理系夫婦Y子とMの昭和から令和まで

都内で働く薬剤師Y子と、パソコン・DIY・生物などに詳しい理系の夫M。昭和30年代から今日までの実体験に最新の情報を加え、多くの方々、特に子育て・孫育て世代の皆様のお役に立つことを願いつつ発信する夫婦(めおと)ブログです。

ヤモリ屋敷

Mです。

 週末を過ごしている家は、週2日足らずしか人の出入りがない。

 家の東側に草地の庭(庭と呼ばない人もいるだろう 笑笑)があり、数知れない生き物が棲んでいる。だから、それを補食する小型動物もたくさんいる。ただ、お目にかかることが少ないだけで、アオダイショウもいればネズミ(カヤネズミ;小型マウスの一種)もいる。モグラも棲んでいて、時々、モグラ穴にボコッと足を踏み入れることがある。アオダイショウは、ずっと前から棲んでいるヤツで、去年会ったときの体長は1.5m以上あった。今年はまだ出会っていないが、たぶん元気だろう。一間(1.8m)くらいに成長しただろうか。どこかの家ネコも、餌場兼トイレとして、この草地を使っている。3匹程やってくるが、真っ黒な雌ネコは呼ぶと近づいてくる、Mの仲良しである。

 果樹も何種類か育っているが、とにもかくにも、草の密度が高い。年に2回程草刈りをするが、土が完全に露出することはない。真ん中あたりに畳3枚程の面積を耕してあって、自分としてはそこでいくつかの野菜を永年観察しながら繁殖させている。だだ、週に2日足らずしか居ないので、周囲の草丈の方が勝ってしまい、とても耕した場所があるとは判らない様相だ。

 それでも、良く観れば、シソとジャガイモがエノコログサが風に波打つ間から、チラチラと見えている。ニラもだいぶ増えているのだが、遠目には数多くのイネ科植物に隠れていて見分けられない。花が咲いて初めて、あっ、あそこにあったのか、とわかる。

 そんな自然だらけの状態だから、家屋周りにも小動物がひしめいている。

 屋内には十匹以上のハエトリグモたちがチョロチョロしているし、外壁には、ジョロウグモの巣がたくさん懸かっている。帰宅したときの第1注意点が、家にはいるまで、蜘蛛の巣を壊さないこと、である。気づかずに頭にくっつけてしまうこともあるが、うまく剥がせば次の日にはヤツらが補修してしまう。こちらも、同じ過ちを繰り返さないよう、細心の注意を払って、再突入を避けている。

 夏の夜に良く出会うのは、ヤモリ(ニホンヤモリ)だ。

 明かりが漏れる窓には、夜行性の昆虫がバンバン飛んでくる。それを狙って窓にはり付いているのである。だから、大抵は腹側からしか見えない。おどかしては気の毒なので、ただ観察するのみ。気が向くと写真を撮らせてもらうくらいで、お互い平和に暮らしている。
その姿が、とにかく可愛いのである。

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 ↑ 台所小窓にはり付いているオス。体長10cmくらい。手足の吸盤がカワイイ!

 ヤモリもずっと以前から見かけてはいたが、その数は確実に増えている。サイズもまちまちで、明らかな成体サイズ(頭尾長10cm以上)もいれば、去年孵化したらしい5cm未満クラスもいる。ヤモリの寿命は15年程度といわれているから、結構な長老も混じっているかも知れない。小さいヤツらが何カ所かで同時に見つかるから、毎年着実に増えているのだと思う。

 その理由は、2階ベランダの南隅に、以前使っていた葦簀の束を3束ほど立てかけたままにしてあるからだ、と思っている。

 そこには栗の大木から落ちた葉も積もっていて、冬は恰好の越冬場所になっていると思われるからだ。事実、何の気なしに冬場にその場所をいじったら、葦簀の隙間から冬眠状態のヤモリがボテッと落ちてきた。慌てて隙間にこじ入れて寒くないように戻した。たぶん、葦簀のかたまりの中に、何個体もうずくまっていたのだろう。
 気づけば、その周辺の壁には、孵化が済んだヤモリの卵の一部が貼り付いたままになっている。外壁に何本もの溝があるが、その溝に産卵し易いらしく、何カ所にもくっついている。ホコリにまみれて黒ずんだものから、去年のものらしいまだ白いものまで、たくさんくっついている。

ヘビもいればネコも来る。鳥もたくさんやってくるから、孵化したばかりのヤモリたちにとっては、結構危険な環境でもある。毎年何個体孵化して、どれくらいの率で年を越せるのか判らないが、感覚的に年々増えていると感じるから、危険はあっても、我が家は優れたヤモリ屋敷なのかも知れない。

 年々暑くなっていると感じる夏も、ヤモリたちにとってはむしろ好都合。

 あったかいぜ、と我が世の「夏」を謳歌しているのかも知れない。

 どんどん増えてもいいよ。別に困らないから。

(参考)

 ↓ Wikiさんから拝借した背面からの写真

  (尾部付け根が左右に脹らんでいるので、これもオス)

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