理系夫婦Y子とMの昭和から令和まで

都内で働く薬剤師Y子と、パソコン・DIY・生物などに詳しい理系の夫M。昭和30年代から今日までの実体験に最新の情報を加え、多くの方々、特に子育て・孫育て世代の皆様のお役に立つことを願いつつ発信する夫婦(めおと)ブログです。

酷暑が原因か 彼岸花咲き遅れ?

Mです。

 ちょうど1年と1ヶ月前、神田和泉町YKK本社前の歩道植え込みで、ピンクの彼岸花に遭遇した。

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 その花は今年も9月初旬に咲いて今はもう散っている。種を作れるのかどうか判らないが、一応、花が落ちたあとに鞘のような形のものは付いている。ただ、およそひと月近く経つもののあまり太くもならず、色も緑色のままだ。種は出来ないのかも知れない。

 先週末にその場所を通りかかったら、ピンク彼岸花の近くに、普通の彼岸花が咲いていた。まっ赤な色が、殺伐としたクルマと人ばかりの歩道に、強烈なアクセントを加えている。

 ただ、10本足らずのかたまりなので、それほど人目を引く程ではない。さらに、ほかの植裁が低木ばかりで地面の土が裸で見えている状態だから、野に咲く彼岸花のように、周りの草たちの濃い緑色をバックにして飛び出し、燃え立つように浮かび上がる印象が全くないのが、なんとも残念である。せっかくの咲き誇りが、周辺の貧弱さで色あせてしまっている。

 ところで、暑さ寒さも彼岸まで、という言い習わしのごとく、今年も彼岸に合わせたように台風が接近し、去ったあと一気に秋めいた気候に転換した。それまでは、9月になっても日中の気温が35℃越えがザラで、いつ涼しくなるんだっ!と怒鳴りたい気分だった。彼岸を過ぎるとそれが一転したのが、信じがたい変化だった。

 確かに彼岸を境に気候は変化したけれど、それまでは真夏同然だったからだろうか、今年の彼岸花は例年よりも10日から半月くらい咲くのが遅くなったと思う。
 例年は、その名の通り、彼岸の時期に満開になっているか、あるいは満開を過ぎたかな、と思うくらいで、彼岸前に咲き始めている。彼岸花が咲いた、そうだ、もうすぐ彼岸だな、と思うのが通例だと感じていた。
 ところが、先週末に上述のように歩道の彼岸花を見つけたことでも判るように、今年は咲くのが遅れたと思うのだ。本来なら10月に入ったら彼岸花は花が盛りを過ぎて、色褪せたりしおれ始めているように思う。
 関東の彼岸花名所はどうなのだろうとググッて見たが、どこも現状をきちんと記載してはおらず、判らなかった。ただ、週末にクルマで走っていて見かけた、千葉、茨城あたりの田舎道で見つけた何カ所もの彼岸花自生地は、今まさに満開、あるいはもうすぐ満開、という状態だった。これまでの経験からすると、やはりかなり遅いと感じる。

 彼岸前の暑さがあまりにも長引いていたので、彼岸花たちは秋の訪れを感じられずにいたのではないかと思う。今か今か、と準備していたのに、全然涼しくなる気配がないものだから、彼岸前に咲き出すことができなかったのではないか、と想像するのである。

 その実証というわけでもないが、我が家の彼岸花も、彼岸が過ぎたのに周りの草から頭も出していなかった。それが、3日土曜に気づくと、綺麗に咲きそろっていたのである。

f:id:otto-M:20201004232636p:plain 我が家の彼岸花

 近くで見たところ、数本は色があせ始めているから、たぶん咲き始めは9月末だと思う。
 この彼岸花は、埼玉県川越市入間川岸辺に群生していたところから、3年前の真冬にひと株掘り採ってきたものだ。それが2年あまりで花茎が十数本でるまでに増えている。
近くには、吾亦紅も咲いているし、ニラの白い花もある。もうすぐススキも穂を出しそうだ。

f:id:otto-M:20201004232827p:plain 近くにあるニラの花

 彼岸前に咲き出すのでもいっこうに構わないけれど、今年のように遅れて咲いてくれるのも、他の秋の花との競演という意味では、かえって嬉しい気がする。

 さて、冬が終わる頃になったら、株分けでもしようかな、と考えている。

タイヤのうんちく 黄色と赤は・・・

Mです。

 都内某所でコインパーキングしていて、2ヶ月の間にタイヤ4本、つまり、すべてのタイヤに穴を開けられた。愉快犯なのだろうが、判明したら両国橋から逆さ吊りしてやりたい気分である。
 4本ともすぐには判らない程度の穴で、たぶん千枚通しのような針状の道具で、サイドから突き刺したのだと思う。

 3週間前のある日、朝普通に走っていたのに、夕刻に契約駐車場から電話が入り、エアーが抜けている、とのこと。
 早めに仕事を切り上げて、駐車場へ。
 見た目には、突き刺さっているような異物も無いので、やられたな、と思い、まずはエアーを入れる。少し前に購入していた車両電源で動かすエアーポンプが重宝し、凹んでいた右側2本を適当なところまで膨らまして、洗剤液をサイド一面に塗りたくる。
 ジュブジュブと音をたてて小さな泡が出てきた。前タイヤに2カ所、後ろタイヤに1カ所の穴が判明。穴位置が判るように、紙テープでマーキングを施しておいた。
 軽くジャッキアップして、穴が下に来るように回転させ、持ち歩いている瞬間パンク修理材を注入。ジャッキを外し、5Kmほど走らせてマーキングしておいた穴を確認し、漏れていないことを確認してとりあえずセーフ。
 その週末に、応急措置しておいたタイヤ2本を外して、修理パーツで穴埋めを行った。

 実は、この一月前にも、左側2本が同じようにサイドに損傷を受けていた。
 そのときは、出向いた運送会社の倉庫でタイヤ圧が低下していることに気づいた。幸いにもトラックのメンテを行える場所で、種々のツールが備わっていた。左2本を取り外して大型コンプレッサーで空気を入れ、洗剤液で穴を見つけた。前後とも1カ所ずつ、サイドのタイヤのロゴ中心部に穴。明らかに遊びだった。
 修理パーツはいつも持ち歩いている。小一時間で手持ちの修理材で穴を塞ぎ、とりあえずの修理をしたのだった。

 そのトラブルがあったので、その後、上述の瞬間パンク修理材を購入していたのである。

 とはいえ、いずれも本来はやってはいけないタイヤサイド面の穴埋めである。
 現在殆どのクルマが使っているチューブレスタイヤは、接地面側の補強はかなり強く、穴が開いても修理材料を突っ込んで穴を塞げば、以後心配すること無く使い続けられる。しかし、側面の補強線維は、タイヤの放射線状方向に縦に走らせているだけで、かなり脆弱。穴を塞ぐことは出来ても、その傷が縦に亀裂となって進行し、運が悪ければバースト(瞬間的に破裂) する。高速道路でそれが発生したら、場合によってはそのまま「お陀仏」である。

 そんなサイド穴埋めタイヤ4本で走り続けるのは怖いので、まだ寿命は尽きていないが、タイヤを新調することにした。
 今回も、ネットで良さそうなタイヤ(性能まずまずで安いことが前提)を選択し、上述の修理をさせてもらった運送会社倉庫に納品してもらう了承を得た。
 注文から2日ほどでタイヤが届き、タイミング良くその場所に仕事を作ることが出来たので、即出かけた。その日の打ち合わせを終え、タイヤ交換することに。すぐ近くのガソリンスタンドで大型タイヤ交換も可能なところがあったので、運送会社から口利きしてもらい、届いていたタイヤを積み込んで履き替え作業をしてもらった。
 こんな作業は大好きなので、担当のおっちゃんと雑談しながら作業を手伝い、小一時間で交換完了。
 取り外した応急修タイヤを見てみると、修理はうまくいっていたが、よく観察してみると、サイド面内側の脆弱さが触った感じからもよく分かり、やはり使い続けることは出来なかったと認識を新たにした。
 穴を開けられたことを話していると、おっちゃんも最近経験があるという。
 サイドの場合は、タイヤを取り外せるなら、ゴム板を穴の内側に熱溶着して修理することも出来るとのことだったが、その方法も完璧なものではなく、実施価格の割に信頼性は低いのだそうだ。
 玄人がそう言うのだから、サイド損傷してしまったら、やはり交換しか無いのだ。

 とにかく、愉快犯は許せない。場合によっては、殺人犯にもなるのだから。
 このトラブル以降は、カメラを設置してある駐車場しか使わないことにしている。防衛しか方法は無いだろう。普及してきている車載カメラ(ドライブレコーダー)で監視するという手もあるが、まずは、愉快犯が狙いづらい場所に停める、という方が正解だと思っている。

 そんなゴタゴタの中、タイヤ交換作業の途中で、気になるものを発見した。
 タイヤ外面に、黄色と赤のマークがあるのに気づいた。メーカーロゴが付いている面が車両の外側になる面で、そのサイド面中心付近に2カ所、直径1cmほどの丸印が付いていたのだ。これまで何度もタイヤ交換をしてきたが、今まで気になったことが無かった。おっちゃんに聞いたら、「最近はだいぶ付いているよ、交換時のウェートバランスと真円バランスの表示だ」と教えてくれた。

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 タイヤを回転させたとき一番軽い位置が黄色、円周のゆがみが一番強い位置(膨らんでいる位置)が赤とのこと。真円であるかどうかは、実際上問題にならないので、タイヤ交換時のホイールバランス調整の時になるべく補正ウェイトを少なく出来るよう、黄色をホイールのバルブ位置に合わせるのだそうだ。つまり、バルブという異物を付けている位置が、ホイールとしてはちょっと重くなる位置なので、そこにタイヤ自体で最も軽くなる黄色を合わせる、ということだそうである。赤は、ホイールの真円性との兼ね合いで、ホイール円周が一番凹んでいるところに合わせるのだが、黄色を合わせたら赤を合わせることは不可能なので、通常は無視しているという。スポーツドライブ重視のクルマでは、赤を優先にするのだそうだが、今まで扱ったことは無い、と言っていた。たぶん、レース車両での問題なのだろう。下の写真でも、黄色優先でセッティングしていることがよく判る。

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 今様のタイヤではまずお目にかからないらしいが、以前の弱小メーカーのタイヤには、ゴムの厚さにもムラがあって、ホイールバランスがなかなか取れないことがあったそうだ。調整ウェイトは、普通なら50gを超えることは無いそうなのだが、バランスの悪いタイヤだと、何カ所にも分けて最終的に150gとかになったこともあったという。ちなみに、今回取り付けた調整ウェイトは、いちばん重い箇所で40gだった。

 そんな流れの中で、ウェイトバランスの調整が高速走行中の安全上無視できない問題だという認識が強まり、タイヤメーカーが自社タイヤに自主的に赤と黄色のマーキングを付けるようになったようだ。法律で規制されているのかと思い調べたが、どうやらそういうものではない。
 これまで気づいていなかったのも、実は、すべてのメーカーがマーキングしているのでは無いからだった。国内メーカーでも付けていないところはあるし、有名外国メーカーでもつけていないメーカーがある。ミシュランなど、自分のところのタイヤは、もともとバランス良く出来ているから必要ない、と豪語している。
 ミシュランの言うことが本当かどうかは判らないが、マーキングしているタイヤメーカーは、製造したものを出荷前に検査しているわけだから、黄色と赤はメーカーの安全ポリシーのとらえ方、と考えて良いだろう。付いている方が良心的、と感じる。

 かなり記憶の端に追いやられたバブルの時代、時任三郎さんがやっていたCMを思い出した。
♫黄色と黒は勇気のしるし、24時間はたら~けますか~♫、というドリンク剤CMである。
24時間なんて働きたくありませ~~ん!とCMに言い返していた懐かしい思い出である。

♫黄色と赤は誠意のあかし、24時間 安心タイヤ~~!♫ といったところだろうか。
これからは、マークのあるタイヤかどうかも、注視したいと思っている。

 ちなみに、マークのことをわかりやすく説明してくれているブログがあったので、下に紹介させていただく。

ブログ 私の思いと技術的覚え書き
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/700344a1c459263bf58edf8e1d1d7022

 

孫と公園。その9 大横川親水公園

薬剤師Y子です。

前回の私の記事は、60代の祖父母(夫Mと私)と4歳の孫娘で城南島海浜公園つばさ浜に行った話でした。

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その晩、4歳児は私たちのところに泊まり、翌日は3人で、スカイツリーが大きく見える大横川親水公園などで遊びました。

 

大横川親水公園

下記の公式サイトにある地図を見ると一目瞭然ですが、この親水公園は細長く、私は15年ぐらい前から「好きな公園」の1つとして機会あるごとに中を歩いているのに、まだ端から端まで行ってみたことは一度もありません。

大横川親水公園(吾妻橋三丁目、業平一丁目、東駒形四丁目、横川一丁目、本所四丁目、太平一丁目、石原四丁目、錦糸一丁目、亀沢四丁目、江東橋一丁目、緑四丁目) 墨田区公式ウェブサイト 

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今回、この下のサイトの、クリックする前から見えている4枚の写真のうち左下に写っている「砂場の中にある赤い小さな滑り台」を孫娘が気に入り、ほかに利用者がいなかったこともあって滑り台の一部をカウンターに見立てた「お寿司屋さんごっこ」が急に始まって延々と続いたので、「この機会に大横川親水公園を隅から隅まで歩き回りたい。そして出来れば私の太腿周辺にある過剰な備蓄皮下脂肪を減らしたい」という祖母の夢は簡単に打ち砕かれてしまいました。

1000enpark.com

お寿司屋さんのお客さん役は、拘束時間が長いのに運動量は少なかったです。「お客さん、何にしますか?」と聞かれ「フナ寿司」を注文しても、「お待たせしました~」と孫が出してくるのは昨日つばさ浜で見た「フナムシ」ですし。まあ、いずれにしても寿司の原材料は砂場の砂で、お金は周辺の樹木に由来する落ち葉なのですが。

 

でも、無料で何時間でも滞在できる公園の一部分しか知らないということは、今後に楽しみを残しているということでもあります。この公園内には売店がないけれど、トイレと水道はあり、「街」との間の出入り口が多く、座って飲食できるベンチも多数あります。植物も鳥も多めです。

こちらのサイトで、多くの方が書き込んだ口コミを見ることができます。

www.tripadvisor.jp

孫は存分に楽しんでいたけれど、祖母Y子が「遊び足りない。ここに留まっていないで全体を見たい」と感じた大横川親水公園。公式サイトによれば桜の木が82本もあるそうです。 近いうちに、吾妻橋3丁目から緑4丁目まで縦断してみたいと思っています。

若返りヒイラギ 続々報・・・そしてEnd!

Mです。

 4月の末に、葉がすべて丸くなっている老木ヒイラギで、太い枝の切り口付近から出た細い枝にだけ、トゲトゲのあるヒイラギ独特の葉が生まれていたことを記した。

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 そして、5月にその続報を寄せた。

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 それから4ヶ月間、折を見てはそのヒイラギを観察してきた。新しい葉が出てきたら、それが丸いのかトゲトゲなのかを確かめたかったから。
 ところが、その小枝には、一向に新しい葉は生まれてこなかった。かといって、葉が落ちることも無く、ただただ静かに「そのまま」でいた、と思っていた。
 下が、9月はじめに撮った写真である。

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 葉が増えない、と思っていたのだが、実は、そうではなかったことをこの写真と過去のものを比較していて知った。追加の葉が、先端部ではなく、より幹に近い方に現れていたのである。しかも、それらはトゲトゲを持っていない、という驚きの事実に気がついた。

 下の4枚が、その様子が分かる写真である。5月14日と6月13日のものには見えない3列目の葉が8月12日に現れていて(8/12、赤矢印)、それは9月3日も変わっていなかった。

 

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 8/12写真矢印の葉2枚は、ちょっと尖りかけた部分があるが、いずれもはっきりとしたトゲは無い。ほかの写真も眺めてみたところ、この場所だけでなく、同じ枝元から出た小枝の他の場所でも、同じように鋸歯のない葉が何枚か出ていることもわかった。
 つまり、経過観察している間に、目立たなかったけれども葉が増えて来ていて、それらの中にトゲ無しが生まれていた、ということだ。ただ、よく目をこらしてみると、ほかの場所のような丸い葉とは言えず、丸いけれどもちょっとだけトゲっぽい部分があったりして、「トゲを出したかったけれど途中で諦めた」感のある様子が見えて、じつに面白い。 
 新しい葉は枝先で生まれてくる、と思い込んでいたが、この老木ヒイラギの観察で、そうとも言えないことを知った。先端部の葉を追いかけて、むしろ枝の基部に近い方にも遅れて葉が出てきたのだ。そして、それらは、小枝が生えてきた太い枝に茂る多くの葉と同じように、トゲの無い形態になっていた。

 この現象は、確証はないけれど、次の様なものではないか、と推察している。

 ①まず、全体として老齢化したヒイラギでは、特別なこと(枝が切られるなどの若返りを促す突発事態が起こること)が起こらない限り、発生してくる葉はみんなトゲ無しになっていく傾向がある。
 ②ただ、その傾向は固定したものではなく、大きな損傷を受けた場所では、再生とともに幼若化が起こり、若い頃の形質(トゲトゲ)が現れる。
 ③新生した若い枝では、先端部では再生の際に起こった幼若化がはっきりと現れるものの、時間が経つと樹本来の年齢に関わって起きている「老化現象」がこの若枝にも伝わり、あとから出てくる葉はその影響を受けてトゲを出しにくくなってしまう。

※何がどう伝わるとトゲを無くしてしまうのかについては、二つの方向で可能性が考えられるだろう。
 ひとつは、プラスの考え方。
 枝切りという過酷な条件で修復が必要になった太い枝の断端付近で未成熟の細胞たちがたくさん生まれ、それらが成長ホルモンの類を大量に作って放出した、というもの。つまり、老木になって量が少なくなっている成長因子が、小枝でだけプラス効果として働いた、というものだ。あえて名づければ、幼若化因子となる。
 この場合、その幼若化因子が十分にある限り、生まれて来る葉は本来のトゲトゲになると考えられる。しかし、時間が経って小枝の成長が緩やかになると、本体である幹と太い枝は老齢で幼若化因子は極貧状態だから、小枝でもその因子の濃度が低下していき、次第に本体と同じ環境に落ち着いてしまう。そのため、あとから生まれてきた葉は次第にトゲトゲを作ることを忘れてしまう。

 もうひとつは、マイナスの考え方。
 老木には、若いころの形態を作らなくする抑制因子が生み出されている、と考えるもの。
 何かは想像できないのだが、老齢になった樹木の形成層(幹、枝の樹皮の下にある成長する細胞たちがいる場所)では、若いころには少なかった物質が作られ溜まるようになって、それが、成長ホルモンなどの活性の高い因子の働きを阻害する、ということも考えられる。これを仮に老齢化因子と呼ぶ。この場合、新しく生まれた小枝の細胞たちが作る成長幼若化因子が働く場所にこの老齢化因子が水とともに運ばれていき、幼若化因子の働きを抑え込んでしまう。そのうえ、小枝での幼若化因子の生産も下火になっていくから、新たに生まれる葉は、トゲを作れなくなってしまう。

 結果は同じだけれど、その要因はいずれの場合もありうるだろう。ただ、老齢化因子、というものがあるのかどうかと問われると、幼若化因子説の方が素直でわかりやすいように思う。

 ここまで観察してきて、更に生じてくる葉がどうなっていくのかを引き続き観ていこうとしていた矢先の9月半ば、通りかかったMは愕然となった! 枝が無い!! 
 なんと、観察していた小枝もろとも、太い枝全部が切り落とされてしまっていたのだった。

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 それから半月あまり、まだ切り取られた付近から新たな芽が出てくる気配はない。
 とは言っても、寿命というものが無い樹木のことだから、きっと近いうちに切り口付近から新芽を出してくるに違いないと期待している。
 今度は、ゼロから観察してやるぞ! ・・・ と、意気込んでいる。

孫と公園。その8 城南島海浜公園つばさ浜

薬剤師Y子です。

9月某日、4歳の孫娘・夫M・私の3人で城南島海浜公園つばさ浜に、そして翌日には同じメンバーで大横川親水公園に行って遊びました。

両日とも曇り空で、残暑と日焼け、それらによる疲労を恐れていた私にとっては好都合でした。

 

今回は、つばさ浜について書きます。

 

城南島海浜公園つばさ浜

ここは、かなり前に夫Mと一緒に下見し「羽田空港に近いから離発着する飛行機が大きく見える! 住宅地だったら騒音に他ならない迫力ある音が数分おきに聞こえるので遠慮なく大声を出せる! お金かけずに砂浜を駆け回ったり掘ったりするだけで孫が喜びそう!」と内輪の前評判は上々でしたが、コロナ禍で駐車場が閉鎖されてしまい「おあずけ」状態が何か月も続いていました。

つばさ浜 | 東京港南部地区海上公園ガイド

 

自由に出入りできるようになった場合に備え、百円ショップで柔軟なバケツ・小さなプラスチック製の熊手・シャベル・網などを買い、準備万端ととのった状態で、あとは待つのみ。

待ちに待った今月ついに、それらの出番が来たのです。

ほどよく曇って気温も丁度よい朝9時ごろ。まだ駐車場も、好きな場所を選べる状態。そして目の前の砂浜にいる人は何人なのか簡単に数えられる程度。波打ち際に向かって勢いよく進む孫娘。よしよし、ここまで大成功!

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http://www.misaki.rdy.jp/illust/「みさきのイラスト素材」さんより

 

上の可愛いイラストのうちヒトデは見られませんでしたが、貝殻は何種類も、そして生きている小さなサザエを1個、苦も無く手にする孫娘。もちろん生きているサザエさんには記念写真を撮ったら直ぐ、海に帰っていただきました。

 

頻繁に離陸して大きな音と共に頭上を通り、やがて雲の中に消えていく飛行機を見上げながら、サンダル履きの足を踝(くるぶし)まで海水に浸し大はしゃぎで砂浜を駆け回る孫娘は、そのうち飛行機に飽きたらしく、また私も、彼女が転んだりしていないか気になって彼女の方ばかり見ていて、あまり飛行機を見上げなくなりました。

夫Mだけが「ああ、都内上空を避けるために、かなりの旋回角度で曲がっていく」とか「あのタイミングで後輪をしまってギアを入れるのか」とか言いながら、次々に離陸する飛行機を興味深そうに眼で追っていました。

 

時間が経つにつれて砂浜で遊ぶ人の数が増えてきたので、私たちは小さなカニフナムシがいそうな岩場に移動。夫Mが網でフナムシを捉えて見せ、その後で網を渡された孫娘は存分に網を振り回し、すでにバケツに入っていた色々な形の貝殻を私が時おり網に入れたりすると「大収獲!」という表情で何やら私の知らない単語を叫んでいました。

 

つばさ浜で過ごしたのは2時間程度でしたが、祖父母と遊ぶために遠出するのが楽しみで朝5時台に起きたという孫娘にとって脳と体の活動量は充分だったようで、移動のため車に乗ると、間もなくグッスリ寝てしまいました。

 

飲み物とアイスクリームの自動販売機、足も洗える水道、トイレ、駐車場。

つばさ浜は、この日の私たちにとって必要なものが全て揃った、とても良い場所でした。

 

蛋白質の「蛋」は「鳥の卵」

薬剤師Y子です。

都内にある私の職場の周辺はコロナ禍によって一時期とても閑散としていましたが、最近ずいぶん人通りが多くなってきました。

でも「コロナ禍を経験する前」とは色々な点が異なっています。改善されたこと、残念な変化、両方ありますね。

 

仕事から離れて個人的にも「あの頃には戻れない。もう、ああいうことは出来ない」と感じることが多々あります。

 

例えば、1985年に公開された伊丹十三監督の映画「タンポポ」の中で役所広司さんと黒田福美さんが演じた「生卵の黄身を何度も口移しするシーン」。初めて観たときの感想は「役者さんって本当に大変!」でした。

こちらが、その映像です。「こういうのは好きじゃない。観たら、もう生卵は絶対に食べられない」という方は観ないで下さいね。

www.youtube.com

 

薬剤師Y子が映画「タンポポ」を観たのは、「公開直後に映画館で」ではなく「何年も経ってから自宅のテレビで」でした。そして、そのときは既に吉田戦車さんの「伝染(うつ)るんです。」という不条理ギャグ漫画を知っていたので

www.youtube.com

テレビの前で思わず、黒田さんと役所さんに向かって「あ~、そんなことしたら、いろいろ感染(うつ)るんですよ~」と言ってしまったのを覚えています。

感染症を防ぐために何をすべきで何を諦めるべきか皆が考えざるを得なくなった今、ああいうシーンの撮影は、もう出来ないだろうな」と、また自宅のテレビで古い映画を観ながら、当時のことを懐かしんでいます。

 

卵と言えば、私の実家の朝食では「一人に一つ、生卵」が定番でした。母が用意してくれる朝食を必ず食べてから登校していた高校卒業までの日々、出産の後しばらく実家で世話になった間、息子たちを連れて泊まりに行ったとき、いつでも当たり前のように生卵が出てきました。

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そのせいか私は今でも鶏卵、特に生卵が大好きで、夫Mと休日の朝に行く某ファミレスの朝食バイキングでも、必ず複数の卵料理を食べています。

以前は「卵を食べると血中コレステロール値が高くなるから1日1個までにしている」と言っていた知人が何人もいましたが、私は「そんな単純に連動するものじゃないよ~」と感じていたので、長年「卵は、チャンスがあれば多めに食べ、タンパク質が不足しないようにする」ことを心がけてきました。

蛋白質の蛋は「鳥の卵」、蛋白は「卵の白身」という意味。何年か前、偶然に入った街の大衆的な中華料理屋さんで「そうだ、タマゴ料理には蛋という字が使われているんだ」と再確認したのを覚えています。

 

時は流れ、今の「定説」は下記のように変化しています。薬剤師Y子としては「あなたの自己流、まあまあだったね」と言われているみたいで嬉しいです。

tokuteikenshin-hokensidou.jp

さらに私は、いま30代の息子達が高校を卒業して家を出て行き私と夫Mが夫婦だけで食事をするようになってから毎日、平日の朝食として納豆とヨーグルトを食べ、牛乳を飲んでいます。それ以外にも「その時あるものを色々」食べますが、納豆/ヨーグルト/牛乳を胃に送り込んでおけば「今朝の分のタンパク質は、これでOK」と思えて気分よく職場に向かうことが出来るのです。卵は昼食時に食べることが多いです。 

 

植物性と動物性のタンパク質を同時に摂ることを今は「ダブルたんぱく」と表現するみたいですね。興味のある方は、こちらの記事も読んでみて下さい。

義務教育現場のデジタル化 Chromebookが背中を押す?

Mです。
 コロナ感染封じ込めのために人の移動をなくすため、企業の一部はテレワーク化に一気にシフトした。

 その動きの中で、従来の出社至上主義が誤りだったことを悟り、オフィス資源の無駄、人移動の無駄、移動時間の無駄、などを解消する動きも生まれた。それでかまわない企業は、今後もその方向でいけばよい。やはり現場作業重視なら、人の動きだけを極力減らし、ネット管理で現場と指揮系統をつなぐという手法を、どんどん取り入れていくことが重要な課題になっている。

 情報機器の整備とそれを使いこなす人の教育が、これまで以上に重くなる。オレはパソコンは無理、では通らない世の中になっていく。デジタル・デバイドにおののいてはいられない。かといって、いろいろな技能者みんなにデジタル機器を使いこなせ、というのは酷な話。それが出来るバディーとのペアで仕事を進める、という方法が重要になるのではないかと思っている。

 さて一方、コロナにおびえ、深く考えもせずに全国の学校を一斉休校させた日本。休ませてしまってから、教育現場にデジタル化授業を行き渡らせなくては、と慌てる当局の、笑いでは済まされない不甲斐なさに、多くの人々が口を「への字」にしたのではないだろうか。

 早くからサテライト授業を普及させてきた大手予備校などの様に、在宅授業に速やかに移行させた組織は、まさに先見の明を持っていたということになる。

 ただ、現実問題としては、そんなシステムを義務教育現場に持ち込むには、ハード、ソフトの両面から高すぎる壁があるわけで、担当官庁がいくら言葉だけを発したところで、そうそう進むはずがない。なぜなら、デジタル機器、つまり、タブレットやNotePCなどの整備が追いつくはずはないし、使わせられる側も、誰でも使える状態にはないのだから。

 そんな状況下で、日本でも「Chromebook」なる、新手のPCが徐々に普及速度を上げているようだ。

 既にガラケースマホが追い抜いている状況で、スマホがあればなんでも出来る、状態が進んでいる。在宅授業にスマホが使われている現状があるが、これは最適な機器だからということでは決してない。機動性に富んでいながら情報機器としていっぱしの能力を持っている機械が、ほかにないからだ。それで済む範囲なら、スマホでこれからもOKだと思う。
 ところが、である。

 小学生が授業をスマホで、ということになると、さすがに首をかしげなくてはならない。

 授業内容全体を大枠で捉えながら、部分毎に説明を描き加えてはかみ砕いて教えていく、という黒板スタイルの方法は、子どもたちにとって受け入れやすい仕組みだが、小さな画面でそれを行うのは難しいだろう。やはり、もっと大きな画面の機械が必要だと思うのだ。
 それを考えると、これまでは、学校にPCを導入と考えられてきたものの、台数とそれにかかるコストがハンパではない。マスク配布の比ではないのだ。PadやBookという案も出てはいたものの、それらへの教育ソフト導入はあまりうまくいっていなかったようだ。

 ところが、デジタル界の4強GAFAの筆頭Googleは、Chromeというブラウザの普及をうまく拡大していく中で、PCの世界に軽妙洒脱な戦術を組み込んできた。ブラウザ機能に特化してしまったPCの導入であり、それが「Chromebook」なのだ。

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 このPCは、WindowsでもなければMacでもない。ChromeOSが中枢で、全ての作業はブラウザ上で行う。つまり、自分自身にはデータを蓄積しない完全なクラウド型装置である。

 その利点は、各種アプリを自分自身にインストールすることを捨て去った身軽さにあり、すべての作業、データは利用者のIDで登録されたクラウド環境の中に管理されている。特別なソフトを使いたい、という個別の希望は叶えられないが、それが逆に強みで、Chromebookを使うという共通の枠に入れば、教育現場の環境がそのままChromebookの支援環境にスッポリ収まってしまう。

 ブラウザという共通環境を教室に見立て、先生と生徒が互いに同じものを見て通信し合う。もちろん音声、画像を使った疑似教室の中で、リアルタイムの授業が構築できるのである。

 米国では既にこの方式が広まってきているという。その仕組みが、コロナの閉塞環境のなかで、日本でも動き出した、ということなのだろう。

 Chromebookで検索すると、AcerASUSLenovo、HP、などなど、各社が10~15インチクラスのキーボード付きマシンを売り出している。価格は、なんと2万円台から。
 CPUはIntelCeleronクラスから i3クラスまで揃っていて、メモリーは全てDDR4世代だから、ブラウザ環境ですべて動かすのが基本のマシンとしては、不足はない。むしろ、重いアプリをいくつも抱えているNotePCよりも格段に快適なのではないかと思う。
 
 思い仕事ばかりPCに強いているMは、重い仕事を並行動作させながら、さらに軽い仕事も同時並行させているせいで熱い排気を振りまいているデスクトップに、思わずゴメンな、と心の中で呟いている。

 Chromebookは、教育現場の熱い視線と同じように、企業現場でもその価値が高まってきているようだ。

 大企業では、デスクワークする人全てにNotePCを持たせ、データはサーバーに置いてみんなが同じ土俵で作業しているのが普通になっている。そんな状況なら、もはやNotePCでなくても良い。むしろ、コスト面からもCromebookの様なハードの方が安上がりだし、ウイルス対策も中枢だけで行えばよいから、サイバーセキュリティー面からも好都合。なにしろ、Chromebookには、ウイルスが入り込む余地がない。データを自分の中に持っていないのが基本なので、ネットに繋がってはいても悪者が入り込んで巣くう危険性が低いのだ。

 スマホ全盛、とは言うけれど、やはり大きめな画面で多くの情報をまとめて視認するという作業の方が、効率は絶対良いと思う。さらに、キーボードというツールは、作業性がとても高い。

 高額でOS更新など手間も多いNotePCから、Cromebookのような特化したBook PCへ移行していく動きが、次第に進んでいくように思う。