理系夫婦Y子とMの昭和から令和まで

都内で働く薬剤師Y子と、パソコン・DIY・生物などに詳しい理系の夫M。昭和30年代から今日までの実体験に最新の情報を加え、多くの方々、特に子育て・孫育て世代の皆様のお役に立つことを願いつつ発信する夫婦(めおと)ブログです。

ブランドものケース さすがです!

Mです。

 ファッションのブランドものには全く興味のないMだが、PCのブランドものには見るべきモノがあると、常々思っている。メーカーの「意地」が込められていると思うのだ。

 一月ほど前、打ち合わせで神田を訪れた帰り道、ちょっと欲しい部材を求めて秋葉原ジャンク街をうろうろ。何軒かの店をながしてUSB3.0用の増設カードを探した。よく行く店の100円箱を掻き回していておあつらえ向きのモノを発見。基板が痛んでいない同製品が2枚あったので購入決定。仕事用のマシンに使うために買いに来たから、一枚余るものはどのPCに使おうか、と考えながらレジに並んだ。この店で客が3人もレジに並ぶなんてことは珍しい。何か面白いモノを売っていて、それ狙いに人が集まっているのかと思って前の2人の買い物を見てみたが、どちらもメモリーだったから掘り出し物狙いということではなかったらしい。

 自分の番になって216円也を支払い、出口に向かおうとしたときにあれ?と気になる色かたちのモノが目に入った。

 入り口脇の窪地のような隙間にゴロゴロと箱が積み重なっていて、てっぺんに黒々としたつや消しのやや大きなデスクトップ・ケースが載っていた。正面に ∞ マーク。おやおや、富士通さんのマシン用ケースではないか。

f:id:otto-M:20190716232510j:plain

 明らかに大きめのタワーPCサイズ。スッキリした前面グリルに3.5インチベイと5インチベイが二つずつ付いていて、その下の中間帯にUSBコネクタ×4、マイク、イヤホンの各3.5φジャックがある。その下は、昔のコンボイトラックのフロントグリルのような細かい横縞の通気パネルが付いている。

 ほとんど黒だらけで、電源スイッチあたりにだけ赤いアクセントが付いている精悍な顔立ちのケースである。なんだか、グッと来る。左上に小さくホワイトレターでCELSIUSとある。

f:id:otto-M:20190716232935j:plain

 あれれ?この名前は確かビジネス用ワークステーションのシリーズ名だったような、と思ってお兄ちゃんに聞いてみたら、当たっていた。

 しばらく前にIntelさんのサーバー用CPUで有名なXeonジーオン)を積んで高性能を謳っていたシリーズ名だ。お兄ちゃん曰く。先週数十台出回ったので10台仕入れて500円で売っているという。見ると、積み上げてある山はビニルに覆われた4台とその上に載せた見せ物用の裸の1台。

 結構いい箱ですねぇ、500円は安い、と言うと、初日に5台売れたがそれ以降は動かないという。その理由は、バックパネルが特殊なので一般のマザーボードだとコネクタパネルが付けられないのだ、とのこと。最初の5台はサッと売れたが、そのあとで買い戻して欲しいという電話もあったのだとか。(もちろんNGだったはず)

 使おうとして、あとからバックパネルの特殊さに気付いたらしい。見た目もいいし、メーカーモノだし、500円ならと初日は動いた、というところだろう。

 せっかくだから良く観てやろうと近づいた。サイドパネルを空けてもいいよ、というので空けてみると、ものすごくスッキリとまとまったレイアウト。HD収納庫は予めSATAケーブルと電源ケーブルが備え付けになっていて、HDを前面から横縦にして4列差し込みすればよいだけ。ケーブル類はとりまとめて壁に束ねてあるから、マザーボードが来たら差し込めば良いだけ。しかも、120mm型の大型ファンがHD庫裏、前壁下、電源ユニット下に、特殊ケースに入れて装着されている。

  f:id:otto-M:20190716233541j:plain

 実にスマートで合理的な設計に感服。どれどれ、問題のバックパネルはどうかと見れば、なるほど、マザーボードが特殊設計だったのだろう、普通のマザーボードの背面コネクタ一とはだいぶ異なる位置にコネクタ窓が空いている。しかも、パンチ鉄板に直接穴あけしているので変更不可。これでは、まちがった、と返品したくもなろう。

   f:id:otto-M:20190716233809j:plain

 が、Mは、そんなことはどうでも良い。鉄のパンチ板なんか、パンチ部分をニッパーで切り飛ばして金鋸さえ差し込んでしまえば、あとは力勝負。30分もあれば好みの位置にバックパネルを取り付けられるように出来ると踏んだ。とにかく、設計がエクセレントな箱なのだ。これまで試したことのないタイプで腕が鳴る。

 結局、でかい箱を2台持ち帰ることとなった。

 その後、箱のひとつはだいぶ前に入手していたIntelさんの初期Core i7(model 960)を使って、Win10マシンに仕立てて稼働中である。

  ↓ バックパネルは、こんな風に切り抜いて仕立て直した

  f:id:otto-M:20190716233940j:plain

 使ってみてとにかく驚いたのは、庫内のエアフロウを実に上手く管理していることだ。オフィス用のワークステーションだから機能優先なのだろうか120mmファン3基のパワーはものすごく、さすがに音に閉口して同サイズの静粛タイプに交換して風量を抑えたが、それでも全く排熱の心配は無さそうだ。実に快適に動いてくれている。

 ところでひとつだけ疑問がある。サイドパネルの施錠装置だ。

 PCにイタズラされるのを避けると考えると、ちょっとオカシイのだ。この箱は、HD庫が差し込み式で、前面パネルを外すと抜き差しできてしまう。つまり、サイドパネルを空けなくても、HDを取り出すことが出来るのだ。

 ↓ こんな風にHD庫が前から差し込み式になっている。便利さ極上!

 f:id:otto-M:20190716234243j:plain

 普通、PCの肝はHDに収めているデータのはずだ。なのに、カギを付けているサイドパネルを開けるかどうかと関係ない場所にHDがあるのはなぜなのだろう。もしかして、高性能CPUとメモリーモジュールの方が価値が高いと考えていたのだろうか?

 謎である。

 はてさて、もう一つの箱はどうしようかと、いま算段中である。
 元々はXeon仕様のワークステーション。ちょっと昔の資料を見たら安いものでも35万円以上したようなのだ。

 手持ちのXeonが2コほどあるから、久しぶりにプチ・サーバーでも仕立ててみようかな、と思っている。