Mです。
ものすごく些末な話題で失礼。
先々週に購入した3斤入りの未スライス食パンが、手のひらの幅くらい残った。この時期、そのまま置いておくことも出来ないので、冷蔵庫に入れておこうか迷った。でもたぶん、冷蔵庫では忘れたままになって、気づいたときには、緑や黄色の島が表面に点在する姿になるだろうと想像した。
ならば、やっぱり凍結だろう、と考えた。
かといって、そのまま凍結してしまうと、けっこう堅くなるので切るのが面倒になる。
そこで、まず半分くらいに割って、更に4分割して、と袋の上から適当に割って、マイナス20℃の世界へ。
そのかたまりを、先週末には半分取り出して、昼飯にチンして食べた。コーヒー片手に、PCを操作しながらバクバク。ごくフツ~の食パンだった。
その残りのかたまりを、ついさっき、またコーヒー片手にパクつくことにした。ただ、今度は、チンするのが面倒なので、そのまま囓ってしまうことに。
囓ったとたんにビックリ!!
☆ 旨いじゃん!! ☆
チンすると、電子レンジの排気口からパンのにおいが立ちのぼるものの、温まったパンは、これといった特徴のないごくフツ~の代物で、なんと言うことはなかった。
ところが、である。内部がシャリシャリするほど凍ったままの食パン塊は、全然違っていた。削り取るように口に入れると、その途端にイーストの香りと油脂の香りがフワッと拡がり、それを小麦粉の味が追っかけてくるのだ。
凍っている、とは言っても、元々含水量が少ないから、水が凍ってしまったような連続した氷塊にはならない。せいぜい、中心部が雪のかたまり程度にやや堅くなっている程度である。ただし、冷凍温度でいるために、大気中に放散してしまうはずの香り成分が封じ込められた状態になっている。表面も冷たいので、顔を近づけても、ほとんどパンの香りがしない。
それが、かえって面白い効果を生み出している。
口に入れた途端に温度が急上昇して、パンから揮発するものが一気に飛び出してくる。
味の成分も同じことだろう。唾液に触れて水を得る。まさに水を得た魚のごとく、水溶性の成分が一気に溶け出してくるのだ。しかも、低温だったものが温度急上昇することでその変化が激しい。
凍ったパンをそのまま食べる、というのは、もしかすると発想の転換として商売に生きるのではないか、とさえ思ってしまったのである。
酷暑の中、カチンカチンにならない程度(-5~-10℃くらい)に凍らしたサンドイッチ、なんて、受けるかも知れない。