理系夫婦Y子とMの昭和から令和まで

都内で働く薬剤師Y子と、パソコン・DIY・生物などに詳しい理系の夫M。昭和30年代から今日までの実体験に最新の情報を加え、多くの方々、特に子育て・孫育て世代の皆様のお役に立つことを願いつつ発信する夫婦(めおと)ブログです。

ChatGPTは 天使? 悪魔?

Mです。

 おさわがせ超資産家マスク氏が「開発を半年止めろ!」と発言するなど、驚異的な浸透をみせているオリジナル・テキスト作製AIツールChatGPTが、AIと人間の今後に波紋を広げている。

   

   ところで、開発を半年止めることにどんな意味があるのか?
 その間に人間社会を侵食しない仕組みを作れるはずもなく、一度野に放たれてしまったネズミを完全駆除することなど出来ないと思う。いつか起こるはずだったAIと人間の共存危機が、無料のアプリで幕を開けた現実は、むしろデジタルネイティブの年齢層にこそ闇をもたらす可能性が高いと想像している。
 そもそも、止めろと言っているマスク氏自身がChatGPT開発を行っているOpenAI社の設立に出資したわけで、今更になってちょっと待った、と言うのは、開発の先に何が起こってくるかを想像していなかったことになり、恥ずべきことだと感じる。そんな彼に、「待った」発言をさせるほどに、あまりに簡単にいろいろな応用が利いてしまう無料アプリChatGPTの広がりはすさまじい、ということなのかもしれない。

 このアプリについては、下記の解説がなかなかうまくまとめてくれているので、一見の価値がある。

    https://www.gizmodo.jp/2023/01/chat-gpt-openai-ai-finance-ai-everything-we-know.html

 高度の文章作成を行う分野の人ほど、このアプリの被害を受ける可能性が高い、という分析も、なかなかゾッとするものがある。たとえば、取説文書、行政文書などは当然のこと、文学作品でさえ条件設定すればそれなりのオリジナル作品ができあがってしまうだろうから、それを土台にズブの素人がいっぱしの小説をネット配信、なんてことも簡単にできてしまうはずだ。それをネタに、グループを作って応援配信を種々の形で行い、評判をあおってフォロワーを増やして有料アイテムの供給者に育てて行ってしまう。そんなことも想像できる。

 そんな流れが進んでいったとき、ネット情報は果たしてどうなっているだろうか、と想像してみる。
 現状でさえ、モノの価値を一般ユーザーの評価ということで積み上げて行く手法が多い。実際はたいしたものでもないのに、超売れ筋であるかのように作り上げてしまうのは容易だ。TVショッピング、新聞広告も含め、どこを見ても、小さく個人的意見ですと言い訳しながら、とても良い商品でもう手放せません・・・的な褒め言葉をまき散らしては期間限定でお届け、などと消費者の購買欲をかき立てる手法はごく当たり前。そこにChatGPTの手助けが加わるとなると・・・ たぶん、ネット上の情報は、ほとんどAI頼みの”だまし”になってしまう気がする。

 これは困った! となるのかな?
 
 よく考えてみれば、そうなったところで、今とそれほど差は無いという気もしてくる。 結局は、見る側、読む側が、どこまで本筋を見極められるかにかかっているわけで、表面的な部分で引きつけられてしまう人は、ChatGPT時代になろうがそれほど変化はないようにも思うのだ。
 要は、目に見える情報をどこまで信じるのか、どうやれば信じられるのかを判断するための個人スキルを磨くしかない、ということだと思う。とはいえ、みんながそれを出来るわけではない。

 ならばどうする?

 ChatGPTが先行するAI社会には、情報の信憑性を精査するためのツールが必要になるのだと思う。それがアプリなのかそれとも人が行う組織なのかは判らない。というより、どちらも必要だと感じる。スマホ常駐のウソ発見アプリ、それを開発提供するとともに実際に深い探索を請け負う調査組織、そんなAI情報ガーディアンズがビジネスとしても成り立つのではないかと感じる。

 それにしても、これから先のビジネスはものすごく大変になると思う。相手の本質を見極めるための情報自体が、相手の思惑で作られた高度なAI作品だという可能性もある。それも前提にして見ていかないと、大木だと思っていたのがじつは空洞のハリボテだった、なんてこともあるだろう。
 コロナ禍で敬遠されるのが習わしになってしまった”対面”折衝が、あらためて見直されていくように思う。

 とにもかくにも、世の中にあふれる情報は、ほとんどウソだと思うくらいに割り切ることが大切だろう。それを、子供たちにどうやって教えていくか、それが一番の課題だと思っている。

ユーミン50周年だって! すごいねぇ・・・

Mです。

ユーミンといえば、やはりなんといっても「ひこうき雲」。

 ごく初期のLPを除き、レコードで世に出たユーミンものは、長年ジャンク屋をさまよってほぼ集まっている。水洗いできれいにして、DENONで再生してDATに落とし、そこからPCに取り込んでノイズ処理・・・ そんな作業をシコシコと続けているが、いつ完了するかは全く見えていない。

 50周年記念のアルバムが出たので聴いてみたが、どの楽曲も当時のマスターからのデジタル化だとわかった。集めたLPの音と特徴がドンピシャなのだ。となると、やはりLPからアナログで再生した音の方が格段に上を行っている。せっかく記念アルバムを出していただいたのに申し訳ないが、やはりLPで聴くことにしよう。

 それにしても、ひこうき雲、のLPにはまだ会えていない。さすらいのLP探索旅は、まだ続きそうだ。

 ひこうき雲との出会いは高校生時代。

 鼻濁音が有ったり無かったりする独特の歌い方と、歌詞の中にはっきりと「死」という語を入れながらも全然暗く沈むこともない歌詞の構成、そのどちらもがそれまでになかった新しい歌の世界だと感じた。

 高校生になって間もなくの頃、お世辞にも ”じょうず” とはいえないあの歌声がラジオから流れてきて、なんだかグッときて耳を引きつけられたのが始まりだった。

 そのラジオでの出会いから、隠れファンとしての期間も、もうすぐ半世紀になろうとしている。

 ”荒井” 由実が、いつのまにか”松任谷”由実になっていたのも、知ったのはだいぶ経ってから。大学時代もずっと聴いていたのに、そんなことには興味が無かった。いつも彼女の作品を編曲してくれていたあのクルマ好きカーグラ(Car Graphic)青年の松任谷正隆さんと、いつの間にか結婚していたのだった。こっちにとって、そんなことは別にどうでも良いことだったが、彼女の曲一つひとつをまさにドンピシャの雰囲気に纏わせていく編曲のうまさを思えば、二人は切り離せない関係になっていたのだと腑に落ちた。

 だいぶ前の記憶だが、細野晴臣さんたちのラジオトークで耳にしたところによると、ひこうき雲は、デモテープで彼らの元に届いたそうだ。誰かが持ち込んできて、集まった何人かがそれを聴いてすぐ、これ面白いぞ、となったのだという。彼らが曲を仕上げて世に出し、荒井由実という新人が、数年の内に独特の世界をつくりあげ、「ユーミン」というブランドに成長した。そういう意味でも、ひこうき雲という作品こそが、ユーミンの始まりだったのだ。

 細野さん、松任谷さん、たちのような個性の強い達人たちが寄ってたかって彼女の歌詞とメロディーを咀嚼し、その世界観を個性的な楽曲に仕上げていった。その作業は、さぞかし楽しかっただろう。一つひとつ楽しんでアレンジしていったことが彼女の曲の幅広さの元になっていることは、間違いない。

 天才が産み出してくる原曲を、これまた天才の集まりが、ああでもないこうでもないといじくりまわす作業。それが、50年も続いてきたということだ。すごい、の一言だ。

 経済状況の変動で世の中が浮き沈みする中で音楽の流行もいろいろと変化しているが、ユーミンのブランドが独自の地位を築き、維持し続けられているのは、天才の原曲をアレンジの天才たちが音作りの技で商品化するという、一連の「エキスパート事業」になっているからに違いない。

  ユーミン・ブランドがまだまだ続いていくことを期待している。
 
 考えてみれば、ユーミンの楽曲については、いろいろ思うこともある。半世紀記念というせっかくの機会だから、これから少しずつ取り上げてみたいと思う。

 次回は、今はほとんど使われなくなってしまった「紙のメール」をとりあげようか、と思っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Windows 11 に拒否を食らってしまった!!

Mです。

 そろそろ、Win11対応をしないといけないかな、と思い始めている。

   

 これを書いているPCのWin10バージョンは21H2なのだが、自動更新のサポートは2023年6月13日となっていた。現在の最新バージョンは22H2で、こちらのサポートは2024年5月12日だそうだ。そして、Win10のサポート終了は2025年10月14日。いずれにしても、ネット環境での脆弱性対応を含む更新サポート終了まであと3年半ちょっと、ということだ。

 Win10を世に出すとき、Micorosoftさんは、このシステムが最終のスタイルで以後は、フルモデルチェンジすることなく継続的にマイナーモデルチェンジで対応していく、というようなシナリオを説いていた。
 ところが、スマートフォンを中心とするネット社会の進化がPC単独の世界でいることを許さない、というより、モバイル空間にPCからすり寄っていかないと自らの存在価値がなくなってしまう、という危機的状況に陥ってしまった。PC危うし、の感を生み出したのだろう。そこでMicorosoftさんは、PC世界のOSを、スマートフォン中心のネット空間とスムーズに連携できる仕様に変えるしかない、と舵を切った。そしてそれが、Windows11なのだろう。
 スマートフォンの世界は、おびただしい数のアプリが次々と生まれる世界で、OS自体はほとんどその存在を感じさせないほど緩~~い基盤として隠れてしまっている。たとえるなら、広い広~~い原っぱ(iOS, Andoroid)に、いくつもの大型のストアが点在してその傘下のショップがおびただしい数のテントを張って売り声を上げている一方で、壁じゅうをゲームキャラで埋め尽くしたゲーセンがそこいらじゅうにひしめき合っている、という景色がスマートフォンの提供するネット空間だと思う。それらのショップやゲーセンの間を、これまたものすごい数のアバターがうごめき流れているのだ。
 一方、舗装された都市空間に大きなビルが規則正しく並んでいるのがPCの世界だとたとえることが出来ると思う。その年の地面は、OSという強力な通信管理網が埋め込まれていて、その仕様に縛られて作り込まれたアプリケーションのピルディングがその上に立ち並んでいる。整然としていて、ユーザーがその仕組みを理解した上で、数々のアプリを使わせてもらっている世界なのである。こちらは、しっかりとルールに従わないとアプリを動かすことも出来なくなるという制約がある世界である。だから、理屈も何も関係なくドンドン新しいアプリが放り込まれて来ては、みんながそれを楽しく使い回すというスマートフォンの世界とは、見た目から既に大きな差があるのだ。

 激しく変動することを許容しているスマートフォンの世界が主流になれば、当然、堅苦しいPCの世界は不要となってしまう。
 かといって、ビジネス、開発事業、研究事業といった専門分野でのPCは捨てられない。そもそも、自由度の高いスマートフォンの世界をつくっているのはPCの世界での仕事なのだから、それがなくなることはあり得ない。そうとはいえ、PCの世界に一般大衆はもう要らない、とは言い切れない。高機能ゲームやマネートレーディングといったPCが欠かせないネットツールとしてのPCもまた、一般大衆が使うPCの世界なのだ。
 だから、PC世界を存在を守るためにも一般大衆が使いやすいOSに変貌させる必要に迫られた。スマホアプリとの連携が容易に出来るようなOSとしてWin11が開発されなくてはならなかった流れは、そういう理由だと思う。ゲーム、ストアといったスマートフォンの世界で多く使われているアイテムを簡単に取り込み連携できるようにするためのOS改変、ということである。

 昨年リリースされたWin11では、マウスの右クリック操作に変化が加えられているなど、いくつかの操作性にWin10からの不連続な変化があるそうだが、OSの基本はWin10そのものなので、実際の使用感は全体としてみると「何が変わったの?」くらいだという。ただ、ゲームマシンのOSとして見ると操作性は格段に上がっているのだそうで、その方面の方々には評価が高いようだ。PCにインストールできるスマホアプリもも増えてきているので、スマホ主体のユーザーがスマホの代わりに大画面のPCで、という、以前とは逆の使い方にも対応しているのだそうだ。

 そう考えると、3年足らずのうちにサポートが終了してしまうという現実があるので、やはりそろそろWin11対応のマシンも用意しておこうか、という気になっきた。
 かといって、当然、Mには既製品を買う気は全く無い。自作する。そう思って、使用頻度の低い手持ちマシンをWin11に変身させようとトライして唖然! 
このシステムはWin11対応ではない、と拒否されてしまった。そのとき提示された拒否内容が下の表である。

                                                                                                                                         何じゃこりゃぁ~!! 
 調べてみると、なんと、マザーボードの設定が、従来の手法であるBIOSではダメなのだった。上表の赤い拒否リスト最初にあるBoot Methodがそれ。下方にある他の3点はマザーボードで簡単に変更できるから問題ないが、Boot Methodだけは、OSのインストール手法そのものを左右するので、すでにLegacyシステム(=BIOS)でWin10をインストールしてあるHDDをWin11指定のUEFIという手法に変更は不可能だ。システムディスクとして使っているHDDを取り出して別のPCに繋ぎ、フォーマット方法をBIOS時のMBR方式からUEFIに適合するGPT方式に変えることは、やるだけなら出来るかも知れない。が、それでシステムが動く保証は、たぶん無い。
 Win11が必須要件とするBoot Methodで行う仕組みUEFIは15年近く前から使われ始めた手法で、マザーボード上で最初に選べるようになっていた。セキュリティが強化されていてPCの付属装置との通信速度も速く、ゲーム操作が格段に速くなるとしてその方面で重宝され始めた。その流れがこの5年ほどの間に一気に加速し、その頃から後に世に出るPCのマザーボード設定は、ほぼUEFI方式に変わっている。最近のマザーボードに至っては、BIOSを選択することが出来ない物も多くなっている。

 ところが、より古い時代からPCを使ってきたMにとっては、たった3年前にあつらえた自作PCでもBIOSで組むしかなかったのである。なぜなら、組み込むHDDのフォーマットがUEFIと連携できないMBR方式で、そこにいくつもの捨てがたい旧式アプリケーションが入っていて、それを使う必要があったから。それらのアプリは、下手に移植だけしても動かないのだ。

 こうなると、将来的に、よりスムーズな操作性を実現してくれるというWin11マシンは、マザーボードの設定をUEFIにして ”まっさら” から組み上げるしかない。これまでのしがらみは捨て去って、一からのスタートになる。そして一方、サポート終了になっても、現有のWin10マシンを今まで通り使い続けしかないのだ、と思い至った。

 その訳は以下のごとく。

 Mが使っている現有Win10マシンには、実はどれにもサブのOSとしてVistaが入っている。
 VistaからWin7に代わった際、OSよりさらに下位のMS-Dosのバージョンが変わった。そのため、それまで使い続けていたアプリケーションのいくつかがWin7にインストールできなくなった。そこで、それらの古いアプリを読み込めるように、Win10と並列にVistaをインストールして、その制御下に古いアプリをインストールし、マシンとして認識できるようにしてある。一種の偽装工作のようなもので、Win10を立ち上げてから同居させたVistaにインストールした古いアプリをWin10上に呼び出し、動作させることができると分かったのである。しかし、この手法は、Win11になるとマザーボード設定の壁があって不可能。VistaとWin11は連携不能なのだ。
 したがって、これら古いアプリなどをまだまだ使い続けたいMにとっては、現有Win10マシンを捨てられないのである。

 使っている測定機器やそのデータ解析ソフトには、かなり古いものもあり、現役で最古のものは、Windows95世代である。しかもそれが簡素でなかなか使いやすく、手放す気にはなれない。

 アナログ人間のこだわりなのかも知れないが、使い慣れたモノ、フィーリングの合ったアプリがなかなか手放せそうにない。それらには当然、新世代にバージョンアップした継続アプリもあるが、使い勝手は旧式の物の方が勝っている。その理由は、データ管理が基本的にクラウド対応に変わって来ているためらしく、PC内部ですべて行った方が都合が良い旧式機器とは肌が合わないのである。そもそも、最近のアプリは、ネットにつながっていないと基本的に動作しないものさえあり、スタンドアローン状態でPCを使う場面には向いていない。もちろん設定を細かに変えていけば対応可能だろうが、そうまでして何か効率が上がるのかと言えばそんなこともない。
 結局は、世界が変わってしまった新世代アプリは、有線無線問わず、とにかくネットありきの仕様なので、融通が利かない。自分の指向に合わせて使いこなしたいアナログ派には、いささかチャラくて生意気なのだ。

 Win11を使ってみれば、おおっ、良いとこあるじゃん、となるかも知れないが、やはりそれだけでは済まないと思う。

 どうやら、まだしばらくは、世代の違ういくつものマシンを並列利用していくスタイルを続けていくことになりそうだ。

ハードディスクの健康度 便利なソフトでチェック!

Mです。

 ジャンク屋さん巡りでデータ保存用ハードディスク(HDD)を探すことが多い。
 以前も触れたのだが、映像データなど大きなモノを保存しておくために、少し大きめの容量のHDDを物色してきては、ストッカーとして利用している。
 10年前はそのサイズが数百メガバイト(Mb)でも喜んでいたが、3年くらい経つとギガバイト(Gb)クラスがフツーになって、さらに3年もするとテラバイト(Tb)が当たり前になった。価格で言うと、これら3段階が余り変わらない価格で中身だけがドンとステージアップした。つまり、半導体の世代が変わるごとにHDDの記憶容量が1000倍にステージアップしたのである。そのHDD容量は、今では10Tb以上のものが当たり前に出回っていて、Mが重宝して使っている1~3Tbクラスはもはや低価格帯の商品群に入っている。とは言っても、新品で買えば安いモノでも5000円は下らないのだから、ホイホイと買えはしない。しかも、新品だから壊れない、という保証は一切ない。壊れたら保証しますなんていうメニューもあるが、代わりの本体が手に入ってもデータは戻ってこないのだから意味がない。
 今やPCはスマホ世代の生活スタイルに押されてきわめて劣勢で、持っていてもタブレットかノートクラスである。当然、大きな容量の重いHDDなど使えない。記録デバイスもすでにHDDから半導体記憶デバイスであるSSD(Solid State Drive)に取って代わられている。テラバイト以上のSSDはあまり使われず、数百Gbクラスのモノが入っていればWin11であっても問題ないから、メモリー基板の重さしかないSSDが、薄くて軽いPCを支えている。これらの軽量PCユーザーは、大きな容量のデータを手元に保存する、という発想も必要なくなっている。彼らは、データを持ち歩いたりしない。データは、雲の上にあれば良い。つまり、クラウド世代なのである。
 一方、Mのように半分アナログで出来ている世代には、クラウドはどうしてもなじめない。アナログ世代は完全デジタル世界を本音で信用していないのである。だから、自分のお気に入りは、自らの持ち物のなかに保管しておきたい。で、結局のところ、比較的安価でつぶしの効く大容量HDDを欲するのである。

 このHDDだが、現在主流となってきているSDDに比べて衝撃に弱い、という弱点がある。もちろん、SSDが衝撃に強いのかと言えばそんなことはないのだが、薄い磁気円盤を何層も重ねて毎分5000回転以上でブン回しているHDD内部では、読み取りヘッドと磁気円盤がごくごく近い位置にあって、衝撃を加えられるとヘッドがディスクにぶつかるという単純な物理的損傷が起こりやすい。結果として、磁気円盤に傷が付いたりヘッドが損傷したり・・・で、読み書き作業にエラーが発生する。これがもともと判っているから、HDDにはこういったエラーを回避できる修復機能が備えてあって、ある程度までのエラーなら、損傷した箇所を別の場所に移して何もなかったかのようにカバーしてくれる。おかしいな、と思ったら別のノートに書き写しておく、といった感じで、実にアナログな発想だ。
 とはいえ、やはり回転構造を持つ機械だから、当然のこと寿命はある。同年代の方なら経験があると思うが、デスクトップPCから、キーキーという異音がしたり、チャカッ、チャカッという小さな繰り返し音がすることがある。どちらもHDDが物理的な損傷で旨く機能しなくなったときに起こる現象で、これが始まったら急いで出来るだけのデータを移管しておかないとヤバい! 次回も正常に起動すると思ったら大間違い、そのままお陀仏かもしれないのだ。
 さすがに最近のHDDではそんなに経験しなくなったものの、それでもちゃんと突然死は起こる。Mの場合、この5年間で5台のHDDが死んだ。500Gbクラスが3台と、1Tb、2Tbの大容量が各1台、ある日突然に読み取り出来なくなっていた。どれも修復措置をねばって大方のデータだけは回収できたが、500Gbものの本体はお釈迦にした。大容量タイプについては、ローレベル/フォーマット(ブログに既出)を施して使えるようにしたものの、一度死んだモノを保管用データに使う気にはなれないので、一時保管の持ち運びツールとして使っている。これなら、たとえ死んでも元は大丈夫だから、運び直せば良い。

 こんなことを繰り返しているなかで、2年前に出会ったのがCrystalDiskInfoという無償のHDDチェックソフトである。Vectorさんなどで簡単に入手できる。
 Mが使う5台のデスクトップには、現在、すべてこのソフトがインストールされている。そのソフト、自分でPCの健康診断をしているわけではなくて、HDDの自己チェック機能(注1参照)をそのまま使って、そこに記載されているデータを整理して表示してくれているだけなのだが、これが結構便利なのだ。
 下に貼り付けてあるのが、今この文章を書いているPCに搭載されているHDD情報の一部である。上は正常で、下は注意の状態。

    

 

    

 先日は、HDDの1台に赤の異常表示が出て、慌ててデータ回収したのだが、それが上述の2Tbだった。


 ※CrystalDiskInfoの使い方は、下のサイトを参照
     https://www.pc-master.jp/mainte/crystaldiskinfo.html

 

 このソフトは、おかしなことが起こると上のような黄色や赤のマークで警告してくれるので、週一くらいでチェックしている。注意表示が出ているディスクは、そのままでもまず問題ないようだが、ひとつでも赤表示になったら大事なデータだけは取りだして確保しておくようにしている。おかげで、以前は何度も経験したHDD故障 → データ喪失 がなくなった。

 この便利なソフトが、なんと、ジャンク屋さんでも使われているのを最近発見した。
 冒頭で、時々ジャンク屋さん巡りで大容量HDDを中古買いしていると述べたが、その立ち回り先のひとつで秋葉原ラジオデパート地下にあるジャンク屋さんが、CrystalDiskInfoで確認しただろう情報を中古HDDに表示して売っていたのである。ここは2~6Tbクラスの中古品も結構な台数置いてあり、どの商品にも稼働時間、電源投入回数、セクタ異常の有無などが書き込まれている。嘘でないことを信じるしかないのは当然とは言え、ただ動くよ、といって売るよりも遥かに信頼性が高いと感じる。大容量のモノにはWesternDigital製が多く、しかも赤ラベル。大手企業のワークステーションや共用サーバーなどで使われている高耐久製品である。値段もそこそこで、2Tbクラスが3000円台と有り難い。何台も見比べてみたが、やはり常時起動していたマシンのモノらしく、電源投入回数は数十回とかなり低く、一方で稼働時間は2~3万時間となっている。つまり、年単位で動き続けていたということ。OA機器の定期交換で流れたモノだろう。

 個人のPCだと、ずっと動かし続けていることはあまりないだろう。1日5時間起動したとしても、2万時間は4000日稼働に相当する。つまり4000回起動したということになる。HDDの故障は、メインスイッチのオン/オフ時に起こりやすいから、たとえ2万時間動いていたとしても、オン/オフ回数がかなり少ないのでむしろ故障が起こりにくかったと想像する。

 これまでは、ジャンクですから保証はありませんよ、の言葉に、仕方ないから「ハイ」と応えてきたが、このような情報が表示されているなら、どの中古品が良いか自分で選んで買うことが出来る。買い物のグレードアップだ!!
 ジャンク屋さんも、ちゃんと見ているのだと感心したのであった。

 

注1) S.M.A.R.T.; ハードディスクに搭載されている稼働情報システム。Self-Monitoring, Analysis and Reporting Technologyの略。温度、電源投入回数、使用時間、代替処理されたセクタ数、回復不可能セクタ数、ハードディスク内部の部品のイレギュラーな動作やエラーの回数などが記録されている。
 各項目ごとに、現在値や閾値(しきいち)が設定されており、HDDの健康度を判断する基準となる。現在値が閾値を下回ると健康度が低下しているということになる。

照明で音楽を聴くって・・・ 要るかい? 

Mです。

 普通品質で安い、を前面に家電品を売りまくっているアイリスオーヤマさん。
 やっちまいましたね!

 https://news.infoseek.co.jp/article/20220928jcast20222446837/?tpgnr=it

       

  同社の天井照明(シーリングライト)の新商品に、Bluetooth接続のスピーカーが付いているのだそうな。アナログ爺にとっては、そもそも何のために必要なのかが疑問なのだが、IOT化の進む家電ネットワーク構築のために、どの機器にも応答機能を付けておく、という発想なのだろうと想像する。
 それは間違ってはいないかもしれない。ライトの調光をボタン操作ではなくてGoogleHomeなどの中枢機器を通じて行い、ライトの側に音声応答させる。「光量を60%にしました」なんて応答させることにはそれなりの意味もあるだろう。
 身動きが不自由な人にとっては、QOLの向上に有効だとと思う。
 また、先進的な暮らしがしたい人にとっては、ベッドに入ってからでも、いろいろな機器を音声コントロールすることが出来るだろうから、”たまらん”ツールだと思う。

 がしかし、今回の仕様は、明らかにチョンボ(死語か?)だった。

 Bluetooth接続範囲にある人なら誰でもアクセスできてしまうというフリー接続状態になっていたため、隣家の人がBluetooth接続で音楽を聴いていたりすると、それを拾って音楽を流してしまう、というトラブルが発生したという。

 街中でBluetooth接続で音楽を聴いている人はかなりの数にのぼっていると思う。都内をチャリで走り回っているとき、いちばん怖いのはスマホ音源をワイヤレスイヤホンで聴きながら、さらに目はスマホ操作に向いたまま歩いている人だ。周りの音には一切触れることなく、自分の世界だけで歩いているから、街頭の柱にぶつかりそうになって初めて気づいたり、前の人が交差点で止まったのに気づかずぶつかってしまう光景も、ときおり目にする。これらの接続はほぼすべてBluetoothで行われている。それほどまでに普及してしまっているBluetooth機器をみんながトラブル無く使えているのは、それぞれが自分のゲートだけを出入口にしてデジタル情報にアクセスしているからだ。もしそれがなかったら、あふれる情報が入れ子になってすさまじい混沌をもたらす。デジタルネットワークが成立するために、利用者固定のゲート設定は必須なのである。

 そんな常識を知っていて、なぜアイリスさんともあろう者が、フリーアクセスの設定のまま照明器具にBluetoothスピーカーを付けてしまったのだろう?            
 ダイニングルームでくつろいでいたらいきなり大音響の音楽がライトから流れてきたというケースは、他人事で聞けば笑い話のようだが、体験してしまった人にとっては恐怖体験に近かったと思うのである。

 既に販売してしまっている機器だから、多分、特定のアドレスが設定できるように直した機器と交換するしかないだろう。あるいは、スピーカー機能のOn/Offスイッチを付けるだけでも良い。

 ただ思うのは、そういう設定を行うにはコントロール端末で初期設定操作を行う必要があるだろうから、ライトを買っただけなのに何でそんなことが必要なの?という疑問を持つ人の方が多いに違いない。

 ここは少し時間をかけて、IOTの中枢機器にかんたん登録できるように機能を進化させ、中枢から簡単に音声設定できるような仕組みを作ってから再スタート、の方が良いのではないかと思う。
 
 先を見すぎてトラブル対応するくらいなら、ちょっと遅れてもいいから確実なモノを提供する方が無難だろう。競合他社との駆け引きで突っ走ってしまったのだろうか?
 ちょっと残念である。

アスファルト路面の涙 鉄片混入じゃね?

Mです。

 多分今年になってからだと思うのだが、毎朝歩くアスファルト舗装面に奇妙な茶色のシミがたくさんあることに気がついた。

 

 このような茶色いシミがいろいろな路面で見られて、なかには路肩に向かってゆるく傾斜している路面を、長く尾を引くように流れ広がっているところもある。
 この現象が気になってから、いろいろなアスファルト路面を眺めて歩いているのだが、幹線道路ではまず見かけない。ほとんどが、狭い路地や駐車場になっている舗装面などばかり。なかには、路面に貼り付けられている白線の裏側から錆色が滲み上がってきているところもあった。

  

 色合いといい、水で流れるように尾を引いているところといい、感覚的には鉄錆としか思えないのである。

 今ではだいぶ見かけなくなってきたが、トラックの荷室壁が鉄板だった頃は、年数を経たトラックの箱には、ビス周りに鉄錆が発生してそれが雨水で流れて茶色の筋を引いているのをよく見かけた。最近は、ハコ車(扉つきの箱形荷台のトラックのこと)の外装がほとんどアルミ製になったので、錆が出ることも少なくなってほとんど見かけない。白い塗装のトラックが多くなったのも、年配の修理屋さんたちによると、「錆の涙」を流さなくなったからだそうだ。車体のビス留め部位から発生した錆が流れるのを、涙、と呼んでいたのである。

 今回の茶色の路面しみは、まさに、この鉄錆涙そのものに思えるのである。

 最初の写真を見てわかるが、このシミが発生している周りの石粒は、かなり大きさにばらつきがある。それで気がついたのだが、これまで観察してきた路面シミがあるところは、どう考えても本格舗装をするほどの場所ではなく、水道工事、下水工事云々でたびたび掘り返されては舗装し直されているような場所が多い。ということは、大きなコストがかけられない安普請の対象箇所なのではないか、と考える。そんな場所だから、使っている砕石が程度の低い材料で、鉄片も入ってしまう建築廃材の破砕物も使われているのではないかと想像した。

 そこで、道路舗装に関する国土交通省の規定を調べてみた。
 下が、舗装の構造に関する技術基準 ( 国土交通省)で、使用する砕石のサイズに関しても細かく規定していることがわかった。
  https://www.mlit.go.jp/road/sign/pavement3.html

 ところが一方で、サイズの規定などはしっかりと行われているものの、その原材料に関してはきちんとした規定は見つからなかった。できあがった舗装の強度に関しては守るべき価を示しているものの、それを誰が確認するのかについてもまた、この文書だけでは不明だった。たぶん、認可団体のチェックに任せるのが現実的なので、そのような規定が別途設けられていて実施されているのだろう。 
 そんな団体かな、と思われたのが「一般社団法人 日本アスファルト協会」。
 その団体の解説資料を見つけたのが、下記である。
  http://www.askyo.jp/knowledge/08-1.html

 ここでは、アスファルト舗装の構造も含めて基本的な解説が行われていて、舗装表面の材料も示されている。さらに、施工順序を示した解説図があったので拝借してきた。

   <一般的な舗装構成と施工の順序>

  

  この図で上から三層目までが、アスファルト舗装路面の上層に当たる。言葉から判断すると、この層は粒度を調整した砕石が使われていることになる。第一、二層は、コート材料だから、あのアスファルトの黒々とした結着成分が第三層の砕石を覆う、ということだろう。図の第四層にあるクラッシャランという聞き慣れない言葉があったので調べてみると、これは、建築廃材で出たコンクリートを破砕して再利用するもので、最終的にはふるいにかけて粒度を調節して使う、と説明されている。いろいろな解説を見てみると、建築廃材には当然鉄骨が含まれるので、それは除かれて残ったコンクリートの塊だけを破砕している、とされていた。

 どうやら、このあたりに謎を解く鍵があると感じる。

 協会さんの舗装構造図では、クラッシャランは表層の下で路盤を強固にするために使われている。しかし、赤さびのようなシミが出来ているアスファルト路面の写真では、確かに天然石らしい石が多数詰まっているものの、その大きさはマチマチでとても粒度調整した砕石だけが使われているとは思えない。もし、上層路面が薄くて下層のクラッシャランが顔を出してしまうような施工が施されていたらどうだろう、と考えた。
 鉄骨は除いている、とはいえ、細かな鉄片まで完全除去するほどの手間はかけられないはずだから、当然、クラッシャランと呼んでいる路面材料には小さな鉄片くらいは入っていても不思議ではない。また、表層から二層はアスファルト混合物をのせて平らにする操作らしいが、よく見る舗装面修理作業では、熱々のアスファルト混合物を山盛りにしたところをレーキで均してから手操作の機械で打ち付けて平らにしている。そのとき押し固められている表層の厚さはごく薄く、押し固めるときにより下層のクラッシャラン層の砕石も浮き上がってくることがあってもおかしくない。その結果が、幹線道路に比べて表面の凹凸や隙間が多い簡易舗装面の最終形態なのであって、そうなれば、コンクリート破砕物が表面に顔を出しても何ら不思議はない、ということになる。

 そんなことを考えながら歩いていたウォーキングの途中で、ガソリンスタンドの歩道部分でも、コンクリート舗装面に赤さびのシミを見つけた。下左図では、白っぽい部分がガソリンスタンドが自前で行ったコンクリート舗装で、下の黒三角は公的歩道のアスファルト。右は、傾斜面のコンクリート舗装にあった流れシミである。

    

 結局、最終的に砕石をつなぎ合わせて平らにする素材がアスファルトかセメントの違いはあっても、中に含まれる砕石層の表面に鉄材料が顔を出せば、舗装完了から数日もすればそこが錆び始めるのだ。アスファルトやセメントの成分が初期のうちは鉄片などを覆っているのでわからないだけで、タイヤや靴に踏まれて皮膜がはがれれば、一気に錆び始めるのは当然のこと。そのさびが雨などで周囲に広がって茶色のシミを作っているのだと確信した。

 日本の高度成長期に、都市部の道路や建物の材料、高速道路網の建築素材として、地方の山や川から大量の砂や石が掘り採られた。それらが東京などの先進的な都市景観を作ってきた。生まれ育った田舎では、そうやっていくつもの山がなくなってしまった。そしてそのうちに、天然の砂や石が枯渇して建築材料高騰が始まった。
 一方で、高度成長期を過ぎて経年劣化で建て替えられる建物や橋、道路が現れると、今度はその廃棄物としてコンクリートの塊がどんどん増え、リサイクル、という「まやかし」っぽい言い方で廃材処理業が生まれ、それが再利用されることで資源の循環だととらえられてきている。この流れ自体は悪いことではないし、そうせざるを得ないことでもある。気になって調べてしまった今回の「舗装面の涙」も、資源再利用の流れの中に現れた、ほんのちょっとしたシミなのだろう。

 ただ、一つだけ肝に銘じておかなくてはならないことがある。
 モノを作る者は、その堅牢さ、確実さを決して軽んじてはいけない、ということだ。

 以前、急速な建築ラッシュに沸いていた中国の都市部で、建設後間もないマンションの壁が崩れ、中から家庭ゴミが大量に混ざった廃棄物が見つかったという話があった。これは極端な例としても、本来、堅牢であるべき建築物の中に、その堅牢性を将来的に損なうような「混じり物」が入っているのは許されない。今回気になっている鉄片だろうと思われる舗装材料の混入物も、それが錆びて水に流れてしまうと、そこにはうつろな空間が残る。現に、路面のシミでは、茶色の中心部が穴になって凹んでいる部分が多い。
 舗装面のように表層のごく一部なら実際的問題にはならないものの、建物のコンクリート壁の中に使われる砕石の代わりにコンクリート破砕物を使い、そこに鉄片も混じっているというようなことが起こったらどうだろう。当然のことながら、その量が多ければ、将来的にそのコンクリート建造物の壁強度に影響を及ぼすことにつながると思うのである。
 
 以前は気になっていなかった路面の茶色シミ。
 もしかすると、きれいなタイル面に覆われた高層マンションの壁の中にも、そんなシミが発生しているのではないかと勘ぐってしまう。

いつもと違う2022蝉ごよみ

Mです。

 我が家の梅雨から梅雨明けは、ニイニイゼミの声がひとつの指標だった。これまでの経験からニイニイゼミが鳴き始めるとそろそろ梅雨明けかな? がフツーだったのである。 ところが、2022年は完全に裏切られている。さっさと梅雨明けが報じられてしまい、6月末に酷暑モード。かとおもったら、7月に入ってから梅雨時よりもっと梅雨らしい天気が続いている。気象庁さんが、やべぇ早まった、と内心思っているんじゃないかと思わず笑いがこみ上げてくる。
 さて、例年は梅雨明け前のイベントだと感じているニイニイゼミだが、今年どうだったのかというと・・・
 実は、6月中には全く鳴かなかった。例年だと、6月20日前後には聴いているあの何とも控えめな ジュィ~~~~~~ という音が待っても待っても聞けなかった。ようやく耳にしたのは、なんと先週の水曜日。予想よりおよそ3週間遅れだった。
 イヤ待てよ、もしかして、これって梅雨明けがまだだと言っているんじゃないだろうか? 春先のひどい寒さが続いた関東では、草木と同じく、地温の積算で目覚めが促される蝉などの虫たちにとっても、2020年の覚醒カレンダーは後ろにずれ込んでいるかもしれない。関東のソメイヨシノは、開花が昨年より1~2週間遅れていた。同じように、ニイニイゼミの覚醒カレンダーも遅れている、と考えて良いのかもしれない。

ニイニイゼミWikiさんより拝借)

 ニイニイゼミの声を聞いたと思ったら2日後、別の場所だが、なんとミンミンゼミが鳴いていた。ところが、それから1週間経つというのに、関東の夏の王者アブラゼミはまだその姿を見せていない。
 6月末の酷暑到来とその後の長雨。気象庁さんは、エルニーニョがどうとか、いろいろと理由付けをしていて大変そうだ。要するに、「富岳」を使って予想したところで、結局は過去のデータをベースにしたシミュレーションをするだけなのだから、規模の大きな地球表面の気象予測を的確に行えると思うこと自体、自然という構造から見ればチャンチャラ可笑しいぜ、ということなんじゃないかと思うのである。
 地震予測は出来ません、と発表したに等しい地震予知連さんもそうだが、予知できればいいなぁ、と思っている人間たちの希望は、今のところ単なる期待であって現実はそう甘くない。
 自然災害に対して、予報に多大な期待を持つのは止めて、起こってしまったらどうするか、ということを真剣に考えておくしかないのかもしれない。

 それにしても、これまでの経験が裏切られている2022蝉カレンダーは、どうなっていくのだろう。例年なら、ニイニイ→2週間→アブラ→1週間→ミンミン、ヒグラシ、ツクツク、というMの蝉順が、今年どうなっていくのかとても興味深い。