Mです。
新聞や雑誌の広告でしばしば目にする、だいぶ前に出回っていたNotePCの再生販売。
入門者に最適、などといった表現で2万円を切る価格で販売していたりする。NotePCでこの価格は確かに安い。
ところが、写真の下に書いてある小さな字のスペックを見ると、ウッソーと思わず口に出しそうになる。どんな人に最適なんだ、と疑問符の嵐が吹き荒れる。
秋葉原のジャンク街ならこの程度の価格帯のものもゴロゴロしている。が、あるとは言っても、それは中身を吟味して買うマニアックな相手が対象。PCに詳しいわけではない人が見ても、価格とスペックの吟味などできるわけがない。それが紙上販売だとなると、更に難しい。注視すべきスペックは写真の下に小さく書いてはあるが、買おうかなと思う人々が見るのはそこではない。もっと大きく書いてある、すぐに使える、ネット設定済み、オプション豊富、保証付き・・・などの文言なのだ。
MicrosoftのOfficeが入っているし、ひとまず普通のことはできそうだ、と感じる広告。
でも待ってください!
そのPCは、年賀状印刷する程度しか使わないことが前提だ、と言われても買いますか?
広告の内容をよく見てみると、それら再生PCは、事務所等で各人に使わせていたNote端末だったのだろうとわかる。数量限定で数十台から百台程度の限定販売だとしている。 オフィス設備の買取業者とも付き合いがあるので、回収倉庫から時々めぼしいものを分けてもらったりしているが、ドカンとまとまって入ってくるもので多いのが、リース切れした事務所のNotePCやスリム型デスクトップPCである。数十台まとまって入ってきて、それを再生事業者が定期的に買い取っていく。その先が、数量限定販売の格安再生PC、となるのだろう。
再生事業者は、本体、部品のクリーニングの後、HDDの状況を見て再フォーマット、OSを入れ替えてOfficeなどを追加、といった手順で売り物に仕上げているのだと思う。
OSを新規購入してインストールしたら売値と同等になってしまうはずだから、そのあたりは事業者のノウハウで、OEM提供のものを再インストールしている形をとっていると推測する。つまり、廃棄済みPCのOSを再申請してMicrosoftに承認させる、という手法なのではないか。Officeソフトも、同じ手法だろう。それなら、事実上タダだから。
いくらで買い取って再生しているのか興味があるが、広告費を使って売るのだから、わずか2万円程度で利益を出すのは大変な苦労だと思う。正直、かなり上手い手を使わないと、とてもやってられない、のではないか。
そんな再生PC、今は必ずWindows10がインストールされている。ところが、スペックを見てみるとビックリ。CPUはCeleronでメモリーは4Gbytes。これでは、OSを動かすだけでもCPU負荷がバカにならないし、最低2Gのメモリーが食われてしまう。だから、アプリを稼働するとあっという間にフルメモリー使用の状態に陥る。
冒頭の疑問符の嵐、とはこのことだ。
Wordで文章を書くだけならどうにかなるだろうが、そこに写真を貼り付けたりしていると、まもなくメモリー不足で動かなくなる、なんてことが起こる。あるいは、ネットでいくつものページを起こして、YouTubeで映像を流して、なんてしていると、だんだん動作が緩慢になってフリーズ、ということもあるだろう。
つまり、広告されている格安再生NotePCを眺めてみると、今様にふつうの使い方をしただけでエンストしてしまう危険が高いということだ。
そう思って広告をもう一度見てみれば、なるほどそうか、と気付く。オプションが豊富、というのは、メモリー拡張、CPUグレードアップなども用意しているということだった。でも、その価格はなかなかに高い。買ってしまってからどうにも使いにくくてグレードアップ、ということになると、買ったときの価格と同じくらいのオプションを頼むことになる可能性が見えてくる。
ウゥ~~ムッ!これが、メンテサービスなのか。
想像するに、この手の広告で心動かされる人たちの多くが、お金がそこそこあって2万円程度ならいいか、と軽く考えてくれる団塊の世代なのではないか。メカに詳しくはないが、時代の変化に対応していろいろ試して楽しんでいる層。そんな人々に切り込みやすいのだろうと思う。
だとすれば、メンテサービスがあるからと安心させて売ることは有りだとしても、最初のスペックをちゃんとして、ユーザーが使い始めてすぐに壁にぶち当たるようなことがないようにして欲しいものだ。
安かろう悪かろう、は絶対ダメ。ホドホドで安心、にして欲しい。
PC改造オタクとしては、ユーザーがそこそこ満足できる売りものを再生して欲しいと思う。
↓ この文書を書いているNotePCがこれ。
NECLavie LL550/Hを5年前に3,000円でジャンク屋のお兄ちゃんから買い、CPUとメモリーを最大スペックまで拡張した。動画のエンコードはさすがに無理だが、高度ゲーム以外はどうにかなる。拡張費用はヤフオクさんとお兄ちゃんのおかげで合計4,000円でした。