理系夫婦Y子とMの昭和から令和まで

都内で働く薬剤師Y子と、パソコン・DIY・生物などに詳しい理系の夫M。昭和30年代から今日までの実体験に最新の情報を加え、多くの方々、特に子育て・孫育て世代の皆様のお役に立つことを願いつつ発信する夫婦(めおと)ブログです。

道路交通法改正 スマホ罰則強化と現実に思う

Mです。

 12月1日から「クルマを運転中のスマホ等モバイル機器操作」に対する罰則が強化された。場合によっては一発免停、というくらいの厳しさである。

 とはいえ、「誰が、どうやって規則違反かどうか判定するの?」という大きな疑問符が付いた施行だ。2秒以上の注視はダメ、というが、一方で「カーナビと一体化しているAVモニターは運転中も常時映画を映し出すことが出来る」し、元々は「運転中、見られない」はずのTV映像が映し出されているのも現実なのだ。「規制は厳しくすれど、その実効性は極めて貧弱」という印象がぬぐえない。

 そんな中、トヨタさんが、大衆向け車輌の旗頭として生産を続けてきたColloraのナビに、スマホ連係機能を強化したバージョンを採用している、という広告を見つけた。トヨタさんとしては当然、上述の運転中スマホ厳罰化を知っていての動きだから、政府に逆らうことなく着実に世界戦略を成し遂げてきた企業としては、ちょっとした冒険にも見える。逆に見れば、この法律自体が実効性が乏しく「刑罰の判断を下せないケースが殆ど」だと高をくくっているかのようにも思える。そんな不遜なことは考えていない、と応えるだろうが、本心はどうなのだろう。

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 このナビ、なかなかの画面サイズで、各種ナビ機能が充実しているうえに、通信機能もしっかりしていて外部デジタル機器とのリンクも簡単。クルマの中でかなりのことが出来てしまう。そのうえ、手持ちのスマホ機能を転送リンクさせて、ナビ画面上でも操作できます、と説明している。

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 はてさて、スマホはダメだが、ナビの操作なら運転操作の一環だからOKという理由付けが可能だということなのか。もし万が一とがめられるようなときは、「スマホじゃないです。ナビを操作してたんです。」と釈明できる、そんな情景さえ推測してしまう。ナビ操作も原則は運転中禁止だが、やむを得なかった、と泣きを入れられるということなのだろうか。

 そもそも、今回の法改正は、意識改革のためのもので、実際の取り締まり行為とはリンクしていないのかも知れない。だいいち、警察官が四六時中走っているクルマの中をのぞき込んでいるなんて不可能だし、もし気になるドライバーが見えたとしても、2秒以上見てただろう!、なんて咎める根拠も無いし実証も不可能だ。新しい法律の文言自体が、曖昧すぎるのである。違反のはずのTV映像を見ながら運転する行為の方がよっぽどコワイと思うのに、それが見逃されている現実とのギャップが大きすぎる、ということもある。

 そんな現実を見ていて思うのは、より危険なのは、自転車、歩行者の ”ながらスマホ” なんじゃないか、ということ。これは、ながらスマホで加害者になる、というよりも被害者になることを自ら招いてしまう、という観点からの危惧である。

 Mは、時間はそれほど長くないものの必ず毎日運転する。その時一番コワイのが、狭い道で前を走る、あるいは、歩く人。コワイ人の典型的なパターンは、周囲に対して全く警戒意識を持っていないタイプで、目はスマホ、耳は携帯型オーディオからの無線イヤホンに牛耳られている人だ。たぶん後ろから来るクルマに全く気付いていない。まさに、唯我独存(尊ではない!)状態で、周りからの情報を受け入れていない。狭い道で後ろにいるクルマの音も聞こえていないので、いきなり中央に向きを変えて来たりする。その段になって気付いて、まるでこちらに非があるかのように睨んで立ち去っていく。
 自転車もしかり。チラチラと前を見つつも、視覚行動の半分以上はスマホ画面に行っていて、耳は好きな音楽に占有されている。前から来る歩行者に気付くと、慌てて道の中央側にグッと寄ってくる。そんな様子は予め感じているからぶつからないで済んでいるものの、朝夕の自転車が多い時間帯は常にヒヤヒヤものなのだ。

 旧い人間のたわごとと判ってはいるが、やはり、人間は動物としてちゃんと行動して欲しい。ツールにどっぷりはまり込んで、外界を察知する能力を削ぎ取ってしまうのは、生き物としてオカシイ。イヌやネコのようになれ、とは言わないが、機械が与えてくれる情報よりも自分の脳みそで判断しなくてはならない情報が第1だ、と再認識して欲しい。

 それにしても、運転時スマホ厳罰化は、果たして効力を発揮できるのだろうか。

 疑念を持ちながらも、ガラケー使用者のMは、運転中の携帯連絡対応のために、ハンズフリートークのためのイヤホンをバッタ屋で見つけてきた(200円也)。

 本体を運転席前に固定するためのラックは、印刷した名刺を入れてあったプラスチックケースを切り貼りしてこしらえた。

 少し時間のかかる運転の際には、これらを使ってお咎め無く通話が出来る。

 交通警察、来るなら来い! ってことではないけれど。