理系夫婦Y子とMの昭和から令和まで

都内で働く薬剤師Y子と、パソコン・DIY・生物などに詳しい理系の夫M。昭和30年代から今日までの実体験に最新の情報を加え、多くの方々、特に子育て・孫育て世代の皆様のお役に立つことを願いつつ発信する夫婦(めおと)ブログです。

極小コーナータップ バッタ屋で掘り出し物 

Mです。

 PC周りはタコ足配線が付き物。

 周辺機器がいくつもあるので、それらの電源取りのためにスイッチ付きOAタップ(いわゆるテーブルタップの上級品)がどうしても欠かせない。ひとつひとつは小電力なので、出来れば6個口とか8個口が欲しくなる。必要なコンセント数が決まってくると、タップ全体にひとつのスイッチではなくて、6口ならその各々に個別スイッチが付いた物が欲しくなる。そうすれば、プラグの抜き差しをせずにそれぞれの装置電源をON/OFF出来るようになるからだ。
 プリンター程度なら問題ないのだが、外付けのHDDマウンターなどを使っていると、マウンターのスイッチを切り忘れたままプラグを抜いてしまったと気づいたときに、思わず背筋が寒くなる。電源の入り切りの際に発生するサージ電流で、記憶装置にトラブルが起こることが十分考えられるからだ。
 人の手でプラグを抜いたり挿したりするとき、一瞬の動作のようでいて、プラグとコンセントの金属端では、ごく短時間の接触、非接触を何度も起こしている可能性がある。例えば、電気ストーブを使っていて、本体スイッチをONにしたままプラグを抜く、という操作をした経験がある方がいると思う。その時、抜く操作がちょっとゆっくりめだったり、噛みが固くて手こずったりしたとき、プラグを抜き取る瞬間、コンセントの中でパッと火花が飛ぶことがある。けっこう多くの人が経験していると思うのだが、この時、結構ヤバイ現象が起きている。通電状態の閉じた回路をいきなり切る、という動作によって、給電側、つまり家屋のコンセント側と電気器具のプラグとの金属端で、高電圧の電流が発生している。いわゆる、スパークが飛ぶ、というやつで、これがサージ電流とも呼ばれる現象だ。ミリセコンド単位の話なので、実際これで何か不都合が起こるということはまずない。ただ、器具の側がデジタル機器、特に記憶装置の時はそう簡単ではない。一瞬の高電圧が発生して、それで制御回路が吹っ飛ぶことさえある。そこまで行かなくとも、デジタルデータがごく一部で飛んでしまって、データエラーにつながることもあるのだ。かく言うMも、一度これをやってHDD一台をお釈迦にした経験がある。恥ずかしい限りだ。

 その反省もあって、ちょっと値は張るが、今使っているタップには、どれもスイッチが付いていて、周辺機器のプラグを抜き差しすることは行わないようにしている。そうしてからは、今のところ一度も不具合は起こしていない。

 そんなふうに、どうしても複数の機器をつながなくてはならなくなるPC周りのタップで困ることがひとつある。周辺機器の電源に多く使われているDCアダプターだ。普通のプラグ付き電線がアダプター本体からニョキッと出ている物は問題ないが、拳骨タイプのアダプター本体のかたまりからプラグ端子が2本出ているタイプがくせ者なのだ。このタイプ、タップに取り付けると、幅が大きいと隣のプラグが使えなくなってしまうのだ。しかたがないので、専用の中継電源ケーブルを作る、ということもあるが、それも結構面倒。 と、そんなとき、バッタ屋で極小コーナータップ、なるものを発見した。なんと100円だった。

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 ひとつのコンセントに挿して3口に変換する物が以前から知られているが(下画像参照)、発想としてはこれの変形バージョン。しかも、プラグ切片部分が回転するタイプで、スティック上の本体両側にコンセント穴が2箇所設けられている。これだと、タップに挿して外側に拳骨タイプをつけることになるので、タップ正面を塞ぐことがない。しかも、両側に拳骨を2個つけても大丈夫。3口変換コンセントなどではこうは行かない。

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 125V、15Aの表示で、ちゃんと安全マークも付いている。さらに、サージ電流防護も謳っている。中国製だが、設計製造元は日本メーカーとなっている。

 このタップから大電力のヒーターを使おうとする人はいないだろうから、やや華奢な見てくれだが、使い道さえ間違わなければ問題ない。
 そもそも、PC周辺機器に使うのだから、使う電力はたかが知れている。せいぜい2~3A程度しか流さないから、まったく問題はないのだ。

 さすがに小さい製品だから、完全はめ込み式のプラスチック容器になっていて分解は出来そうになかった。本来なら、バラして電線と端子をハンダ付けしてやりたいところだが、さすがにそれは諦めた。

 ごく些末な商品ではあるけれど、なかなかのアイデア商品だと思った。

 実際に使っていて、あったらいいなぁ、と思う物はよくある。そんな品物を商品にするという仕事は、結構面白いと思っている。ただ、それなりの資金も必要だから、ニーズの規模が問題なのだが・・・

 今回見つけた「極小コーナータップ」は、Mとしてなかなかの拾い物だと思っている。
 が、バッタ屋で見つけたということ自体、実際は商売として失敗作なのかも知れない。製品として目の付け所は良いけれど、さっぱり売れなかったからバッタ屋に出てきてしまった、ということなのかも知れないのだ。
 そうだとすれば、気の毒なことだ。
 
 秋葉原のジャンク屋巡りと同じで、バッタ屋での拾い物探しも、なかなかやめられそうにない。