理系夫婦Y子とMの昭和から令和まで

都内で働く薬剤師Y子と、パソコン・DIY・生物などに詳しい理系の夫M。昭和30年代から今日までの実体験に最新の情報を加え、多くの方々、特に子育て・孫育て世代の皆様のお役に立つことを願いつつ発信する夫婦(めおと)ブログです。

Low-Level Format

Mです。

以前「PCを組み立てるのはプラモデルみたいだ」と楽しげに書いた。まさにその通りで、できあがってOSを入れて目的の用途に合わせたアプリケーションを導入し、テスト稼働させる時が、一番楽しい。もちろん、すべてデスクトップ型だし、ハコは手持ちの古い物から大きさで選んで使うだけだから、見た目には古ぼけたマシンにしか見えない。だから、じつにショボイ。それなのに、動かすとそれまで使っていたマシンの倍以上の速度で変換してくれたりするので、感動ものなのである。

 

その肝はやはり何と言ってもCPUとメモリーにあるのだが、やたらに新しければよいというものでもなく、2代前、3代前のものでも、作業させてみると実際上は充分に使えることの方が多い。ビジネス用途のPCに使うCPUとメモリーは、新しい製品を見てもさほど変化していないから、処理速度だけで見れば「もう行くところまで行っている」のだろう。どんどん新しくなるのはゲーミングPCの世界だから、オッサンはあまり関係ないのである。

 

はじめてPCを月賦で買ったのは遙か昔。NECのPC98-VMというマシン36万円を30回払いした記憶がある。PCを組み立てるなんてとてもまだまだな時代で、ハードディスク(HDD)は組み込まれていなかった。5インチフロッピーをアプリケーション毎に刺しては抜きして使っていた時代。マザーの処理メモリーは640Kbなんて時代だったのだ。
それが今や、桁が6桁以上増えているのだから、30年で驚きの進歩なのである。

  ↓ 左上のセットはなんと、8インチフロッピードライブ付き

   右下が、月賦で買ったPC-98 VM。5インチFDD内蔵型で、当時は最新!

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数年後には、既成のPCは無駄ばかりと気付いて組み立てに目覚め、シコシコと秋葉の部材屋を回り始めるところから始めた。徐々に同じ思考の人間が増えてきて、バルク商品を商う店が雨後の竹の子のように増えていったのが第1期。

 ↓ 初期のデスクトップ型。こんなのをバラしてみて、パーツを勉強して、自作に

邁進することになった。

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 その後、デスクトップ型のパーツがどんどん高性能化していくと共に少し前のバルク製品が中古品として売られるようになり、PCジャンク屋が湧いて出てきた。HDDがバルクで買えるようになったのもこの時期だ。それが第2期。

 

そしてここ5年は、実務型とゲーム型に別れて第3期となり、グラボと呼ばれるグラフィックボードがパーツ屋で性能を競っている。実務型PCのパーツはごく一般パーツでしかなくなってしまった。

 

私はゲームには興味がないのでもっぱら実務的なPCばかり。

その領域でPCをこしらえていく時、コストがかかっているのは記憶媒体だと思う。

つまり、従来的なHDD。何しろ、データのオリジナル保存、処理途上の中間保存、確認済みの処理済み保存、と少なくとも3段階の保存をしておかないと怖いから、1台のマシンには、システム用ディスクの他に常に最低3台のHDDを入れておく。

完成ものはダブルで保存しておくので、更に1台追加して、計5台積み込む。

 

大容量のHDDがどんどん出てくるが、大きければよいというものでもなく、処理対象別に分別保存していくので、1~2Tバイトサイズをよく使う。

かといって新品を買えば、安くなっているとはいえ1Tバイトもので5000円くらいはするから、やはりジャンク屋のお兄ちゃんたちの所を回って、メーカー、製造年代、製造場所を確認しながら安売りの日を狙って買いだめしてくる。

2Tモノで2500円なんて日もあるから、そんな日は文句なしに買い。

 

ところが、良心的なお兄さんがたから買っても、時として、使ってみたらどうも調子が悪く、時々認識されなくなる、なんてことがある。

多くの場合は、Windowsのシステムに入っているスキャンディスクというアプリをDosレベルで動かし、書き込みミスが起こった部位を修復するなどして事なきを得るのだが、それでは埒があかないこともある。
安物買いしたのだから仕方がないと思いもするが、ちょっと悔しい。

↓ こんなのは、今やお兄ちゃんの所で500円未満

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と、そこで登場するのがHDDを完全に工場出荷状態に戻してしまうツール。

ローレベル・フォーマッターと呼ばれるアプリである。

米国製のツールを3.3ドルで購入し、何度か使って、調子の悪かったHDDが使えるようになっている。

買ってきた新品HDDをPCに繋ぐと、フォーマットされていません、といわれて行うフォーマットとは全く別物で、何もない原野に升目を振る作業をするのがローレベル・フォーマット(LLF)。けっこうな時間がかかる。

 

1TバイトのHDDを完全初期化するのに10時間くらいかかったと思う。勿論、その時作業に使わないPCにやらせっぱなしにしておくので、頑張っているのはそのPCでこちらは何にもしていない。結果を見るだけである。
とにかく、この作業でオカシナ挙動が無くなって正常化したHDDは、その後何の問題もなく動いているから、LLF恐るべしである。

 

HDDの寿命は3年とか5年とかいわれるが、おかしいなと思ってLLFすると、それから何年も平気で動いている。

ということからすると、寿命といわれている要因には、物理的なトラブルよりも書き込みエラーなどで生じたデータ不良が大きいのではないか、と推測している。

 

おかしいな、と思ったら、とりあえずデータだけ引っ越しさせておいて、ローレベル・フォーマット、が良い選択肢だと思っている。