理系夫婦Y子とMの昭和から令和まで

都内で働く薬剤師Y子と、パソコン・DIY・生物などに詳しい理系の夫M。昭和30年代から今日までの実体験に最新の情報を加え、多くの方々、特に子育て・孫育て世代の皆様のお役に立つことを願いつつ発信する夫婦(めおと)ブログです。

ヤモリ屋敷

Mです。

 週末を過ごしている家は、週2日足らずしか人の出入りがない。

 家の東側に草地の庭(庭と呼ばない人もいるだろう 笑笑)があり、数知れない生き物が棲んでいる。だから、それを補食する小型動物もたくさんいる。ただ、お目にかかることが少ないだけで、アオダイショウもいればネズミ(カヤネズミ;小型マウスの一種)もいる。モグラも棲んでいて、時々、モグラ穴にボコッと足を踏み入れることがある。アオダイショウは、ずっと前から棲んでいるヤツで、去年会ったときの体長は1.5m以上あった。今年はまだ出会っていないが、たぶん元気だろう。一間(1.8m)くらいに成長しただろうか。どこかの家ネコも、餌場兼トイレとして、この草地を使っている。3匹程やってくるが、真っ黒な雌ネコは呼ぶと近づいてくる、Mの仲良しである。

 果樹も何種類か育っているが、とにもかくにも、草の密度が高い。年に2回程草刈りをするが、土が完全に露出することはない。真ん中あたりに畳3枚程の面積を耕してあって、自分としてはそこでいくつかの野菜を永年観察しながら繁殖させている。だだ、週に2日足らずしか居ないので、周囲の草丈の方が勝ってしまい、とても耕した場所があるとは判らない様相だ。

 それでも、良く観れば、シソとジャガイモがエノコログサが風に波打つ間から、チラチラと見えている。ニラもだいぶ増えているのだが、遠目には数多くのイネ科植物に隠れていて見分けられない。花が咲いて初めて、あっ、あそこにあったのか、とわかる。

 そんな自然だらけの状態だから、家屋周りにも小動物がひしめいている。

 屋内には十匹以上のハエトリグモたちがチョロチョロしているし、外壁には、ジョロウグモの巣がたくさん懸かっている。帰宅したときの第1注意点が、家にはいるまで、蜘蛛の巣を壊さないこと、である。気づかずに頭にくっつけてしまうこともあるが、うまく剥がせば次の日にはヤツらが補修してしまう。こちらも、同じ過ちを繰り返さないよう、細心の注意を払って、再突入を避けている。

 夏の夜に良く出会うのは、ヤモリ(ニホンヤモリ)だ。

 明かりが漏れる窓には、夜行性の昆虫がバンバン飛んでくる。それを狙って窓にはり付いているのである。だから、大抵は腹側からしか見えない。おどかしては気の毒なので、ただ観察するのみ。気が向くと写真を撮らせてもらうくらいで、お互い平和に暮らしている。
その姿が、とにかく可愛いのである。

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 ↑ 台所小窓にはり付いているオス。体長10cmくらい。手足の吸盤がカワイイ!

 ヤモリもずっと以前から見かけてはいたが、その数は確実に増えている。サイズもまちまちで、明らかな成体サイズ(頭尾長10cm以上)もいれば、去年孵化したらしい5cm未満クラスもいる。ヤモリの寿命は15年程度といわれているから、結構な長老も混じっているかも知れない。小さいヤツらが何カ所かで同時に見つかるから、毎年着実に増えているのだと思う。

 その理由は、2階ベランダの南隅に、以前使っていた葦簀の束を3束ほど立てかけたままにしてあるからだ、と思っている。

 そこには栗の大木から落ちた葉も積もっていて、冬は恰好の越冬場所になっていると思われるからだ。事実、何の気なしに冬場にその場所をいじったら、葦簀の隙間から冬眠状態のヤモリがボテッと落ちてきた。慌てて隙間にこじ入れて寒くないように戻した。たぶん、葦簀のかたまりの中に、何個体もうずくまっていたのだろう。
 気づけば、その周辺の壁には、孵化が済んだヤモリの卵の一部が貼り付いたままになっている。外壁に何本もの溝があるが、その溝に産卵し易いらしく、何カ所にもくっついている。ホコリにまみれて黒ずんだものから、去年のものらしいまだ白いものまで、たくさんくっついている。

ヘビもいればネコも来る。鳥もたくさんやってくるから、孵化したばかりのヤモリたちにとっては、結構危険な環境でもある。毎年何個体孵化して、どれくらいの率で年を越せるのか判らないが、感覚的に年々増えていると感じるから、危険はあっても、我が家は優れたヤモリ屋敷なのかも知れない。

 年々暑くなっていると感じる夏も、ヤモリたちにとってはむしろ好都合。

 あったかいぜ、と我が世の「夏」を謳歌しているのかも知れない。

 どんどん増えてもいいよ。別に困らないから。

(参考)

 ↓ Wikiさんから拝借した背面からの写真

  (尾部付け根が左右に脹らんでいるので、これもオス)

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超簡単スマホ連携ネットワークカメラ  → AIの目?

Mです。

 先月初旬に、留守宅監視が出来る簡単接続ネットワークカメラについて記した。首振り機能も付いた、メカとしてもなかなか凝った作りの機種で、ほぼ1万円で購入でき、PC、スマホ両方で使えるものだった。

www.yakuzaishi-y-co.work

 秋葉原を歩いていると、似たような代物がそこここに散見できて、2000円台の超安値のモノから数万円台まで、とてもじゃないけど即断できない程の機種が売られている。どれも似たようなうたい文句で、画像の良否、使い勝手の良し悪しなど、実際に使ってみなければ判断できそうもない。

 そんな監視カメラの新手が、お知らせメールで届いた。送り主は、ソースネクストさん。
 これまで、この会社からいくつかのPCソフトをe-shopで購入している。音採りしたデータを調整するための音響処理ソフトや、起動しなくなったHDからのデータレスキュー・ソフトなど、どれもPC作業で欲しくなったモノばかり。それらソフトのバージョンアップのお知らせはたびたび来ているが、装置そのもののお知らせは結構珍しい。

  

 ちょっと見てみると、7月に記したネットワークカメラとよく似たモノで、なぁ~んだ、同じじゃんと閉じようとした。が、あれっ?ちょっと待てよ、と説明図解に目が留まった。なんと、PCユーザー相手じゃないのだ。ガラケー党のMにも、ついにスマホの波が押し寄せてきた、と知った。
 ソースネクストさんには、ガラケーUserであることが判っているはず。にもかかわらず、スマホ専用のネットワークカメラを紹介して来たのである。

ううむ、もうスマホにしたら!? という催促なのか?
冗談じゃない、おいらはガラケーで十分だ!

 そう思いながら、一応お知らせ内容を全部見てみた。
 その中で、便利だな、と思ったのは、視野中に動くものが現れると自動で起動し、コネクトしているスマホに連絡を入れるという機能。ペットの監視をしている場合は、その姿にほっこり、ということもあるだろうが、泥棒除け機能として考えれば、なかなか安上がりな防犯グッズになる。暗視撮影ももちろんOKなので、夜間の防犯にもなる。
 もう一つが、コロナ禍でもてはやされている在宅ワークへの応用。複数台を会議室などに設置して、別の場所の人員と遠隔会議するという利用法も可能だ。
 これで価格は4000円未満だという。(ただし現在50%オフの割引価格とのこと)

ううむ・・・。

 ガラケー一本やりのMだが、ここまで簡単な仕様にされてくると、さすがにスマホの世界が光に包まれて見えてくる。WiFi通信で個別情報管理を行っていくのがもはやフツーなのだということが、よくわかる。
 ただし、セキュリティーを考えると、そうそう安穏としてはいられないだろう。それぞれの機器とスマホのリンクが簡単だ、ということは、裏を返せば同じアプリをインストールしてあるスマホなら、Keyさえ探り出せば簡単にアクセスできてしまう。他人の家を覗き放題、という怖ろしい世界に繋がってしまう。

 映像機器とネットが簡単に紐づけできる世の中は、そのセーフティー機能をきちんと使わないとデータがダダ漏れの世界に直結している、ということを理解していないとマズイ。

 それほど遠くない将来、スマホも使うことになりそうだ、とは感じている。
が、いまのところは、今回の誘惑にもなびくつもりはない。ただ、誘惑の度合いが高まっていることだけは、否定できない。

 そんなことはともかく、ちょっとだけ不気味な思いが湧いてきている。
 今回の紹介写真で、あの映画を思い出した。
2001 : A Space Odyssey (邦題:2001年宇宙への旅)というSF映画である。
映画には、2人の人間とAIの宇宙船管理システムHALしか登場しない。そのHALの目が、まさにこのカメラに思えたのだ。1970年代に作られた映画の人工知能を、このカメラそのものに感じてしまった。

 ネットワークカメラはAIの一部に当然のこと含まれていく。そして、人間の目に映るのは、そのカメラの目だけだ。そのカメラが無軌道に繋げられていったら・・・ 
それは、全てを見つめるAIに育っていく。
・・・想像するだけでも、おぞましい。

 便利と危険は、いつも背中合わせだ。
 便利さばかりに釣られていると、気づいたときにはかちかち山の狸になっているかも知れない。

 

凍結食パン・ブロック 旨いじゃん!!

Mです。

ものすごく些末な話題で失礼。

 先々週に購入した3斤入りの未スライス食パンが、手のひらの幅くらい残った。この時期、そのまま置いておくことも出来ないので、冷蔵庫に入れておこうか迷った。でもたぶん、冷蔵庫では忘れたままになって、気づいたときには、緑や黄色の島が表面に点在する姿になるだろうと想像した。

 ならば、やっぱり凍結だろう、と考えた。
 かといって、そのまま凍結してしまうと、けっこう堅くなるので切るのが面倒になる。
そこで、まず半分くらいに割って、更に4分割して、と袋の上から適当に割って、マイナス20℃の世界へ。

 そのかたまりを、先週末には半分取り出して、昼飯にチンして食べた。コーヒー片手に、PCを操作しながらバクバク。ごくフツ~の食パンだった。

 その残りのかたまりを、ついさっき、またコーヒー片手にパクつくことにした。ただ、今度は、チンするのが面倒なので、そのまま囓ってしまうことに。
囓ったとたんにビックリ!! 
☆ 旨いじゃん!! ☆

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 チンすると、電子レンジの排気口からパンのにおいが立ちのぼるものの、温まったパンは、これといった特徴のないごくフツ~の代物で、なんと言うことはなかった。

 ところが、である。内部がシャリシャリするほど凍ったままの食パン塊は、全然違っていた。削り取るように口に入れると、その途端にイーストの香りと油脂の香りがフワッと拡がり、それを小麦粉の味が追っかけてくるのだ。

 凍っている、とは言っても、元々含水量が少ないから、水が凍ってしまったような連続した氷塊にはならない。せいぜい、中心部が雪のかたまり程度にやや堅くなっている程度である。ただし、冷凍温度でいるために、大気中に放散してしまうはずの香り成分が封じ込められた状態になっている。表面も冷たいので、顔を近づけても、ほとんどパンの香りがしない。

 それが、かえって面白い効果を生み出している。

 口に入れた途端に温度が急上昇して、パンから揮発するものが一気に飛び出してくる。
 味の成分も同じことだろう。唾液に触れて水を得る。まさに水を得た魚のごとく、水溶性の成分が一気に溶け出してくるのだ。しかも、低温だったものが温度急上昇することでその変化が激しい。
 凍ったパンをそのまま食べる、というのは、もしかすると発想の転換として商売に生きるのではないか、とさえ思ってしまったのである。

 酷暑の中、カチンカチンにならない程度(-5~-10℃くらい)に凍らしたサンドイッチ、なんて、受けるかも知れない。

PCグッズを丸ごと水洗い だって!

Mです。

 コロナ、コロナで、世の中が右往左往の毎日。
 何かオモロイものはないか、とPCグッズを眺めていたら、ありました! ウォッシャブル キーボードだってさ。

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↓ ITmedia NEWS さんより

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2007/28/news075.html#l_hy_kw_1.jpg&_ga=2.149208630.1854928226.1597147823-2122713131.1597147819

 Kensingtonという老舗のPC関連グッズメーカーで、PCのメッカ、カリフォルニアの企業。確か、まだPCが高嶺の花だった時代に、新しもの好きの若手医師が、このロゴの入ったトラックボール(マウスと逆発想のポインティング・デバイス)を、Macで自慢げに使っていたのを記憶している。
 今でも事務機器の世界では、PC関連グッズメーカーとして有名なのだという。Mのようなジャンク屋巡りのオッサンには、まずお目にかからない相手だ。

 そんなメーカーが、電気部材を全て薄膜の樹脂で封入したキーボードを作ったのだそうだ。コロナ禍に喘ぐ現状で、いちばん「キタナイ」アイテムのひとつになるキーボードの衛生管理に着目したのかどうかは判然としないが、時期モノであることには間違いない。

 マウスとキーボードを食品ラップに包んで使う、なんていう涙ぐましい工夫をしている人もいるから、使うたびにアルコールをかけて消毒できるこのアイテムは、共用PCを使わざるを得ない店舗や医療現場で、かなり有用だと思う。

 使うたびに、ジャブジャブ洗うなんてことは少ないだろうが、洗剤液で拭いたり、アルコールをかけて拭いたり、というのは簡単にできる。アルコールを含んだウェット・ティシューのボトルを置いておけば、使う人がひと拭きしてから使うことで、気分も良い。
 衛生管理、ということではないが、キーボードはかなり汚れが溜まるアイテムだから、Mは時々歯ブラシで掃除をする。さすがに水をかけるわけにはいかないので、どうしても手あかやホコリの黒ずみが消えなくなる。水洗いできれば、そんな憂いも文字通りキレイサッパリだ。3000円程度らしいから、買えない、という程のことはないが・・・

 キーボードが洗えるなら、ついでにマウスもウォッシャブルにして欲しい。
 それとも、みんながMyマウスをポケットに入れていれば済む、という考え方もある。ただ、PC立ち上げ時からつながっていないとPCが認識してくれないことも多いから、やはりウォッシャブル・マウスの方が良いだろう。
 と思って、ちょっと調べたら、とっくの昔に作られていた。

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サンワサプライ、まるっと洗えるIP68準拠の防水抗菌マウス - PC Watch

 PC周辺機器でおなじみのサンワサプライさんが2017年に、丸洗いマウスを販売していた。さすがです。

 当時は、感染症予防とかコワイお話しではなくて、ただ、キレイなマウス管理が目的だったようだが、見ようによっては先見の明があったということかも知れない。市場で見た記憶はないのだが、今でも売られているのだろうか? サンワサプライさんのページをチラッと見たところでは、見あたらなかったのだが・・・
 
 ウォッシャブル製品の有る無しにかかわらず、共用事務機器の管理には、当分のあいだ、誰もが気を付けなくてはならない時期が続きそうだ。

朝食バイキングと紙ヒコーキ

薬剤師Y子です。

ある土曜日の朝のこと。

夫Mと私は、コロナ禍による中止を経て再開した某ファミレスの朝食バイキングをゆっくり楽しみつつ、前日までの疲れを癒やしていました。

 

店内には私たちの他に5組ぐらいしか客がおらず「私は快適だけど経営的には困るだろうな」と感じていました。

 

私が食事をしている席からは、すでに食事を終えた1組の親子の姿が見え隠れしていました。小学生と思われる子供が3人と、その母親。全員よく似た顔立ちで、センスの良い服を着ています。

そのファミレスには「塗り絵サービス」があり、出入口に近い、その親子の席に隣接する台の上に、塗り絵の用紙と色鉛筆のようなものが置かれています。

 

私は最初、3人の子供たちが塗り絵用の紙を何枚か折り紙のように使って出来あがった数個の「作品」を台の上に並べ、母親も店員さん達もそれを容認している、という微笑ましい光景を自分が見ているのだと勝手に錯覚していました。多分、そう思いたかったのです。

 

時間無制限のバイキングなので、私は途中でマスクと手袋を着用し、席を立って食べ物や飲み物を取りに行きました。ずっと気になっていた子供たちの「作品」をよく見たくて、さりげなく親子の席に近づいた時、私は自分の思い込みに気づき、さっさと自分の席に戻りました。その頃から子供たちの動きは少しずつ大きくなっていました。

 

席に戻って食事を再開した私には、先ほどまでとは異なり「事実」が見えていました。

店員さんの一人が、親子の席を監視できる位置で困惑の表情を浮かべながら、ずっと同じ作業をしています。

子供たちは塗り絵用の紙をどんどん使って紙ヒコーキを量産し、最初は自分たちの席の上だけで、その後は大胆になって通路側にも、ヒコーキを飛ばしています。

母親は子供たちが遊ぶのをチラチラ見ながら、一言も喋らずにスマホを操作しています。

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子供たちは「周囲の大人が怒り出さないギリギリの線」の位置を知っているようで、誰かが席の近くを通るときは、あまり動きません。そして大声を出すこともなく、まあまあ静かに遊んでいます。

問題は塗り絵用の紙を大量に目的外使用し、たまに通路に向かって紙ヒコーキを飛ばすこと。それを母親も店員さんも黙認していること。私を含む他の客たちが気づいてしまっていること。試作機の数も飛行範囲も少しずつ、でも確実に増していること等です。

 

やがて監視役の若い女性店員さんが奥に引っ込むと、代わりに人生の大先輩である調理担当の女性店員さんが大股で奥から出てきて、まだ使われていない、このままでは全て子供たちの紙ヒコーキになってしまうかも知れない塗り絵の用紙を全部、静かに持ち去りました。

 

結末が気になっていた私は「先輩、さすが!」と立ち上がって拍手したい気分でしたが、何も見ていなかったような顔で食後の飲み物を口に運んでいました。

 

その後、「この辺が潮時だな」と感じたのか、元々それぐらいの時刻までと決めていたのか、母親が子供たちに何かを小声で告げ、トイレに立ちました。子供たちの目の前には既に完成している紙ヒコーキが沢山あるので、それらを何度か飛ばし、母親が戻ってきてから3人で集めてゴミ箱に捨て、大きな明るい声で口々に「ごちそうさまでした!」と言って、店の外に出て行きました。

 

監視役だった店員さんが消毒液を片手に、親子が去った後のテーブルに来て、念入りに拭いていました。

全国の、いえ、世界中の色々な場所で、同じようなことが起こっているのだろうな、と私は思いました。

 

あの親子、コロナ禍がなかったら、本物の飛行機に乗って帰省していたのかも知れない。

あるいは父親が飛行機に乗って単身赴任先から帰ってくる予定だったのかも知れない。

休日の朝たまたま見た光景から、私の想像は今も勝手に膨らんでいます。

2台のPCをUSBでひとつに「おまとめ」

Mです。

 Windows2000の時代から、2台のPCにひとつのデスク上で別々の仕事をしてもらうスタイルを続けている。
 片方で、データの整理や画像、映像の処理など時間のかかる作業をして貰いながら、もう一方で、その結果を使ってとりまとめ作業を進めていく、というスタイル。場合によっては、やや特殊なアプリを使えるように仕込んだ第3のPCにも参加してもらって、そこで処理したものはLAN経由で取得して利用する、ということもある。
 狭い机の上にはそれほどのスペースは確保できないから、モニターは1台しか置けない。2台のPCにモニター切り替え装置を仲介させて、スイッチを切り替えながらそれぞれのPC画面を映し出すようにしている。残念ながら、デジタルモニター時代になっていても、モニターの切り替え器はVGAタイプの方が圧倒的に安価なので、Mのモニター出力はアナログのままである。
 こんな使い方をしている場合、モニターは切り替えして1台で済ませているものの、マウスとキーボードはそれぞれのPCに固有なので、操作するときはそれぞれのPCにつながったものをデスクに引っ張り出しては、その時使わないものを脇にどけたり床に置いたりと、かなり前時代的な作業をしているのが現実だ。

 そんなMにとって「朗報!」と思えるニュースが舞い込んできた。
 PC周辺機器(どちらかというと小物中心)で知名度の高いサンワサプライさんから、USBで2台のPCをリンクさせて、ひと揃いのマウス&キーボードで両者を自由に使い分けられる装置が発売された、というもの。7月末発売だったそうだ。およそ1万円の、見た目は単なるUSB延長ケーブルのような代物。その名は、KB-USB-LINK5。

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 繋ぐ2台のPCは、OSが異なっても良い、としてある。敵同士のWinとMacが仲良くつながるらしい。もちろん同じOSどうしなら何の問題もないし、片方がノートやパッドで、もう一方がごついデスクトップというのも当然OKだ。モニターを2台並べられるなら(広いテーブルとか、モニター2段重ねとか)、デスクトップ2台を同時に扱うことが出来るはず。

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 とにかく、このツールで繋いでしまうと、2台のPC間でデータの移動とかだけはなくて、操作も即時に移動しながら行き来できるというのである。

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 Windows10になって、リモートデスクトップ機能が充実し、例えば、会社のPCを自宅から操作するということも実に簡単に出来るようになっている。スマホやパッドで操作できる作業もある。コロナ騒ぎで自宅内業務を強いられている方々も、結構使っているかも知れない。
 20年以上前から、PC間の遠隔操作を可能にするアプリケーションは存在していたから、ひとつのPCを全く別の場所から操作する、という行為自体はそう新しいことではない。 考えてみれば、半世紀以上の歴史を持つ宇宙開発では、衛星軌道上どころか月への飛行途上にある宇宙船のPCを、地上から操作して修正作業を行ったり、時には修理までしているのだから、地上のネットワーク上で遠隔操作するくらい、お茶の子さいさい、なのだ。

 そんな大がかりな遠隔操作システムに比べると、はるかに小さな話だけれど、目の前にある2台のPCをひとつのマウスとひとつのキーボードで自由に行き来しながら操作出来る、ということは、Mにとって思わずニンマリしてしまうくらい魅力的である。データの移動だけなら、LANでつながっていればたいした面倒もなく出来てしまうのだが、こと作業となると、いちいちキーボードを交換したりマウスを交換したりとかなり面倒。有線マウス、有線キーボードが好みのMは、画面を切り替えたのにマウスを替えていないためにアイコンが動かなくて焦る、なんてこともしばしばである。

 ドケチ自作PC派のMにとって、フツーのUSBケーブルにしか見えないサンワサプライさんの新製品1万円は、ちょっと高め。
 でも、結構使い勝手が良さそうな相手だけに、食指はブルブル震えているのも事実。

 はてさて、ネット上での実売価格はどの程度になっていくのか。現在は、およそ7000円だが、しばらくチェックを続け、頃合いを見て1台購入、に至りそうな気がしているのである。

チッチゼミ 孫との遊びで四半世紀ぶりの再会

Mです。

 7月26日付けでY子がアップした孫との公園巡りの記事に、チッチゼミが登場した。東京湾の海辺にある埋め立て地の公園「若洲公園」でチッチゼミの抜け殻を見つけ、Mが歓喜した、という内容である。
 正直、Mにとっては感動モノだったのである。たぶん、孫むすめは何とも感じていなかっただろう。なにしろ、ちゃんと見たのは抜け殻だったのだから。

 f:id:otto-M:20200727234124p:plain生き物調査「セミの図鑑」さんより転載 ↓
   http://www.kagakukan.sendai-c.ed.jp/ikimono_tyosa/semi/zukan_semi.html

 このセミ、日本最小のセミ、として知られてはいるものの、その存在をちゃんと知っているヒトは日本人全体の1割にも満たないのではないかと思う。北海道にまで分布しているにもかかわらず、とにかく目立たない。オスの出す鳴き声(?)も、チッチッというごく小さくて短いものだから、ほかの音があったらかき消されてしまって聞き分けられない。また、他のセミたちと違って市街地の公園などには棲んでいない。ちょっと深めの山や森、しかも針葉樹の多いところに棲むから、ハイキングやトレッキングなどで市街地から離れたところに出向かないと出会えないのだ。そのうえ、声が小さく聞き取りにくいのだから、なおさら存在感が乏しい。

 かく言うMも、生まれ育った千葉県北部や、息子たちを育てた茨城県南部で出会ったことはない。スギ林、マツ林は周辺にいくらでもあるが、そこで出会ったことは一度もなかった。居たけれど見つけられなかっただけなのかも知れないが、子ども時代のポケット・ムシ図鑑に載ってはいたものの、一度も出会えていなかったのである。森や雑木林をくまなく遊び歩いたガキが出会わなかったのだから、たぶん本当に居なかったのだと思っている。

 60年あまりの人生で出会ったのは、一箇所でだけ。東京都と山梨県の県境地域の山奥。25年ほど前の話になる。

 当時、小学生の息子2人に犬一匹と夫婦で、山奥キャンプするのが夏休みのイベントだった。無人の沢筋にテントを張り、沢の水で煮炊きをする2泊3日。その際、探検のようにして柳沢峠という塩山街道の最高度地点まで歩き、そこから更に三窪高原という野草の咲く場所まで山道をたどった。その細道で、カラマツの幹にいる小さなセミを見つけた。それがチッチゼミだった。すぐに飛んで行ってしまったので、M以外はその姿をちゃんと見てはいない。家族に伝えられなかったことが、なんとも悔しい記憶として残っている。この道は、何度かたどったものの、飛んで行く姿は見えても、じっとしている姿を家族に見せてやることは、ついに出来なかったのである。

 そのセミが、なんと、東京の海辺に棲息している!?
 成虫は、ヒマラヤスギの細枝に1匹いたが、観察できるほど近くではなく、孫むすめには認識してもらえなかった。しかし、そのヒマラヤスギの幹には、いくつもの小さな抜け殻が付いていた。同じ樹にニイニイゼミの抜け殻もたくさん付いている。たいして大きくないそのニイニイゼミに比べても格段に小さい。黒っぽくてやや固めの抜け殻。半数ほどは、抜け殻全体に泥が付着している。ニイニイゼミも泥を付けていることが多いが、チッチゼミもその傾向があるようだ。たぶん、体表に小さな剛毛が生えていて、泥が落ちにくいのだろう。

 残念ながら付近のクルマのエンジン音も聞こえていて、鳴いている声は判別できなかったが、きっと鳴いてはいたのだと思う。

 セミの分布については、クマゼミの生息域北上が20年ほど前からしばしば話題になっている。温暖化の影響で云々、という解説付きで。確かに温暖化でこれまで棲んでいなかった少し北の地域にまで生息域を広げる、ということもあるのだろうが、本当のところはまだよく判っていない。Mは、20年ほど前に、茨城県南部のごく狭い場所で、クマゼミの声を聴いた。たどってみると、少し大きな茂みのある工場の敷地内から聞こえてきていた。とうとう茨城にも棲みついたか、と思ったが、3年ほどで聴かなくなり、それ以来耳にしていない。たぶん、植樹された樹木と共にやってきた何年分かの幼虫が、その狭い地域内でのみ羽化していたが、結局、個体数が少なすぎて交配~産卵というプロセスに至らず、絶えてしまったのだ、と想像している。

 それと同じで、たぶん若洲公園のチッチゼミも、埋め立て地の公園整備のために持ってこられたヒマラヤスギなどと共にやってきたのだと思う。根回りの土の中に、きっと相当数の幼虫が紛れ込んでいたのだ。
 この若洲公園は、設立が1990年だという。抜け殻の付いていたヒマラヤスギがいつ頃植えられたのかは判らないが、樹の周りの土がだいぶ落ち着いているし、根回りにある幼虫の出てきたセミ穴が半径3m程度に40個ほど広がっていたところを見ると、つい最近植えられたばかりの樹の根回りに紛れ込んでいた幼虫が這い出てきたとは思えない。既に何代も経ているのではないだろうか。たぶん、もうこの公園に棲みついて繁殖しているのだ。
 温暖化で北上、と言われるクマゼミと違い、チッチゼミはむしろ冷涼地域に棲む。東京の海辺は、水が近場にあることで少しは涼しいのだろうか?


 雨模様だったし、孫むすめの相手をしなくてはならないので詳しく探し回れなかったが、できれば近いうちにもう一度観察に行ってみたいと思う。