理系夫婦Y子とMの昭和から令和まで

都内で働く薬剤師Y子と、パソコン・DIY・生物などに詳しい理系の夫M。昭和30年代から今日までの実体験に最新の情報を加え、多くの方々、特に子育て・孫育て世代の皆様のお役に立つことを願いつつ発信する夫婦(めおと)ブログです。

新型コロナウイルスとトイレットペーパーと山中教授

薬剤師Y子です。

昨日、一人暮らしをしている次男Jに会って、新型コロナウイルス関連のマスク不足やトイレットペーパー入手困難に関すること等、たくさんの会話をしました。

 

Jは「マスクは自分には不要。トイレットペーパーは、自分が買いに行く時期を遅らせるため使う量を最小にしている。排泄したのが『大』の時にミシン目1つ分を切り取って使うだけ。汚れるのは肛門周囲のみだから、ミシン目1つ分の紙を8つ折りにして肛門に当て、汚れがつかなくなるまで、折り方を変えて何度か当てる。もちろん排泄したのが『小』の時は、紙を使わないよ」と、いつものような涼しい顔で淡々と語っていました。

J、あなたが面白い大人に育ってくれて、母は嬉しいよ。

ちなみに、この過去記事 ↓ は彼が二十歳前後だった頃の話です。

www.yakuzaishi-y-co.work

 

昨日の私は、Jと別れた後で「いつものスーパーでの、週1回の買い物」をしたのですが、ふと思いついてトイレットペーパーの売り場を見たら、そこには「え? こんなに?」という種類と量の商品が平然と並べられていて、お客さん達の多くが、その前を素通りしていました。

この地域に限って言えば、需給バランスが元に戻ったみたいです。あ~、良かった~!

f:id:Yakuzaishi-Y-co:20200321173318j:plain

私は「うちは健康な夫婦だけだから他の人と競い合ってトイレットペーパーを買う必要はない。今あるのを使い切ったら何か別の物で拭き、トイレに流さず『燃えるゴミの日』に出すことにしようかな」と考えていたのですが、普通に買えると分かったので、1つ買ってきました。

全国どこでも以前と同じように気軽に買える日が、早く来ますように!

 

前回の記事にも書きましたが、新型コロナウイルスに関しては新しい情報が毎日どんどん出てくるので、それらをパソコンやスマホで目にするたびに細部まで読もうとすると時間が足りなくなり、目が疲れます。↓

www.yakuzaishi-y-co.work

 

「とことん読みたがる自分」を何とかしないとマズイぞ、と思いながらもネットサーフィンしていたら、「2012年にノーベル医学生理学賞を受賞した京都大の山中伸弥教授が、新型コロナウイルスの情報を個人で発信するホームページを開設した」という記事を発見!

今後は毎晩このサイト「山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信」を見て、それで気が済めば他のことに時間を使おうと思います。

山中教授は新型コロナウイルスとの戦いを

短距離走ではなく、1年は続く可能性のある長いマラソン」「疲れたり油断して止まってしまうと、感染が一気に広がり、医療崩壊や社会混乱が生じます。一人一人が、それぞれの家庭や仕事の状況に応じたペースで走り続ける必要があります」

と表現されています。

私も、疲れすぎないよう過不足のない情報収集をしながら、しっかりと前を見て走り続けます!

 

こんな時こそ笑顔で。スクワットとラジオ体操

薬剤師Y子です。

新型コロナウイルスに関する新しい情報をパソコンやスマホで読んでいると、思っていたより長い時間を費やしてしまうことが多く、個人的に楽しみにしていた「不要不急の集まり」が中止になって外出する回数が減るのと相まって「眼精疲労+運動不足」を招きがちです。

 

仕事がら「病気に関する情報」は見逃したくないので、今の状況下でパソコンやスマホの画面を見る時間が以前より長くなることは避けられませんが、自分の健康を損なわないようにする、少し損なわれていると感じたら直ちに対策を考える、というのも大事。

 

そこで私は今、友人や知人の間でも静かなブームになっている「どこでもスクワット」を必ず毎日1回は実践しています。

 f:id:Yakuzaishi-Y-co:20200308122826j:plain

自宅の電子レンジで何かを温めている間、エレベーターの中で一人になった時、トイレで用を足して水を流し「このまま個室から出て行って良い」と判断できるまで便器の中を見ている間。

そういう「寸暇」を惜しんで、自分が今いる場所で出来る筋肉体操、特にスクワットを目を閉じた状態で、あるいは頻繁な瞬きをしながら実践するのが、今の私の「マイブーム」です。

kotobank.jp

 

スクワットは「ごく浅め」にすれば、エレベーターの防犯カメラにバッチリ撮られていたとしても、別に恥ずかしくはありません。 

下の動画で基本を押さえ、よろしければ皆様も今日から、どうぞ。

[みんなで筋肉体操]スクワット~強じんな足腰をつくる~NHK

https://www.youtube.com/watch?v=PyJOEt2nsGQ

 

スクワットには「自分が立っている、そのスペースだけで実践できる」という利点がありますが、私は「腕の可動域を常に最大に保っておきたい」とも感じているので、「朝、出勤の準備が出来てから、ドアの外に出て鍵をかけるべき時刻まで5分ぐらい余裕がある」と思ったら、準備を整えた上でラジオ体操をします。

こちらは私の場合「毎日は無理で、週に1回できれば上出来」です。

 

NHKラジオ体操 第1

https://www.youtube.com/watch?v=LuiDj3wa0UA

 

NHKラジオ体操 第2

https://www.youtube.com/watch?v=5bTmEw7kC9U

 

スクワットもラジオ体操も、笑顔で。

「今ここで、こんなことしてる自分」を面白がりながら、次に何が来るか分からない「未来」に向かって、自由に考え、自分の歩幅で進みましょう!

studyhacker.net

 

スタッドレスタイヤ 今やオールシーズンに!

Mです。
 先日、埼玉県内の幹線道路左車線を走っていたとき、信号待ちで右に大型トラックが止まった。ちょうど後軸2輪が自分の右に来て、4本のタイヤ上面が胸の高さくらいになった。何気なく見て「??」となった。溝なし、なのである。表面はほぼ平らで、かすかに立て溝の跡が残っている。まるでF1カーのスリックタイヤみたいにのっぺらぼう。サイドにはSTUDLESSと刻印されていた。

   夏タイヤ       スタッドレスタイヤ

f:id:otto-M:20200304234505j:plain   f:id:otto-M:20200304234525j:plain

 40年近く前、福島県内に住んでいたことがあった。冬は雪道があたりまえの環境で、初めてスパイクタイヤを履いた。ところが5年もしないうちに「スパイクタイヤで削られた舗装路面の成分が、雪解け後に粉塵となって健康被害が発生する」とわかり、91年にはスパイクタイヤの製造が終了してしまった。粉塵被害が騒がれてから2年ほどで終焉となった覚えがある。
 スパイクタイヤは、冬しか使わないし、金属鋲(=Stud;スタッド)がついているのでタイヤ本体はあまり摩耗しない。だから、スパイク禁止になったときにも、まだまだ使える状態のスパイクタイヤを所有していた。捨てるのももったいなくて、ペンチで鋲を全部抜き取って(手が痛くなった!)、摩耗するまで夏タイヤとして使いつぶした。鋲を抜いたスパイクタイヤ、まさにスタッドレスタイヤなのだが、スパイク有っての代物なので、コンパウンド(タイヤの主体となるゴム素材、以後ゴムと記す)部分はとても夏タイヤの性能は無く、ブレーキングでスキップする、舗装路のノイズが大きい、など、使い心地はすこぶる良くなかった。幸い(?)、低温でも固くなりにくい組成のゴムだったから、夏タイヤとして使ったときの摩耗は激しく、1年ほどでオシャカになった。まがい物スタッドレスの顛末である。

 スパイクタイヤ廃止の何年も前から(たぶん5年くらい前)本物のスタッドレスタイヤ開発は既に始まっていて、廃止とともに、冬用タイヤといえばスタッドレス、という流れになった。ただし、当時はまだ、スノータイヤという、凍結路面はダメだが雪なら大丈夫という製品があった。価格は当然スタッドレスの方が高い。大型車などは、高価なスタッドレスではなくて既存のスノータイヤを冬用に使っていて、大雪のときはスノータイヤにチェーンを巻いて走っていた。実際のところ、90年代半ばまではスタッドレスタイヤの性能はそれほど高くなく、柔らかいゴム組成と溝の工夫でどうにか「滑りにくい」程度のものだったから、先祖に当たるスノータイヤも十分に有用だったのだ。

 ところが、その後のタイヤメーカーのスタッドレス開発は、①コンパウンドの新開発&改良に加え、②ゴム表面に発泡加工する技術の発達、さらにはコンピューターを駆使した③「細かくて柔軟かつ強靱」な溝パターン(トレッドパターン)とスリットの考案が組み合わさって、一気に加速した。と同時に、スノータイヤはめったにお目にかからなくなってしまった。
 性能アップしたスタッドレスタイヤは、夏に使っていても、以前のようにすぐ摩耗してしまうこともなく、しかもブレーキングの際にビビビッとずれるように滑る現象もなくなった。もはや、夏タイヤとしても十分使えてしまう性能になったのである。
 もちろん、夏タイヤに比べるとゴム自体が柔らかなので、摩耗の度合いは高い。しかし、通常路面では滑りやすかったり、加速時に重ったるい感触がある、といった負の性質がわかりにくくなったのは確かで、摩耗の度合いも、初期に比べれば大きく改善した。

 そんな進歩が、トラックタイヤの使い方に変化をもたらしている。

 関東南部のように滅多に雪が降らない地域では、乗用車の場合、いまでも雪道のときだけスタッドレス、なんていう使い方が多いと思う。トラックだって、その方が燃費が良いからそうしたいはずだ。でも、遠距離を行き来する仕事では、行き先で雪に見舞われるたびにチェーンを付けるという手間はなかなか煩わしい。後輪2本だけでは足りないから最低でも後輪左右2本ずつで4本はチェーンをつけなくてはならない。しかも、雪国に行くことがわかっているような運行トラックでは、前輪にもチェーンを巻かなければならない事があるから、それならいっそのこと全部スタッドレスにしてしまえ、ということになる。スタッドレスタイヤの性能向上で需要も増えて価格が下がったので、この決断を迫られていた経営者の背中を押してくれた。以前は3~5割増しの価格も見受けられたが、今では、夏タイヤと同程度の価格で入手できてしまうのである。

 そんな遠距離運行をするトラック輸送でも、関東圏の運送屋さんのトラックだと、雪に見舞われるのはせいぜい11月後半から3月下旬くらいだから、11月半ばに夏タイヤからスタッドレスに履き替えて、4月になったら今度は夏タイヤに替える、ということになる。
 ところが、このタイヤ交換がくせ者。乗用車ならば30分もあれば出来てしまう作業でも、大型トラックとなるとたいへんなのだ。スチールリムだとタイヤ一本で50Kgを越えるものもザラ。しかも、前輪2本と後ろ2軸8本で合計10本だから、もうタイヘン。一人で出来る作業ではない。運転手仲間が集まって、という域も越えている。機械設備が整っている運送屋さんなんてそう多くはないから、勢い、外注して交換してもらう、なんてことになる。
 知り合いの輸送事業者は、3年前まで夏用、冬用のタイヤを揃えていて、倉庫の一角が山のようなタイヤ置き場になっていた。時期になると、運転手さんたちが大汗かいてタイヤ交換していたのだが、作業で腰を痛めた社員が数名出たところで交換作業の外注に変えた。と同時に、夏タイヤ、冬タイヤを確保するのではなく、10月後半になると夏タイヤをはずして中古売りし、新品のスタッドレスを履かせる。4月になると、今度はそのスタッドレスを中古売りして、新品の夏タイヤに履き替える。という手法に変えた。あまり減っていない中古タイヤは、履き替えを委託する会社に良い値で引き取ってもらえ、同時に新品タイヤへの履き替えを行ってもらえるので、時間とコストの軽減に役立つのだ。タイヤ交換作業の費用は、タイヤ引取り&新品取り付けと抱き合わせにすることで、1本あたり5000円だという。自前のタイヤを持っていても、交換だけ外注すると一本あたり1万円かかるのだとか。作業費だけでも1台10本替えると10万円かかってしまうので、20台動かしているその事業所では、作業費だけで半期に1度200万円かかることになる。なかなかの負担だ。
 ネット商売での輸送費0円が騒ぎになっているご時勢、輸送事業者はコストを減らしようがないから、一般には見えてこないが実に深刻なのだ。
 そんな状況下で、この事業者では、上記の「中古売り&履き替え」手法さえも、いま変えようと考えている。何を考えているかというと、「履き替えなしで履きつぶす」策を検討中なのである。当然、夏タイヤで冬を乗り切ることはできないから、履きつぶすのはスタッドレスタイヤ、ということになる。つまり、車両を購入する際は、季節がいつになってもかまわないから常にスタッドレスタイヤを装着してもらうのだ。そして、そのタイヤが磨り減って、冬は使えないとなったところでギリギリまで我慢して交換する。そうすれば、半期に一度の出費はなくなり、新規取り付け料金だけで抑えられる。「中古売り&履き替え」よりもさらに低コストだと踏んでいる。
 これが可能になったのは、言うまでもなく、スタッドレスタイヤの進歩のおかげ。夏場使っていても、燃費が著しく悪い、なんてことはもう無いのだ。

 暖かくなってからだが、信号でとまっている街のトラックを見てほしい。きっと、夏でもスタッドレスタイヤのままで走っている車が、沢山いるはずだ。

 スタッドレスタイヤは、今やオールシーズンタイヤになっているのである。

 はてさて、冒頭で触れたトラックに戻るが、まだ今は凍結した路面を走ることもあるだ。雪が降っていないから良いようなものの、ツルツルのスタッドレスタイヤのままで輸送業務に臨んでいるのは、いかがなものか。そうは言っても、それも仕方がないほど、経費削減に厳しい現実なのかもしれない。
 輸送費タダ、と喜んでいる我々も、それを運んでいる人たちの苦労を少しは考えなくてはいけない現実があるのだと思う。

Stick PC おそるべし!!

Mです。

Stick PCの進化が加速している。

 記者たちがよく使っているICレコーダー(ボイスレコーダー)くらいの大きさの「極小PC」は、5年くらい前に生まれた。それよりも前から、映像出力を主な目的としたディスプレイ装置の主機として持ち歩ける、簡易PCのような役割のモデルはあった。ただ、データ処理作業もできる、本当の意味でのPCとして動き始めたのは、5年ほど前にASUSさんが作ったモデルが「走り」だったと記憶している。CPUの大御所Intelさんがそれを追いかけていた。

 とはいえ、そこは超小型という壁があるから、PCというよりは「PC様の基本機能を持たせた映像コントローラー」のような雰囲気があって、デスクトップ派のMには、おもちゃのようにしか見えなかった。タブレットPCもたくさん作られていた頃で、そのタブレットでさえPCとしては軟弱で、ゲームや映像装置的な感じだったのだから、それよりもずっと小さくて映像装置も持たないStick PCなんて、とバカにしていた。どうみても映像宣伝やプロジェクター用のコントローラーくらいしか使い道がないだろうなぁ、などと思っていた記憶がある。

 ところが、ここに来て、Stick PCが一気に進化した感じだ。
 つい数日前、本当の意味でのPC機能を持ったStick PC作りの元祖でもあるASUSさんが、Win10インストールの新モデルを宣伝しているのに出くわした。

下が、そのモデルだ。
 ASUS VivoStick PC (TS10)

f:id:otto-M:20200223143550j:plain

※詳しくは下記サイト

https://www.asus.com/jp/Stick-PCs/VivoStick-PC-TS10/

 何が進んで来たかというと、その作業性にある。
 もちろん、ICレコーダーよりも小さいくらいのボディーだから余分な物は一切入っていない。しかし、世の中に大量に動き回っているスマートフォンタブレットなど、WiFi通信機能やBluetooth機能を持つ機器、テレビなどのIoT素材として使われていく機器を、あたかも手足のように使う機能がすべて備わっている。言い換えれば、それら周辺機器の充実が助太刀して、その極小ボディーを中核にして、デスクトップPCに相当する環境を作れるようになった、という状況なのである。
 とはいえ、デスクトップPCや高性能ノートPCのような重い作業をするための物ではないから、現状でこれらのデカブツPCに取って代わると言うことではない。でも、一人暮らしの小さな部屋で、テレビはあるけど、PCは邪魔だ、と思われてしまうような風潮がある中で、そこそこの変化をもたらすのではないか、という気がする。テレビがPCモニターになって、スマートフォンがキーボードと通信モデムになってくれる、ということになると、たいていのPC作業がStick PC一つ入ることで可能になってしまう。しかも、PCより断然安い。ノートPCなんか、ちょっと機能を高くすると簡単に数十万円。それに比べ5万円以下でPCが手に入る、と考えることもできる。
 大画面でストリーミング映像を見ることもできれば、ネット情報を大画面でサーチすることも簡単。ちょっとした事務作業程度なら何の問題もない程度の機能を持っているし、メールを多用した仕事だって問題なくこなせる。データ作業が主な職種なら、会社通勤などいらないかもしれない。

 Stick PCとその他PCとの比較については、Stick PCのメーカー&販売者でもあるドスパラさんが簡単に解説してくれているので、下記サイトをご覧いただきたい。(掲載内容は最新とはいえません)

https://www.dospara.co.jp/5info/cts_lp_stick_pc_guide

 小学校教育にタブレットを導入して、IoT時代の効率的な教育を、などと言って試験的予算を組んでいるニュースもあるが、こんなシステムができてしまうと、すでに時代遅れになっている。全国展開するには超多額な教育予算がいる、などと言っている文科省&政治家さんたち、もう、そんな考えはゴミバコ行きだ。若いデキる人々をどんどん登用して、彼らに任せてはどうか。
 例えば、である。
 ASUSさんが出した安いモデル(3万円以下)でも、教壇の先生がそのStick PCを装着した大型パネルかプロジェクターを使って授業を行い、先生のStick PCと無線でつながった簡易タブレットを手元にした子供たちが、データのやりとりをする、なんていうことが現実になっているのである。その仕組みなら、現段階でオジイサンたちが想像している端末3台分程度の経費で、たぶん30人学級分の機器が揃ってしまうだろう。それ以下でも可能かもしれない。つまり、オジイサンたちが想定した予算は10分の1以下に縮小できるのである。大手企業に丸投げして、1台うん十万円かけてPCを配置する、なんていう手法はもはや化石的思考だ。こういう仕事こそ、若手ベンチャーを募って質は高く経費は安く済む方策を練ってもらえば良いのだ。募っても募集しても(あれっ?同じかな?笑)、どっちでも良い。

 世の中すべてがIoT化するというのは、だいぶ先の話になるだろう。
 たぶん、その頃Mは居ない。
 ただ、それほど先の話ではなくて、これから5年程度の話として、スマートフォンさえあればいいや、という風潮から、Stick PCをなかだちにして生活も仕事も効率化して無駄に動き回らずに生産性を上げていくことができる仕組みを組んでいける気がする。
今まで持ち歩いていたビジネスマンのタブレットやノートが、胸ポケットからちょっとはみ出したStick PCに変わってしまう、という画も見えるようだ。

 とか何とか言うものの、それでも自分自身はデスクトップから離れられないだろうが・・・

家庭内消毒に イソプロ はいかが?!

Mです。

肺炎ウイルスなんかに負けるな!

 そのために最も手近で効果的な方法として、メディアも報じているアルコール(エタノール)消毒がある。ところが、この報道も手伝って、消毒用のエタノールがドラッグストアから消えてしまった。マスク騒動と同じである。

  エタノールが手に入らない、と、疾病以前の問題でパニックになってしまう方もおられよう。

 ここはひとつ別対応として、イソプロピルアルコールを使ってみてはどうだろう。

 新型肺炎ウイルスがらみの報道が次々と押し寄せてきて、戦々恐々の感をおぼえている方々、あまり怖がらずに、きちんと相手を見据えてもらいたいと思う。

 要は「ウイルスを含むものを体内に入れない」に尽きる。その相手は、くしゃみで飛んできた飛沫かも知れないし、ウイルスを含む液体(唾液、体液、など)が付着した物を触った自分の手かも知れない。そいつらを怖くないかたち、つまり、活性を失わせてしまえば勝ちなのだ(失活という)。
 アルコール消毒、と言うように、「エタノール」消毒に限定した物ではない、ということを知ってもらいたい。ほかのアルコールでも良いのである。

 実は、医療機関や関連研究施設でも、エタノールではなくイソプロピルアルコール(以後イソプロと略)を使って消毒することがある。あまり知られていないが、珍しいことではないのだ。イソプロはエタノールより炭素が一個だけ多いアルコールで、分類ではエタノールと同じく低級アルコールに分類される。低級と言っても、価値が低いと言うことではなくて分子として小さいアルコールの意味である。だから、その性質はエタノールとよく似ていて、水によく混ざるし可燃性であることも同じ。そして、ここで重要なことは、消毒薬としての効果も同等、あるいはそれ以上に強いのである。

 いささか古い論文になるが、イソプロがエタノールと同等、あるいは、それ以上の殺菌効果をもつことを調べた報告がある(国立京都病院、出井氏、1960年2月)。それくらい古くから知られているのである。
 ↓ 
https://www.jstage.jst.go.jp/article/iryo1946/14/2/14_2_98/_pdf/-char/en

 近年の研究で、ノロウイルスを失活させる効果はエタノールに劣るという報告があるが、効かないということではないし、コロナウイルスに関する報告は少し検索しただけでは見つからなかった。新型コロナに関しては現在進行中で、まだわからないとしか言いようがない。でも、たぶん効くはずだ。

 このイソプロ、消毒用の製品としてもドラッグストア等で売られているらしいが、残念ながら、Mは見たことがない。消毒用アルコール製品の添加物としてイソプロが使われているものは「消毒用エタノールIP」などという名前で知られている。

↓ 医療用としてのイソプロ情報は次のサイトを参照。
https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00047422

 ところが、それら消毒用とは全く別の用途、器具洗浄や溶剤の用途でも売られていて、これは消毒用ジャンルには入っていない。ネットでちょっと調べてみてもらえばすぐに出てくるはずだ。IPAなどという名称で4Lサイズ2000円弱の製品もある。純度は99.9%。これを使わない手はない、と思うのだ。

f:id:otto-M:20200216112640j:plain

 実は、その昔、Mが生体材料を使って実験研究していた当時にも、消毒用として使っていた。もちろんエタノールも使っていたが、イソプロの方が断然安いので、使い捨てするときにはイソプロ、器具などの消毒保管にはエタノール、と使い分けていた。また、上で紹介した論文にもあるが、細菌に対する消毒効果はエタノールが70~80%希釈液である必要があるのに対して、イソプロは40~50%で良いので、もともと安い上に濃度も低くて済んで経済的だった。汚染された場所に撒いて消毒、というような用途にも使えて重宝していたのである。

 ただ、エタノールに比べて臭いがきつく、脱脂作用も強いので指が荒れやすい、という点には注意が必要だ。狭い部屋で量を使うと頭痛がするほど臭い。
 とはいえ、たとえばドアノブや手すりなどを拭いたりするには、多量に使うことはないから問題ないし、そのときは臭いがきつくても、揮発して消えてしまうのでそれほど気にすることはない。

 アルコール消毒液を玄関に置いておきたいけど、売っていない。と困っている方、イソプロで消毒綿を作るのも一案だと思うのです。

 簡単な例として、Mが当時行っていた方法を記してみる。
 広口ビン(当時はネスカフェの大ビンを使っていた)にカット綿(ドラッグストアで売っている)を硬く詰め込み、そこに水で50%に希釈したイソプロをひたひたに入れる。ただこれだけである。水は、飲み水で良い。
 蓋をしっかりと閉めておけば、イソプロが飛んでしまうことはない。使うときは少量のカット綿を抜き出して、よけいな液はビンに絞り戻す。絞った物が消毒用アルコール綿ということだ。ほとんどの体積が綿で占められているので、アルコール液は少量でも済む。全体容積の3割ほどだ。
 ドアノブや手すりなど、ちょっと気持ち悪いな、と思う場所や、バッグの取っ手など、気になるところをサッと拭いて捨てられるから、けっこう便利だと思う。
 50%濃度で良いのであまり気にしなくて大丈夫だと思うが、塗装やプラスチックには、もしかするとイソプロで白く変質するものがあるかもしれない。気になる部分は、一度目立たないところを拭いて試しておく方が良いかもしれない。

 清潔を気にしすぎて精神的に参ってしまうことが無いよう、気楽に、そして的確に、キレイを保つ方法を選んでいくのが良いと思う。

 

 そうだ、絶対守らなくてはいけないことがあった!!
 原液に対しては、火気厳禁! これだけは守ってほしい。「たばこ吸いながら」なんて、もっての外です。アルコールは燃えても炎が見えにくいので、ひどい火傷を負うことになる。
 くれぐれもご用心を。

声優さんたちの歌手活動 と アドトラック

Mです。

 黄昏時になると、秋葉原電気街を取り巻く「大通り四角形」を、電照トラックがグルグルと走り始める(→蔵前橋通り→中央通り→警察署前通り→昭和通り→)。毎日必ず、というわけではないが結構な頻度でお目にかかる。

荷台周囲3面を電照パネルにして、そこにバイトの広告、アニメ広告、DVD広告などの大型パネルを貼り付けて、派手にディスプレイしている。もちろん、昼間でも走ってはいるのだが頻度は低い。どうしたって、その構造上、夜の方が印象深いからコスパが良いのだろう。

 アドトラック、それが電照トラックの呼び名である。

f:id:otto-M:20200212214408p:plain

 ちょっと調べてみたら、週あたり30万円程度から請け負っているようだ。
 発電機付きの特殊車両で、製作コストはざっと1000万円超だと見ているが、ニーズさえあれば十二分に儲けが出る仕事だろう。クルマは100万キロOKのディーゼル車だし、空荷で走っているのだから10年使ってもヘタリはしない。なかなか面白い商売もあったものだと思う。渋谷、新宿、池袋、といった繁華街もこの手の宣伝区域らしいが、秋葉原がやはり一番の稼ぎどころだろう。その他の地域に比べて、クルマの交通量が少なく、走りやすいことも好適だし、なんと言っても狙うべき客層が確実にたむろする場所だから。

 さて、それらの広告のうち、オッサンの目から見て目立っていてしかも綺麗なのが、アニメの広告と女性声優さんのDVDアルバム広告。当然、秋葉原に合わせたアイテムが選択されているのは言うまでもない。
 アニメが綺麗に仕上げられているのは当然のことだが、今では当たり前になった声優さんたちの歌手としてのプロモーション絵柄は、なかなかによく仕上げられている。同じものはせいぜい1週間ほどで、翌週には違う人のアルバムやコンサート広告が走り回るのだが、どれも説得力のある仕上がりになっているからスゴイ。
 アニメ広告のトラックが信号で止まると、外国人観光客が道路に飛び出して一斉にスマホを向ける。
 一方、声優さんのパネルだと、飛び出すほどではないがクルマの周囲に秋葉原特有の「におい」がする日本人男性が集まり、少し離れた位置から全方位撮影を始める。近づくとパネル全面が写らないので、良い塩梅の位置取りをしていると解るのだ。
 声優さんたちのアルバム広告は、背景と人物がとても良い色合いで作られていて、画として見栄えがよい。白色照明で裏から光を当てることで一番効果的な発色になるよう工夫されていることが、よく判る。緑、赤、黄が実に鮮やかなのである。

 声優さんたちが歌を売り物にするようになったのは、やはりアニメの隆盛による派生的なものが始まりだろう。
 男性声優でアニソン歌手としても大御所のささきいさお(今はひらがな表記らしい)さんは、松本零士さんの宇宙戦艦ヤマトの主題歌でめちゃくちゃ有名だが、ヤマト初期作品では声優をつとめていなかった。他のアニメで既に有名になっていただけでなく、当初から歌手としても活動していたので、ヤマトの主題歌でその後のアニソンブームに火をつけた形なのかも知れない。
 ただ、2000年以前は、アニメ声優さんがそのまま主題歌や挿入歌で歌手として活動するということはあまり目立っていなかったと思う。それが、アニメがどんどん多彩になりファンを増加させていくと、声優さんたちの層もどんどん厚くなり、若い声優さんたちは競争もあってだろうが、裏方ではなくて表でも活動するという新しい世界にチャレンジし始めたのかも知れない。
 この世界にさして詳しいわけでもないのに印象深かったのは、2008年発表のマクロスフロンティアだ。TVアニメが評判になって劇場版が何作か追いかけた作品で、劇中歌が重要なストーリー要素になっているため、それを歌うヒロインたちが当然のこととして表に出てきた。マクロスの名を冠する作品は25年を経て代を重ねてきた名作だったということで、その四半世紀のうちに声優さんたちの立ち位置が大きく変わってきたのだと感じる。つまり、アニメという2次元画像だけが主体で、声を演じる声優さんたちはあまり表に出てこなかった時期と異なり、アニメの登場人物とその声優が一体化して、トータルとしての売り物になってきたと感じた。

 声優さんたちは、俳優とはだいぶ違っている。俳優さんが声優を、というパターンは俳優のイメージを活かそうという狙いが見えている。外国映画の吹き替えがまさにそれである。一方、アニメ声優さんたちは、自身の姿形と全然違うキャラクターを演じているのかも知れないから、そのまま表に出てしまうとギャップがあって聴視者がとまどう、ということも考えられる。ところが、アニメが爆発的に売れてしまうと、登場するキャラクターと演じる声優さんが一体化して、少々の視覚的ギャップをものともしないファン層を作ってしまう。そのような作品が次々と現れて、演じる声優さんたちが、アニメキャラをコスプレで演じることさえ売り物になる、という変化をもたらしたのだと思う。
 また、アニメ声優さんたちの歌は、歌を本業とする人たちの歌とも、明らかに違う。
アニメ声優さんたちは、幾色もの声を作り替えて演じるという特技を持っているだけに、歌声も切り替えて演じることが出来る、という点が特長だ。聞いている人は、その声でアニメキャラクターを脳の中に映像化している。そのことで、歌そのものを聞いているだけではなくて、特定のキャラクターの演技を楽しむ、という独特のとらえ方が出来るのだと思う。だから、歌う声優さんたちは、歌に合わせてキャラクターを使い分けることで、視聴者を「操っている」とも言える。

 一般的な歌の世界とは別物の、声優ミュージックが、今は確実に存在しているのだと感じる。そしてそれは、2次元と3次元を、声優という人間を使って統合する世界なのだと思う。2次元歌手として誕生した「初音ミク」というキャラクターは、声優さんたちが作り上げた2&3次元融合文化から回帰的に派生した2次元キャラクターだと捉えると、とても興味深い。声優ミュージック文化を生み出した世界から「3次元は要らない」と感じる人々があらためて生まれて来たのだ、と感じるからである。

 奥が深くて、楽しい世界。オッサンでもそう感じてしまうのが、この声優ミュージックの世界だと思う。

 そんな新しい文化を宣伝するアドトラック。さすがに写真を撮りに行くほどの度胸はないが、見ていてとてもインパクトのある映像トラックは、間違いなく日本的文化のひとつになっていると思う。そして、声優さんたちの歌の世界も、文化として成立しているのだ。

漫画家けらえいこ氏、ジェンダーギャップ、昭和の歌謡曲など

薬剤師Y子です。

昨日の午前、フジテレビの午前の番組「ワイドナショー」に漫画あたしンちの作者けらえいこさんが出演していて、その存在感と『次の発言』が気になったので番組を最後まで視てしまいました。

けらさんは「漫画家という職業を選んだのは、女性であることによって差別されない数少ない職業だから」という意味の発言をされ、私は深く頷きました。

当然のことながら、この発言から始まる一連の「けらさん発言」には賛否両論があります。賛否どちらからでも自分の意見を皆がネットで自由に発信できることは、本当に素晴らしいと思います。

tsuiran.jp

 

昨年の暮れ、日本のジェンダーギャップ指数が過去最低になってしまった件について私は様々な記事を読み、色々なことを考えました。

2019年「ジェンダー・ギャップ指数」日本が110位から121位へ(153カ国中) | 世界のデータ | 国際協力NGOジョイセフ(JOICFP)

 

その1週間ほど前に(2019年12月10日)フィンランドで新しい首相が選出され、その人物が34才の女性であるという事実、そしてフィンランドの人たちが「彼女は有能だから当然」と思っているという事実に驚いたばかり。

政治的発言など一切せず、その一面において明らかに「ボーッと生きてた」自分について「ああ、ある意味、取り返しのつかない年月を過ごしてしまったなあ」と感じました。

www.fnn.jp

 

そして 「年齢や性別に関係なく能力を発揮できる社会を構築するためには、この場合、どっちを選択すべきか?」というようなことを、これから何かを選ぶときに必ず考えよう、と強く思いました。 

president.jp

 

上のプレジデント・ウーマン・オンラインの記事にも書かれていますが(3ページ目)、日本で最大の政党であり与党である自民党の「昇進システム」を皆が受け入れてしまっている、というのも困ったもので、ため息が出ます。

フィンランドで34歳女性首相が誕生した理由 | (3/4) | PRESIDENT WOMAN Online(プレジデント ウーマン オンライン) | “女性リーダーをつくる”

 

「世の中の大事なことを決めるオジサン達」の多くが、還暦を過ぎた私と同年代か、もっと年長で、私と同じような流行歌を聴きながら成長期や壮年期を過ごしてきた人々です。 

「私が子供だった頃に大ヒットした流行歌」のうち「還暦を過ぎた今でも歌える曲」は少ないけれど、次の2曲は「男女が平等でない社会」の強烈な印象と共に、私の記憶に深く刻み込まれています。 

 

まず、1962(昭和37)年に発売された、この曲。植木等さんが歌った「ハイ それまでヨ」です。都知事も務めた青島幸夫さんの詞が覚えやすかったんですね。

https://www.uta-net.com/movie/243617/

 「丈夫で長持ちいたします、てなこと言うから女房にした女性は、掃除や洗濯の能力が低く、食べることだけ3人前。ちょっと小言を言ったら家を出て行って、そのまま夫婦関係は修復できなかった。ふざけやがって!」というような感じの3番の歌詞が、軽快なメロディーと共に今でも勝手に自分の中から出てきて、たまに一人の時に口ずさんでしまったりするのでビックリです。

 

そして、1969(昭和44)年に発売された、この曲。奥村チヨさんが歌っていた「恋の奴隷」です。

https://www.uta-net.com/movie/1830/

「邪魔しないから、そばにおいて。悪いときは、ぶって。あなた好みの女になりたい」という歌が茶の間のテレビや職場のラジオから堂々と流されていた時代が確かにあり、 それを聴きながら生活していた人たちが今でも日本社会の「支配層」の多くを占めています。

 

性別も年齢も関係なく誰もが自分の意見を発信でき、能力を発揮できる場所を自由に探せる社会。

自分の価値観と同様に他人の価値観も尊重し、様々な人と共存していくのが当たり前の社会。

還暦を過ぎた私が生まれて育った「昭和の関東の田舎」は、そういう「私にとって理想的な社会」とは、ほど遠かったです。

 

私が子育てで忙しかった平成の前半も「現場が田舎」だったので、まあ、それはそれは色々と大変で、結果的に私は「余計なことを言わず、周囲が自分に求める役を上手に演じながら、笑顔で仕事に邁進するオバサン」として生きてきてしまいました。

「言いたいことの全てを口にすれば時間も手間もかかり、自分も周囲も疲れるから、ほどほどに発言して適当な落としどころを探ることで、自分と家族を守る」という選択をしたわけです。

でも、家庭内で夫Mと私Y子との間に男女差別はなく、二人の息子を「私から見る限り男尊女卑傾向のない男性」に育て上げることには成功したと思っています。

f:id:Yakuzaishi-Y-co:20200209131521j:plain

 

今の私は子育てを終え、孫育てに関わりながら薬剤師として仕事をするオバアサンなので、若い頃のような遠慮や忖度は無用です。どこで何を発言しても、その発言が無視されることは稀で、それなりに尊重されています。

3才と0才の孫達が生きていく今後の社会を「理想的な社会」に近づけていくために自分に出来ることを常に探しながら、「これ、今やった方が良い!」と判断したら直ちに実行する人間でありたいと思います。