理系夫婦Y子とMの昭和から令和まで

都内で働く薬剤師Y子と、パソコン・DIY・生物などに詳しい理系の夫M。昭和30年代から今日までの実体験に最新の情報を加え、多くの方々、特に子育て・孫育て世代の皆様のお役に立つことを願いつつ発信する夫婦(めおと)ブログです。

高速道路情報って、こんなもの?

Mです。

 これまで、さほど気になっていなかった高速道路での道路交通情報の仕組みに、びっくりするほどの不備を経験した。

 11月10日の11時前に、外環道(東京外かく環状道路)外回りを使って、埼玉県三郷市から千葉に向かった。ところが、いつもどおり三郷中央入路の坂を上っていくと、上り詰める前でゲートに車が何台も入れないまま止まっているのが見えてきた。右を見れば、本線のフェンス越しに大型車の屋根が何台も見えていて、それらも停止状態。すでに高速入路に入ってしまっているので、バックするわけにはいかない。あたりまえだが、Uターンして逆走するわけにもいかない。
 いったい何なんだ?と、高速情報ラジオを聞いてみた。流れていたのは情報ラジオ三郷で、まさにどんぴしゃのエリア。ところが、止まってしまっている三郷付近から先の外回りルートの情報が全く入っていない。首都高川口線の渋滞や外環内回りの大泉方面の渋滞などを繰り返すだけで、目の前の状況に対する情報が全く含まれていないのだ。ということは、この停滞状況は発生して間もないもので、まだ情報が放送局まで渡っていないことになる。情報ラジオは5分間隔ほどで内容更新するはずだから待つしかないな、と思いながらジワジワと進んでゲートをくぐり高速本線に入った。
 クルマの流れ具合は、動くには動いているものの、平均すれば自転車がどうにか倒れないで進める程度。時速2Km程度だろうか。後ろを見ると、同じように入路を上ってきてしまったクルマたちが、坂道を埋めてしまっている様子。それを見たクルマは、今頃、高速に入るのをやめてそのまま一般道を進む選択をしただろう。あと10分遅ければ、自分もそうしていたに違いない。今更嘆いても遅いが、何とも悔しい。

 ジワジワと動きながら再び情報ラジオをオン。・・・さっきと同じ内容だ。時刻更新されているのに内容は変わっていない。まだ情報が行っていないのだろうか? いったい、この渋滞がいつ始まったのかもわからない。

 実はこの道路、三郷で入ったクルマは、千葉県の松戸市に入らないと出ることができない。その間はずっと高架で、松戸市内からトンネルになって市川ジャンクションまでモグラである。ということは、松戸の出口より手前に渋滞のネックがあるのなら、そこまでは我慢するしかない。そこから先は走れるはずだから、とにかくジワジワ進むしかないということだ。

 一方、ネックがトンネル内だとすると、松戸で一般道に出てしまうか、それでも我慢でトンネルに入るかを選択しなくてはならない。残念なことに、松戸の出口で一般道に降りてしまうと、慢性渋滞地域があるため、目的の千葉市に行くには2時間かかってしまう。それを考えると、たとえトンネル内に渋滞の原因があるにしても、少しずつでも進むのなら、そのままのルートを選ぶ方が得策なのだ。

 とにかく、ネックが何なのか分からないことには、その判断もできない。とにかく、情報が欲しい!!

 カーナビのVICS情報も見ていたのだが、そちらにも一向に渋滞マークが出てこない。(VICS一般財団法人 道路交通情報通信システムセンター=Vehicle Information and Communication System Center)
 この時点で、三郷中央入口を入ってから30分経過していた。それなのに、情報ラジオもVICS情報も、この渋滞を無視し続けていたのである。

 そんな状況にいらだっている時、後方からサイレンの音。しばらくして、路側帯を道路公団(現NEXCO)の黄色いSUVトロールカーが走って行った。ということは、この渋滞の原因がまだ特定されておらず、それを確認するために公団車両が確認に走ったのだと考えた。警察車両も救急車も走っていかなかったということは、事故ではない。たぶん故障車がいるのだ。なるべく近いところであってほしいと念じつつ、ジワジワ、ジワジワと・・・・

 さらに30分経過。通常ならすでに目的地に到着している時分だが、まだまだ道のりは遠い。なにしろ、普通なら一般道でも15分で10Km先の江戸川を渡ってしまうのに、1時間で数kmしか進んでいないのだ。しかも、何度も内容更新した情報ラジオがまだこの渋滞を報じていない。いったい何なんだ!!

 そうこうしているうちに、ジワジワだった進み方が、腸の蠕動運動のように、数百mだけ時速20kmほどで動いては停まる動きになった。先頭の状況が少し改善したということだろう。この動きを繰り返しているうちに、どうにか江戸川を越え千葉県内に入った。松戸の出口近くになって迷ったが、状況が改善しているようなので一般道に出ずにそのまま進むことを選択。

 この時点で、1時間半経過し、トンネル区間に突入。トンネル入り口の表示板には、「トンネル内渋滞」とだけ表示されていた。原因不明である。

 トンネルに入っても同じような動きで進んでは停まるを繰り返してさらに15分ほど経って、ようやく原因が判明。トンネル内2車線のうち右側に大型トレーラーが止まっていて、公団の大型レッカーが移動準備をしていた。ずいぶん前に横を通っていたSUVトロールカーがその後ろにいて、職員が交通整理で赤色LED棒を振っていた。

 渋滞のネックまでほぼ2時間。ようやく頚木が解かれて自由の身になれた!

 そこから先は何の障害もなく、30分ほどで目的地に到着。途中で遅くなることはあらかじめ伝えてあったので、先方も了解済みだったとはいえ、打ち合わせの約束からは
1時間近くの遅刻だった。ごめんなさい。

 それにしても不可解なのは、あれほどの渋滞を起こしているのに、結局のところ、最後までその情報が表示板、ラジオ、VICSのいずれにも公にされていなかったという事実だ。
 NEXCOのパトロールカーとレッカー車が故障したトレーラーに到達していたのだから、その情報は当然のこと、情報ラジオ局、VICSセンターのどちらにも伝わっていなくてはいけないはずだ。それなのに、2時間もの間、全く情報が現れてこないままだった。あの後、レッカー車が故障車を移動させたとして、やれやれ動いたよ、動いたからまっいいか、で済ませてしまったのだろうか?

 高速道路は、利用者が使用料金を払って時間を買っている。それなのに、渋滞してしまっている状況を公にしないまま、入ってくるクルマに何の情報も与えないのは、悪く言えば詐欺行為に等しいと思う。
 鉄道のように元々事故が起こりにくい設備とは異なるので、渋滞したのが道路のせいだから金を返せ、とはならない。ただし、ほとんど進まない渋滞状況なのにその原因と場所を知らせずに入路閉鎖もしないでいたのは、走れないのを知っていて使用料金だけ徴収していた、ということだ。渋滞の情報がしっかり分かっていれば、高速を使わないことにした人も居れば、途中で一般道に降りたいドライバーもいたはずである。そうなっていなかったことで、渋滞に巻き込まれてしまった人もいただろうと思うのだ。
 
 VICS情報の仕組みはどうなっているのかと疑問になったので調べてみると、実施主体である先記の財団(一般財団法人 道路交通情報通信システムセンター)HPの説明は以下の図だった。

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 つまり、情報の元は、今回の場合、埼玉県警または千葉県警NEXCOということになる。今回、警察は出動していなかったから、NEXCO東日本が情報元だということになる。だとすると、出動したSUVパトカーもレッカー車も、状況報告をVICSセンターに上げていなかったということになる。ならば当然、交通情報ラジオ局にも伝わっていなかったのだろう。
 こんなことが常に行われているはずはない。現に、毎日のように沢山の渋滞情報がラジオで報じられているし、ネットで示されてもいる。カーナビの画面にも赤やオレンジの線が何本も現れては消えていくのだ。

 はてさて、今回のいきさつはどんなことだったのだろうか?

 ちなみに、スマホアプリの進化が激しい昨今、高速道路の渋滞情報は画面でその都度バッチリ確認できる。知り合いの大型ドライバー諸氏は、常にスマホアプリで確認しながらルート選びしているそうだ。残念ながらMは、ガラ携よりはちょっとましなガラホで、その手のアプリは使えない。だから、高速情報ラジオとナビのVICS情報が欠かせない。

 今回の渋滞のなか、多くの人はスマホで状況をある程度把握していたから、おとなしくジワジワ動きをガマンできたのかも知れない。

 とはいえ、所々にある道路の表示板情報が、ただの「渋滞発生中」だけだったし、「故障車あり」のメッセージが無かったのも事実だ。自分の目で見るまで原因さえわからずに耐えなければならなかった要因は、適切に情報開示しようとしなかった管理者側の姿勢にあると思うのだ。

 現場職員の怠慢なのか、それとも、NEXCOの内規に従った「正しい」処理だったのか、大いに疑問が残った。

 高速料金を払って通常の3倍の時間を要したユーザーとしては、納得のいかない一件だった。