Mです。
完工した機器のトリセツ(取扱説明書)を、多数の画像を貼り付けながら作成しているとき、いきなりPCがダウンした。
動作が遅くなるとか、HDDが異常なシーク音を発生するとかいった前兆もなく、プッツン、とブラックアウトしたのだ。
瞬間停電か?と思い、メインスイッチを押すと、起動しようとして途中で落ちる。
これは間違いなく機械的なトラブルだ、と感じて、PC本体をラックから引きずり出してケーブルを全部外す。横たえてサイドカバーを開けてビックリ。なんと、CPUクーラーが、ユニットごと浮き上がっているではないか!
このマシンは、5年ほど使ってきているAMDの6コアPhenomⅡCPUのマシン。少し旧いが、なかなかどうして、しんどい作業も楽々こなしてくれる相棒なのだ。HDDを追加して6台収容しなくてはならなくなったので、2年前に箱だけサイズアップした。
それまでの真っ黒い箱を、小豆色と黒のちょっと可愛い色合いの箱に変えて使っている。もちろん、この箱もジャンクもの。秋葉原で大きめのATXケースを探していたとき、たまたま売れ残っていた500円箱というだけで、色で選んだわけではない。が、小豆色の顔枠に黒い編み目マスクという、ちょっと化粧ッ気のある箱は、結構気に入っている。
排熱効率アップのために内部ファンも3基配置していて、そもそも、熱暴走にはほど遠いと思っていた。
それなのに、突然のCPU停止に陥ったのだ。
浮き上がっているクーラーユニットを見てみると、クーラーのヒートシンクをCPUソケットの外枠(リテンションプレート)にバネで留めるリテンションバーが外れている。おかしいなぁ、と思いながらバーを押しつけて留めようとしたところで気がついた。留める相手、つまり、リテンションプレートの留め部分が無いのだ!
下の左画像の短辺部分中央の突起が、リテンションバーを引っかける部分。
左が正常な形 → 爪が飛んでなくなっている
この突起が片方、完全に折れて吹っ飛んでいたのだ。
これでは、クーラーのヒートシンクはCPUから完全に離脱してしまい、熱を吸い取ることは不可能。数分でCPUの温度はグングン上がり、限界に達して安全回路が作動したのだ、とわかった。
Mの場合、マザーボードのBios設定で、CPU保護のための上限温度はいつも75℃に設定している。だから、今回ダウンしたとはいっても、せいぜい80℃程度でCPUが停止したはずだから、CPU自体は損傷を受けていないはずで、その点だけは怖くない。マシンとしてはちゃんと生きているはずなのだ。
クーラーを取り外してさらによく観ると、なんと、欠けている突起付近の枠そのものが割れている。土台が壊れて歪み、爪部分にも無理が生じて欠け飛んだということか。
すさまじい破壊現場だった。(左側の枠部分が割れている)
さてこうなるとCPUクーラーを留めるべき相手がいない。プレートだけ買うことも出来るが、何日も待たなくてはならないだろう。ジャンク屋さんに置いてあるような代物ではないのだ。
トリセツ作成作業はなるべく早く再開したいから、とにかく、クーラーを固定する方法を考えなくてはならない。
ふと見ると、ついこのあいだ100円ショップ「セリア」で買ってきたアルミ針金が机に載っている。そこで閃いた。外枠はボードの裏にあるバックプレートにネジ留めされていたのだから、そのネジにアルミ針金をくくりつけて、クーラーを縛り付けてしまえばよい。
アルミだから曲げやすいし、鉄のように強くない分、無理な力も入らず適度に緩むから、時々様子を見て増し締めすることも出来そうだ。
早速アルミ針金を適当に切って、片方だけ少し長くしてネジにくくりつけた。
4本のネジにアルミ針金をくっつけてマザーボードに留める。
外してあったクーラーユニットをCPUにのせて前後左右にずらしながら熱伝導グリスで密着させる。ピッタリと吸い付くと動きが鈍くなるので、そうなったら位置決めをする。
まず1箇所、ヒートシンクに固定してあるファンの枠穴に長い方のアルミ針金を通し、軽く曲げてもう一端とねじって仮留め。対角線位置のアルミ針金でも、同じように仮留め。
この2箇所を少し強めに留めてから、残る2箇所も固定していく。
→
固定後のクーラーユニットは、しっかりとくっついている。ただし、全く動かないというほどではなく、少し水平にずれる程度には動く。これなら、締め付け過ぎでマザーボード自体が割れることもないだろう。
作業時間にほぼ1時間を要したが、どうやら補修完了である。
外した配線類を元に戻して、メインスイッチON。
おめでとぉござりまするぅ~~~!
難なくWin10が立ち上がったのであります。
それにしても、堅固なものだと思っていたリテンションプレートが破損することもあるのだと知ったのは、良い経験だった。たぶん、使っているクーラーの留めバネが強すぎたのだろう。なにごとも、ホドホドでなくてはいけないという教訓だった。
ちなみに作業途中だったファイルは、幸いにも壊れずにいてくれた。
万歳三唱、である。