理系夫婦Y子とMの昭和から令和まで

都内で働く薬剤師Y子と、パソコン・DIY・生物などに詳しい理系の夫M。昭和30年代から今日までの実体験に最新の情報を加え、多くの方々、特に子育て・孫育て世代の皆様のお役に立つことを願いつつ発信する夫婦(めおと)ブログです。

再生NotePC販売に疑問符

Mです。

 新聞や雑誌の広告でしばしば目にする、だいぶ前に出回っていたNotePCの再生販売。
 入門者に最適、などといった表現で2万円を切る価格で販売していたりする。NotePCでこの価格は確かに安い。
 ところが、写真の下に書いてある小さな字のスペックを見ると、ウッソーと思わず口に出しそうになる。どんな人に最適なんだ、と疑問符の嵐が吹き荒れる。

 秋葉原のジャンク街ならこの程度の価格帯のものもゴロゴロしている。が、あるとは言っても、それは中身を吟味して買うマニアックな相手が対象。PCに詳しいわけではない人が見ても、価格とスペックの吟味などできるわけがない。それが紙上販売だとなると、更に難しい。注視すべきスペックは写真の下に小さく書いてはあるが、買おうかなと思う人々が見るのはそこではない。もっと大きく書いてある、すぐに使える、ネット設定済み、オプション豊富、保証付き・・・などの文言なのだ。
 MicrosoftのOfficeが入っているし、ひとまず普通のことはできそうだ、と感じる広告。 
 でも待ってください!
 そのPCは、年賀状印刷する程度しか使わないことが前提だ、と言われても買いますか?

 広告の内容をよく見てみると、それら再生PCは、事務所等で各人に使わせていたNote端末だったのだろうとわかる。数量限定で数十台から百台程度の限定販売だとしている。 オフィス設備の買取業者とも付き合いがあるので、回収倉庫から時々めぼしいものを分けてもらったりしているが、ドカンとまとまって入ってくるもので多いのが、リース切れした事務所のNotePCやスリム型デスクトップPCである。数十台まとまって入ってきて、それを再生事業者が定期的に買い取っていく。その先が、数量限定販売の格安再生PC、となるのだろう。

 再生事業者は、本体、部品のクリーニングの後、HDDの状況を見て再フォーマット、OSを入れ替えてOfficeなどを追加、といった手順で売り物に仕上げているのだと思う。
 OSを新規購入してインストールしたら売値と同等になってしまうはずだから、そのあたりは事業者のノウハウで、OEM提供のものを再インストールしている形をとっていると推測する。つまり、廃棄済みPCのOSを再申請してMicrosoftに承認させる、という手法なのではないか。Officeソフトも、同じ手法だろう。それなら、事実上タダだから。
 いくらで買い取って再生しているのか興味があるが、広告費を使って売るのだから、わずか2万円程度で利益を出すのは大変な苦労だと思う。正直、かなり上手い手を使わないと、とてもやってられない、のではないか。

 そんな再生PC、今は必ずWindows10がインストールされている。ところが、スペックを見てみるとビックリ。CPUはCeleronでメモリーは4Gbytes。これでは、OSを動かすだけでもCPU負荷がバカにならないし、最低2Gのメモリーが食われてしまう。だから、アプリを稼働するとあっという間にフルメモリー使用の状態に陥る。

 冒頭の疑問符の嵐、とはこのことだ。

 Wordで文章を書くだけならどうにかなるだろうが、そこに写真を貼り付けたりしていると、まもなくメモリー不足で動かなくなる、なんてことが起こる。あるいは、ネットでいくつものページを起こして、YouTubeで映像を流して、なんてしていると、だんだん動作が緩慢になってフリーズ、ということもあるだろう。
 つまり、広告されている格安再生NotePCを眺めてみると、今様にふつうの使い方をしただけでエンストしてしまう危険が高いということだ。

 そう思って広告をもう一度見てみれば、なるほどそうか、と気付く。オプションが豊富、というのは、メモリー拡張、CPUグレードアップなども用意しているということだった。でも、その価格はなかなかに高い。買ってしまってからどうにも使いにくくてグレードアップ、ということになると、買ったときの価格と同じくらいのオプションを頼むことになる可能性が見えてくる。
 ウゥ~~ムッ!これが、メンテサービスなのか。

 想像するに、この手の広告で心動かされる人たちの多くが、お金がそこそこあって2万円程度ならいいか、と軽く考えてくれる団塊の世代なのではないか。メカに詳しくはないが、時代の変化に対応していろいろ試して楽しんでいる層。そんな人々に切り込みやすいのだろうと思う。

 だとすれば、メンテサービスがあるからと安心させて売ることは有りだとしても、最初のスペックをちゃんとして、ユーザーが使い始めてすぐに壁にぶち当たるようなことがないようにして欲しいものだ。

 安かろう悪かろう、は絶対ダメ。ホドホドで安心、にして欲しい。

 PC改造オタクとしては、ユーザーがそこそこ満足できる売りものを再生して欲しいと思う。

 ↓ この文書を書いているNotePCがこれ。

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 NECLavie LL550/Hを5年前に3,000円でジャンク屋のお兄ちゃんから買い、CPUとメモリーを最大スペックまで拡張した。動画のエンコードはさすがに無理だが、高度ゲーム以外はどうにかなる。拡張費用はヤフオクさんとお兄ちゃんのおかげで合計4,000円でした。

「バラす」は「なおす」のはじめナリ

 Mです。

 ガラクタいじりは、こどもの習性のひとつだ。

 ゴミ置き場に捨てられていたオモチャや電気製品を拾ってきては、分解してみる。そして、それをもう一度組み立てなおしてみる。うまくすると、動かなかったものが動くようになったりすることも、ごく稀にだが起こる。そうすると、その子にとってはこの遊びが捨てがたいものになってしまう・・・

  などというのは、モノがあふれていて使わなくなったらどんどん捨てていく現代では、ほとんど見られない光景だろう。

 Mのこども時代は工業製品自体が概ね高価で、動かなくなれば「まず修理」と考えるのが当然だった。街の電気屋さんは家電修理業でもあったわけで、ラジオが鳴らないとなれば、真空管トランジスタを交換して再生する、とうのが役割のひとつだった。テレビなんぞはその最先端で、その場で治ることは期待薄だったから、1週間預かります、といって代替え機を貸してくれる、なんていうこともあったのだ。

 そんなことを目にしているから、捨ててあるモノが工業製品だと、こどもはその中身がどんな風になっているのか観たくて仕方がない。石で叩いて壊し、中を観る、なんて乱暴なことをする輩もいたが、それは下衆というもの。本当に興味を持っているこどもたちは、家にあるドライバーを持ち出してきてネジというネジを外して分解した。よく判らないくせに、さまざまな部材の形や色を観て判ったような気になるのが嬉しかった。ごく稀に配線が外れていたり焦げていたりを発見してそこに手を加え、元通りに組み直して持ち帰る。電池を入れたり、プラグを差したりして、動いたり鳴ったりしたらもう有頂天。まるでいっぱしの技術屋になった気分で、鼻高々だった。

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 そうなると、もう止まらない。遊びがてらにゴミ捨て場を回ってめぼしいものを見つけることが日課になってしまう。なんて時代があったのだ。

 そんな時代に育ってきたMだから、三つ子の魂なんとやら、で、今でも壊れたモノを捨てるのはだいぶ先。部材を取り外して使えるものをより分けては保管し、ガラになってから捨てる、のがMにとっての「ふつう」なのだ。ただ、その時間がなかなかとれないから、分解待ちの機能停止品が順番待ちしている、という状態が起こってしまう。いくつかの部屋が、解体業者の倉庫のようになっているという現実。どうにかしなければ、である。

 とはいえ、できあがっているものを分解するという行為は、こどもに限らず、おとなでもなかなかに面白い作業であることは間違いない。こどもと違って、それなりの知識も蓄えてきているし、調べればおおよそのことはすぐに判る時代だから、ただ分解するというレベルをはるかに超えている。分解する目的が、不具合の探索であり、その先に復活させるという目的まであるのだから、実利的でもあるのだ。

そんな風に考えると、高機能&コンパクトで、とても分解など出来なくなっている昨今のデジタル機器は、なんの面白みもない。そもそも、それらの機器は修理という概念さえ失っている。機能不全に陥れば、代替え機に交換か新型に買い換えするのが当たり前で、なおすということはメーカー側の対応に含まれていないのだ。事実、修理が不能なほどに機能部品が集積されていて部分交換など出来ないし、可能としてもその作業の方がコストフルなのだ。だから、ダメになったものはレアメタル資源としての意味しか持たない。

 とはいえ、電気製品のなかにも、モーターで動くものやライト、冷蔵庫や洗濯機、などなど、コントローラーはデジタル基板でも動作部品や変圧部品などが動作の元になっている機械はたくさんある。それらは、今でも分解修理可能だ。部材の交換だけで生き返ることが期待できるのである。PCでも、デスクトップ型はその範疇になる。

 ↓ HDがおかしくなったら、まずは取り外して機能チェック、の様子。

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 IoT時代で、スマホスマートスピーカーと会話して電化製品をコントロールする世の中がすぐそこまで来ている。でもその一方で、コントロールすべき相手は、通信機能を追加されてインターネット経由の指令を受けてはいても、中身は従来の動作機器であることも忘れてはならない。情報だけで支配できるのは、命令だけなのだ。本体がトラブったら、やはり修理できるものは修理すべきだし、それがエコでもある。その精神だけは、忘れない方がよいと思っている。

 孫が育ってきたら、自身のこども時代のように、いろんなモノをバラしては組み直す、という作業を一緒にやってみたいものだ。

バラすは、なおすのはじめナリ、だ。
かれらは、それを解ってくれるだろうか?
いや、解ってもらえるようにしなくてはならない、と思っている。

 

熱中症かな? PC編

Mです。

Y子が熱中症について書いたので、つられてチョコッと。

といっても、当方はヒト様ではなくて、PCの熱中症です。

PCの熱中症、お掃除してないPCだとそろそろ起こり出しますぞ! と脅すわけではないが、前2回に分けて書いた内容がこの問題。敢えてもう一度、触れておきたい。

以下のような症状が現れたら、間違いなく熱中症≒熱暴走に突入する兆しです。

◆さっきまで静かだったファンの音が大きくなりっぱなしで治まる気配がない。
◆アイコンがスムーズに動かないで、飛び飛びに動いている。
◆画面の切り替わりにえらく時間がかかる。
◆アイコンがくるくる回ってばかりで、アプリが起きてこない。

・・・・・

そして、いきなりプツンとBlack out。

これでPCが壊れる、なんてことはなかなか起こらないものの、その時ちゃんと終了できないでいたアプリがエラー状態に陥って、次回動かない、くらいのことは起きてしまうかも知れない。最悪、起動ディスクがエラーを起こして立ち上がらない、ということもあり得る。そんなときは、面倒でもWindowsのインストールディスクで立ち上げて、修復作業を行うのが手っ取り早い。

とにもかくにも、そうならないように対応策を。

特にNote PCの場合は、CPUファンの音がギュイーンとあがってそのままになるようなら、やばいと思った方が良い。排気口が本体横のどこかにあるはずなのでそこに手をかざしてみて欲しい。排熱がよくわからないのはフィンが詰まっている証拠だから一番マズイ。急いで、スリットのある開口部を探そう!

排気しているのが判って、その空気が熱風なら、これもまた、即対応すべしである。

いずれの場合も、アプリを止めてまずはシャットダウンすべきだ。ウンともスンともいわなくなっているなら仕方がない、メインスイッチ長押しで強制シャットダウン。

そして、前々回に写真で示したように、熱がこもるところはふたを開けてあげよう。ファンとフィンは歯ブラシと掃除機でクリーニング。

もちろん電源オフでです!

それが済んだら、何かゲタになるものを見つけてPCの上げ底をして欲しい。
それさえ行えば、再起動して熱中症になることなく使えるはずだ。

一方、デスクトップの時に上述の異常が起こるようだと、Noteよりだいぶ深刻かも知れない。
まずは、シャットダウンしてからサイドパネルを開けてCPUクーラーの点検と、メモリーの触診をしよう。

CPUクーラーは、前回述べたようなホコリで埋まっていなければまず問題ない。下の写真の大きなファンがCPUクーラーのファンだが、その向こう側の櫛板構造(フィン)がヒートシンク。どちらにもホコリは溜まっていない。こんな感じならNo ploblem。

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ヒートシンクに手で触れてみると、あったかい程度のはずだ。そもそも、CPUクーラーは放熱が良いので、フィンに触って熱いくらいだとそれはファンが回っていない場合の異常。もしファンが回るのに熱いとなると、これはCPUの発熱にクーラーユニットの排熱能力が追いついていないということで、論外。即、そのCPUに合わせた能力のユニットに交換すべきだ。

※余談だが、上の写真のCPUクーラーユニットは、たぶん元値は1万円くらいしたはずのジャンク品。秋葉原の行きつけお兄ちゃんの所で、もってけ泥棒箱(1000円均一)に入っていたものだが、ヒートパイプ4本式の業物。130W級のちょっと古くてパワフルなCore i7に付けているのだが、ガンガン働かせても人肌程度で放熱している。

CPUと同様に酷使されてもけなげに仕事をしているのがメモリー。上の写真だと、大きなファンの右下に縦に並んでいる板がそれ。彼らには、普通冷却装置がついていないのに、熱はガンガン出る。メモリーの基板に装着されている黒いチップが触れないほど熱いのも、夏だと当たり前のこと。下のようなメモリーだとバーコードラベルに触っただけで、ウワッと声が出るほど熱い。

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 あまり触ったことがある人はいないだろうが、メモリースロットのある部分をマザーボードの裏側から触るとビックリするほど熱い。つまりは、差し込んでいるスロット自体もメモリーの熱を受け取っていて、それがさらにマザーボードに伝わって熱くなっているということだから、いかに発熱しているかが判るはず。メモリーは、近接して並んでいるから、隙間も広くないので周囲に熱がこもりやすいのである。

下の写真のようなメモリーだと、チップに金属(アルミ)をかぶせて放熱性能を上げているが、それでも、ファンで風を当てているわけではないので、冷却効果はイマイチなのだ。

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ちなみに、こういうアルミ板を装着したメモリーを触ると、数秒さわっているくらいまでは我慢できるほどに熱放散している。でも、中に埋め込まれているチップ自体は、十分熱いと想像する。

というわけで、デスクトップマシンで上述のおかしな現象が現れるようなら、すぐにサイドパネルを外して開放状態にしてあげて欲しい。できればそこに扇風機の風を! 狙い所は、メモリースロットが並ぶエリア。卓上のおもちゃ扇風機があるなら、そいつで集中攻撃して欲しいくらいだ。

とにかく、ケースファンで内部の熱を外に吐き出す程度では太刀打ちできない状況が起こっているわけで、その対応策はできるだけ多くの空気を送り込んでやること、に尽きるのだ。したがって、夏場は開放のままがよろしい。

最近、ゲーミングPCなどでは水冷のCPUクーラーが流行っている。とは言っても、簡易水冷だから、車のラジエターのように大量の水を使っているわけではないので、効果もさほど高くない。それでも流行っているのは、それだけ排熱問題が意識されているということで、無視することもできない。

ただ、本質的に考えれば、ふたを開けて扇風機、の方がなんぼかマシだということに気づいてもらいたいものだ。

カネをかけるより、頭を使おう! 見てくれなんてどうでもいい。PCくんが快適ならそれが一番だ。

Mの仕事用のPC、今日からサイドパネル除去、しました!

 

「私の熱中症対策」を決めて実践しよう!

薬剤師Y子です。

夫のMも 5/24 の記事に書いていましたが、

www.yakuzaishi-y-co.work

 

今日も関東は非常に暑く、ドラッグストアの店頭には「熱中症対策グッズ」がズラリと並べられています。

 

「熱中症」というのは、私たちの身体が「高温多湿環境」に上手く適応できない時に生じる様々な症状の総称です。真夏だけでなく初夏にも、また秋の彼岸を過ぎてから台風一過の青空の下などでも発症することがあるので、注意が必要です。

 

よく見かける対策グッズとして「水につけて首に巻くスカーフ」「ちょっと可愛い保冷剤」「シャツの上から使って体感温度を下げるスプレー」などがあります。上手に利用したいですね。 

 

これらの商品のうち薬剤師Y子が実際に買って使って効果を実感したのは上記の「冷感スカーフあるいは冷感タオル」(そこに含まれる水分が体表から熱を奪って気化熱として使い、気化していくので、濡らして首の周囲に置くだけで効果を発揮)と、「保冷剤」です。

 

保冷剤は、小さいのを複数個いつも冷凍庫に入れておき、暑さの中で長時間を過ごすことになる日には保冷バッグに入れて持って行くのがオススメです。外で「暑すぎる! このままではマズイ!」と感じたら、迷わず脇の下などを冷やしましょう。

 

体感温度を下げるスプレー」は、「冷たく感じるけれど、本当に体温を下げるわけではない」ので、そのつもりで使う必要があります。

 

色々なグッズが売られていますが、残念ながら、このような商品だけで全ての人の熱中症を防ぐことは出来ません。

 

例えば薬剤師Y子の両親(共に1920年代の生まれ。既に天寿を全うして他界)の場合、エアコンを使って部屋を出来るだけ涼しくしたかった最晩年の父が「エアコン大っ嫌い!」の母に論破されてしまい、夏の夜、両親の寝室に入った姉と私が暑さに驚いて「これじゃ夜の間に二人とも熱中症になっちゃう!」と大慌てで室温を下げたことがありました。

 

母は本当に始末の悪い「筋金入りのエアコン嫌い」でしたが、若い頃に小学校の教師をしていましたので今回は「算数」と「理科」で行こう、と姉妹で戦略を練り(余談ですが私だけでなく姉も理系の女性、リケジョです)、大きな数字で室温と湿度が表示されるデジタル温湿度計を買って両親の家に置きました。すると案の定、それらの数字を無視することは母にも出来ず、しぶしぶエアコンを使ってくれるようになりました。おかげで父も母も、熱中症医療機関に行くことはありませんでした。

 

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もう1つ、別の事例を書きます。

5年ほど前のこと。「顔と髪のメイクには時間をかけるけれど朝食を摂る習慣がなくて何度か熱中症の初期症状を経験した社会人2年目の内気な女性」が、私との会話の中で好きな食べ物を話してくれたので「じゃあ夏は寝る前にバナナ1本を冷蔵庫に入れて、翌朝、常備してるチーズを1個、よく冷えたバナナを1本、メイクしながら食べるっていう案、どうでしょう?」と言ってみたことがあります。

それから2年ぐらい経って再会した時、彼女は「暑さにも寒さにも強く、大きな声で朗らかに話したり笑ったりする豪快な女性」へと成長していました。バナナは子供の頃から好きだったけれど朝イチの冷たいバナナは本当に美味しい、朝食を抜くなんて今では考えられない、ランチも栄養バランスを考えて食べるようになった、と話していました。

彼女の素晴らしい「変身」は、彼女自身にも、また自説の正しさを実証してもらえた私にも、「ちゃんと美味しく食べることの重要性」を再認識させてくれました。

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薬剤師Y子は「朝食を多めに食べる習慣があり、その時に塩分も摂っているので、5月頃から10月頃まで水だけを持ち歩き、こまめに飲む」「屋外では帽子をかぶり、折りたたみの日傘も持つ」ということを実践しています。

孫と一緒に出かける時には、500mlのペットボトルを最低でも2本は持って行きます。そのうち1本には常温の水を入れて、自分も孫も飲みたい時すぐ飲めるようにしています。残りのペットボトルは「前日に水を入れ、冷凍庫で凍らせ、当日、保冷剤その他の冷やしておきたい物と一緒に保冷バッグ等で」持ち運びます。

 

このように「熱中症を未然に防ぐために何をすれば良いか」は人それぞれです。

乳幼児、高齢の方、肥満傾向の方、体力や持久力に自信がない方、まだ暑さに慣れていない方などは「熱中症になる可能性」が高めです。 

今この文章を読んでくださっている皆様は、ご自身のため、ご家族のため、周囲の方のために「実効性の高い対策」を考えておいて下さいね。

 

 それでも症状が出てしまったら

「予防のために何をすべきか。どんなものを備えておくべきか」は人によって違いますが、もし熱中症を疑うような症状が出てしまったら、することは決まっています。

 

中症の代表的な初期症状として、めまい、立ちくらみ、一時的な失神、吐き気、頭痛などがあります。筋肉痛、こむらがえり、大量の発汗、倦怠感などが最初の自覚症状だった、というケースもあります。

 

気温や湿度が高めの日に上記のような症状を自覚したら、あるいは周囲の人がこれらの症状を訴えたら直ちに涼しい場所へと移動し応急処置をする必要があるのですが、「その日は涼しい朝のうちから少し体調が悪かった」場合などは、「これ、熱中症の初期症状だ!」と気づくのが遅れがちです。

 

でも、ご存じのように熱中症は重症化すると命に関わります。ですから今ぐらいの季節になったら、「自分も、周囲の人も、誰もが熱中症になる可能性がある」ということを常に念頭に置き、「疑わしい症状」が見られたら応急処置をしなくてはなりません。

 

上記の症状に加え、自分でも他の人でも「意識が朦朧としているようだ。受け答えが正常でない」ということがあったら、すぐに救急車を要請しましょう。

 

救急車を要請した場合も、そうでない場合も、熱中症の疑いがある時は涼しい場所に移動した後で、応急処置として体を冷やし、水分と電解質を補給する必要があります。

 

脱げる服は脱ぎ、外せるベルトやボタンやネクタイは外し、皮膚を露出させることが出来る箇所があれば露出して、体からの熱を放散を促します。また、冷水、うちわ、扇風機、保冷剤など、使える物は何でも使って、できるだけ体を冷やします。

こどもや赤ちゃんのイラストわんパグさんのフリー素材より)

 

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仰向けでも座位でも[皮膚の近くに太い血管がある場所]を冷やすと効果的です。

 

意識があれば、次に「冷えたスポーツドリンクなどを自力で飲む」ことを試みます。自力で飲めない時、吐き気や嘔吐がある時には、医療機関での点滴などが必要です。

 

日本気象協会の「熱中症について学ぼう」というサイトも、オススメです。

https://www.netsuzero.jp/learning

 

「暑さに負けず、暑さを楽む」ための「自分なりの方法」を見つけたいですね。

 

 

真夏のPC 死なせはしないぞ!

Mです。

今日24日、東京で30℃超を記録したという。

まだ5月でっせぇ~! 驚くべき事態だ。

5月に運動会をやってしまおうという流れがだいぶ前に起こって、そこここで5月中の運動会が行われているようだが、5月最後の土日となる25,26日、全国的に更に暑くなるという。たぶん、運動会が多くの小学校で行われそうだ。かあちゃん、とうちゃん、熱中症大警戒。水と塩を忘れずに!

ここまで暑くなるのが早いと、酷使されているPCにとっては、人間が暑さ対策に本腰を入れる前なので、むしろ熱暴走の危機にさらされやすくなる。暑いねぇ、といいながらもまだエアコンの掃除もしていない、という家庭がほとんどではないか。扇風機さえまだ押入から出てきていないかも知れない。
せめてPCには、扇風機の風を当ててあげて欲しい。声に出さず喜んでくれる(笑)はずだ。

Note PCの排熱対策とデスクトップの排熱向上策について前回までに書いたが、今回はそれでもヤバイかも知れない「真夏」対策に触れてみたい。

ネット上では、PC屋さんのサイトを含めて、いろいろな暑さ対策が掲載されている。でも、売らんかな意識丸出しのサイトは、まず意味がないと思って良い。追加でファンを使ったり、冷却剤を敷いたり、という方法は、結局のところ無駄なエネルギーを使うだけで本質的ではない。Note PCの下にファン付きの台を置く、なんていう商品があるが、申し訳ないが本末転倒だと思う。そのファンは発熱ゼロなんですか、と聞きたくなる。風を送るよりもまず、空気の吸入を楽にしてやるゲタの方がなんぼかマシなのだ。

デスクトップ向けには、ケース内の排気ファン(ケースファン)の交換を促すサイトもあるが、これも効率はどこまで上がるか不確定。そもそも、ファンを強くしてもその際に使用電力を上げてしまえば、給電するマザーボードコネクタまたは電源ユニットでの排熱も上がることにつながる。つまり、余計に熱くした分、ちゃんと排熱出来るのか疑問なのだ。そう考えれば、思いつくことはただ一つ「出来るだけ空気を流れやすくしてやること」に尽きるのである。玄関口に打ち水をして涼をとる、なんていう風流を楽しむ余裕はないのだ。

そう考えても、Note PCについては、既に披露した対策以上のことは難しいし、あれで充分だと思っている。あとは、扇風機の風をゲタの下にも届くようにしてやれば更に効率アップでいうことなしだ。

一方、デスクトップの場合は、まだ策はある。
ケースの排熱、吸熱部の穴開けで、だいぶ冷却能力は増すのだが、それでも真夏はヒヤヒヤものだ。是非とも実施して貰いたいのは、真夏前のCPUヒートシンク掃除だ。

それって何、とおっしゃる方こそ、是非一度ケースを開けて観てもらいたい。

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PCのサイドパネルを開ける(普通は正面から見て左側)と、中央上やや左付近に隙間いっぱいのフィン構造のかたまりにファンがくっついた代物がある。

上の写真は取り外したものだが、こんな姿のパーツがあるはず。それがCPUクーラーユニットだ。

都合良いことに、この写真のファンやフィンにはかなりのホコリがへばりついているのがわかる。

CPUは、平たい四角の板に収まっていてマザーボードのソケットという構造にはめ込まれている。その板表面が放熱板なので、その板に銅やアルミ製の平面をピッタリとくっつけて固定するのが放熱用ヒートシンクという構造。櫛板(上述のフィン構造)を持つ金属ブロックである。オートバイのエンジン表面に同じような櫛板構造があるので観たことがあるだろう。原理は同じで、金属の表面積を櫛板で最大限に大きくして、空気に熱を持って行かせようという理屈である。

オートバイの場合は、それ自体が空気の中を動いていくので、何もしなくても勝手に空気が櫛板の間を通って熱を持ち去ってくれる。ところが、PCの中のヒートシンクは動けないので櫛板の間の空気は留まったまま。だからそれを動かすために櫛板にファンをくくりつけて強制的に空気を当てる。そうやって櫛板の隙間を空気が押しやられて外に出ていくことで、ヒートシンクに移ってきたCPUの熱が持ち去られていくという理屈。だから、ヒートシンクのファンが停まったりしたら一大事。数分でPCは停止してしまう。保護機能で停まってくれればよいが、場合によってはCPU内部のICが焼損して「ハイそれまでよ!」となるからコワイ。

説明が長くなってしまった。やって欲しいのは、ここのお掃除。

このヒートシンクの櫛板にホコリが溜まるのである。ファンがホコリを吹き付けているため、長い間に部屋のホコリをヒートシンクの隙間に押し込んでいくのだ。だから、このヒートシンクのホコリを取り除いてあげる作業、それを行って欲しい。
ファンにもホコリがこびりついているはずだから、そのホコリも取り除きたい。

方法は簡単。ヒートシンクにファンを留めているネジを抜いてファンを外す。そうするとホコリがびっしりと付いてしまったヒートシンクが姿を現す。一度も掃除したことがない、という場合は、しっかりと溝を埋めるほどにホコリが固まっているかも知れない。
掃除には使い終えた歯ブラシと掃除機があればよい。掃除機は中間ホースで吸う。歯ブラシを軽く当ててホコリをこすり取りながら掃除機で吸うのである。奥の方にまでホコリが溜まっていて歯ブラシが届かないという場合は、DIY店などで売っている卓上ほうきなんかが使える。ないときは、ちょっと面倒だがチョコの容器程度の厚紙を切ってこすっても良い。とにかく、櫛板表面にこびりついているホコリを落としてやればよい。

↓ 無印良品さんで扱っているベトナム製卓上ほうき。こんなので、奥のホコリも掻き出せる。

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エアスプレー(エアダスター)で吹き飛ばすのが良いという人もいるが、吹き飛ばしたホコリを周りに撒くよりは掃除機で吸い込んだ方が理屈に合っている。

一方で、外したファンに付いたホコリは歯ブラシでこすれば簡単に落ちる。これも掃除機で吸い込めばOK。
あとは、元通りにネジ留めすればおしまい。
ついでに、CPU以外の部材やメモリー周り、電源線などにこびりついたホコリも掃除機のホースを当てて吸ってしまえば完璧である。

ここまでやると、まず真夏の室内でもPCはちゃんと働いてくれるはず。
もちろん、ケースからの排熱場所になるPC背面には充分なスペースを確保しておくのが前提です。

ここまでやっても、それでも不安な方は、掃除した上でさらに奥の手。

なんのことはない、真夏はサイドパネルを外してしまう、のが最良の策。

扇風機の風がサイドから吹き込むようにしてやれば、それこそ鬼に金棒。エアコン不調で室温が30℃を超えたとしても、これでPCは問題ないはずだ。

マザーボードによって設定に差はあるが、普通はCPU温度が75℃あたりを防御的シャットダウンの設定温度にしていることが多い。Mの経験上、酷使している状態のCPUは、きちんと排熱していて室温プラス30℃あたりにある。瞬間的にプラス40℃を超えることもあるが、連続的にそうなることを観た経験はない。つまり、ちゃんと排熱さえ出来ていれば、75℃にはなかなか達しないと思っている。

サイドパネルを外してしまうと、いつでも掃除できる、という利点もある。
見てくれは悪いが、真夏はそれも可、ではないか。

PCだって、薄着になりたいだろうから。

PCケースは 穴開け自在!

 

Mです。

Note PCの夏場対策にゲタを履かせることをお勧めした。

その際、主に使っているデスクトップPCは、排熱が容易だからと記した。とはいえ、平気で外気温が40℃近くになってしまう昨今では、エアコンをつけても室温が30℃近くなるのは当たり前だから、風さえ通していれば大丈夫と、安心してもいられない。

BTO-PCショップなどでは、ゲーミングPCが主だから、ケースもなかなかに凝っていて、LEDで光るファンを使ってサイドパネルからその光が見えるとか、サイドパネル自体を透明にしているものさえある。そんな目立ちたがりに見えるマシンだが、実をいうと大いに工夫されているのだ。排熱量が通常のオフィスPCに比べて何倍も大きいことがあるから、目立っているだけではなくて実質の機能として排熱を追求したマシンでもある。

光っているファンは、たいてい大口径で、ケース内の温度に応じて回転数を変えながら熱い空気をケース背面から吐き出している。ゲームの命でもあるグラフィックボードも分厚いファン内蔵の代物だから、そこからの排熱も大きい。心臓部であり中枢脳でもあるCPUも高性能品で排熱も大きいから、そのクーリングファンもデカいことが多い。さらに、クーラーが付いていない発熱体として一番厄介なメモリーモジュールからも、大量の熱が放散されている。

要するに、ケース内は熱源の宝庫なのである。
その熱を、機能的に分散しながら排出していく「空気の流れ」を上手く工夫しているのが、良くできたゲーミングPCだ、ということになる。

そんなゲーミングPCのサイドパネルを開けると、思った以上に空間が上手く配置されていることに気付く。

一般のオフィスPCあたりだと、上に付いている電源ユニットから出た多くの電源線が「つなげばいいや」的に、各パーツに向かい、申し訳程度に結束バンドなどで何カ所かくくられている程度だ。バラバラよりは体裁がよいものの、その配線のかたまりは明らかに空気の流れを邪魔していて、CPUクーラーの横を半ば塞いでいたり、CPUとメモリースロットの間を電源線の束が遮っていて、メモリーの発熱が行き場を失っていることが多い。

そんな姿と比べると、ゲーミングPCの多くは、電源線を行き先毎に分別して効率的に配置している。5インチスロットや3.5インチスロットの壁沿いに這わせて引き回したり、マザーボードの縁より外側を巡らせてコネクタ直近まで持っていくなどしている。とにかく、マザーボード上の空間を出来る限り温存しようと工夫していることがわかる。

下の写真はヘラマンタイトン社という結束バンドの有名メーカーから転載させて貰った写真だが、こんなバンドでケーブルどうしをまとめてはケースの構造体に這わせて固定して空気の流れを妨げないように工夫しているのだ。

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そこに持ってきて、背面の排熱パネルには、100mm角の大型ファンを設置するなどして、ケース内の熱はここから出す、と流路を確立させている。そのおかげで、各所で発する熱が付近に留まることなく、空間に散っていって大型ファンに収束していく、という姿なのだ。


では、オフィスPCでもそうすれば良いではないか、ということになるが、実際はそう上手くいかない。なぜなら、まずケースのサイズが小さいことが多いから。
Mは手づくりPCをいくつもつくってきているが、そのケースは、500円でバッタ売りされているものなどがほとんどで、あまり完成度は高くない。サイズもミドルケースがほとんど。大きなものも使っているが、大きいと設置場所に難ありだし、依頼主の要望でも、あまり大きくないものにして欲しいとなることが多いのだ。大きなケースならいくらでも線の引き回しに工夫も出来るが、ミドルケース程度だと配線の物理量がそれを許さない。

そこで、苦肉の策として行っているのがケースの穴開けである。

デスクトップのケース内を見回すと、マザーボードの部品配置はどれも似かよっているので、ケースの前方にHDのブロック、次にメモリーのブロック、CPUブロックとグラボブロック、といった3部構成がほとんど。電源は後部上方にあるのが普通だから、これらのブロックの熱を上手く逃がすには、ケース後部上方の電源下エリアが一番効率がよいことになる。事実、多くのケースで、電源下の壁にパンチ穴を空けてケース・ファンが取り付けられるようにしてある。サイズは80mm角程度が多い。
ところが、である。空気の流れが中央から後部上方に向かう、というのはよいとして、その空気はどこから入ってくるのか? そんなの考えたことがない、という方がほとんどだろう。実は、それは前面パネル裏からなのである。

前面パネルはプラスチック製でデザイン性に富んだ代物だが、実は鉄製ケースの前方に設けたいくつかの爪穴にはめ込んでいる。そして、そのケース前面下方にパンチ穴が空いていてそこから空気が吸い込まれるようになっていることが多い。HDを何台も重ねて取り付けるのも前面下方が多いから、熱を発するアイテムの一つであるHDを冷やすためにも、前面から空気を取り入れる必要があるのだ。ときどき、そのパンチ穴内側のスペースに60mm程度のファンがつけられるようにしてあるケースもある。良い発想だ。ジャンク屋でケースを探すときはまずこの場所にファンが付けられるかどうかを観るのがMの習慣になっている。

ところがここで大きな問題が。

前面パネルの下方から空気が入ってくる、とは言っても、とても大量の空気がそこから入ってくることは難しい。サイドパネルにたくさんの小さなパンチ穴を空けているケースもあることから、作っている側も排気量に見合った吸気確保が難しいことを知っているのである。

そこでMは、排熱力アップと吸気性アップのために、二つのことを行っている。

①既成のケースファン取り付け部のパンチ穴を大穴にしてしまう。
これは、ファンの取り付け穴より内側にあるパンチ穴の最外部を、ニッパーでバキバキ切り取っていって、ただの大きな丸穴にしてしまうのである。もちろん、切り取った縁は、ヤスリでバリとりしておく。こうすると、ファンの排風力が格段にアップする。何しろ、パンチ穴があるとはいっても、実は穴は全面積の30%程度でしかなく、言い換えれば70%は壁なのだから。

②前面下方部に大穴を開ける。
これも発想は同じで、空気をなるべく大きな口から入れてやるということ。ファン設置が出来る場合は、①と同じようにファンの内径に合わせてパンチ穴をつなげて切ってしまう。小さな隙間しかないときは、思い切って、矩体がゆがまない程度に縁から20mm程度残して鉄鋸で四角い穴を空けてしまう。HDを多段設置できるような場合は、そのHDスペース分を穴にしてしまう、という発想。
この二つを実施すると、ミドルケースであっても空気の流れは前から後ろへとだいぶマシになるのだ。

せっかくだから、こんな工夫をしたときは内部の電源線を出来るだけ左右の壁沿いに分けて、結束バンドと両面テープ付き固定具で留めてしまう。

それでもどうしてもケース内が狭くて空気が上手く流れない、なんていうとき、強硬手段に出てサイドパネルに四角い穴を空けてしまい、下のような100mmファンを付けてしまうこともある。中央やや前に付けるとメモリースロットあたりにも風を直接送れるので都合がよいのだ。ちなみに、この手の12Vファンをつなぐマザーボードコネクタが余っていないときは、線を切ってHDドライブの給電端子に繋ぎ込んだり、その手の細工用に売られている変換コネクタを使ったりしている。電力的にはごく小さいので、電源負担になるようなものではない。それでも、横っ腹から風が入るとCPUクーラー、メモリーあたりの排熱はグンと効率が良くなるのだ。

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こんなことをしていると、やはり、デスクトップがいじり甲斐があるなあ、と思うのである。
CPU温度をモニターできるフリーソフトがいくつも出ているので、そんなものをインストールしておくと、自分の工夫でどれだけの冷却効果が出せているかを確かめられるので楽しい。
工夫前に、ガンガン使っているときのCPU温度68℃くらいだったマシンが、同じように使っていても55℃くらいまでしか上がっていなかったのを観たときは、小躍りしてしまった。

夏の NotePC にはゲタだ!

Mです。

もうすぐ関東はジメジメ、ベタベタの時期に突入する。PCの管理面からいって、一年のうちで一番厄介な時期である。 何が厄介かといって、排熱部材にこびりついたホコリたちが水分をまとってかたまり出すのが、いちばんの難敵である。ホコリが更に溜まりやすくなるだけでなく、悪くすると漏電を引き起こす。マザーボード上にこびりついたホコリが湿って、ショートして基板がパー!ってことだって起こるのだ。

気温が高くなれば、PCの排熱対策は必須かつ最重要課題だから、その対策は、いままさに取りかかるべき時期なのだ。

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Mの場合、使っているPCはほぼデスクトップなので、夏場の廃熱対策として空気の通り道を掃除するのは簡単だ。サイドパネルを外して掃除機でガンガン吸ってしまう。ケーブル類にたまったホコリ、クーラーファンのフィンにこびりついたホコリ、ヒートシンクの溝にたまったホコリ、そんな諸々のホコリたちの巣窟を毛先の長いブラシでこすりながら掃除機のホースを近づければ、どんどん吸い込んでくれる。だから、デスクトップPCについては、それだけでOK。隙間の多いデスクトップの排熱対策は、簡単と言えば、かんたんなのである。

※よく、CPUからクーラーを外して熱伝導グリスの塗り替えをした方がよい、とのたまう方がおられるが、Mは全然そう思わない。最初にきちんとしたグリスを塗ってあれば、5年やそこいらはそのままで問題が起こることはない。むしろ、厚塗りして熱伝導を悪化させてしまっているケースもあるくらいで、きちんとしたグリスを金属面の凹凸を埋める程度に極薄で塗っておけば、グリスが乾固してひび割れている、なんて言う光景は起こさないで済む。

一方、頻度は少ないものの、(実はいまもそうなのだが)文章書き程度の作業でつかうNote PCではそう簡単にはいかない。なぜなら、小型軽量化を最優先しているために、ボディーの中には隙間がほとんどない。多量の熱が発生するCPUまわり、グラフィックユニット(GPU)まわり、そしてメモリー収納場所、この3箇所が忌々しいほどに熱くなるのだ。
冬は膝に乗せて作業しても温かいなあ、で済むが、夏場にそんなことをしたらマシンがアウトになること必至。そもそも、PCの裏板が熱くなってきて、とても平静ではいられないほどになるはずだ。

Note PCの排熱対策は、CPU自体およびメモリーの電力消費量を極力下げて発熱量自体を落とすこととを最大目標に置いて進んできているが、それでも限界はある。性能を低下させて良いなら構わないが、ユーザーは性能アップと排熱性向上の両方を求めるからだ。動画再生やゲームの操作性を犠牲にしてもいいよ、というユーザーは皆無だろう。

Note PCは、薄い本体に隙間なく詰め込んだハイテク部材のかたまりになっていて、CPUクーラーも実に上手くできている。デスクトップならアルミで済ませているクーリング部材もほとんど銅製で、材料としてはこれ以上無いものを求めてつくられている。しかも、狭い経路を薄いヒートパイプを上手く回り込ませて、これまた薄いシロッコファンで風を送るなど、並々ならぬ努力の成果を詰め込んでいるのだ。
ところが、それでも夏場は熱暴走がいつ起こってもおかしくないくらい、マシン裏は熱くなってしまうのだ。

その原因は、マシン裏に隙間が保てないことにあると言って良い。

Note PCを平たい机の上で使っていても、裏にある隙間は10mmなんて絶対ない。裏パネルの高くなったところに申し訳程度のゴム足がつけられているだけだから、空気が通れる高さは5mmくらいがいいところかも知れない。だから、いくらクーリングファンやフィンを高級にしてもたかが知れている。そもそも、空気が自由に流れにくいのだから。ましてや、フカフカの素材に載せて使うなんて、冬であっても怖い。

そこでMは、メーカーには申し訳ないが、排熱効率最優先で何とも不格好な対策を採る。
①CUP付近のカバーと、メモリー室のカバーは、外したままにしている。(夏冬関係なし)

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②PC裏に発泡材の足をとりつけて、空気の通り道を確保。

※下の白いブロックが、ポリプロピレン発泡材ブロックを両面テープで貼り付けている様子。白い四角はゲタの上面。

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②さらに、Note PC用のゲタをつくってPCを載せる。ゲタは、堅めの材木を4つカットして足とし、それらを4本の薄い合板で橋渡ししたもの。軽くて25mmほどの空間を作れるから、カーペット上でも排熱十分。

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この3方法を採るようになってから、熱暴走は一切なくなった。

使い始めたとき、これで暴走しないのか?と疑問に思いながら使っていたら、たしか7月だったが見事に1時間ほどでフリーズした。
当たり前だよな、と思いながらまず①と②を実施して、それでも安心できず後日③をつくった、という順番。

何とも不格好ではあるけれど、これくらいしないとNote PCクンにとっての夏は、地獄なのだと思っている。

現在、室温は約24℃である。CPU温度は53℃ほどで推移している。
外してある裏ふたを装着すると、この温度は10分もすると10℃以上あがっていく。

真夏だと、蓋ありだとCPU温度は軽く70℃あたりまで上がる。それ以上続けているとだんだん動作が緩慢になって・・・ という具合に陥ることは経験済み。

ビジネスで持ち歩くパッドタイプなどではこんな必要はあるまいが、Note PCは、最新式であろうが、排熱に気を使ってやらないと充分にその性能が出せないことがあるのだ、と覚えて置いて欲しい。

かわいいPCには、フレッシュな空気を充分に吸って貰いたいものです。