理系夫婦Y子とMの昭和から令和まで

都内で働く薬剤師Y子と、パソコン・DIY・生物などに詳しい理系の夫M。昭和30年代から今日までの実体験に最新の情報を加え、多くの方々、特に子育て・孫育て世代の皆様のお役に立つことを願いつつ発信する夫婦(めおと)ブログです。

寒さでバッテリー・ダウン 温めてどうにか・・・

Mです。

 先週末9日からの寒波襲来で、日本海側の皆さんは、最近にない大雪で難渋されている。寒いとはいえ、雪のない関東人は、想像できる気がするものの、ほんとうの大変さがわからない。

 若い頃、札幌に住んでいたことがあって、当時の冬はなかなかの経験だった。
 地元の人に聞くと、それ以前に比べれば雪は少ないといわれたものの、1階だったアパートの窓は3月いっぱい雪の壁の中にあった。銭湯帰りには、ほんの数分で髪の毛が束になって凍り、シャラシャラと音を立てていた。ただ、札幌の雪は、ドライで吹けば飛んでしまうという点で、あまり邪魔にならなかった。むしろ、衣服の雪は玄関前ではたけばほとんど落ちてしまったので、雪の時期は洗濯の回数が減って助かった気さえする。札幌の知人と話したところでは、この冬は最近になく雪の量が多いとか。サラサラの雪なら良いが、と思わずにいられない。

北陸道でたくさんのクルマが立ち往生していた情報からも、この冬は暖冬と言われながらも気温の波が大きいように思う。

 雪が降らないだけでも助かっているが、それでも、先週末の夜の冷え込みはなかなかのものだった。その冷え込みで、休み中にしくじりを犯してしまった。
 バッテリー・ダウンだ。
 土曜の昼から月曜の夕方まで、クルマを一度も動かすことがなかった。そして、月曜の夜、さあ出かけなくては、という段になってエンジンがかからなかったのである。
 クルマのモニターが示す外気温はマイナス2℃。丸2日以上動かしていないのだから、もちろんエンジンルームも冷え切っていて、その温度。そのせいで、エンジンキーを回したとき、セルモーターの動きが鈍かった。それでも一旦エンジンがかかったのだが、そのときアクセルペダルを踏み込まなかったのがいけなかった。エンジン自体が冷え切っていたので、そのまま爆発が続かずにストンと止まってしまった。まずい、と思ったが後の祭り。もはやセルモータをちゃんと回せるだけの起電力がなかった。少し休ませながらキーを回したが、グッ グッ と少しだけピストンを動かすがそこで止まってしまうのだ。少し時間を空けて試すが、もうダメ。
 アチャ~~! 久しぶりのバッテリー「アガリ」だった。

 実は、積んでいるバッテリーは寿命が近いとわかっていた。交換は2017年8月。つまり、既に3年半のご老体なのだ。昔のようにバッテリーのメンテができれば良いのだが、今どきのバッテリーは、完全密封型が主流で電解液が減りにくい。とは言っても、実際には減ってくるのに補充ができない。以前に比べて性能がアップしたこともあり、蒸発水を循環できる構造にすることで、寿命を迎えるまでメンテフリーにして利便性を上げる方向にシフトしたのである。新品バッテリーの寿命は約2年、と言われている。だから、その期間はメンテフリーなのだ。
 ただ、うまく使えば3年、4年と保ってしまうので替え時が難しくなった。
 バッテリーをちょくちょく点検して液の補充をしていた頃は、蒸留水補充のたびに電圧測定をしてヘタリ具合を見極めながら、そろそろ交換だな、とか思っていたので「アガリ」は経験していない。今回も、弱っているのは知っていたので、3年前に予備に買ったバッテリーを常に車に積みこんでおいて、イザとなったら交換すればいいや、と気楽に考えていた。

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左が従来の液補充タイプ(プラス溝がついた補充口が6個ある)

右がメンテフリータイプ(マイナス溝の点検窓が左手前にある)

 

 アガッちまったからには仕方ない、新品に交換だ、とボンネットを開けて即交換。
 ところが、である。なんと、3年前の新品は、箱に入れたまま放って置いたものだったから、一度も充電されていなかったのだった。お笑いである。交換した新品バッテリーでは、セルモーターが全く動かない。こっちこそ、完全なアガリ状態だったと知った。

 はてさて、どうしたものか?!

 テスターを持ち出して2つのバッテリーの電圧を測ってみたら、搭載していたものは12.7Vだったのに対し、新品の方はなんと11.0V。セルモーターが動かないはずだ。新品の方は放電状態で使いようがなかったのである。

 残念ながら、手元には充電器がない。あったにしても、充電には少なくとも数時間必要だから、現実的ではない。予定があるので時間の猶予はそれほど無かったのである。

 となると、電圧的にはセルモーターが動くレベルにある旧い方がまだマシである。電圧が十分でも動かない、ということは、電流量が不足していることだから、バッテリーの化学反応を促進するしかない。冷え切っていて反応が進まないのだから、温めてやるしかない、と判断した。

 旧いバッテリーを屋内に持ち込み、ホットカーペットに載せて横から温風ヒーターで温める。電解液を温めるのには撹拌が重要だから、その状態でバッテリーを揺すりながら加温すること20分。テスターで測ると、電圧が少し上がって12.9Vになっていた。電圧変化があったということは、電解反応が進みやすくなったということだと判断してクルマに再度搭載。
 かかってくれっ!と念じつつ、キーを回す。
 グルグルグルッ とセルモーターが回り、エンジンがかかった。すかさずスロットルを開いて回転を上げる。しばらく回転を高めに保ってエンジン音が軽くなるのを待った。
どうやら、セーフ!!

 どうにか1時間ほどの遅れで、出発できた。

 いやはや、寒さはバッテリーの大敵だ。ガソリンエンジンならこれほどのことはないが、我が家の車はディーゼル。電気、燃料電池、と変遷していくクルマの中で、もはや古株である。始動時に50A以上の電流量が必要なディーゼルエンジンは、バッテリーの管理がガソリン車以上にシビア。今更ながらに、早めに交換しておけば良かったと後悔した。

 新品にもかかわらず放電してしまって使えないバッテリーを予備にしていた己が、何とも滑稽な出来事だった。
 この「新品」君、今日一日、充電器につないでおいたから、今はフルパワー。
 週末にでも、どうにか動いてくれているセンパイと交代してもらおう。