理系夫婦Y子とMの昭和から令和まで

都内で働く薬剤師Y子と、パソコン・DIY・生物などに詳しい理系の夫M。昭和30年代から今日までの実体験に最新の情報を加え、多くの方々、特に子育て・孫育て世代の皆様のお役に立つことを願いつつ発信する夫婦(めおと)ブログです。

あっ ハチロク!!

Mです。

 先週の中頃、朝の都内一般道を走っていたとき、中央車線側から赤いスポーティーなクルマがウィンカーをチカチカさせて前に入ってきた。あれっ、どっかで見た形だと思ってよく見ると、なんと、ハチロクではないか!
 バブル後、一度レースからも撤退してスポーツカーのジャンルを見限ったトヨタさんが、20年近く前、現社長が副社長だった時代に、再び生産に乗り出した一般道を走る低価格帯のスポーツカー「86」である。
 懐かしくて、夜になってから調べてみると、生産を始めたのが2012年で、その後、ちょこちょこと細かな改良、改変を加えて、5~6回のマイナーチェンジを加えながら、2020年度にも生産していたと知った。
 若い人たちのクルマ離れが進む時代の中で、ちゃんとファンを繋ぎ留めているのだとわかって、なんとはなしに嬉しくなった。

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     ↑ TOYOTAさんの写真を拝借

 とはいえ、実のところ、Mはトヨタ車が全く好きではない。アンチTOYOTAで、ずぅ~っと通してきている。
 同じエンジンで顔を変えていくつもの車種を作って売りまくる戦術が、昔から大嫌いで、クルマ界の帝王であることは認めるものの、その商売っ気にまみれたやり方が好きではないのだ。車の内装は確かに群を抜いてすばらしいし、価格以上の出来映えには舌を巻くしかない。その点では、好き嫌いを言わなければ、完敗である。

 でも・・・・と、ひねくれたMは思うのだ。

 クルマは、性能と特長のバランスで勝負だろう! 何がしたいか、何ができるか、で選ぶ商品であるべきだ、という思考だったからだ。

 上品で過不足ないクルマがずらりとそろうTOYOTAには、「こだわり」よりも「洗練」が見えてしまい、へそまがりのMには 眩しすぎたのだ、と思っている。

 そんなTOYOTAさん、一度撤退したスポーツーカー分野に、バブル期にお兄ちゃん層に絶大の人気を誇った カローラ・レビン、スプリンター・トレノ、という比較的廉価でオーナーが手を加えやすい型式86を復活させた。お察しの通り、これら2車種は、T社お得意の同一エンジン別車種で、販売店の系列が違っていただけ。もちろんMは、冷ややかに見ていたクチである。

 ただ、この復活のさせ方がビックリ。自社単独ではなかったのだ。なんと、主要部分を余所に任せるというTOYOTAさんとは思えない手法だったのである。
 コンセプトは、小型で低重心、運転性能の高いもの、というところにあったのだろう。エンジンを、SUBARU水平対向エンジンにしてしまったのだった。

 水平対向エンジンは、今でもつづくSUBARUさんの独壇場。ラリー界で世界的に認められている高性能エンジンである。共同開発スポーツカーに、新型86の未来を見いだしたのだった。

 作られたクルマは、TOYOTAエンブレムを付ければトヨタ86、SUBARUエンブレムを付ければスバルBRZ、と呼ばれる。

 いずれも、作られているのは殆どが群馬県伊勢崎市の富士重工工場だという。TOYOTAブランドのクルマが愛知以外で出来上がってしまうのは、珍しいのだと思う。上州生まれのトヨタ車があるのだ。

 ちなみに、先週の朝、前に入ってきた赤のハチロクは、スバルBRZだった。すごくきれいなクルマだったから、最近作られたモノだったのかも知れない。

 その目撃から2日後、今度は、松戸市内を走っていたとき対向車線を走ってくる黒のハチロクに出会った。う~~ん、こんな珍しいクルマに2度も出会うとは、ちょっと信じがたかった。ちなみに、このときは、トヨタ86だった。

 2021年秋に、新型ハチロクが発売になるそうだ。
 見てすぐに分かるあのフェイスが、どんな感じになるのか、ファンではないのだが興味津々である。

 個性がどんどん薄れていくモノが多い中で、見た瞬間にそれと分かるモノは、すばらしいと思う。