Mです。
月に2回ほど、打ち合わせ仕事にあわせて、実家で一人暮らししている母親の様子を見に行く。高速を使えば、東京から実家までおよそ70分程で着く。
年末のクリスマス前、そんな感じで立ち寄って買い物やちょっとした修理なんぞをしたのだが、その際、ペットボトルのお茶を開けてくれようとした母親が「口が固くて開かないんだよ」と呟いた。自分で開けるとお茶を受け取り、飲んだ。
気づいてみれば、異物混入なんぞが起こりうる厄介な世相の中で、今使われているペットボトルの蓋はだいぶ頑丈に付けられている。蓋を開けると本体側に残るストッパー部分と細い橋でつながっているので、開けるときはこの部分をねじ切らなければならない。気にしていなかったが、確かに以前より開栓に力が要るようになったと感じる。スクリュー部分の噛み合いも強まっていると感じていて、開けるときにねじ山同士が粘り着きながら動いていくように思う。そういえば、5歳の孫もペットボトルの蓋は自分で開けられない。
自分にとっては、別段苦になるほどのことではなかったので気にしなかったのだが、言われてみれば握力の小さい人にとって、アイツは厄介者なのだと知った。
そこでちょいと調べてみたら、世の中には多くのペットボトルオープナーなるものが工夫され、売られていると知った。なるほど、それだけニーズがあったと云うことなのだ!
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作られているのは大別して2タイプ。ハンドル状の握りで回すものと、大きな円筒でペットボトルのフタを包み込んで回すもの。理屈はどちらも同じで、中学高学年か高校1年くらいで学ぶ「てこ」や「輪軸」のように、小さな力で大きな回転力を作り出す仕組みだ。 製品価格は100円台から数千円程度まで、だいぶ開きがある。感覚的には、一番安いキーホルダーのような下のハンドルタイプで十分な気がした。
とはいえ、力の弱った人がペットボトルの蓋を開けるとき、このようなハンドルタイプだと、つまみを持つ力もそれほど期待できないだろう。
蓋を開けるとき、人は利き手で蓋を持ちボトル本体をもう一方の手で押さえる。このとき、力が弱い人だとハンドルを回すのは難しいのではないかと感じた。ボトルの蓋を開けようとするとき、ボトルを押さえる手と蓋を持つ手で、同じ軸上の本体と蓋とを逆に回すからボトルはグラつくことなく安定している。しかし、横に飛び出たハンドルを回す場合は、ハンドルに与える力は横向きになる。ボトルを押さえる手がしっかりしていないと、開けようとするときボトルが横揺れするはずだ。細めで背の高いボトルでは、グラついてうまく回せないかも知れない、と思ったのである。
そう考えると、オープナーは蓋の半径を増大させる「輪軸」効果を狙ったタイプの方が使いやすいと思えた。
だとすると・・・・
あまり大きな円盤は手に収まらないから、蓋の直径を増すにしてもせいぜい5センチくらいまでだろう。蓋にフィットして滑りにくい円盤型、と想像していたとき、蓋に輪ゴムを巻きつけると開けやすいという工夫を思い出した。そうだ、ゴムが一番簡単だ!
そして思い至ったのが、電気屋さんなんかが使う電線通しの保護材料「ブッシング・ゴム」。秋葉原に出たついでに、ねじの西川さんを覗いて物色。あった、ありました! いちばん大きな穴空きブッシュが穴径25mmで外径およそ45mm。ちょうど良さそうである。穴径は大きくしないとペットボトルの蓋が通らないから加工の必要はある。が、相手は黒ゴムだ。ちょっと加工すればいいだろう。
ということで、西川さんで購入してみた。価格は一個100円足らずだった。
ペットボトルの蓋外径は30mmである。これはボトルサイズにかかわらず共通だから、特殊品でない限りなんでもOK。蓋を納めるのに都合良いように、8角星形にカッターナイフで削りを入れてみた。星形にした後、蓋にはめ込む側の星の角部分をさらにV字に切り欠いて、上図下段の黄色線のように広げた。切り欠き前後の写真が下である。右の切り欠き後は、蓋をはめ込む側、つまり上図下段の下側から撮ったものである。
切り欠いたことで、穴径は狭いところで28mm程度。突起があるので、押しさないと蓋は入らない。しかし、深い切り込みがあるので押せば蓋がはまり込む程度になった。実際にはめ込んでみたのが下の写真。
回してみると、蓋は簡単に開く。新品のペットボトルでも問題なく開くだろう。
25mmの蓋が、このブッシングゴムをかぶせることで約50mmの蓋に変身した。つまり、開けるための力は半分で済むのである。握りはゴムなので手にしっかりと吸い付く。柔らかいので素手で痛くないし、手袋をしていても滑ることがない。実にうまくいった。
次回の実家訪問の際に、良いプレゼントになりそうだ。(笑)