Mです。
普通品質で安い、を前面に家電品を売りまくっているアイリスオーヤマさん。
やっちまいましたね!
https://news.infoseek.co.jp/article/20220928jcast20222446837/?tpgnr=it
同社の天井照明(シーリングライト)の新商品に、Bluetooth接続のスピーカーが付いているのだそうな。アナログ爺にとっては、そもそも何のために必要なのかが疑問なのだが、IOT化の進む家電ネットワーク構築のために、どの機器にも応答機能を付けておく、という発想なのだろうと想像する。
それは間違ってはいないかもしれない。ライトの調光をボタン操作ではなくてGoogleHomeなどの中枢機器を通じて行い、ライトの側に音声応答させる。「光量を60%にしました」なんて応答させることにはそれなりの意味もあるだろう。
身動きが不自由な人にとっては、QOLの向上に有効だとと思う。
また、先進的な暮らしがしたい人にとっては、ベッドに入ってからでも、いろいろな機器を音声コントロールすることが出来るだろうから、”たまらん”ツールだと思う。
がしかし、今回の仕様は、明らかにチョンボ(死語か?)だった。
Bluetooth接続範囲にある人なら誰でもアクセスできてしまうというフリー接続状態になっていたため、隣家の人がBluetooth接続で音楽を聴いていたりすると、それを拾って音楽を流してしまう、というトラブルが発生したという。
街中でBluetooth接続で音楽を聴いている人はかなりの数にのぼっていると思う。都内をチャリで走り回っているとき、いちばん怖いのはスマホ音源をワイヤレスイヤホンで聴きながら、さらに目はスマホ操作に向いたまま歩いている人だ。周りの音には一切触れることなく、自分の世界だけで歩いているから、街頭の柱にぶつかりそうになって初めて気づいたり、前の人が交差点で止まったのに気づかずぶつかってしまう光景も、ときおり目にする。これらの接続はほぼすべてBluetoothで行われている。それほどまでに普及してしまっているBluetooth機器をみんながトラブル無く使えているのは、それぞれが自分のゲートだけを出入口にしてデジタル情報にアクセスしているからだ。もしそれがなかったら、あふれる情報が入れ子になってすさまじい混沌をもたらす。デジタルネットワークが成立するために、利用者固定のゲート設定は必須なのである。
そんな常識を知っていて、なぜアイリスさんともあろう者が、フリーアクセスの設定のまま照明器具にBluetoothスピーカーを付けてしまったのだろう?
ダイニングルームでくつろいでいたらいきなり大音響の音楽がライトから流れてきたというケースは、他人事で聞けば笑い話のようだが、体験してしまった人にとっては恐怖体験に近かったと思うのである。
既に販売してしまっている機器だから、多分、特定のアドレスが設定できるように直した機器と交換するしかないだろう。あるいは、スピーカー機能のOn/Offスイッチを付けるだけでも良い。
ただ思うのは、そういう設定を行うにはコントロール端末で初期設定操作を行う必要があるだろうから、ライトを買っただけなのに何でそんなことが必要なの?という疑問を持つ人の方が多いに違いない。
ここは少し時間をかけて、IOTの中枢機器にかんたん登録できるように機能を進化させ、中枢から簡単に音声設定できるような仕組みを作ってから再スタート、の方が良いのではないかと思う。
先を見すぎてトラブル対応するくらいなら、ちょっと遅れてもいいから確実なモノを提供する方が無難だろう。競合他社との駆け引きで突っ走ってしまったのだろうか?
ちょっと残念である。