理系夫婦Y子とMの昭和から令和まで

都内で働く薬剤師Y子と、パソコン・DIY・生物などに詳しい理系の夫M。昭和30年代から今日までの実体験に最新の情報を加え、多くの方々、特に子育て・孫育て世代の皆様のお役に立つことを願いつつ発信する夫婦(めおと)ブログです。

ウェアラブルVR-PC 見過ごしていた進歩に 今更びっくり!

 

Mです。

 VR(ヴァーチャル・リアリティー)機器の宣伝が画面に現れて、何の気なしに周辺の関連情報を眺めていたら、おかしなリュックスタイルが目に入った。
 クルマの周辺に男女がいて、背中には薄いリュックが。VRヘッドセットを装着していて、なにやら作業している雰囲気だ。

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 出元をたどってみたら、もう3年も前の情報に行き着いた。

 HPさんの、HP VR Backpack G2 という装着型VR-PCだったのだ。

 VRにはそれほど興味がなかったので世の中の動きに完全に遅れていた。この紹介ページを眺めていて、そうか、遊びじゃないんだ! と、今更ながらに驚いた。というか、具体的な利用方法を考えてみたこともなかった、と思い知らされた。
 この装置、米軍の耐久試験も経ている。つまり、軍事利用も想定した装置なのだ。

 背中の黒ケースの中には、かなり高性能なワークステーション型のPC(WS-PC)が収まっている。それは、クレードルに載せればそのまま高性能なワークステーションになる。

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  写真は、あらかじめ作業内容をVR情報としてWS-PCにセッティングしておき、現物のクルマを前にヘッドセットのVR情報を映し出して、メンテや改造をしようとしている、というイメージを表現していたのである。

 VR装置なのだから当然だが、高性能の無線通信機能も備えていて、画像解像度もかなり高い。リアルタイムに、詳細な情報を取り出しながら作業できるという触れ込みだ。

 となると、これはもはや娯楽とは全く異なった世界に展開している。

 通信の格段アップを謳う5G時代到来の流れは、まさにこの装置の利用方法にも大いに関わってくる。

 たとえば、5G通信時代になれば格段に進むだろうと言われている外科手術の遠隔作業。

 実際の患者は僻地にいても、ドクターヘリが熟練医師と看護師を機材ごと現場に運ぶ。モニター機器すべてを運ぶことは出来ないから、各種センサーだけを持ち込んで患者にセット。端末は5G通信端末につないで中枢の医療機関にある高性能診断機器とリンクさせる。野戦病院程度の簡易手術室が、まるで高度医療センターの手術室にヴァーチャル対応する。
 援護のスタッフたちは、現場からの情報を映像とともに見ながら、医療センター内で現場さながらの状況を目に、現場術者とあれこれ話しながら手術をすすめていく・・・
 そんな状況が、このリュック型PCを背にしながら、いとも簡単に実現してしまう気さえする。

 それだけではない。

 これは、親方にしか出来ない加工なんだ、と後継者が日々研鑽を積もうと必死になっている町工場。NASA御用達で、ここでしか出来ない精密パーツがある。そんなことが、たとえば大田区の町工場にはいくつもあると聞く。
 そんな技術継承に、今後はリュック型PCが大きな手助けをしてくれるかもしれないと思う。
 鼻の脂、とはよく言われるが、同じようにやっているはずなのに、親方にはいとも簡単にできてしまうことが、弟子には90%しか出来ない、なんてことはざらにあるだろう。

 その鼻の脂は、作業時の目の置き方、タイミング、力の抜き方、などなど、リアルタイムの動きの中では追いたくてもついて行けない部分が影響しているはずだ。そんな領域の情報を、精密映像で多方向から記録し、出来る人と出来ない人の違いを克明に解析していけば、どこかに「鼻の脂」のエッセンスが見えてくる気がする。
 その検証画像データを元に、「これならできる」パターンを教育VRにまとめて、現物作業時にVRヘッドセットを使って作業過程を何度も試していく。そのうちに、口で言われてもわからなかった勘所が、ある日突然、自分の手の動きになって身についている。
 そんなことが実現するような気がするのだ。

 3D映像でワオ~と興奮する世界とはちょっと方向が違うが、技術用VRは、実は既にすごい世界に進化しているのかもしれない。