理系夫婦Y子とMの昭和から令和まで

都内で働く薬剤師Y子と、パソコン・DIY・生物などに詳しい理系の夫M。昭和30年代から今日までの実体験に最新の情報を加え、多くの方々、特に子育て・孫育て世代の皆様のお役に立つことを願いつつ発信する夫婦(めおと)ブログです。

画像合成ソフトの進化 驚異!? 

Mです。

 写真合成ソフトの進化が「ヤバイ」!!

 画像処理、音響処理ソフトなどをいくつも購入しているサイト(ソースネクストさん)から、画像合成ソフトの案内が来た。以前から何回か来ているが、だいぶ簡単になってしかも精度が上がったと記してあった。仕事上、マニュアルづくりなどで機器や車輌の写真を組み合わせ、貼り合わせて使っているが、時には、処理して合成写真にすることもある。
 マニュアルを作る対象の装置について、スイッチオンの状態しか撮っていなかったのでオフ状態のランプを色変換して作ってしまったり、人の手をはめ込んで操作手法を合成したりなど、いろいろやっている。その際、色調が違っていたりすると見た目がへんてこなので色調変換して違和感を無くしたり、はめ込んだ境界面が目立つのでぼかしを使って細工したりとか、結構苦労することもある。だから、合成ソフトなるものの「お知らせ」は、毎回気にしてチェックしていた。ただ、解説を見て、買う程のことはないな、と、これまでは無視していた。
 ところが、である。
 今回の紹介ソフトは(以前も紹介が来ていたものの改良版)、サンプル画像の内容を見て、大きく進歩したことが目に見えた。はめ込みした画像と、土台の画像の色調調整などがかなり巧妙になっていて、これまでのものだと若干違和感が残っていたのに、それが全く判らない。ごく自然に ” つながって ” しまっているのだ。

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 上の写真は動物の写真なので肖像権の問題もないだろうが、他にも紹介されているサンプル画像には、存在していない人を風景にはめ込んだものや、表情や角度が違っている同一人物の写真を切り張りして、正面を向いて微笑んでいる画像に作り替えたり、といったものがいくつも並んでいた。正直言って、普通に見ているだけでは全く違和感がない。100%オリジナル画像だと信じてしまうくらい、うまくできている。
 もちろん、それなりに時間をかけて作ったのだろうが、ここまで来ているなら、買いかな、と今回は思った。

 マニュアルなどの写真を、手持ちのものだけでいくらでも作り替えられそうな気がするからである。作業が忙しい中で写真撮りしながら進めていくとき、そのまま使える写真はそれほどない。だから仕方なく、不要な人を切り取って文字枠をはめ込んだり、いろいろと細工する必要がある。しかし、合成ソフトを使って撮り貯めてある画像から都合の良い画像を作り変えてしまえるのなら、そんな苦労はほとんど要らなくなってしまうのだ。場合によっては、時期も対象も違っている画像からパーツを切り出してきて思い通りの解説写真にしてしまうことさえ出来そうだ。
 技術の進歩、バンザ~~イ!!

 と、ここでちょっと怖くなった。
 ということは、有ること無いこと、いくらでも画像を加工して証拠写真を捏造することが出来る、ということなのか?

 スクープ記事中心の写真週刊誌が、大流行した時代がある。
 芸能人のスクープ映像を仕事ネタにしていたカメラマンが、たくさんいたはずだ。そして、その映像は真実だから価値があると見なされて、撮られた側の人権、プライバシーをほったらかしにして高値で売り買いされていたのだろう。良くも悪くも、真実の価値、だったからだ。
 それが、いくらでも「かんたん捏造」してしまえる環境が出来てしまったら、出回っている画像が真実かどうかは、もう判断しようがない。既にそうなってしまっている可能性がある今、ネット上の情報はもちろん、印刷物の画像でさえ、見ている者にその真偽を判断することはできない、ということになってしまう。

 この状況は、果たして許されるのだろうか、と考えてしまった。

 以前の合成ソフトは、改変後の画像を強拡大していくと、画素サイズが違っていればピッチの違いで境界線が判ったり、境界部分の明度がそこだけ少し違っていて、はめ込み輪郭が判ったりした。ところが、上述のサンプル画像は、拡大していっても貼り合わせたであろう輪郭を特定できなかった。それほど巧妙に調整してしまうのだろう。

 使いたい気分は大きいが、危険な動きに荷担しているかも知れない、という妙な後ろめたさも生まれている。

 世の中には、画像の真贋を見極めるプロ集団が、それを生業にしているという。そういう人たちには、それなりの特殊技術とツールがあるのだろう。ただ、真偽を明らかにして欲しければ、そういうプロに頼めばよいのだ、という考え方はどうかと思う。

 技術を進歩させるのなら、一方で生まれてくるデメリット、つまりこの場合は、フェイク画像を判別する手段も同時並行で用意しなくてはいけない。例えば、コピー機にかけるとCOPYと浮き出てくる特殊印刷のように、フェイクディテクター・アプリを付属して販売するのである。このアプリで画像を取り込むと、合成が行われれているかどうかチェックしてくれるとか、このアプリをインストールしておくと、PC上で画像コピーしたとき、合成画像ならその境界がはっきり見えてくる仕掛けとか、である。

 フェイクをギャグにして面白おかしくしているだけなら、笑って観ていられる。しかし、フェイクであることが判らなくなったとき、人は何を信用すればよいのか。

 笑える笑えないの問題ではない。

 報道されていることでさえ、どこまでが真実なのか判断できなくなったとき、文化的手法は全て、その信用を失ってしまう。

 ネットはほとんどウソだ、と言う人がいる。

 そんなはずはないが、そう言いきれない部分も、確かにある。

 これからは、真偽を見極める手法、ツールが、いろいろな分野で最先端のビジネスアイテムになっていくかも知れない。


 コワイ世界である。

ヨメナ しぶとくて可憐

Mです。

 田舎育ちで、小学校低学年の頃はムシと草花のポケット図鑑を携えて、野山をさまよっていた。そうでないときは、これまたポケット魚図鑑を持って、小川で釣り三昧。あまり、家の中にいた記憶がない。

 そんな少年Mは、春ならフジとツボスミレ、夏ならツユクサとホタルブクロ、秋はヒガンバナヨメナが好きな花だった。冬はというと、遊びによく使ったヤブツバキ、ということになるが、この花は、好きという程ではなかった。冬は野の草花がほとんど無かったからしかたがない。
 こうやって挙げてみると、好きな草花の色が、青から紫系統のものに偏っている。黄色や赤の華やかな色合いよりも、子どものくせにやや渋めの色合いが好きだったようだ。もちろん、それは今も変わっていないのだが。

 これらの野の花で、じゃあ何が一番好きか、と問われたら、ヨメナ、で即答である。

 なぜそうなのか、と聞かれたら、「地味でしぶとく、それでいて綺麗」だから、と応える。

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 この草はキク科で、親戚筋のヨモギのように強い。路肩のわずかな隙間でもしっかり育つし、細いながら茎は硬く、根元から何本もの茎が束になって生えてきて、それぞれの突端に淡い灰紫の一重の菊型花を付ける。中央部の雄しべの黄色いかたまりと、その周辺に放射状に広がる花弁のコントラストが、儚げに見えながら凛としている。

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 葉は細めで、根本に近い方では葉脈毎に少しとがった鋸歯を数個出し、先に行くにつれて鋸歯の無い細い形になることが多い。菊特有の深い切り込みはないが、葉の色つやは菊に似ている。ひとつひとつの花は、可憐なのだが、何しろ繁茂するようにして枝を多く出すので、全体としてみるとかなり賑やかなかたまりになるのも特徴だ。それ故、全体として、したたかな印象を与えるのだと思う。

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 ヨメナが一番好きな草花だという理由のもう一つは、この花の数が、花毎にだいぶ違っているということに気づいたことにある。花の数、というと疑問に思われるので書き加えると、花びらに思える一枚一枚が個別の花なので、花弁の数、ではなくて花の数、ということだ。
 菜の花の仲間のように、必ず十字花になる単純な形のものは別として、花(弁)の数が多い花でも、その数は奇数か偶数かのどちらかに偏るのが多いと経験的に知っているのだが、ヨメナにはその法則が全く当てはまっていない。この花は小さいな、と思って数えると、10個に満たないこともあれば、大きいな、と感じるものでは20個を越えている。ただ、その数値が9だったり10だったり、18だったり21だったり、というように、ランダムなのである。
 花がたくさん集まって出来ているキク科のタンポポについて、子どもの頃1本ずつ花を引っこ抜いて数えたことがあるが、想像以上にその数は差が少なかった。200個付近にだいたい集約されてきて、たしか、偶数が圧倒的に多かったと記憶している。
 それに比べると、せいぜい20個程なのに「てんでんバラバラ」なヨメナは、いい加減というか奔放というか、実に個性的なのだ。変わり者が好きだった少年Mは、そんな相手を見つけたのだった。

 ところで、ヨメナを嫁菜と書くことがあるが、その理由が今ひとつピンと来ない。堅苦しい封建社会が長く続いていた日本で、強い女性がむかしから好まれたはずはないから、しとやか、とか、かわいい、という表面的なイメージで当てたのかも知れない。
 そうではなくて、女性は強いのだ、という本質的なところをしっかりと捉えて、ヨメということばを当てたのだとすれば、これは、なかなかの命名だということになる。地下茎が丈夫で、切られてもすぐまた生えてくる強さを称えたのだとすれば、たいしたものだ。
 秋に咲くことが多いのは確かだが、この花は夏前にもよく見かける。酷暑の時期と極寒の時期を除くと、年に何度も咲いている。そんなところも、奔放でしたたかな本性を見せていると思う。

 脇道に逸れるが、したたかなキク科野草というと、貧乏草とかぺんぺん草と蔑まれている近縁の仲間がいる。白い賑やかな花を咲かせる、ヒメジョオンとハルジオンがそれだ。これら2種はよく似ているが、ヒメジョオンの茎には空洞が無く葉の元が細いのに対して、ハルジオンは茎に空洞があって葉の基部が茎をくるむように付いている。どちらの花も嫌いではないし綺麗だと思っているので、庭に生えてきても咲いている間は抜かないで見ている。どちらも外来種だが、そんなことはどうでも良い。やって来てしまったからには、平衡状態になるまで増えればよいと思っている。しかし、ヨメナは我が家にやってこない。草が多すぎて、日照条件が悪いのかも知れない。今年は、ヨメナの種を取ってきて撒いてみようかと思っているが、うまくいくかどうかは判らない。
 そう言えば、むか~し昔の松任谷由実さん(荒井由実時代かも)の曲に「ハルジョオン ヒメジョオン」というのがあったが、あれは訂正して欲しかった。ハルジオンは春紫苑、ヒメジョオンは姫女菀、意味のある違いなのだから。

 自転車で良く通りかかる秋葉原付近の総武線高架下に、ヨメナのかたまりがいくつか点在している。どれもコンクリート壁の際に溜まった土から生えていて、膝くらいの高さでまだ盛んに花を付けている。寒さが増してくるから、そろそろ種をつける頃だ。良く見ておいて、種を採取しよう。
 多年草だから今の株が来年も芽吹くのだろうが、なにしろ、土が少ない。少しでも土があれば近場に殖えていくかも知れないから、土を持って行って繁殖の手伝いをしてしまおうか・・・ まずいかな?

殺菌灯 大作戦 その効果は?

Mです。

部品を揃えて製作した10W殺菌灯。タイマーで、一日あたり4時間ずつ照射している。

 

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 夜の1時半から5時半まで、閉め切った部屋の中で不気味な青白い光が灯っている。

 この時間帯なら、ものの出し入れもしないので、誤って入ってしまうこともないだろうと選んだ。もし開けて入っても、いくら寝ぼけ眼でもこの妖しい光には気がつくから、たぶん問題ない。ただ、ボーっとしていて見つめてしまうという危険性もあるので、やはり時間帯は選ばなくてはいけない。

 起床後にこの部屋を開けてまず気づくのは、草が枯れたニオイに似た紫外線ヤケのニオイだ。オゾン臭もかなり混ざっていて、息を吸うとのどの奥がちょっとヒリヒリする。閉め切った部屋で殺菌灯を焚くと生じる、独特の殺菌臭だ。むかし、細胞培養していた実験室の臭いだ。
 この臭いが残っているということは、感じとして、6畳部屋に10Wの殺菌灯で十分なのだと思う。事実、これまでカビ臭くて換気していた室が、1週間もするとカビ臭は無くなっている。むしろ、閉めたままにしておくと殺菌臭が残っていて心地よくないほどだ。
 どうやら、殺菌灯大作戦、成功である。

 これ以外の2部屋も状況は同じで、8畳の広さの部屋でも効果は同じように現れている。
 今後は、室内に置かれているいろいろなものに、紫外線の影響(たとえば脱色、布や紙の劣化)やオゾンの影響(たとえば金属表面の錆)がどの程度発生するかを確かめていく必要があると思っている。
 紫外線効果については、気になるものが出てきたら、場合によっては表面消毒したいもので覆うなどして防げば良いだろうから、むしろ、消毒室として利用しているのだ、と考えれば良いだろう。
 問題は金属表面の酸化で、電機製品ではスイッチ類や音響部材の接点にこれが生じると、気づけばスイッチが入らない、とか、音が出なくなった、とかが発生する可能性がある。ただ、オゾン酸化はごく表面でしか発生しないし、深く進行するものでは無いので、気づいたらスイッチをカチカチするとか、プラグを抜き差しして表面をこするだけでまず問題なく回復するだろうから、それほど心配はしていない。幸いなことに、貴金属装飾品が全くない我が家においては、それらの表面が曇るなどして困ることは無いので、安心である。

 期待以上の効果に、正直驚いている。
 これなら、もっと早く試せば良かったと、むしろ悔やんでいるくらいだ。

 ちなみに、殺菌効果、ということでの紫外線に関する考察はたいへん古くからあり、ちょっと調べてみたら、昭和36年の研究報告が見つかった。岩原さん、栗栖さんの報告で、当時は石英管を使った殺菌灯での実験だった。そこでは、紫外線で発生するオゾンによって、紫外線が届かない物体裏面にまで殺菌効果が及ぶと報告している。(下リンク参照)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/shokueishi1960/2/2/2_2_17/_pdf/-char/ja

 また、最近の取り組みとして、カビに苦しめられることが避けられない図書館での試みとして、東京都の中央図書館で行われた取り組みも見つかった。
 ここでは、空調機のダクト内で殺菌灯を焚き、そこで空調機内に取り込まれた室内空気を殺菌して吹き出すようにした結果を報じている。この試みで、空調機から出てくる空気中の浮遊カビが激減したそうだ。これは、一般家庭内で話題になるエアコン内部のカビ問題にも効果が期待できることを示している。閉め切った部屋で殺菌灯を点けたままエアコンを作動させておけば、エアコン内部のカビ退治にも役立つということを示している。
(下リンク参照)
 https://www.library.metro.tokyo.lg.jp/guide/uploads/sakkinnto.pdf

 想像以上の効果にほくそ笑んでいる。
 低額で達成できる室内滅菌作戦。
 興味ある方は是非試してみて欲しい。

 

殺菌灯 大作戦!

Mです。

 先日Y子が記したマスク黒カビ事件のあと、以前から対策しなくてはと二人で話し合っていた納戸や畳敷きの部屋のカビ対策に、殺菌灯照射を試すことになった。
 部屋全体の殺菌消毒のために、調理場などで人のいなくなった夜間に点けておく紫外線ランプがそれである。物表面の菌と、空気中の浮遊細菌浮遊細菌の両方に効くはずだ。

 日焼けのために紫外線を浴びる人がいるが、その時使う紫外線は、日焼けはしても身体に深刻な障害はもたらさない紫外線B(波長280~315nm)と呼ばれるもの。殺菌に使うのは、紫外線C領域 (200~280nm)の光だ。最も殺菌力の強い紫外線は波長254nm付近と判っていて、市販の殺菌用紫外線ランプはほぼこのあたりの波長が出るように作られている。この領域の光は、後述するように、生き物の根源である遺伝子を破壊する。
 ランプ自体は見慣れた直管蛍光灯ランプと同じ形をしているが、蛍光材を塗っていない透明な管であることが見た目の特徴だ。管の材質も紫外線を通しやすい特殊なガラスで出来ている。高級な紫外線ランプは、紫外線を吸収しない石英ガラスを使っていたが、技術開発の結果、今ではほとんどの紫外線ランプが紫外線透過特殊ガラス製になっている。石英管は理化学機器などの精密用途に特化して計測用機器の光源として使われている。

 実は以前から、開け閉めの少ない納戸などで、カビの季節になると部屋全体がカビ臭くなってしまうため、以前商っていた自社開発の小型オゾン発生器を使ってきた。薄いアルミ弁当箱程度の大きさで、8畳程度の広さをオゾンで殺菌消臭出来る。オゾンとは言っても、濃度は人間がずっとそこにいられる程度の濃度になるように作った物で、危険はない。効果ははっきりしているのだが、残念ながら、小型高圧部品の入手が困難になって製造を止めてしまった。

 そこで、そのオゾン効果も見込める安価で手頃な方策として思いついたのが、殺菌灯、というわけだ。

 260nm付近の紫外線は、生き物の根元である核酸(DNA、RNA)を傷つけて再起不能にする、つまり殺す効果が高い。B領域、C領域の紫外線は、タンパク質にも変性効果をもたらすので、例えば裸眼で紫外線を見ていると透明なレンズ体が白く濁ってしまう。濁ったら元には戻らないから、医療措置を施さなくてはならない。白内障という疾患があるが、まさにこれが眼のレンズ・タンパク質の変性によって起こっているもので、紫外線が原因のひとつであることは良く知られた事実である。C領域の光は、地上にはほとんど届かないので実際上危険視されてはいないが、この光を発生させるランプは、生き物にとってとても危険な光なのだ。
 このC領域の光はまた、オゾンを発生させる方法のひとつにもなる。紫外線C領域の光はエネルギーが高く、空中の酸素にぶつかると酸素分子にエネルギーを与えて酸素分子同士をくっつけ、酸素原子3個からなるオゾンをつくる。オゾンはとても不安定な ”激情型” 分子で、酸化作用が非常に強い。ごく短時間に、いろいろな物質に電子エネルギーを与えて安定な普通の酸素に戻ってしまうのだが、この性質が殺菌力や漂白力として使われている。身近な例としては、東京江戸川沿いの金町浄水場で、飲料水の殺菌消毒および消臭に大いに役立っている。人が入ったら短時間で死んでしまう程の高濃度オゾンで、浄化槽を通した川の水を、最終的に飲める水に変えている。笑い話のようになっているが、市販の ”おいしい水” 各種と金町浄水場の水を「利き水」してもらったら、得票数最多が金町浄水場の水だったという事実がある。オゾンはそれほどに、強力な殺菌消臭力を持っているのだ。

 既に試しているオゾンも発生するし、紫外線自体が当たれば表面のカビも死ぬだろうし、という期待を持って、殺菌灯照射を試そうということになったのである。

 とはいえ、出来合いの殺菌灯装置を買おうとすれば、最低でも3万円とかする。しかも、タイマー装置や安全装置等でゴツくなり、とても一般家屋内では使えない。厨房設備や研究施設などの用途だから、当然だ。でも、われわれはそんな装置を使う必要はないわけで、ごくふつうの蛍光灯装置に紫外線ランプをくっつけてONすればよいだけ。当然のこと、ハンドメイドすることになった。

 ネットで探すと、紫外線ランプはすぐに見つかったのだが、照明装置を探すのにてこずった。
 各種電機メーカーの製品を検索して、10Wクラスで直管蛍光灯用の照明装置を探したが、出てくる製品はみんな小洒落たインテリア照明ばかり。探しているのは、天井からぶら下げられる「ただの蛍光灯」スタイルだ。そしてようやく探し当てたのは、業者用の壁付け蛍光器具だった。NECさんだけが、そんな地味な機材を今でも作っていると分かった。さすがに老舗、地味な物も作り続けてくれている。
 これでメインの道具は揃う。あとは、どうやって天井から吊り下げ、必要なときにだけ点灯させるか、である。
 電源取りのために、壁コンセントから配線を這わせて天井まで持っていくのはあまりに芸がない。出来れば現在使っている天井コンセント(照明用シーリングコンセント)から電源分岐したい。そうすれば、既存の電灯の近くにぶら下げてそのコンセントにつなげばよいだけだ。シーリングコンセントの分岐パーツはないか、と探すと、インテリア照明用の分岐部材はいくつも見つかるが、天井部分で直接横に取り出せるパーツではない。無駄な配線が垂れてしまったりで厄介だ。そこで分岐パーツという品目で探すのではなく、天井コンセントというカテゴリーで探していたら、なんと、シーリングコンセントの中間アダプターとしてコンセント付きのパーツが見つかった。誰が作っているのかと思ったら、Panasonicさんだ。松下電器として世に出したのが、有名な二股ソケット。壁にコンセントを設置するよりも前の時代に、天井の裸電球のソケットを分岐して別の電気器具に電源を分けるというものだった。この中間アダプターは、まさに「現代の二股ソケット」なのだった。NECといい、Panasonicといい、やはり大物には大物の気概が残っているのだと感心した次第。

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*写真上段が蛍光灯装置、中段がシーリングアダプター、下段が殺菌ランプ

 ここまで揃えば、あとは24時間タイマーをこの中間アダプターに差して、タイマーに殺菌灯を接続すればよいだけだ。

 ということで、揃えた役者は以下の通り。タイマーは手持ちだったので、今回は購入していない。(オーム社のもので、1000円くらいで買える)。

 必須ではないが、NECの蛍光灯装置にはスイッチがないので、紐で引く電灯スイッチを秋葉原で入手してきた。

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 *シーリングアダプターと引っ張りスイッチ

1基あたりの値段は、
 蛍光灯装置(NEC)      ;1,452円
 殺菌灯(NEC,10W)        ;1,241円
 シーリングアダプタ(Panasonic); 323円
  引っ張りスイッチ(Panasonic) ; 330円
              合計  3,346円

  装置買いするときの1/10で揃ってしまった!

 さて、いよいよ組み付けである。
 とは言っても、結果として、組付けはさほど難しくなかった。ほとんど子供のプラモデル程度。ただ、引っ張りスイッチを取り付ける場所がないので、蛍光灯台のランプ反射板の中央端に穴を空け、ランプ中央に紐を垂らせるようにしたのが、いちばんの手間だった。

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 *スイッチ穴はφ10mmだったので、手持ちの6mmドリル刃で開けた穴を
ハンドリーマーで広げた

また、内部結線だけはきちんとしたかったので、配線は全てハンダを使ってつないだ。

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製作時間は、3台作って1時間ちょっと。まあまあ、かな?

3台とも、どれも人のいない時間帯に合わせて、1日あたり2時間ずつ2回点灯して効果を見ている。下の写真がそのうちの2台である。

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 *左は、照明がシーリングライトだったので、アダプターから電線を引いてタイマーを設置した。右は、つり下げ蛍光灯だったので、タイマーをアダプターに直接差し込んでいる。本当はこの方がスッキリしていて良いと思う。

 今のところ、1日4時間でも効果が現れていて、嫌なにおいがだいぶ消えた。紫外線は表面にしか効かないので、日々当たる面をひっくりかえしたり横向けにしたりと、工夫しながら楽しんでいる。

要注意! 部屋干しマスクにカビ発生

薬剤師Y子です。

毎日のマスク生活には完全に慣れたけれど、その慣れが慢心を生み、私は先日、やらかしてしまいました!

「マンションの大規模修繕工事のため換気が不十分だった室内に干しっぱなしのマスクに、気づいたら直径 1mmほどのカビ様の黒い斑点が3個、発生していた」

という薬剤師にあるまじき失態を、です。

 

忙しい朝、出かける時に直ぐ使えるマスクがない、という事態は絶対に避けたいので、マスクは常に多めに用意してあります。しかも休日の買い物の際「これも良いかも~」と手にとったマスクを「試してみないと分からないから買う」ことも多いです。

『洗って繰り返し使えるタイプ』のマスクを使った日には、帰宅後すぐに外したマスクを『洗い待ち』の場所に入れ、何枚か溜まった時点で洗って干します。

 

ここまでは良いのですが、上記のように私は今、マスク不足を全く感じていないので、

干したマスクを少しでも早く乾燥させ、最良の状態で『あるべき場所』に移動させる

という「室内に必ず存在しているカビさん達を私の部屋干しマスクの表面で繁殖させないための重要事項」を、ついつい軽視してしまったのです。

 

私は仕事中、白衣を着用し、マスクも常に白色のものを使っています。

もし、このときの私のマスクが黒色や柄物だったら「直径 1mmほどの黒い斑点、3個」に気づいたかどうか。ちょっとコワイ話ですね~。

色々と反省点の多い出来事を経て、やっぱり私は今後も、白マスクを選ぶだろうと思います。

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この「やらかし」の際には、朝、出勤の準備を終えて「マスクを洗って室内に干す時間、あるかも。うん、急げば間に合う!」と急にスイッチが入り「手抜き洗い」を決行。しかも、いつもは扇風機を最強にしてタイマーをセットし、4時間ほど直接マスクに風が当たるようにしてから外出するのに「その一手間」にかかる時間を惜しんだのが大失敗。

その日の帰宅後は、マンション大規模修繕工事による塗料のニオイを嗅いでしまったのもあって「あ~、なんか今日は疲れちゃったなあ~」と、いつもより換気の悪い室内に干されたマスクを放置(見て見ぬフリ)。

そして翌々日ぐらいに「もう絶対に乾いてるよね」と白マスクを手に取った時にカビ様の黒い斑点を発見、という流れだったので、一瞬にして「私、やらかしちゃった!」と気づき、もちろん、カビの生えたマスクは直ちに捨てました。 

 

ちなみに、アベノマスクなどの布マスクの洗い方に関しては、こんな公的なサイトがあります。

www.meti.go.jp

 

www.youtube.com

 

また、千葉大学の How to COVID-19感染対策 マスクと手洗い編 

というサイトも「今さら人に聞きにくいこと」をクイズ形式で教えてくれています。

こちらから、どうぞ ↓

国立法人千葉大学 総合安全衛生管理機構

 

黄色彼岸花 発見! でも、なんだか・・・

Mです。

 去年の九月はじめごろ、秋葉原駅近く昭和通り東側のYKKさん本社前歩道でピンクの彼岸花に出会い、驚いた。

www.yakuzaishi-y-co.work

 彼岸花の咲き出しが遅れていた今年も、その場所ではいくらか遅れて9月末ごろにピンク彼岸花が少し咲いていた。その花は10月上旬には散り落ちて、今は棒のような緑の茎の先端に少し膨らんだ実をつけている。

 去年調べてみて、リコリスという2倍体近縁種を使った変わり種作りが盛んに行われているのだと知った。もしピンク彼岸花がそうして生まれたものなら、稔性があって、ちゃんとした種が出来ているかもしれない。現状ではまだ判らないが、一応は種を養っている風情が見える。実が割れて種が出るのかどうか確かめてみたいし、あわよくば、乾き切って割れる前に、ひとつふたつ頂戴して中を見てみたいなんぞと思っている。

 その場所から少し北に離れた場所に、間隔を置いて3つ別の彼岸花様花群を発見。先週半ばのことである。しかも、なんと今度は黄色の彼岸花である。

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 ピンクが散り落ちて半月経っているから、彼岸花としてはかなり遅い咲き出しだ。我が家の赤い彼岸花もとっくに散り落ちている。少なくとも、関東の野面で彼岸花が咲いているところはもう無いはずだ。

 ピンク彼岸花も間違いなく人手で作られた園芸種で、それを植え付けた人が、この黄色も近くに植えていたのだろうと思うのだが、月に2度くらいはこの場所を自転車で通りかかるのに、去年は見かけていない。咲く時期が半月もずれているので、たまたま出会わなかっただけなのかも知れないが、不思議である。
 3~5本程度の塊が3箇所あるのだが、ピンクの株とは一応離れている。植えた人は、さすがにピンクと黄色は一緒にしたくなかったのだろうと想像する。あるいは、咲く時期が大きくずれるので、遠く離すほどのことはないと思ったのか、別の場所というほど離れているわけでもなく、曖昧な距離感だった。

 珍しさに、ついカバンからデジカメを取り出してパチパチしていたら、何人もの人に立ち止まられてしまった。何やってんの、このおっさん?!、と思われていたに違いない。 いいじゃないか、珍しいもの大好きなんだから!

 個人の好みだから言わせてもらうが、珍しいから興味が湧いたのは確かだけれど、彼岸花が黄色いのは、ちょっと趣味に合わない。

 作っているうちに出来てしまったのだろうか。確かに珍しくはあるけれど、やっぱり彼岸花は燃えるような赤が好きだ。あるいは白。ピンク系統は、その中間的存在で、彼岸花の印象は薄いが、珍しくて綺麗だから違和感はない。黄色彼岸花の個人的違和感は、黄色が夏に向かう季節に合う色だという印象が強いからかもしれない。

 とか何とか言いながら、この黄色に種が出来るなら頂戴したいと思っている自分が、ここにいる。
 はてさて、種はできるのでしょうか?

老ヒイラギ観察 Part 2 #01

Mです。

  期待通り、太枝が切られた老ヒイラギの切断部付近から、若芽が出てきた

 切断部直近から上に向かって、柔らかくて赤っぽい小枝が伸び、先端部付近に4枚のギザギザを持つ葉が開いていた。柔らかな小枝のちょうど中間付近には、まるで種から発芽したとき最初に現れる双葉のような小さな葉が付いている。その部分が段になっていて、そこからやや細くなって更に若い枝が伸びてきた、という風情だ。
 小枝先端の4枚は、ギザギザが左右対称に3対あって、まさにヒイラギ。

 ↓ 以後、これをNo.1とする

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 大枝払いをした際に、根本付近の草も除去されたらしく、それまでは神社の石柵の内側が大振りな葉が遮っていて見えなかったところが見えるようになっていて、なんと根本付近の幹からもだいぶ前に出ていたのだろう脇芽2本に、成熟したギザギザ葉が付いているのも発見した。

 ↓ 以後、写真右側の若い2段目を伸ばしている小枝をNo.2とする

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 もともと2本の幹があったようで、その一本が切られた後、二又に分かれたあたりから萌芽している。切り口はだいぶ古いので(上写真左上部分)、切られてすぐに出てきた脇芽とは思えない。ギザギザ葉をつけた小枝は2本あり、どちらも既に堅くなっている。写真右側の長い方は、しっかりした2対4枚の葉の上に、2段目の柔らかな新しい枝が伸びてきている。この脇芽をNo.2として、No.1と比較しながら観察することにする。No.2では、No.1と同じように、柔らかく若くてピンク色の新しい枝が伸び始めていて、既に3対のギザギザ若葉が育ちつつある。

 不思議なことに、ここでもまた、No.1と同様に、スッと伸びた新しい枝の始まり部分に双葉のようなギザギザのない小さい葉が付いている。まるで、幼若化した枝の新生には、実生の最初に現れる双葉がつき物だと言わんばかりである。

 前回の観察は、既に小枝が堅くなっている時期から始まっていて、新しい枝の伸長は観察していない。だから、今回のような双葉様の葉は見たことがなかった。もしかすると、若返りした枝が発生したときだけこのような双葉様の葉が出てきて、まもなく落ちてしまうのかもしれないと想像している。

 いずれにしても、期待通りに発見したこの2本の小枝を、通りかかる際になるべく細かく観察して、その変化をたどってみたいと思っている。

 特に興味があるのは、根本付近の小枝の方だ。

 幹が切られたときに発生した脇芽なのだろうとは思うのだが、そのうち一本で新しい芽が生長しだしたのは、一月前に大枝が切られてから後だと見るのが妥当。なぜなら、No.1No.2の赤色をした新芽部分の状況がよく似ていて、時間経過がほぼ同じと推測されるからだ。

 だとすると、No.2が2段目を伸ばしはじめたきっかけは、No.1が出てきた原因となった大枝払いなのではないか、と思う。もしそうなら、だいぶ離れた位置とは言え、この老ヒイラギ全体が、大枝払いというドラスティックな出来事に反応して一時的な 「若返り情報」 をからだ中に行き渡らせた、と想像することもできる。太い幹や枝の樹皮の下にある成長点の細胞たちがこの情報を受けて活性化し、たまたま新しく枝を伸ばせる場所で、若返った枝葉を再生し出している、というように思えるのだ。

 ほかの部分からもギザギザのある葉を持つ新芽、脇芽が出てきていないか、見回してみたが、どうやらこの2箇所だけで起こっている現象のようだ。

 さらに新しい芽が出てくるのかどうかも併せて、細かく観察してみようと思っている。