理系夫婦Y子とMの昭和から令和まで

都内で働く薬剤師Y子と、パソコン・DIY・生物などに詳しい理系の夫M。昭和30年代から今日までの実体験に最新の情報を加え、多くの方々、特に子育て・孫育て世代の皆様のお役に立つことを願いつつ発信する夫婦(めおと)ブログです。

話題をふりまくネジザウルス

Mです。

 朝、Y子からメルマガの情報として「ネジザウルス」が国際的に売れまくっているという記事が出ていると聞いた。

 DIY店で、一本2,000~3,000円台で売られている特殊ペンチ。
 挟み口がいろいろな厚さ、太さ、長さのものがあって、つぶれて外れなくなったネジを外せることで良く知られている。ただ、ふつうのペンチ類の倍以上の値段がするので、残念ながら一本も持っていない。
 DIY店で良く観て、なるほど縦方向の爪があるペンチなのか、と理解している。とはいえ、プラスチックの覆いから出すわけにはいかないので、よく観察はしたけれど触った感触は全く知らない。知り合いにも持っている人がいないので、試したこともない。

 素人仕事でいろいろなモノを作ったり電気製品をはじめとする機械ものの修理をするが、古い機械では、かなりの頻度でつぶれたネジに遭遇する。プラスのネジ山が崩れて正方形の穴になっていることもある。その対角線長さに合うマイナスドライバーを突っ込んでひねることで回ることもあるが、それでもダメなときは、ネジのあたまを目立てヤスリでゴリゴリ切り削り(マイナスの溝を作る)、厚めのマイナスドライバーを使ってねじり回す。ここまですれば、大抵は外すことが出来る。ただし、それは表面にあるネジの話。例えば、いろいろな部材の谷間にあるネジが死んでいたら、このような荒技は使えない。
 ペンチが届けば力ずくで挟んでひねり回すことが出来るときもあるのだが、いかんせん、ペンチの挟み溝は柄と垂直方向なので、ネジ頭を挟んでも回すときの方向が溝と同一になってしまう。ペンチで挟んでいるつもりでも、回転方向に対して垂直の食い付きがないので空回りしてしまうのである。

縦溝のペンチなんて無いから、力勝負では回せないことがあるのだ。

下の図を見ていただきたい。

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 ふつうのペンチは左のような柄と直角方向の横溝を持つ挟み口で、ネジを横方向からつかめるのなら問題なく回せる。でも、ネジ頭を縦につまんでしまうと、ネジを回すべき方向と溝が同方向だから、滑ってしまう。
 真ん中のような縦溝のペンチならこんなつぶれたネジを縦に挟んで回すことも出来るだろうが、残念ながらこんな溝のペンチは見たことがない。普通は挟んだ物を柄と水平方向に回すから、縦溝は使い道がないのである。
 と、ここでネジザウルス。その溝は右の絵のように外側に横溝があって中央付近に山を作った縦溝がついている。ペンチの太さによって溝形状も変化するが、ネジ頭を縦につかんでもその局面のどこかに縦の山が食い込むように工夫されているのである。これなら、奥の方に隠れたつぶれネジでも、挟めさえすれば回せるのである。

 実は、MはDIY店でこのペンチを見てパクリをした。普通のラジオペンチの先を、中心線で縦方向にヤスリがけして凹溝にした。ネジザウルスほどのことではないが、縦の溝が出来るとそのエッジが立つので、ネジを縦につかめるのだ。ペンチは堅い鋼材だからヤスリでも深い溝を掘るまでは出来ないが、少なくとも縦の筋にはなる。それだけでも、ネジを縦づかみしたり、細い鉄線を縦につまんでねじり曲げるなどの細工に重宝する。

 それにしても、ダイヤモンド・オンラインに載っていた記事を見て、なるほどと感心したのは、トラスネジも外せるという項目だった。

 ふつうの丸頭でプラス溝のあるものは「ナベネジ」と呼ばれている。その名の通り中華鍋をひっくり返したような、大福餅のような形の頭になっている。上の絵もそのタイプをイメージしている。ところが、見た目(衣装)を重視する機械類の外壁などのネジは、突出が大きいナベだとボコボコして恰好が悪い。そこで、コンタクトレンズをひっくり返したような薄くてなだらかな曲面で立ち上がる頭の「トラスネジ」が使われる。クルマの内装などで使っているのもたいていはトラスタイプだ。
 ところが、トラスネジは頭が薄べったいだけにプラス溝が浅かったり、凹所を目立たなくするためだろうか溝が小さいことが多い。そのため、ふつうのドライバーがフィットせず、ちょっとしたことで山を潰してしまうことが多い。そうなるともうお手上げ。ステンレス製が多いのでヤスリで溝を切るのも難しい。無理やりペンチで挟んで・・・とか苦戦していると、いつの間にやら衣装を気にするために選んだネジの周りが傷だらけ、という始末。 
 そんな苦労をしている人たちが、トラスも外せるネジザウルス、とやらを目にしたら買うしかない、となるのだろう。

 正直、トラスも外せると聞くと、Mもちょっと高そうだけど買ってみようかな、なんて気になってきた。

 株式会社エンジニアという、大阪の町工場で作っているらしい。
 ちょっと調べたら、あるわあるわ、いろんなネットショップで売られている。

 東京大田区の中小企業群もそうだが、これなら負けない、というアイデアやテクニックを持った会社が世界レベルでユーザーを獲得できるのは、なかなかにカッコイイ。