理系夫婦Y子とMの昭和から令和まで

都内で働く薬剤師Y子と、パソコン・DIY・生物などに詳しい理系の夫M。昭和30年代から今日までの実体験に最新の情報を加え、多くの方々、特に子育て・孫育て世代の皆様のお役に立つことを願いつつ発信する夫婦(めおと)ブログです。

サクラ2020 今年は個体ごとの差が大きい

Mです。

 3月半ばから急に暖かな日が現れて、東京では一気にソメイヨシノが咲き始めた。

 とはいえ、場所によってだいぶ咲き始め日に差があるようだし、同じ地域でも個体ごとに大きく異なっている。

 気象庁が東京のソメイヨシノ標準木(靖国神社にあるそうだ)で開花宣言をしたのが3月14日で、その後10日ほどで満開になるという予想だった。
 ところが、実際には一気に咲き進む、ということは無くて、28日時点でも隅田川付近の樹々は、早いものは5分を超えているように見えるものの、まだ殆ど蕾のままの樹もあって差が大きい。

 ↓28日時点で満開近い場所

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 昨年10月から暖かめの日が多かったため、今年のソメイヨシノにとって、寒気にさらされることでしっかり休眠することができなかったようだ。そうなると、いつ暖かくなったのか判らない、という現象が起こってしまい、樹によって3月に入ってからの暖かな日を春だと感じることに迷いが発生してしまったのかもしれない。”休眠打破”と呼ばれるソメイヨシノの生理現象が不十分なのである。
 しっかりと寒い冬は、ソメイヨシノにとって、春を待つきっかけを明確に与えてくれる。しかし、それがないと「今って、冬だっけ?」と迷っているうちに本当に暖かい日が訪れて、慌てて花芽を膨らませて咲きだす、ということになる。
 人間にたとえれば、そそっかしいタイプは「あっ、暖かくなったじゃん!」と咲き始めるが、おっとりタイプは「まだちゃんと冬してないんですけど」と咲き出しが遅れてしまう、なんてことなのかもしれない。

 そんな様子を、同じように感じている人がいた。いつもお世話になっている駐車場の人と、今年のソメイヨシノはちょっと変だ、という話になった。
 Mが、今年のサクラは香らないよね、と話しかけたら、そうそう、いきなり咲きだして色も薄いよね、と返ってきた。そうなのだ、あまり桜色を感じさせない樹が多いということは、Mも感じていた。
 彼曰く、埼玉県の三郷市に住んでいてその付近では5分咲き程度なのだが、全体が白っぽくていつもほど綺麗だと感じないのだという。
 ソメイヨシノの開花は、咲く前に赤い皮を被った蕾が大きく膨らんできて、樹全体が赤っぽくなることから始まる。ところが、今年は咲く前の赤さを感じないままポツポツと咲き始めてパッと咲き進む、というパターンに感じる。サクラ色を強く感じさせてくれるのは、あの膨らんだ蕾の赤と咲き始めた花の白が合わさっているためなのだと思う。その合わせ技が、今年の場合は不十分なのだ。

 じつは、香りも同じなのではないかと思っている。そもそも、ソメイヨシノは香りがとても弱い。咲き始めの時期だけ、近づくと「ほんのり香っている」程度だ。咲きそめた頃は顔を近づけると確かに香りを感じるものの、満開の頃になると殆ど感じない。それが例年の実感だ。Mは「大きく膨らんだ蕾が、あの香りを出す助っ人なのではないか」と想像している。

 咲く時期を見極めようと大きな蕾が満を持している、という期間が不十分な今年は、準備不足で香りも不十分なのだ、と感じている。

 COVID2019騒ぎで落ち着かない日々、せめてサクラに癒やされたいと思うのはMだけではないだろう。

 そうだ、まだ食したことのない隅田河畔長命寺の桜餅、今年こそ買ってみよう!
 香りの不足分は、桜餅で!!