理系夫婦Y子とMの昭和から令和まで

都内で働く薬剤師Y子と、パソコン・DIY・生物などに詳しい理系の夫M。昭和30年代から今日までの実体験に最新の情報を加え、多くの方々、特に子育て・孫育て世代の皆様のお役に立つことを願いつつ発信する夫婦(めおと)ブログです。

さすが! こども目線の至れり尽くせり

Mです。

 仕事の関係で、こども医療の中心的存在の施設を訪れる機会があった。
東京世田谷の多摩川河岸段丘上にある、国立成育医療研究センター

じつに厳めしい名前になっているが、単純な病院ではないので仕方が無い。

 訪れるまで知らなかったのだが、実はこの施設、ずっと以前に何度も前を通り過ぎていたところだった。ただ、当時の名称は国立大蔵病院。もう、20年くらい前の記憶である。

 当時の建屋は、たしか濃い茶色の煉瓦造りの姿で、うっそうとした森の中に暗くたたずんでいた。なにしろ、元陸軍病院だったところだし、昔の国立病院にある重々しく陰気な建物だった。

 それが、今回訪れてみると180度の対局。明るくて広々していて、何とも晴れやかな気分になるほどの変貌ぶりだった。

 ↓ 施設案内
 https://www.ncchd.go.jp/
 
 同施設は、単純に病院という施設ではない。むしろ、こども医療(受精研究から周産期研究を含む)全般の基礎研究と応用研究を大きな柱にして、その柱と並立して具体的な医療行為を施せるように病院施設を組み合わせた総合施設である。すべての人に対する啓蒙も含めて、次の世代を支えていこうとする組織だ。

 とはいえ、そんな難しい理屈を前面に出す雰囲気など全く無く、コロナ禍対応で入館制限などしっかり行ってはいるが、中の雰囲気はとても和やかで医療施設特有のニオイも無いから、入っていく人々を緊張させることがない。

 入ってすぐに広い空間が広がり、患者さんと付添人を受け入れる場所のそこここに、ゆったり出来る空間やイスが配置されている。そしてこども対応の極めつけ、あそび空間が何カ所にも用意されているのがスゴイ。

 こども目線でいろいろな物が見えるように、物の配置が考えられていて、高い遮蔽物が極力排除されている。さらに、壁が明るい色あいに統一されているだけでなく、所々に絵本の世界のような絵が描かれていて、大人でも和んでしまう。

 仕事で訪れてミーティングするのが目的だったのだが、その前後に思わずいろいろ眺めてしまった。
 
 打ち合わせを終え、帰り支度している時に、入り口近くの休憩場所で面白い物を目にした。
 プレイルームの上に設置された防災器具らしき物が、目の端で「あれれ?」と思わせる像を結んだ。もしかして「ウィンダム」?! 

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              ※右イラストは ピクシブ百科事典さんから転載

 円谷特撮の最高傑作だと思っている「ウルトラセブン」で、セブンが苦戦している時などに援軍として使役するカプセル怪獣の一体。全身金属製に見えるロボットのような姿で、けっこうコミカルな動きをする愛らしい怪獣だった。その顔のイメージが、この装置を見た瞬間に浮かんだのである。

 あとでイラストを見つけ、再度見比べると、最初の印象ほどは似ていなかったのが残念。だが、見た瞬間は金属色で突起があるとんがった形が、あっと思わせたのだろう。

 こんな無機質な防災装置にも、こども目線で面白くなるような工夫をしているのではないかと想像している。

  実際は、じつに堅い仕事をしている施設だけれど、入る人々をリラックスさせようとする工夫には、本当に頭が下がった。
 みんなに希望を与える仕事、たいへんだろうけれど、ますます頑張っていただきたい。