Mです。
そろそろ、Win11対応をしないといけないかな、と思い始めている。
これを書いているPCのWin10バージョンは21H2なのだが、自動更新のサポートは2023年6月13日となっていた。現在の最新バージョンは22H2で、こちらのサポートは2024年5月12日だそうだ。そして、Win10のサポート終了は2025年10月14日。いずれにしても、ネット環境での脆弱性対応を含む更新サポート終了まであと3年半ちょっと、ということだ。
Win10を世に出すとき、Micorosoftさんは、このシステムが最終のスタイルで以後は、フルモデルチェンジすることなく継続的にマイナーモデルチェンジで対応していく、というようなシナリオを説いていた。
ところが、スマートフォンを中心とするネット社会の進化がPC単独の世界でいることを許さない、というより、モバイル空間にPCからすり寄っていかないと自らの存在価値がなくなってしまう、という危機的状況に陥ってしまった。PC危うし、の感を生み出したのだろう。そこでMicorosoftさんは、PC世界のOSを、スマートフォン中心のネット空間とスムーズに連携できる仕様に変えるしかない、と舵を切った。そしてそれが、Windows11なのだろう。
スマートフォンの世界は、おびただしい数のアプリが次々と生まれる世界で、OS自体はほとんどその存在を感じさせないほど緩~~い基盤として隠れてしまっている。たとえるなら、広い広~~い原っぱ(iOS, Andoroid)に、いくつもの大型のストアが点在してその傘下のショップがおびただしい数のテントを張って売り声を上げている一方で、壁じゅうをゲームキャラで埋め尽くしたゲーセンがそこいらじゅうにひしめき合っている、という景色がスマートフォンの提供するネット空間だと思う。それらのショップやゲーセンの間を、これまたものすごい数のアバターがうごめき流れているのだ。
一方、舗装された都市空間に大きなビルが規則正しく並んでいるのがPCの世界だとたとえることが出来ると思う。その年の地面は、OSという強力な通信管理網が埋め込まれていて、その仕様に縛られて作り込まれたアプリケーションのピルディングがその上に立ち並んでいる。整然としていて、ユーザーがその仕組みを理解した上で、数々のアプリを使わせてもらっている世界なのである。こちらは、しっかりとルールに従わないとアプリを動かすことも出来なくなるという制約がある世界である。だから、理屈も何も関係なくドンドン新しいアプリが放り込まれて来ては、みんながそれを楽しく使い回すというスマートフォンの世界とは、見た目から既に大きな差があるのだ。
激しく変動することを許容しているスマートフォンの世界が主流になれば、当然、堅苦しいPCの世界は不要となってしまう。
かといって、ビジネス、開発事業、研究事業といった専門分野でのPCは捨てられない。そもそも、自由度の高いスマートフォンの世界をつくっているのはPCの世界での仕事なのだから、それがなくなることはあり得ない。そうとはいえ、PCの世界に一般大衆はもう要らない、とは言い切れない。高機能ゲームやマネートレーディングといったPCが欠かせないネットツールとしてのPCもまた、一般大衆が使うPCの世界なのだ。
だから、PC世界を存在を守るためにも一般大衆が使いやすいOSに変貌させる必要に迫られた。スマホアプリとの連携が容易に出来るようなOSとしてWin11が開発されなくてはならなかった流れは、そういう理由だと思う。ゲーム、ストアといったスマートフォンの世界で多く使われているアイテムを簡単に取り込み連携できるようにするためのOS改変、ということである。
昨年リリースされたWin11では、マウスの右クリック操作に変化が加えられているなど、いくつかの操作性にWin10からの不連続な変化があるそうだが、OSの基本はWin10そのものなので、実際の使用感は全体としてみると「何が変わったの?」くらいだという。ただ、ゲームマシンのOSとして見ると操作性は格段に上がっているのだそうで、その方面の方々には評価が高いようだ。PCにインストールできるスマホアプリもも増えてきているので、スマホ主体のユーザーがスマホの代わりに大画面のPCで、という、以前とは逆の使い方にも対応しているのだそうだ。
そう考えると、3年足らずのうちにサポートが終了してしまうという現実があるので、やはりそろそろWin11対応のマシンも用意しておこうか、という気になっきた。
かといって、当然、Mには既製品を買う気は全く無い。自作する。そう思って、使用頻度の低い手持ちマシンをWin11に変身させようとトライして唖然!
このシステムはWin11対応ではない、と拒否されてしまった。そのとき提示された拒否内容が下の表である。
何じゃこりゃぁ~!!
調べてみると、なんと、マザーボードの設定が、従来の手法であるBIOSではダメなのだった。上表の赤い拒否リスト最初にあるBoot Methodがそれ。下方にある他の3点はマザーボードで簡単に変更できるから問題ないが、Boot Methodだけは、OSのインストール手法そのものを左右するので、すでにLegacyシステム(=BIOS)でWin10をインストールしてあるHDDをWin11指定のUEFIという手法に変更は不可能だ。システムディスクとして使っているHDDを取り出して別のPCに繋ぎ、フォーマット方法をBIOS時のMBR方式からUEFIに適合するGPT方式に変えることは、やるだけなら出来るかも知れない。が、それでシステムが動く保証は、たぶん無い。
Win11が必須要件とするBoot Methodで行う仕組みUEFIは15年近く前から使われ始めた手法で、マザーボード上で最初に選べるようになっていた。セキュリティが強化されていてPCの付属装置との通信速度も速く、ゲーム操作が格段に速くなるとしてその方面で重宝され始めた。その流れがこの5年ほどの間に一気に加速し、その頃から後に世に出るPCのマザーボード設定は、ほぼUEFI方式に変わっている。最近のマザーボードに至っては、BIOSを選択することが出来ない物も多くなっている。
ところが、より古い時代からPCを使ってきたMにとっては、たった3年前にあつらえた自作PCでもBIOSで組むしかなかったのである。なぜなら、組み込むHDDのフォーマットがUEFIと連携できないMBR方式で、そこにいくつもの捨てがたい旧式アプリケーションが入っていて、それを使う必要があったから。それらのアプリは、下手に移植だけしても動かないのだ。
こうなると、将来的に、よりスムーズな操作性を実現してくれるというWin11マシンは、マザーボードの設定をUEFIにして ”まっさら” から組み上げるしかない。これまでのしがらみは捨て去って、一からのスタートになる。そして一方、サポート終了になっても、現有のWin10マシンを今まで通り使い続けしかないのだ、と思い至った。
その訳は以下のごとく。
Mが使っている現有Win10マシンには、実はどれにもサブのOSとしてVistaが入っている。
VistaからWin7に代わった際、OSよりさらに下位のMS-Dosのバージョンが変わった。そのため、それまで使い続けていたアプリケーションのいくつかがWin7にインストールできなくなった。そこで、それらの古いアプリを読み込めるように、Win10と並列にVistaをインストールして、その制御下に古いアプリをインストールし、マシンとして認識できるようにしてある。一種の偽装工作のようなもので、Win10を立ち上げてから同居させたVistaにインストールした古いアプリをWin10上に呼び出し、動作させることができると分かったのである。しかし、この手法は、Win11になるとマザーボード設定の壁があって不可能。VistaとWin11は連携不能なのだ。
したがって、これら古いアプリなどをまだまだ使い続けたいMにとっては、現有Win10マシンを捨てられないのである。
使っている測定機器やそのデータ解析ソフトには、かなり古いものもあり、現役で最古のものは、Windows95世代である。しかもそれが簡素でなかなか使いやすく、手放す気にはなれない。
アナログ人間のこだわりなのかも知れないが、使い慣れたモノ、フィーリングの合ったアプリがなかなか手放せそうにない。それらには当然、新世代にバージョンアップした継続アプリもあるが、使い勝手は旧式の物の方が勝っている。その理由は、データ管理が基本的にクラウド対応に変わって来ているためらしく、PC内部ですべて行った方が都合が良い旧式機器とは肌が合わないのである。そもそも、最近のアプリは、ネットにつながっていないと基本的に動作しないものさえあり、スタンドアローン状態でPCを使う場面には向いていない。もちろん設定を細かに変えていけば対応可能だろうが、そうまでして何か効率が上がるのかと言えばそんなこともない。
結局は、世界が変わってしまった新世代アプリは、有線無線問わず、とにかくネットありきの仕様なので、融通が利かない。自分の指向に合わせて使いこなしたいアナログ派には、いささかチャラくて生意気なのだ。
Win11を使ってみれば、おおっ、良いとこあるじゃん、となるかも知れないが、やはりそれだけでは済まないと思う。
どうやら、まだしばらくは、世代の違ういくつものマシンを並列利用していくスタイルを続けていくことになりそうだ。