Mです。
Stick PCの進化が加速している。
記者たちがよく使っているICレコーダー(ボイスレコーダー)くらいの大きさの「極小PC」は、5年くらい前に生まれた。それよりも前から、映像出力を主な目的としたディスプレイ装置の主機として持ち歩ける、簡易PCのような役割のモデルはあった。ただ、データ処理作業もできる、本当の意味でのPCとして動き始めたのは、5年ほど前にASUSさんが作ったモデルが「走り」だったと記憶している。CPUの大御所Intelさんがそれを追いかけていた。
とはいえ、そこは超小型という壁があるから、PCというよりは「PC様の基本機能を持たせた映像コントローラー」のような雰囲気があって、デスクトップ派のMには、おもちゃのようにしか見えなかった。タブレットPCもたくさん作られていた頃で、そのタブレットでさえPCとしては軟弱で、ゲームや映像装置的な感じだったのだから、それよりもずっと小さくて映像装置も持たないStick PCなんて、とバカにしていた。どうみても映像宣伝やプロジェクター用のコントローラーくらいしか使い道がないだろうなぁ、などと思っていた記憶がある。
ところが、ここに来て、Stick PCが一気に進化した感じだ。
つい数日前、本当の意味でのPC機能を持ったStick PC作りの元祖でもあるASUSさんが、Win10インストールの新モデルを宣伝しているのに出くわした。
下が、そのモデルだ。
ASUS VivoStick PC (TS10)
※詳しくは下記サイト
https://www.asus.com/jp/Stick-PCs/VivoStick-PC-TS10/
何が進んで来たかというと、その作業性にある。
もちろん、ICレコーダーよりも小さいくらいのボディーだから余分な物は一切入っていない。しかし、世の中に大量に動き回っているスマートフォン、タブレットなど、WiFi通信機能やBluetooth機能を持つ機器、テレビなどのIoT素材として使われていく機器を、あたかも手足のように使う機能がすべて備わっている。言い換えれば、それら周辺機器の充実が助太刀して、その極小ボディーを中核にして、デスクトップPCに相当する環境を作れるようになった、という状況なのである。
とはいえ、デスクトップPCや高性能ノートPCのような重い作業をするための物ではないから、現状でこれらのデカブツPCに取って代わると言うことではない。でも、一人暮らしの小さな部屋で、テレビはあるけど、PCは邪魔だ、と思われてしまうような風潮がある中で、そこそこの変化をもたらすのではないか、という気がする。テレビがPCモニターになって、スマートフォンがキーボードと通信モデムになってくれる、ということになると、たいていのPC作業がStick PC一つ入ることで可能になってしまう。しかも、PCより断然安い。ノートPCなんか、ちょっと機能を高くすると簡単に数十万円。それに比べ5万円以下でPCが手に入る、と考えることもできる。
大画面でストリーミング映像を見ることもできれば、ネット情報を大画面でサーチすることも簡単。ちょっとした事務作業程度なら何の問題もない程度の機能を持っているし、メールを多用した仕事だって問題なくこなせる。データ作業が主な職種なら、会社通勤などいらないかもしれない。
Stick PCとその他PCとの比較については、Stick PCのメーカー&販売者でもあるドスパラさんが簡単に解説してくれているので、下記サイトをご覧いただきたい。(掲載内容は最新とはいえません)
https://www.dospara.co.jp/5info/cts_lp_stick_pc_guide
小学校教育にタブレットを導入して、IoT時代の効率的な教育を、などと言って試験的予算を組んでいるニュースもあるが、こんなシステムができてしまうと、すでに時代遅れになっている。全国展開するには超多額な教育予算がいる、などと言っている文科省&政治家さんたち、もう、そんな考えはゴミバコ行きだ。若いデキる人々をどんどん登用して、彼らに任せてはどうか。
例えば、である。
ASUSさんが出した安いモデル(3万円以下)でも、教壇の先生がそのStick PCを装着した大型パネルかプロジェクターを使って授業を行い、先生のStick PCと無線でつながった簡易タブレットを手元にした子供たちが、データのやりとりをする、なんていうことが現実になっているのである。その仕組みなら、現段階でオジイサンたちが想像している端末3台分程度の経費で、たぶん30人学級分の機器が揃ってしまうだろう。それ以下でも可能かもしれない。つまり、オジイサンたちが想定した予算は10分の1以下に縮小できるのである。大手企業に丸投げして、1台うん十万円かけてPCを配置する、なんていう手法はもはや化石的思考だ。こういう仕事こそ、若手ベンチャーを募って質は高く経費は安く済む方策を練ってもらえば良いのだ。募っても募集しても(あれっ?同じかな?笑)、どっちでも良い。
世の中すべてがIoT化するというのは、だいぶ先の話になるだろう。
たぶん、その頃Mは居ない。
ただ、それほど先の話ではなくて、これから5年程度の話として、スマートフォンさえあればいいや、という風潮から、Stick PCをなかだちにして生活も仕事も効率化して無駄に動き回らずに生産性を上げていくことができる仕組みを組んでいける気がする。
今まで持ち歩いていたビジネスマンのタブレットやノートが、胸ポケットからちょっとはみ出したStick PCに変わってしまう、という画も見えるようだ。
とか何とか言うものの、それでも自分自身はデスクトップから離れられないだろうが・・・