理系夫婦Y子とMの昭和から令和まで

都内で働く薬剤師Y子と、パソコン・DIY・生物などに詳しい理系の夫M。昭和30年代から今日までの実体験に最新の情報を加え、多くの方々、特に子育て・孫育て世代の皆様のお役に立つことを願いつつ発信する夫婦(めおと)ブログです。

大容量ストレージに考えさせられた

Mです。

 2ヶ月ほど前、落っことしても大丈夫そうなSSD携帯ストレージ(~960Gb)をI・O DATAさんが発売した。コンパクトなポケットサイズでほぼ1Tb収まるもので、使い勝手が良さそうだった。秋葉原の周辺機器店で売っているのを見て店員さんに聞いてみたら、発売当初ほどではないけれど、2ヶ月経っても週に数十個売れているという。なかなかだと思う。

 同じ店舗内で、そのI・O DATAさんが2年前から商っている大容量のデスクトップ型記憶装置 My Book Duoを見てみた。それまでの外付けHDを縦にして三個並べたくらいのサイズで、最大20Tbの容量だ。

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   (I・O DATAさんのサイトから拝借)

 巷では、最大14TbクラスのHDまで出ているから、それほど大容量という気はしなかった。ただ、その名が示すとおり、10TbのHDを2台並列して内蔵しているのがミソで、データの書き込みを2台のHDに分散することで速度を上げるRAID0(ゼロ)の手法を基本仕様にしている。また、PCとの接続を今後のUSB接続の主流になるだろうUSB-TypeCにしているところが特長。もちろん、相手がUSB3.xやそれ以前のものにはアダプターがついていて接続可能。最大360MB/sの速度でデータ転送出来るとのふれこみだ。ただし、PC側がUSB3.0以降のポートを持っていることが前提だから、注意が必要だ。旧いPCだと、PCIボードの追加が必要かも知れない。

 どんな人がこの装置を買うのかと思って店員さんと話をしたら、大容量が必要な映像製作関係の人たちや、サーバーで商売している人たちが主だという。なかには、ゲームソフトを多数放り込んで使っているヒトもいるということだったが、それならもっと小さい容量で読み書きの速度が速いSATA接続のHDを使い分けした方が有利なのではないかと思った。大容量になればなるほど、転送速度とは別にHD特有のシークタイムが効いてきてしまうので、総合的に見て速度と容量の「かねあい」で落としどころが見えるような気がするのだ。店員さんの話でも、当初はそこそこの話題になったものの、売れ行きはさほどでもないらしい。まあ、値段も10万円近い(20Tb)から当然という気もするが・・・

 企業内で共通のデータ管理に使われるNAS(Network Attached Storage)システムというものがある。大容量のHDを共有の外付け装置として使っているものだ。その場合は、いくつものPCがLANでNASシステムにつながっていて、各人が自由に共通のデータ保管装置を使い回す、というスタイルになる。当然同時に同じファイルにアクセスしてくることもあるわけで、それを可能にするNAS専用のOSが備わっていて、いわばサーバーマシンのような存在になっているから、根本的に外付けHDとは異次元の存在である。

 それと比較してみるとMy Book Duoという製品は、個人使用が目的の大容量データ保管庫であり、どうもそれ以上のものではない気がしてくる。

 USB TypeCコネクタが、まだPC、周辺機器ともに未開拓な状態だから、確かに先を見た製品だとは思うが、2年前に出てそれほど脚光を浴びていなかったのもうなずける気がする。

 自分自身のことを考えてみても、大きな入れ物にたくさん詰め込むより、そこそこのハコに分けて分類管理する方が探しやすい、なんてことは多々ある。PCに探させるのだからそんな心配はいらないだろう、と言われるかも知れないのだが、どうも気分的にしっくり来ない。

 転送速度がいくら速くなったとしても、やはり相手は機械だ。壊れるときは壊れる。大容量でヘタったら、そのショックはいかほどのものか。

 本当に大容量が必要な人以外は、そこそこの容量(せいぜい2Tb)でコスパの良いHDをいくつも揃えておいて、大事なものはダブルで保管、の方が良いように思うのだ。