがトラブルクリアとなってきた。
 同時に、どの人にも口を酸っぱくして言っているのは、システムが壊れても入れ替えられるが、作ったデータは戻らないから、データは必ず2重、3重に別のメディアに保管すべし! ということである。これさえ守っていれば、マシンのトラブルがあったとしても一番大事なものが守れる。機械は壊れるもの、というのが基本なのだ。

 そのようにして、月一のバックアップスケジュールを常としてきた経験上、今年の夏前から行ってきているWin10マシンづくりでも、同じバックアップ設定を施してきた。

 ところが、全く同じ手法を用いて作った4台のマシンのうち、今回の4台目でバックアップミスが連続して起こった。しかも、その度にシステムエラー+ディスクエラーという、これまで経験したことのない現象が繰り返されたのだ。

 2回連続で初期バックアップに失敗し、2回目にはシステムを入れたHDDが認識不能な状態に陥った。もしかして、HDD自体に機械的エラーがあるのではないか、とLowLevelFormatソフトにかけてMBRマスターブートレコード)を削除してみると、ハード的には問題がなく正常復帰できて、ディスクエラーもないことが解った。そのHDDにもう一度Win10をインストールすると、すんなりと入る。当然のように、その他のソフトも問題なくインストールできた。

 が、ここまで来て、さあ初期バックアップを、とWin10のシステムイメージバックアップを作動させたら、しばらく席を外していた間にシステムエラーで回復処理画面になっているではないか!
 これで3度目である。

 こうなると、もはや、機械的な問題とは思えない。1回目の失敗の際、HDDが悪いのかと思って別のHDDを使った。2回目の失敗では、HDDを再フォーマットしてから使ってみた。それなのに、異なるパーツで同じ現象が起こっているのは、バックアップシステムの側に問題があるとしか思えない。

 同じような事例報告はないのか、とググッてみたら、驚くほどの事例がここ3年ほどの間にアップされている。その中のひとつには、Win10 Ver.1804までは大丈夫だったが、1809にすると必ずバックアップ出来なくなる、という報告が見られたほか、2018年10月時点で、マイクロソフトさんが、標準のイメージバックアップシステムを使わないように勧告した、という記事まで見つけてしまったのだ。

 つまり、無償提供されているので使わせて貰っているVer.1809では、既にこの問題が発生していたということになる。ただし、ユーザーの全体数から見ればこれらの不具合報告は楊枝の先ほどのことかも知れない。つまり、そのマシンの構成によって、起こったり起こらなかったりする不具合なのだ。

 現に、夏から組んできた4台中先行3台は、定期バックアップを設定しているにもかかわらず、何も問題は起きていない。
 それらを比較してみると、HDD、メモリー、はほぼ共通のものを使っていて、違っているのはマザーボードである。
 ということから、現段階での結論は、Windows10標準のイメージバックアップシステムは、Ver.1809以降で、マザーボードとの相性に「良し悪し」が生じてきたのだろう、ということ。

 マイクロソフトさんが、使わないで!、と公表したのも、組み合わせによってエラーが起こりやすいと感じたからではないか、と想像している。

 さて4回目。今回は、もう標準システムでのバックアップは設定しないことに決めた。そして、フリーソフトで多くの人が使っているというAOMEI Backupper をインストールしてみた。 

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その結果は・・・


何の問題もなく、10分ほどで初回バックアップ完了。

 うまくいったので、このマシンでも、このソフトで月一バックアップを設定して様子を見ようと思う。

 自作PCは、こんな経験が後々とても役に立つ。おかしなことが起こったとき、何がおかしいのかを推察するための基礎になるのである。
 少々イラついたが、これも財産だと思うしかない。

 それにつけても、データとアプリの分割保存だけは鉄則だ。HDDを3台4台と放り込めるデスクトップは、この観点からも有利である。 
 それが出来ないNoteなどでは、やはり携帯SSDドライブや大容量USBを駆使して、データ保護を考えなくてはならないと思う。

とにかく、大事なのはデータなのだ。

街路樹の変遷 木陰重視から経費重視へ

Mです。

 田舎では必要ないもののひとつが「街路樹」という特殊な植裁だと思う。

田舎道は、幹線道路であっても歩道が整備されているということは殆どなくて、民家が道路に接していたり畑や田んぼに直結、といった風景が多いから、敢えて街路樹を植えるということはあり得ない。新興住宅地のように、それまで松、杉の里山だったり雑木林だったところが造成されたところでは、区画整理に歩道が最初から含まれているので、装飾的外観のひとつとして街路樹が植えられている。しかし、その区域を出れば昔からの景色に戻って「家屋よりも植生が優勢な環境」になるので、もはや街路樹は無用なのである。

都会はこれと全く逆の世界だ。

 東京にはたくさんの公園があるが、どこもかしこも、それは人為的なにおいがプンプンしている。皇居の緑地部分や新宿御苑など、植生をいじってはいけない場所は別として、その他の公園は全て厳しく、かつ、細かな人的管理がなされている。だから、樹一本でさえ管理対象で、剪定をはじめとして一年のうち何度も人の手間がかけられているわけだ。
 公園の地面には落ち葉の堆積がなく、したがって、ミミズやダンゴムシなどの枯れ葉や枯れ草を食べて土に変えていく動物もいない。まるでコンクリートのような地面なのである。

 同じように、道路脇に歩道がある場合には、必ずといって良いほど街路樹が一定間隔で植えられている。それも、これで大丈夫なのかと思うほど土が見えない状態で植わっている。もちろん、腐葉土などあるはずがないから、根の部分は硬い土である。

 クルマで都内を発ち、その周辺各県とを行き来することの多いMは、多くの幹線道路でいろいろな街路樹を見ることになる。
 そうしているうちに気付いたのは、高度成長期の街路樹には大木になるものが多く、現在に近づくほど小振りな樹に変わってきているということだ。

 前回の東京五輪に向けて突貫工事をしていた東京では、都内中心部から放射状に伸びる幹線道はケヤキイチョウ、カシなどの大きく枝を張る樹が植えられていた。
ラソン競歩のコースになった都心から西に向かう甲州街道国道20号線)のケヤキ並木は特に立派で、調布付近のそれは酷暑の夏に薄暗いほどの日陰をつくっていて、樹のトンネルを走っている気分になる。

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      福岡造園さんBlogより拝借

 排ガス規制前にはさぞや空気が悪かっただろうと想像するが、規制が厳しくなってダンプでさえも黒煙を吐かなくなった今では、この木陰が周囲よりも環境が良いような気になってしまうほどだ。

 クルマが多く走ることのない都心部の並木も、例えば神宮外苑あたりのイチョウ並木のように、たいそう大きな樹が並び立つところもあって、当時のおおらかさが見て取れる。銀杏拾いのメッカのようになっているのも、昭和の遺物だ。

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       街画ガイドさんより拝借

 公園にソメイヨシノをどんどん植えたのも同時期で、それが今では老木となって枝落ちの心配が強まり、年々伐採の本数が増えているという状況もある。
 見方を変えれば、イケイケドンドンだった昭和30~40年代は、将来のことよりも、その時立派に見えるものを選んでいた、ということなのかも知れない。

ところが、樹は大きくなるのである。

 大きくなって道路側を覆っている分には、夏涼しくて良い、なんて呑気なことも言っていられるのだが、枝は反対側にも同じように伸びる。ところがその先は歩道を越えた建物だから、当然、枝払いをしなくてはならない。剪定を生業とする事業者の固定収入になるのは良いことだろうが、その作業は道路を一時的に狭くすることにつながり、歩道も歩きにくくなる。夜間にやってくれ、とは言えないのだから、夏場の選定作業は、場合によっては交通妨害となって経済活動に影響する。これは同時に、管理する側、つまり役所の経費増にひびくことで、結局は住民からの税金を街路樹整備につぎ込むことになる。だから、徐々に近づく樹木の倒壊まで考えると「大きな樹はいいねえ」と和んではいられないのである。

 そんな事情が影響してるのだろう。最近の幹線道脇は、とても小さな街路樹がどんどん増えているように思う。

 以前大きな樹があったはずのところがボコッとなくなったと思ったら、しばらくして背丈3m程度の樹に変わっていく。代わりに植えられている樹としては、ハナミズキモクレン、コブシなどが多い気がしている。

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  都心から東に向かう京葉道路は、大きな道で歩道も広いが、植えてある樹はとても小さい。両国付近はハナミズキが多い。

 調べてみると、思った通り、最近の植裁対象はことごとく成長の遅い樹になっている。しかも「排ガスに強い」という以前の選定基準は当てはまらず、環境変化に弱い、という性質さえ持っている。何を隠そう、育ってくれなくて結構。むしろ、枯れずにいてくれればよい、のであって、それでいて歩く人に好印象を与えるかわいらしい花が欲しい、というなんとも経費最優先、印象最優先の選択なのだ。秋になると、そこそこの紅葉を見せてくれて癒しにもなる。枝を張らなければ剪定も容易だし、落ち葉も少ない。管理側にとっては良いことづくめ、なのである。

 街路樹は、夏場に木陰をつくってくれて冬は葉を落として日差しが通る。大きな花が咲いたり、緑が濃く鮮やかだったり、という外観を求めていたのは昔のことなのだ。
 今では、樹が大きいと道路際の広告が見えないなど、むしろ商売の邪魔になるということもあると聞く。

 人は植物によって生かされている。これは紛れもない事実である。

 人、というより、動物はみな、植物がないと生きていけないのだが、人の社会は、もはや別物になってしまった。自然を取捨選択する、あるいは都合良く変えていくのが生きるための手法であり、都会は、必要最小限の植物を管理しておくのがやっとなのだ。
あとは、経済活動に利する鉄とコンクリートで作り上げるしかないのだ。

 もはや否定することが出来ないこの構図だから、田舎者のMは、週末になると田舎に逃げていく。
 考えてみると、少しだけ逃げては戻ってくる、という人間は一番ずるいのかも知れない。そしてまた、とても恵まれているのかも知れない。

 室内で緑を育てることで息抜きをしている人々からすれば、田舎の不便さもまた、うらやましいことなのかも知れないと思うのである。

都会の街角 に 孤高の大木

Mです

 「なぜ、こんなところに?」と驚くしかないビル脇の小さな空間に、その巨木はある。

 場所は、東京都台東区浅草橋地区の北端近く。蔵前地区との境界になる蔵前橋通りから1ブロック南の十字路。その北西角から数十m北に寄った歩道沿いのビル前に、名札を付けた巨木が立っているのである。

 名札には「メタセコイア」。

 そう、化石とされていた古代植物の現世種である。

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 たぶんこの樹の奥にエントランスがある細長いビルのオーナーが植えたのだろうが、高さは30mほどだろうか。ビルの最上階までは届いていないが、8割方の高さまで達している。直線的に伸びて綺麗な細い円錐形をつくる樹型が、凛としている。

 前を通る大通りは、江戸通り(国道6号線)。それを東西に横切るやや細めの直交路は、たぶん暗渠の上を走っている。南東角にある交番の名前が須賀橋交番、とあるのも、この辻が実は川だったことを物語っていると思われる。

 成長が速いことで知られるメタセコイアだが、この高さになるには20年では足りないはずだ。実生から育てたわけではないだろうから、植えられた時期の判断が出来るわけではないが、樹齢、ということで推測すると4~50年になるのではないかと思う。

 セコイアという植物は、北米西海岸の山地に原生している巨木で知られていて、そのルーツは恐竜時代のはじめ頃に遡る。つまり、3億年近く前に地上に現れた植物が生き残っているということで、動物でいえばラチメリア(シーラカンス)といったところ。

 そのセコイアによく似た形態の化石が、1939年、関西地方の新生代第三紀の地層から発見された。発見者である三木茂氏は、その特徴からセコイアの分派した種と考え、「変わった」を意味するメタを付けてメタセコイアMetasequoia glyptostroboides)と命名し、1941年に学会発表した。同じ化石は、中国大陸を始め、北米大陸北部、シベリア、グリーンランド でも発見されて、北半球に広く分布していた植物であると考えられるようになっていった。ところが、その後、この研究成果を目にしていた中国の研究者が、中国西部に全く同じ形態の樹木が現存していることを発見し、米国で確認されることになった。「化石植物」が生き残っていたのである。

 日光を好み成長の早いメタセコイアは、挿し木でもよく殖える。
 1950年に、米国の研究機関から命名者である三木氏に苗が送られてきた後、それが研究機関や自治体を経由して、今では国内の多くの場所に植えられている。高速道路インターチェンジのループ内に植えられていて、高く育っているのを目にしたこともある。都内の公園でもよく見かけるから、ああ、あの樹なんだ、と気付く人もいるだろう。

 実は、この樹を一躍有名にしたのが韓流ブーム。火付け役になった、あの韓国ドラマ「冬のソナタ」で、ユジンとチュンサンが初デートした公園の並木がこの樹だったのだ。Mは、特徴的な円錐形の樹型が気になって、静止画像を拡大して観察してしまった。そして、メタセコイアに違いないと確信した。そうか、韓国にも植裁されていたんだ、と感心したのを覚えている。

 

 だいぶ話が逸れてしまった。

 浅草橋のメタセコイアは、2年前まで、年末になるとそれはそれは見事なイルミネーションを纏っていた。あの高さにどうやって取り付けたのかと不思議でならず、その取り付け方法を探ろうとしたのだが、残念ながら昨冬は取り付けられることがなかった。

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 今年も、もう少しで葉を落とす時期になった。

 近くから見ても、いまのところ、まだ電線を纏ってはいない。
 オーナーさんがもう要らないと判断したのか、あるいは体調不良でそれどころではなくなってしまったのか。

 2017年に撮った携帯画像が残っているだけで、もっとちゃんとしたカメラで撮ろうと思っていたのだが、去年は叶わなかった。

 今年は復活して欲しいのだが、もうダメかなぁ、と少々落ち込んでいるMである。

道路交通法改正 スマホ罰則強化と現実に思う

Mです。

 12月1日から「クルマを運転中のスマホ等モバイル機器操作」に対する罰則が強化された。場合によっては一発免停、というくらいの厳しさである。

 とはいえ、「誰が、どうやって規則違反かどうか判定するの?」という大きな疑問符が付いた施行だ。2秒以上の注視はダメ、というが、一方で「カーナビと一体化しているAVモニターは運転中も常時映画を映し出すことが出来る」し、元々は「運転中、見られない」はずのTV映像が映し出されているのも現実なのだ。「規制は厳しくすれど、その実効性は極めて貧弱」という印象がぬぐえない。

 そんな中、トヨタさんが、大衆向け車輌の旗頭として生産を続けてきたColloraのナビに、スマホ連係機能を強化したバージョンを採用している、という広告を見つけた。トヨタさんとしては当然、上述の運転中スマホ厳罰化を知っていての動きだから、政府に逆らうことなく着実に世界戦略を成し遂げてきた企業としては、ちょっとした冒険にも見える。逆に見れば、この法律自体が実効性が乏しく「刑罰の判断を下せないケースが殆ど」だと高をくくっているかのようにも思える。そんな不遜なことは考えていない、と応えるだろうが、本心はどうなのだろう。

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 このナビ、なかなかの画面サイズで、各種ナビ機能が充実しているうえに、通信機能もしっかりしていて外部デジタル機器とのリンクも簡単。クルマの中でかなりのことが出来てしまう。そのうえ、手持ちのスマホ機能を転送リンクさせて、ナビ画面上でも操作できます、と説明している。

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 はてさて、スマホはダメだが、ナビの操作なら運転操作の一環だからOKという理由付けが可能だということなのか。もし万が一とがめられるようなときは、「スマホじゃないです。ナビを操作してたんです。」と釈明できる、そんな情景さえ推測してしまう。ナビ操作も原則は運転中禁止だが、やむを得なかった、と泣きを入れられるということなのだろうか。

 そもそも、今回の法改正は、意識改革のためのもので、実際の取り締まり行為とはリンクしていないのかも知れない。だいいち、警察官が四六時中走っているクルマの中をのぞき込んでいるなんて不可能だし、もし気になるドライバーが見えたとしても、2秒以上見てただろう!、なんて咎める根拠も無いし実証も不可能だ。新しい法律の文言自体が、曖昧すぎるのである。違反のはずのTV映像を見ながら運転する行為の方がよっぽどコワイと思うのに、それが見逃されている現実とのギャップが大きすぎる、ということもある。

 そんな現実を見ていて思うのは、より危険なのは、自転車、歩行者の ”ながらスマホ” なんじゃないか、ということ。これは、ながらスマホで加害者になる、というよりも被害者になることを自ら招いてしまう、という観点からの危惧である。

 Mは、時間はそれほど長くないものの必ず毎日運転する。その時一番コワイのが、狭い道で前を走る、あるいは、歩く人。コワイ人の典型的なパターンは、周囲に対して全く警戒意識を持っていないタイプで、目はスマホ、耳は携帯型オーディオからの無線イヤホンに牛耳られている人だ。たぶん後ろから来るクルマに全く気付いていない。まさに、唯我独存(尊ではない!)状態で、周りからの情報を受け入れていない。狭い道で後ろにいるクルマの音も聞こえていないので、いきなり中央に向きを変えて来たりする。その段になって気付いて、まるでこちらに非があるかのように睨んで立ち去っていく。
 自転車もしかり。チラチラと前を見つつも、視覚行動の半分以上はスマホ画面に行っていて、耳は好きな音楽に占有されている。前から来る歩行者に気付くと、慌てて道の中央側にグッと寄ってくる。そんな様子は予め感じているからぶつからないで済んでいるものの、朝夕の自転車が多い時間帯は常にヒヤヒヤものなのだ。

 旧い人間のたわごとと判ってはいるが、やはり、人間は動物としてちゃんと行動して欲しい。ツールにどっぷりはまり込んで、外界を察知する能力を削ぎ取ってしまうのは、生き物としてオカシイ。イヌやネコのようになれ、とは言わないが、機械が与えてくれる情報よりも自分の脳みそで判断しなくてはならない情報が第1だ、と再認識して欲しい。

 それにしても、運転時スマホ厳罰化は、果たして効力を発揮できるのだろうか。

 疑念を持ちながらも、ガラケー使用者のMは、運転中の携帯連絡対応のために、ハンズフリートークのためのイヤホンをバッタ屋で見つけてきた(200円也)。

 本体を運転席前に固定するためのラックは、印刷した名刺を入れてあったプラスチックケースを切り貼りしてこしらえた。

 少し時間のかかる運転の際には、これらを使ってお咎め無く通話が出来る。

 交通警察、来るなら来い! ってことではないけれど。

英国発案マレーシア生産の焦点調節式眼鏡

Mです。

 高校時代から近視で、しかも左右で視力に差が大きい。年齢のせいで眼球がしぼんで来たらしく(前後方向で短縮)、近視の度合いは進まなくなったのだが、一方で老眼傾向が増大してきて近接視力が衰えた。Mの母の世代だと「縫い針に糸が通せない」と嘆いた現象だ。
 さすがにこの表現は聞くことが稀になったが、新聞の文字が読みにくい、書類の文字が小さ過ぎる、と言って館ひろしさんがおもむろに掛けるルーペ眼鏡が、いま流行りだ。なにもその眼鏡の上に座る必要もないのに、何人ものおねえさんがお尻に敷く、というパフォーマンス入りの ”あれ” である。

 巷では、同じような代物が安いものだとワンコイン(\500)から出回っているが、どれも基本的にはごく近くの対象(目の前30センチ程度)を拡大して見ることを目的にした単焦点レンズだ。だから、その眼鏡を掛けたまま遠くを見ることは無理だし、少し遠く(例えば1m以上先)を見ることも難しい。

 そんな分野に、ちょっと面白い製品が顔を出したようだ。
 今朝の情報メールに、焦点を調節できる近距離用拡大眼鏡の紹介が入ってきた。
昼休みに調べてみたら、英国案出でマレーシア製のプラスチック眼鏡で、主レンズの後ろに左右に動く同形状のレンズが少し離れて組み付けられている。これが、フレーム左右に付いているネジを回すことで移動し、焦点距離を変えられるとのこと。英国で考え出されているという点には、ちょっと興味が湧いてくる。
 それが、ネット販売でおよそ4,000~7,000円で売られていて、ごく近い距離用とPC画面程度の距離用の2種が用意されている。

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 ここでさらに興味深いことに、同じ理屈で違う形状のものが、ネット販売ではなく眼鏡屋さんでも商われていることが分かった。そちらは、楕円形の可動式のレンズが主レンズの後ろに付いている。

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 メガネ○ー○ーさんが扱っていた。価格は4,000円程度で、ネットでも扱っている。形状の違う副レンズが目立つので、ちょっと野暮ったい感じもするのだが、こちらは、ごく近い距離から数メーター程度まで対応しているようで、老眼&遠視&近視に対応という説明がある。前者より、こちらの方が適用範囲が広い感じがするが、実際はどうか分からない。あくまでも臨時の調節であって、全ての距離に対して同じ調節のまま対応できるわけではないから、間違えてはいけない。

 いずれにしても、老眼傾向になっている中高年の補助メガネとして、これらはそれなりに重宝だと思う。

 館さんCMのものは、単焦点であるが故に見える範囲が固定されてしまうが、2枚組可動式レンズメガネは、その距離をある程度調節できるので、見たいものの位置や作業の内容によって途中で変化を加えることが出来るから、自由度が増すことは確実だ。

 とは言っても、もちろん、全距離に対する視力矯正は不可能だから、この補助メガネでクルマを運転したりはゼッタイ無理。焦点距離調節可能、という言葉に期待を膨らませすぎることは禁物である。

 細かな細工物を作るときや小さな基板をハンダ付けするときなど、Mはスタンド式の虫眼鏡を使う。拡大率は3倍なので、極細のハンダごてで小さな抵抗をピンセットでつまんで、というような作業も難なくこなせる。そんな作業にこれらのメガネが使えるかどうか、ということになるといささか疑問だが、少なくとも、読書や図面の読み込みのような作業では、有用だと思う。

 今度眼鏡屋さんに行ったとき、置いてあったら是非とも試してみたいものだ。

ハードディスク 寿命はどのくらい?

Mです。

 大容量保管装置について色々と思いを巡らす中で、「ハードディスク(以後HDDと記す)自体がどれくらいの寿命を持っているのか」、そしてまた「製品として売られているHDDの寿命にどれくらいのバラツキがあるのか」が気になっている。
 いろいろなメーカーがあるわけだが、彼らが口にするのは、使用頻度によってまちまちなので比較できないが、と前置いて、3~5年が寿命、と口を揃える。うへぇ、そんなに短いのか!?が、正直な感想で、これはどなたも同じように感じるのではないかと思う。

 大容量保管装置について書いたときに登場した、Western Digital社のRedシリーズは、サーバー用なので長期の連続使用に耐える、と標榜している。だったら、Redシリーズは死なないのか、といいたくなるが、当然そんなことはない。同社のHDDには、GreenシリーズとBlueシリーズもあって、耐久性の順位で比べると、G<B<Rだと言っている。ジャンク屋でばかりHDDを探しているMのような輩は、同じ値段の付いているHDDがゴソッと入れられたコンテナから、製造年とメーカー、そしてWDならば色も指標にしてめぼしいものをピックアップしている。大抵は製造から5年以上経過しているものばかりなので、メーカーサイドからいうと既に限界寿命越え、ということになるのだが、実際のところはそれをさらに10年近く使っていて、HDD自体のトラブルは片手に満たない。つまり、現実はずっとずっと長持ちしている、ということになるのだ。

 そんなHDDの健康度合いを診断してくれるソフトが、無料版でいくつも出回っている。もちろん有料版もあって、いろいろなサイトで売り込みをかけている。
 無料版は、基本的に累積稼働時間と電源OnOffの回数をおさえた上で、稼働中の動作温度と読み書き速度をチェックしながら、異常発生がないかどうかを見ている。
 有料版は、それらの機能はベースで、そこに、ディスク表面の検査、ヘッドの動作のスムーズさなど、機械的な性情変化をモニタリングしているようだ。有料版の高度検査は、HDDの異常で一番厄介な、ディスクの構成単位ともいえるセクターの不良を見つけるのに役立つ。セクター不良があると、ヘッドがその領域を通ったときに情報を読みとれないので動きが止まり、読み込もうとして同じところを繰り返しサーチする。このような動きを、トラブルとしてチェックしてくれるということらしい。

 とはいえ、いくらこのようなソフトを使ってHDDを監視していても、相手はやはり機械なのだから、壊れるときには一気におかしくなる。シーーーチョン シーーーチョンとHDDのヘッドが同じ動作を何度も行うときの音がしてきたら、何を置いても直ちに、そのHDDから大事なデータだけ抜き取る行動に出なくてはならない。早晩、アクセス不能に陥ることは確実である。

 以前、物理的フォーマットをし直す、ということを書いたが、実は、先日トラブルを起こした息子のPCから取り出したHDDは、一台がアクセス不能状態になっていた。Win10さんの修復機能とかで、マシン内のHDDを片っ端から荒らしてしまい、「そこに居るのは判るが、見えん」という状態になってしまったのだ。そのHDDを、昨夜からLow Level Formatにかけていた。容量は500GBで、19時前から始めて、朝見たときには終わっていた。その後、今度はWindowsでのフルフォーマットをじっくり実施中である。
 これまでにも同じ方法で、一度トラブルを起こしたHDDを工場出荷状態に戻してからフォーマットしなおしては、再利用してきた。結果的に、Low Level Formatが可能だったものは全部正常化して使えている。本当にダメになったHDDも何台かあるが、それらはPCに認識さえしてもらえない状態になっているので、本当に寿命が尽きている、という言葉が当てはまる。言い換えれば、PCが認識可能なHDDなら、もう一度復帰する可能性が高いのだから、それらは寿命だったとは言えないのである。

 そう考えると、メーカーのいう寿命とは、それこそ何なのだろうかと思ってしまう。
 下のグラフは、米国のBACKBLAZE社という、HDDデータの復旧屋さんがまとめているもので、HDDの生存率である。

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 メーカーのいう3~5年でおかしくなるHDDが20%ほどある一方、残りの80%はそれ以降も生き続けているのが現実だ、という点が面白い。グラフでは、どんどん「死に続けていく」ように見えるかも知れないが、同社の報告書の本文では、残りの80%はその後も働き続けているものが大半だ、と書いてあるのだ。つまり、販売されたHDDのうち5台に1台は初期5年にトラブルを起こす可能性があるが、それを越えたものは結構長生き、ということだ。

 何のことはない、ジャンク屋で買ってくるHDDはほとんど5年超だが、この生き残った80%グループにいた猛者たちだから、むしろ安心して使えるとも言える。

 こんなMだが、試しにHDD検査ソフトを買ってみようと思っている。
 手持ちのHDDを片っ端からチェックしてみて、ジャンク屋上がりのHDDたちの現在をとくと拝見してみたいのである。

その結果は、後日報告しようと思っている。

電子タバコに手を出さないで!

薬剤師Y子です。

私はタバコと名のつくものを全く吸わず、吸う人と一緒に暮らしたこともないのですが、知り合いの中に「電子タバコや加熱式タバコは無害」と思い込んでいる人が結構いて、その数の多さには本当に驚かされます。

その人たちから「タバコやめたい。ニコチンに依存したくない。で、これなら吸い続けても大丈夫だよね?」と聞かれることが多く、そして質問を受けたからには正確に答えたいので、それらに関する最新情報を求めて、よくネット検索しています。

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皆様ご存じのウィキペディアには「電子たばこ」という項目があり、けっこう頻繁に更新されていて読み応えがあります。そして「長いし難しいから全部は読まない」人が多くなってしまっています。

ja.wikipedia.org

 

2019.12.1 の時点で上記ウィキには

電子たばこ(でんしたばこ、英語electronic cigarette, e-cigarette, e-cig)とは、ニコチンを基本とした液体を蒸発(気化)させ(利用者が)吸引し、紙巻きタバコを吸うことに似た経験をするための、紙巻きタバコに似た形状の器具[1]マイクロプロセッサで電熱線に通す電流を制御する。専門用語では電子ニコチン送達システム (Electronic nicotine delivery systems, ENDS)と言い[2]英語圏俗語では、器具のほうは「ヴェポライザー英語版」や「vapeヴェイプ」とも呼ばれる。

と記載されています。ここまで読んだだけで「お腹いっぱい」だと、私の知人の一人は話していました。 

 

電子タバコと混同されやすい加熱式タバコに関しては、私自身も前に書いたのですが『従来の紙巻きタバコと同じように自分にも他者にも有害であることを認識し、それでも吸うなら「喫煙所」で。そして自分が吸っても吸わなくても、子ども達については「吸わない人」になるように育てましょう』という意見が、今の日本で大勢を占めているように思います。

www.yakuzaishi-y-co.work

 

一方、電子タバコ(上記ウィキペディアの「電子ニコチン送達システム」。英語圏の俗語で器具を「ヴェポライザー」や「ヴェイプ」と呼んでいるもの)に関しては、このところ新しい記事が頻繁に公開されています。

 

こちらは今年8月の記事で米国の話。

www.gizmodo.jp

 

これは 9/20 の記事。是非とも多くの方に読んでいただきたい内容を含んでいます。

gendai.ismedia.jp

 

そして先月の記事。米国ではウォルマートが全店で電子タバコの販売を中止し、アップルストアでも関連する全181のアプリが削除されたとのことです。 

www.gizmodo.jp

 

そんなこんなで、薬剤師Y子が知人から電子タバコについて質問されたら、まず「簡単に言うと、電子タバコのメーカーが『従来のタバコによってニコチンに依存するようになった人たち』をターゲットにして繰り広げる宣伝に騙されないで欲しい。メーカーは、自社製品に依存して買い続けてくれる人たちを育成しようとしているわけだから」と忖度ぬきで答えます。

 

その上で、その知人が納得するまで何度でも、まだ今は電子タバコという「有害事象の全容が人々の目に曝されていない製品」の普及途上であること。この時点で「あなたの1つしかない大事な体」が「データを集めるために差し出されること」に私は賛成できない、と伝えようと思います。

そして、ニコチン依存から脱したい人たちには、もちろん全面的に協力します。

www.j-circ.or.jp

 

平均寿命が長い今の日本で「人生の最後の日まで幸せな気分で生きていく」ためには、ときどき最新の情報をチェックし、それらの情報は誰が何のために発信しているのか吟味して、自分の行動を決めていく必要がありますね。