Mです。
昼休み時間帯に、ネジを求めて秋葉原へ。
向かう先は、ネジなら大抵の物は揃っている西川電子さん。その名の示すごとく、本業はコネクタや電気工具なのだが、ラジオセンター近くの店舗は、一階のほとんどがネジ、ネジ、ネジ・・・ コネクタなどは2階だから、電子って?と思ってしまう。
φ2mmのトラスネジ、首下の長い物が2本欲しくて訪れた。探すのも面倒なので、聞いてみるとすぐに出てきた。せっかく来たからと、よく使うネジのセットを3袋ほど一緒にして買った。しめて890円。
ついでに、木曜安売りのジャンクやさんを覗いて、HDDやメモリーの値段だけ頭にインプットして帰途に。
自転車でなるべく人混みの少ないところを縫うようにして昭和通を渡り、和泉小学校前の通りに左折しようとしたところでハッとした。歩道と昭和通に挟まれた植樹帯にピンク色の花、しかも、彼岸花に見えた。
急旋回して、ちょっと戻った。
葉っぱのない花柄だけの姿はまさしく彼岸花。そしてそのてっぺんには淡いピンク色の6弁花がぐるりと6個。ちょっと長めのおしべをツンツンと伸ばしている。
どう見ても、彼岸花。赤と白は知っているが、ピンクがあるとは知らなかった。
YKK本社前の植裁だから、誰かが植えたのだろう。3群咲いていて、どれもまだ10株足らずだから、それほど以前からあったのではなさそうだ。草花には興味があるから、去年からあったなら、きっと気付いていたはず。
掘って帰れるならそうしたいが、そうはいかない。カメラを持っていなかったのでショボイ携帯写真だけ撮って帰ってきた。
夜になってからググッてみると、どうやらヒガンバナ属の園芸種はリコリスという名称でたくさん作られていると知った。
ピンクの彼岸花をみた、という方々のブログもいくつか見つかった。それらをみると、若干おしべの長さが短めだが全体としてはよく似ている。たぶん同じ系統の花なのだろうと感じた。
彼岸花というと、埼玉県日高市の巾着田が有名。そこには基本色の赤だけでなく、白もピンクもあるのだとか。そこにあるピンク彼岸花は、日本で作られた薩摩美人という品種だという。写真を見たら、シロヒガンバナを淡いピンクにした姿だった。
はてさて、今日見た物は園芸種として作られたのか? 薩摩美人とは形が全く違う。
その観点から園芸種の写真をいろいろ見てみたが、どうやらそれらとも違っていると感じた。園芸種はどれも一癖二癖あって、単純な形状よりも花被が細かく波打っていたり、おしべがグンと長くて濃い色をしていたりと、珍しさを競っている。それらと比べると、今日見たピンクは、普通の彼岸花をただピンクにしただけに感じたのだ。
となると、交配で出来てしまうことはあるのか?
その観点で調べたら大外れ。日本の野生彼岸花はほとんど3倍体で不稔だと解った。白彼岸花は、彼岸花(2倍体も少ないがある)と鍾馗水仙(ショウキズイセン)の自然交配種でこれまた不稔。ということは、やはり稔性のある2倍体の親株どうしで、だれかが交配した結果なのだろう。
園芸種にはアフリカ原産のネリネという近縁のヒメヒガンバナが多くあり、その中にはいろいろな色がある。しかし、多くは耐寒性が低いため日本では露地栽培に向いていないそうだ。そう考えると、やはり、ヒガンバナ属内で作られてきた交配種なのだろうと想像する。
草花はどれも律儀に季節を感じて芽吹いたり咲いたりしてくれるが、秋彼岸の頃になるといきなり畑や田圃の畦からヒョロヒョロと伸びてきて一気にまっ赤な花を咲かせる彼岸花は、時期を知らせる花10指からこぼれることはないと思う。
花が枯れてから葉が出てくるというのも、珍しい。冬に青々としていて夏前に枯れてしまう、という性質は、なんとも偏屈だ。
まるで、生き様は人それぞれ、と教えてくれているかのようなのだ。