Mです。
午前10時過ぎ、仕事中のPCが突如ネットに繫がらなくなった。
その数分前まで、ネット上で業務上の注文、振り込み作業をしていた。その作業が終わって、仕事相手からのメールを確認して返答を綴っていたのだが、いざ送信の段になって通信不能の表示。あれっ?と思い、ブラウザを起こして確認しようとしたら、「ネットに繫がっていません」って、返ってきた!
ウッソー、さっきまで銀行と通信してたじゃん! と言っても、何の意味もない。
メーラーも動作しないし、ブラウザは恐竜を映したままで、ニッチもサッチも状態。
まあ、時折こんなこともある、と思ってすべての通信をカットして、モデム等の通信関連機器をリセット。
通常は、これで再設定すればネット接続は復旧する、と踏んでいた。
ところが、今回は、全く改善無し。何度やっても、繫がらなかったのである。
悪戦苦闘30分あまり。
モデムが死ぬとは考えにくいし、光通信機器がイカレたとも思えない。ちなみに、電話は光通信モデム経由のインターネット電話になっているが、ちゃんと繫がっている。自分の携帯にもかけられたし、その逆もOK。ということは、ネットだけが繫がらない状態になっていると判断するしかない。
こうなってしまっては、成す術がない。一度もかけたことのないプロバイダーのコールセンターに電話することにした。
0120回線が繫がるまで幾度もかけ直して、20分以上してようやくつながった。センターの おねえさん に状況を説明すると、自分は取り次ぎ役なので担当部署に回して折り返し電話させるとのこと。じゃ、お願いします、と切ってから1時間あまり。何の連絡もない。
????????
再度コールセンターへ。今度は5回くらいで運良くつながったものの、さっきとは違うおねえさんの声で、同じ返答。「電話が行くまでお待ちください」・・・・
それから30分ほどして、ようやく外線電話が入った。不満をグッと堪えて(オトナだねぇ)、受話器を取る。今度の相手は、若いおにいさん。「あと10分くらいで伺いますので・・・」 えっ、電話じゃないの?と言うと、「たぶん電話じゃどうにもならないと思いますので・・・」とのこと。なんだ? 説明しても、どうせ判らんだろう、って思ってるのか? と、ムカッときたが、ここもグッと堪えて、ハイ判りました、よろしくお願いします・・・
10分、20分、そして30分ほどして、電話が来た。「近くに来ていると思うんですけど、伺う場所が判らないんです・・・」と言う。
今どんなところにいるのかを尋ねると、すぐ近くの建物の前にいると判った。よかった! そこから南に3軒目だと説明して、ようやく来てもらえた。
やって来たのは、以前のカラテカ矢部さんによく似た、くりくり坊主のおにいさん。
状況を説明すると、大きなバッグからブックPCを出してモデムとつなぎ、こちらの説明を確認し、「ほんとですねぇ、繋がりそうもありませんね」と言う。モデムが壊れたとも思えないと言うと、「そうですね、それは無いでしょう。これ、プロバイダーのオーバーロードです、きっと」とのこと。えっ、回線がパンクしてるって事ですか? と聞くと、「東京、神奈川では最近この現象が多いんです」と返ってきた。それって、ステイホームで仕事してる人が多いから、プロバイダーへのアクセス経路が一挙に増えたってこと?と聞くと、「まさに、それです。今までは、会社の通信回線一本で社員全員がまとめてサーバー経由で通信していたんですけど、いま、一人一人が別々に同じプロバイダーにアクセスをかけてくるんで、回線自体が繋がりにくくなってます。どのプロバイダーでも起こっているんですが、混んでいるプロバイダーとそうでもないところがある状況で、こちらでお使いのプロバイダーは、いまパンク状態なんです」とのことだった。
何のことはない、インターネット回線に生じた「コロナ禍」だったのである。
クラウドサーバーに乗って悠々空を駆けていた悟空が、気づけば頼みの觔斗雲(きんとうん)が細かくちぎれてグツグツになり落下!、といった感じ。
在宅勤務で無駄を排する、という効果は、コロナ禍のプラス面として顕著になってきているものの、一方でこんな落とし穴があるとは思ってもいなかった。
おにいさんは、とりあえず、繋がらないのは困るでしょうから、と言って、自身の個人契約のプロバイダー設定を貸してくれた。会社から比較的空いているプロバイダー情報を連絡させるので、それまで使ってくれていい、とのこと。
メンテ業務の方々も、苦労が多いのだ。客によっては、おにいさんのせいじゃないのに、ガミガミいう人もいるのだろう。SEさんたちは、大変な状況なのだ、と同情してしまった。同時に、プロバイダー業界も、サーバー容量アップ、回線容量アップで対応しなくてはならないだろうから、それも大変なのだろうと想像している。
それにしても、ネット社会は、見えないところで膨大な情報がやりとりされているのだと、あらためて認識させられた。
かといって、10年前に戻れ、とは言えない。インフラ整備の更なる充実が必要なのだと気づかされる出来事だった。