Mです。
今日は、自分のPCをなるべく安く性能アップするための経験をご披露します。
詳細大画面で3Dゲームなんかを思いっきり競いたい方は、マシンにかけるお金は軽く数十万円の領域になるのだから、パーツをケチることはないだろう。CPUもグラボも最新鋭を欲するだろうし、メモリーだって出来るだけ高いクロック数ではたらく大容量のメモリーにしたいのは当然だろう。
それに比べ、表計算やデータベースで試験データを処理したり加工したりする程度の作業が主になる我々には、どこまで高い性能のパーツにすべきかはハッキリしない、というのが本音だろう。
動画記録を圧縮処理して報告書に加えたり、2D画像を色調整、変調調整などして解説材料にしたり、そこそこPCの性能を求める作業に使うとはいっても、瞬間精度を求める世界とは全く別だ。
とはいえ、こういった作業をどれだけ速く仕上げるかは、作業者にとってはけっこう重要だ。午前中に終わらないかなぁ、と期待していたのに結局3時過ぎまでかってしまったなど、自分で出来もしない膨大な作業をマシンにやって貰っているくせに、ぼやくことだけはついついしてしまう浅ましさ。マシンをもう少し速くしたい、という要望だけは止むことがない。
デスクトップのマシンしか興味がないのは、そういう”後から注文”や”後から要請”に対応できるからだ。マザーボードの仕様で使えるパーツは決まっているとはいうものの、グラフィック性能を上げたければ適合するグラボのグレードアップができるし、並列作業をこなしたければメモリーの総容量を上げればよい。
場合によってはCPUのグレードアップも視野に入れる。(CPUを変えると、ウィンドウズさんが間違いなく承認変更を求めてくるけど・・・)当然それらのパーツも新品である必要はなく、規格さえしっかり見ていさえすれば秋葉原路地のお兄ちゃんたちの店でがらくた漁りをすればよい。
そんな作業の中でいちばん多くしているのは、やはりメモリーの交換だろう。現状の主流はDDR4という規格のもので5年ほど前に出現した。残念ながら自作思考のMがもっぱら使っているマシンは、hひと世代前のDDR3だ。メモリー選びの際に重要なのは、単位時間あたりのデータ転送量で、DDR4はDDR3の2倍だ。つまり、倍の早さで情報をやりとりできる、とういことになる。だから理論上は、同じ量の仕事をさせる時、半分の時間でやってもらえるはず。
理論上2倍の早さが出るはずが、アプリケーションによってはほとんど差が出ない、という事実はショックだ。理由は単純で、PCの作業は基本的にCPUが行っている計算作業だから、その作業に使われるデータの取り込みや吐き出しが速いことは良いことなのだが、それで計算速度が上がるわけではないということにある。CPUさんの作業を手助けする荷物運びがメモリー、といった感じ。 ところが、である。いろいろな人たちがメモリーを実際に比較検討した結果をサイト上で公開、解説しているが、大きく差が出るのは高密度の画面出力を必要とするゲームや動画の圧縮作業など、多量のデータを絶え間なく動かし続ける作業(中味は計算)で、実務用のデータベースを初めとするソフト程度の作業では差が小さいそうだ。というか、ほとんど差が出ないことがあるようだ。しかも、差が出ている作業でさえも、同じ条件で比較して出てくる差は、せいぜい20%とか30%だという。もちろん、解析した方々の論評を見ると、10%を超えると明らかな速度差を感じるのだそうで、メモリーをグレードアップすることで達成感があるのだという。
エンジンをフル稼働しているクルマで、燃料ポンプの出力をさらに上げたからといってより多くの燃料を送りこめるか? 必要とされていない速さでモノを送り込もうとしても、工場の製造マシンの速度が変わらないのだから、原料があふれるだけで効率アップにはつながらない、というのと同じ理屈である。
そうなると、実務用のPCの性能アップはどうすればよいのか?
カネをなるべくかけないで性能を上げるための手段である。
以下は、Mが行ってきている実際の改善策で、その主体はOSの見直しとメモリーの交換手法にある。
まずは基本中の基本でOSのチェック。
あなたのOSは32ビット、それとも64ビット?
5年前までMは32ビットのウィンドウズで統一していた。それには理由があって、使い慣れていて当時既に廃盤になっていたアプリケーションソフトが32ビットOSでしか動かなかったからだった。しかし、32ビットだと、OSが進化しても扱えるメモリーの総量が4GBで頭打ちになるという障壁に出くわした。XPからVISTAまでは32で通していたが、さすがにWin7にする時には64ビット化を選んだ。メモリー容量だけでなく、CPUが一度に扱うデータ量が倍になるので、作業効率に格段の差が出てしまったからだ。
ただ、当時はまだアプリケーションの方が完全に64ビット対応できていなかったから、ソフトの中には64ビットOSのメリットが活きないケースが多かったので、思ったほど性能アップした感じがなかった記憶がある。が、アプリケーション側もどんどん進化して64ビット化が進んでくると、それにつれて作業の効率が明らかにアップしてきて嬉しかった。機械の世界は正直だ、と感心したものである。
Mの小技も増えてきていて、32ビットでしか動かない愛用ソフトを活かすための技を発見した。使いもしないのに予備のHDDを追加して、そこに32ビットのVISTAをインストールして、その傘下に愛用ソフトをインストール。マシンをあたかも32ビット/64ビット両用のようにするという小技だ。これがことのほか上手くいって、64ビットWin7で立ち上げた状態で、VISTAまでしか使えない32ビット用アプリを呼び出して使うことが出来るのだった。Win10にアップグレードした今でも、この小技が生き続けていることに感謝しているのである。やってみるモノだ、と自画自賛。
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ちょっと硬い説明だが、要領よくまとまっている参考資料
Windowsの32ビット版と64ビット版の違い、選び方
Windowsの32ビット版と64ビット版の違い、選び方 - OS 基礎知識
次がメモリーの吟味。
マザーボードに用意されているメモリースロットの仕様と本数が重要。microATX規格のハコに収められているメーカーものPCには、Win7マシンでもスロットが2本しか用意されていないモノが多かった。だから、つくる時は最低で4本のスロットを持つマザーボードを探した。また、CPUが情報のやりとりを行う時のデータ転送が速くなるデュアルメモリーシステム、さらにはトリプルメモリーシステムなどの仕様が出てきたら、迷わずマザーボード自体を交換してしまうこともあった。そういうハード側の仕様グレードアップの後に、重要なメモリーの吟味が待っていた。
マザーボードが扱えるメモリーは、その時代の最高グレードのメモリーに対応していて、下位互換が効く。もちろんメモリーの規格を揃えないとデュアル、トリプルの仕組みは使えないという基本はあるが、容量と速度については自由選択。
先ほども書いたように、メモリーの転送速度が倍になったからといって、実務用アプリで作業する時の作業速度が倍になることはないのだから、あとはコスパとの相談である。しかも、同規格のメモリーが速度アップするのはせいぜい10%とか20%程度毎だから、上位グレードにこだわるよりは総容量アップの方が経験的にマシン性能アップに効果的だ。
オススメしたいのは、4スロットのデュアルメモリーシステムなら2GBを4本。DDR3だと、中古パーツ屋さんで一本1000円台のモノがあるから、4000~6000円。6スロットのトリプルメモリーシステムなら、1GBを6本挿す。DDR3ならなんと500円で見つけられる。合計で3000円台。もちろん、メーカーと規格をなるべく揃えることが重要です。
Win7だと、総量6GB程度あればたいていの作業は余裕でこなせる。Win10になると、OS自体がメモリーを2GB分占有してしまうので、6GBではちょっとキツイ。できれば8GB欲しいところだ。もうすぐWIn7は更新サービスが終わるから、Win10化をしなくてはならない。その際は、最低8GBでいくしかない、と考えている。
マザーボードの基本仕様をよく見てから、安くて容量を十分確保できる策をたてると、マシン性能が面白いようにアップする。
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判りやすい解説資料
OSの見直しとメモリーの吟味。お試しあれ。