Mです。
事実上、毎日、最低40分は東京23区内を車で走る。チャリでは月~金5日間で総距離50Kmは、こぎ巡っている。
そんな中、いちばん往生するのは左車線を走るタクシーの幅寄せと直前停止だ。客を見つければ止まるのは当然、商売だもの!と云われれば確かにそういう面もあるだろう。が、毎日のようにヒヤッとさせられる側のことも考えてくれ!!、と叫びたい。
田舎でタクシーを使うのは、鉄道の駅から目的地や自宅への手段、自宅からの病院通い、お年寄りが友達同士で乗り合いショッピング、などだろうか。いずれにしても、道路でタクシーを拾う、というスタイルはごくまれだろう。そもそも、タクシーが一般道を流しているなんてことはあり得ない。燃料の無駄遣いである。
ところが大都会は全く違う。年齢にかかわらず、急いでいる人々が幹線道路にはウヨウヨいて、彼らは目的地へと向かう手段にタクシーを多用する。バスや電車では降りてからさらに移動しなければならないから、効率が悪い。だから、今居る場所から目的地へと直接向かうことの出来るタクシーを選ぶ。カネはかかるが、効率的かつ安心な移動手段として理解できる。雨の日など、特にその便利さは捨てがたいだろう。
オリンピック用に大量導入されたTOKYO TAXIと呼ばれる濃紺の背高タクシーが、オリンピックが無観客で行われることになったため、当初の目論見から大きく減ったであろう収益の穴を埋めるべく、1分1秒を惜しんで客を探しまわっている実情もまた、理解できる。客を見たら即停車! ごもっとも。
とはいえ、である。もう少し、拾う側、乗せる側双方とも、都会の幹線道の交通状況と安全確保を考えてもらいたいのである。
毎日記録しているわけではないが、交差点や横断歩道付近でタクシーがハザードを点滅させていきなり停車する、という状況に最低でも5回は出くわす。特に朝方と夕刻にこのパターンが多く、それでなくても混んでいる時間帯なので、この客乗せや客降ろしがさらにクルマの流れを阻んで混雑が悪化しているように思う。
道路交通法を引き合いにして物言うつもりはないが、止める場所をもう少し考えて欲しいのだ。
なぜなら、、交差点や横断歩道といった駐停車禁止場所ほど、タクシーの急停止が頻見されるからだ。
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(参考)道路交通法第44条
車両は、道路標識等により停車及び駐車が禁止されている道路の部分及び次に掲げるその他の道路の部分においては、法令の規定若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため一時停止する場合のほか、停車し、又は駐車してはならない。ただし、乗合自動車又はトロリーバスが、その属する運行系統に係る停留所又は停留場において、乗客の乗降のため停車するとき、又は運行時間を調整するため駐車するときは、この限りでない。
一 交差点、横断歩道、自転車横断帯、踏切、軌道敷内、坂の頂上付近、勾配の急な坂又はトンネル
二 交差点の側端又は道路のまがりかどから五メートル以内の部分
三 横断歩道又は自転車横断帯の前後の側端からそれぞれ前後に五メートル以内の部分
四 安全地帯が設けられている道路の当該安全地帯の左側の部分及び当該部分の前後の側端からそれぞれ前後に十メートル以内の部分
五 乗合自動車の停留所又はトロリーバス若しくは路面電車の停留場を表示する標示柱又は標示板が設けられている位置から十メートル以内の部分(当該停留所又は停留場に係る運行系統に属する乗合自動車、トロリーバス又は路面電車の運行時間中に限る。)
六 踏切の前後の側端からそれぞれ前後に十メートル以内の部分
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上記の文面中太字の部分が、まさに、毎日出くわすタクシー急停車場所そのものなのである。
はてさて、それじゃあ、誰に問題があるのか?
Mとしては、タクシーの側よりも、タクシーを拾う側に問題があると感じている。
仕事で流しているタクシー運転手は、客を乗せてなんぼの商売をしている。だからどんな止め方をしてもOKと言うのではないが、もし自分が止まらなくても、すぐまた後ろから来るタクシーが止まるだろうことは明らかで、ならば自分が乗せてしまおうと思うのも仕方がない。そういう行為に対して、警察官ならNGを出せるだろうが、一般人にそれを求めるのは酷である。事実上、黙認せざるを得ないと思う。
一方、拾う側はどうか?
どうしてわざわざ、横断歩道や交差点でタクシー待ちをするのか?
これが、はなはだ疑問なのである。
道路交通法を遵守して、などという気はサラサラない。むしろ、道路の安全な場所でタクシーを拾う方が自分にとって安心なはずだから、事故が起こりやすくみんなの迷惑にもなる場所を避けてタクシー待ちをする、という単純なことをなぜ考えないのか、と思うのだ。
個人的観察なのだが、面白い現象がある。少なくとも西欧人が交差点や横断歩道でタクシーを拾うという例は見たことがない。東京駅周辺などのようにタクシープールのある場所は限られている。それ以外の太い道路で西欧人がタクシーを拾う光景はよく目にするのだが、彼らは何もない場所、つまり、クルマがただ直進すれば良い場所で手を上げ、タクシーを拾う。これはごく自然なことで、流しのタクシーはどこでも拾えるわけだから、拾う場所はむしろ無限にある。なにもわざわざ特定の場所として交差点を選ぶ必然性はゼロなのだ。渋滞中でなくとも、スムーズに流れている直線路なら、前方でタクシーが客を拾いそうだという情報は、後続車両の側で難なく関知できる。なにしろ、交差点のようにいろいろな方向に注意を払う必要がないので、前方情報に集中できるからだ。減速するにしろ、追い越すにしろ、後続車側に余裕があるのだ。
ではなぜ、毎日のようにヒヤッとさせられる「交差点タクシー拾い」が多いのか?
思うに、タクシーが速度を落とす場所だから止めやすい、と考えているからではないだろうか。もしかすると、日本人は、タクシー運転手に「親切」だと思って交差点付近でタクシーを拾っているのかも知れない。
だとすると、それは大間違いだ。
確かに、タクシーの側も止まりやすいとは思う。乗せるのは道路左側なのだから、交差点で左折レーンにいればノロノロになっていて止めやすい、かも知れない。横断歩道なら、横断者が居るうちはどうせ止まっていなくてはならないから、そのときに乗ってくれればラッキー! ということ。でもちょっと待った! 止めやすい、止まりやすい、なんて論外である。タクシー運転手は運転のプロなんだから、どこでも安全に止まる術(すべ)を持っているはず。いちばん交通を滞らせる場所で客乗せなんかするんじゃないよ! と言いたくなる。
客が交差点付近でタクシー待ちをしていても、タクシーはその場で急停車せずに直進または左折して少し進んだところで止まる、というのが本筋だろう。
ごくわずかではあるけれど、そういう例を見たことはある。
どこでも拾えるタクシーなのだから、利用する側には、利用者としてのマナーがあってしかるべき。交通状況をちゃんと見て、他のクルマにも、自転車にも迷惑になりにくい場所を選んでタクシー待ちをして欲しいと思う。
結果として、その方が、自分自身にとっても安全なのだから。