理系夫婦Y子とMの昭和から令和まで

都内で働く薬剤師Y子と、パソコン・DIY・生物などに詳しい理系の夫M。昭和30年代から今日までの実体験に最新の情報を加え、多くの方々、特に子育て・孫育て世代の皆様のお役に立つことを願いつつ発信する夫婦(めおと)ブログです。

ヨメナ復活!!

Mです。

 ほぼ1年前、秋葉原付近の総武線高架下で、ヨメナが数株咲いているのを見つけたことを記した。

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 その場所は、清洲橋通り総武線が跨いでいるガード東側の北面。以前見たときには路肩のコンクリート縁石が凸凹と乱れ、わずかな土が線路からの雨水でいつも湿っているという、狭小ではあるものの湿った土に何種類かの草が生えている場所だった。ところが、その記事を載せて数日後、そのわずかな環境が、縁石修理が行われて土は削り取られ、代わりに砂利投入で整地され、草が生えにくくされてしまった。当然、咲いていたヨメナは跡形も無くなっていたのである。

 それから半年あまり。21年春には、その砂利面にいつの間にか少しずつ砂や泥がのっかって砂利の隙間を埋めてきていた。

 そして8月。ついに、除去されてしまったはずのヨメナが、砂利の下から芽吹いて伸びてきているのを発見した。

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 その場所が以前見た位置から1m程離れているので、茎が刈り取られて残った根から伸びてきたのではないと思う。多分、去年Mが種取りをした時に残しておいた花から落ちた種が、整地作業で砂利にまぎれて移動していたのだろう。

 さすがのヨメナも、貧相な土しかない場所ではどんどん伸びていくことはできず、ヒョロヒョロと少しずつ成長してきていた。通りかかる度にそれを観察するのが、なかなか楽しい。9月になると、3株ほど伸びてきている株の一つにつぼみが付いた。そして9月半ば、最初の花が一つ咲いたのだ。

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 さらに10月半ば、一番遅くにつぼみを付けた株でも開花した。

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 以前の記事で、しぶとくて可憐、と書いたが、本当に強い。この場所では、去年は何種類もの草が生えていたのだが、今はヨメナの他に生えてきている草がほぼ無い。それほど、痩せた土なのだ。そんな場所に生えてきたヨメナは、お世辞にもしっかりした茎とはいえない細い針金のような姿なのに、しっかりと花を咲かせたのである。徐々に株を増やしていくのだろう。観察を続けるのが、また楽しくなる。

 コロナ禍でジリ貧の世相が続いている。
 ゼロに近い環境で芽吹いて花を咲かせるヨメナを見ると、オレも生きているんだから前を向かなくては、と思わされた。

ホタルガ(蛍蛾) そのシックな装い 

Mです。

 人の感性はマチマチだ。
 窓にピタッと貼りついて動き回っている灰緑色のヤモリを、かわいいと見とれてしまうMのような輩もいれば、同じ姿を目にして大声を上げて逃げてしまう人もいる。人々が集まる牡丹園の鮮やかな光景を見て、なんてハデハデしいんだとそっぽを向き、道ばたのヨメナの方を愛でてしまうのも、また同じ。ひねくれる、と言ってしまえばそうなのかもしれないが、そもそも、興味の対象が根っこから異なっているから、ものの評価も当然変わっていってしまう。ただ、それだけのことである。

 Y子が、道で通り過ぎた女性の服装を見て、ホタルガみたいに綺麗だ、と言った。そしてすぐに、そんな風にいったら嫌がられるかもね、と言を引っ込めた。思わず笑ってしまったのだが、Mは、Y子の言う綺麗さが実によく理解できる。落ち着いていてコントラストのはっきりとした色使いのシックな装いだったのだろう、と想像できた。Y子の見て取ったイメージと全く同じなのかどうかは分からないけれど、遠く離れてはいないと思っている。

 人は、固定概念を持ってしまうことが多い。そして、それが感性の判断基準に組み込まれてしまうことがある。蛇は忌み嫌うもの。よく分からない虫は怖いもの。にゅるにゅるしたミミズは汚いもの。びっしり毛が生えた毛虫はおぞましく気味の悪いもの。などなど。そして、それらをひっくるめて、分類学を完全無視した「蟲」なんていうなんだか分からない語を作ってしまったほどである。要するに、なんだか分からない得体の知れないものたちを、好まざるもの、として纏めてしまったのだろう。平安時代に得体の知れない恐ろしいものを鬼という名で括ってしまったように、魑魅魍魎と同列に、気味が悪いと多くの人が感じるモノたちを、日の当たる世界から隔絶してしまったのだと感る。

 ところが、である。その姿形だけを見れば、アートにしか見えない色模様を持つ生き物はこの世の中にたくさんいて、分類してみれば、それらの生き物が、一方では嫌われているものとごく近縁だ、などということがままある。ホタルガもその一つだ。
 蛾、と言うと、多くの人は、夜間に明かりに集まって鱗粉を飛ばす茶色や灰色の昆虫をイメージするだろう。昼間に見る蝶は、綺麗な昆虫として例えるくせに、夜に現れるごく近縁種のことを綺麗だという人は滅多に居ない。社交界の着飾ったおねえさんを夜の蝶などと呼ぶが、Mに言わせれば、蛾の方が適切だと思う。夜飛ぶ蛾には、まさに女王と言っても良いと思う姿形の蛾がいる。オオミズアオという大型の蛍光色のような白い蛾を見れば、綺麗だと思わない人はいないのではないか。オオミズアオの対局には、クスサンという蛾もいる。もう何十年も出会っていないが、色目は華美とはほど遠く、むしろ荘厳さを感じさせる茶系統の複雑模様をまとう厳めしい姿で、オオミズアオが女王なら、こちらは魔王の感覚だ。多くの人が、夜その姿を目にしたら、思わず背筋がのびるのではないかと想像する。それほどに、立派なのである。

話が横道にそれてしまった。軌道修正!

 そんな、主に夜の昆虫だと思われている蛾のなかにも、昼に飛び回るものたちがいる。実は、ホタルガもその一つだ。

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 ↑ ホタルガの雌(触角が小さい) 昆虫エクスプローラーさんから拝借 


 赤い頭に櫛状の長い触覚を伸ばし、燕尾服のような黒い衣装の下端付近にくっきりした白い帯。盛夏前の林の薄暗がりや中秋から晩秋の木立の中を、ヒラヒラと飛び回る昼行性の蛾。派手さはないが、その落ち着いた色調が何とも美しい。白抜きのある羽で羽ばたくとき、白い残像が薄暗い空間を移動していく光景はとても優雅だ。葉に停まった姿は、凜として涼やか。うっとりしてしまう。
 その幼虫はというと、食草はサカキやヒサカキなので、農家の生け垣や庭の植え込みで頻繁に出会う。20mm程度の薄黄色に黒の縦縞がある毒々しい色調の毛虫だ。体には、毒のあるトゲが粗く生えている。大量発生するので、そこにもここにも危険マーク調の色が見えるくらいだ。脅かすと糸を吐いて葉っぱから離れてぶら下がる。それが面白くて、枝を揺らして毛虫にブランコをさせるのが面白かった。毒があるとは言ったが、たいした毒ではない。手の平ならどうということはないが、柔らかい腕の内側や手の甲にトゲが刺さると、あとからかぶれてかゆくなる、そんな程度の毒である。

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 ↑ ホタルガの幼虫 昆虫エクスプローラーさんから拝借


 成虫は捕まえると腹の先から汁を出し、これは何とも臭い代物。プロパンガスに付けてある臭気と青草をすりつぶしたニオイを混ぜたような臭さだ。幼虫の時代は、あまり臭くはないが口から緑色の液を出す。
 美しいものにはトゲがある、と言うが、美しきものは敵をたじろがす武器を持っている、のである。

 

 余談だが、昼に動き回る蛾をもう一つ紹介すると、スズメガの仲間たちがいる。その中でも、多くの人が蛾だと思っていないのが、オオスカシバではないだろうか。
 スズメガの仲間の特徴は高速の羽ばたきで、ヒラヒラと飛ぶ蝶とは全く異質の直線的な滑空をする。オオスカシバはその仲間たちのなかでも羽ばたきが速く、羽化直後は白い鱗粉が羽一面に付いているのに、飛び立てるようになるとその高速羽ばたきのせいで付いていた鱗粉が跡形もなく飛び散ってしまい、透明な羽になる。どれくらい高速かというと毎秒70回ほどだと分かっていて、それはあのハチドリの羽ばたきと同レベルである。昆虫の羽ばたきという観点ならハエや蚊の方が一桁上だから、決してトップクラスと言うことではないが、その飛び方の特性は、自由自在の空中移動にある。下の写真にもあるように、透明の羽でホバリングしながら花の蜜を吸う姿は、ハチドリのそれとよく似ている。全く異なる構造を持つ生物が、ごく似た運動形態を獲得しているというところも、生物界の妙というものだろう。

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  ↑ ホバリングでウツギ属の花で蜜を吸っているオオスカシバ Wikiさんから拝借 

 

 人それぞれ、好き嫌いはあるだろうが、時にはその壁を越えて眺めてみるのも良いと思う。今まで目を向けなかった世界に、思わぬ発見があるかもしれない。


 虫の居ない冬になる前に、公園で虫探しでもしてみませんか?

恐怖! 進撃の電動キックボード

Mです。

 数日前、車で移動中、朝の秋葉原駅近くで あわや!の目に遭った。

 昭和通り南下車線から東に折れた双方向道路。入って100m足らずの場所で、左側の細道から ”つくしん坊” のように直立した黒い影が飛び出してきた。こちらは慌てて急ブレーキ。当の”つくしん坊”は、そのまま直前を横切って右の路地へ突入。ほんの3秒ほどの出来事だった。
”つくしん坊” の正体は、黒の電動キックボードに乗った20代のやせっぽち。黒っぽいスーツ姿の男だった。

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 これまでも、車両の通行が少ない都内の街路で、この手の兄ちゃんに何度も出会っている。チャリで走っていると、音も無しに結構な早さで移動する直立人間。狭い板に乗って杖のようなハンドルを握って走り去る。速度は、Mの漕ぐママチャリより速い。ママチャリだって、車道を突っ走るときは30Km/h以上出すことはあるが、街中の通りで思いっきり走るなんて事はない。ところが、電動キックボードライダーは、空いている街路をくねくねと人をよけながら走るのを楽しんでいる、としか見えない。音がしないから、いきなり脇をすり抜けられるのはかなりコワイ。

 そんなヤツが、クルマの前を直前横断したのである。

 正直言って、追いかけて殴りつけてやりたい気分だった。

 去年の暮れ頃、電動キックボード輸入事業者が、国交省にレンタル事業で公道走行を可能にしてほしいという要望を出した、という報道があった。その時点では、公道走行の許可が出ていなかったので、閉ざされたコースの中でのレジャー走行しか行われていなかった。しかし、それでは販売増加は望めない。そこで、安全な乗り物だということを証明するから将来的に公道走行を許可してほしい、という流れになったのだろう。そして現在、都内の限定地域で実証実験が行われている。自転車走行車線を通行しても良い、という特例措置を設け、原付自転車と同じような装備を備えることを前提に、ヘルメット装着を任意にして実験中だという。

 ↓ 警視庁の説明サイト
   https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/doro/dendosukuta.html

 Mは思う。これって、現実問題として必要なことなのだろうか?と。

 今やかなりの数に上っている電動アシスト自転車。これは、乗っている人が足で漕ぐ、という動作を前提にしている移動装置だ。勝手に動いているわけでは無い。ペダルを漕がなければアシスト機能が働かないのだから、むしろ、重いだけの自転車だ。当然、速く走ることはできない。また、アシスト機能は速度上限が設けられていて、確か25Km/h以上になるとアシストは効かなくなる。つまり、それ以上の速度を出すときは、脚力のみの走行なのだ。速度だけなら、フレームの軽いスポーツサイクルの方がずっと速く走れる。つまり、電気モーターはあくまでも補助なのだ。

 ところが、電動キックボードは、この範疇には入らない。明らかに自動走行車両に入る。人は、ただ操縦するだけなのだから、自転車ではなくて自動車なのだ。
 その考え方から、警察庁は、電動キックボードは原動機付き自転車、つまり原付バイクと同じ区分だと判断している。したがって、原付バイクと同等の装備(ウィンカー、バックミラー)を付け、登録する必要がある(登録ナンバー)、と決めている。当然のことである。

 ところが、である。先の ”つくしん坊” もそうだったが、これまで見た電動キックボードで、警視庁の言う装備を付けているものは一つも無かった。ネット情報を見ると、販売者は公道を走るときは原付免許とそれなりの装備が必要、とは言っているが、買う側は「公道を走ることはしません」と言っておけば買えるのである。3~10万円程度で手に入れられるので、ママチャリと同等で手に入ってしまうものもある。スポーツサイクルより安い。それで、楽チンに結構なスピードで移動できる。見つからなければかまうことは無い。見つからない路地を走っていればいいのさっ!というところだろう。現に、これまで出会っているのは、大きな通りではない。街中の大通りに挟まれた路地ばかり。乗る側にとっても、クルマがガンガン通っている場所ではないから、安心して乗れるのだろうと思う。が、歩行者、自転車、などの側に立つと、ソコソコの速度で音無し走行してくる電動キックボードは、結構な恐怖対象になるのだ。その、ソコソコの速度で直前横断された「ドライバーMの冷や汗」を想像して欲しいのである。

 たしか最近、電動キックボードでお年寄りをはねてしまった、という事故があったはずだ。原付仕様に変えていない無免許車両だったと聞く。そんな事故がアングラでどんどん増えていくのではないかと思うと、ゾッとする。

 舗装路が完備している都内だから起こる、特殊な交通事故。田舎の砂利道では、絶対起こらない。そもそも、砂利道では電動キックボードは走れない。都会特有のコマッタ現象の一つなのかも知れない。

 以前、セグウェイという、立ったまま自由自在に移動できる乗り物が話題になった。展示会場や屋外のコースなどで、その動きと走りを堪能する催しが開かれ、映像がいろいろなところで公開されていた。体の傾きだけで向きと速度を変えられる未来志向の移動ツール。その先見性はなかなかだと思ったが、実際にはかなり限られた場所だけでしか使えないだろうなぁ、と予想していた。予想どおりで、その後の展開はかなり限局されているようだ。

 そんな未来志向移動ツールと比べると、電動キックボードはただの電動ボードだ。足で蹴る代わりに電気で動かすというだけのもので、新規性はどこにも無い。遊び道具としては使えると思うが、それを一般の移動ツールとするのは間違っている。危険回避の仕組みが全く整っていないからだ。

 役所がらみの申請が出てしまったので警察庁が実証試験を、という流れも、本当のところは、業者→政治家→省庁 というゴリ押しの結果なのではないかと想像している。

 電動キックボードは、あくまでも「レジャー施設内で遊ぶ道具」であって、「公道で使うもの」ではない。
 だいいち、あんな装置にミラーやウィンカーを付けて、かっこいいですか? ゴテゴテして、使いにくくなること間違いなしである。そこまでして買う人はいないと思う。

  実証試験をどのように落とし込むつもりなのか、警察庁の良心に期待したい。

ワクチン接種2回目 ああシンド~~

Mです。

 24日にファイザーワクチンの2回目接種を受けた。やることは1回目と何も変わらないので、全体で小一時間のスケジュール。
 一回目接種のあとはどうでしたか?、と医師に聞かれたので、結構炎症が起きた感じが強くてナカナカでした、と応えた。発熱があってだるかったというのがそれに当たるだろうから、その見方でいうとおよそ半分くらいの方はそうですね、とのこと。

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(参考資料)
  青森県立中央病院 ワクチン副反応調査報告 より拝借
  https://aomori-kenbyo.jp/archives/112080

 はてさて、それがワクチン製剤の化学的性状による反応なのか、それとも、mRNAワクチンが効果を発揮するための「適切な細胞に取り込まれてウイルスタンパクを作って血中に放出」されたタンパク質に対する二次的現象の結果なのかは、どちらとも判断出来ないのが現実だろう。
 ただ、もし後者だとした場合、一回目接種で起こった発熱(炎症)反応は、体内の免疫系細胞がワクチンで作り出されたウイルスタンパクを、①これまで見たことのない外敵、と見たのか、②「あのウイルスだ」と既知の相手と判断して起こった反応なのかによって、その意味は大きく違ってくる。
 ①の場合は、mRNAワクチンが効果を発揮するときは発熱を伴うものだ、という単純な現象になる。しかし②の場合は、知らず知らずのうちに既に新型コロナウイルスを体内に取り込んでいたか、あるいは従来型のウイルスに似ているということで、体内の免疫系が「あのウイルスだ!」と防御反応を発動した結果の発熱、ということになるからだ。この場合には、1回目接種から、すでに免疫系の二次反応(既得免疫反応)に似た現象が起こっている、ということになる。

 ところで、上に示したグラフは、実のところ、今回Mが接種を受けたクリニックの医師の感触とは、大きく異なっている。
 発熱に関して見ると、一番右側の棒グラフがそれにあたる。なんと、青森では、一回目投与で発熱した人は40人に1人である。2回目になると一気に増加して約半数。これは、東京都内でワクチン接種に当たっている医師の発言と比べると、あまりにも大きな差、という感じがする。
 半分程度の人が、1回目の接種後に発熱反応を起こしている、という医師の発言から思うのは、東京では、初回接種なのに軽度の二次免疫反応(過去に対応したことのある相手に対する反応)を起こしたケースが多いのではないか、ということ。そして、2021年9月現在で多数の感染者を抱えている東京都内では、多くの人が、実は新型コロナウイルスにかなりの頻度で出会っていた(発症しないで感染だけしていた)ということを示しているのではないか、と思ったのである。青森のデータは、東京よりもずっとクリーンな環境の人々だから起こったのではないか、という気がする。 

 だとすると、ほとんど東京で動き回っているMは、2回目接種後はシンドイ結果が予想される。1回目接種で免疫系は迎撃態勢を整えているから、2回目接種後は、mRNA由来のタンパクが出てくるだろう6~12時間くらい経つと、1回目よりはるかに強い免疫反応が起こり、熱も高くなれば、だるさ、痛さなどの全身反応も強く起こるだろう。
イヤだなぁ、でも多分そうなるだろうなぁ・・・、と思いながらクリニックから帰ってきたのだった。

 案の定、接種から8時間ほどで、内部熱感が起こってきた。身体の中が熱くなってきたと感じ始めたのである。体表面温度はあまり変わっていないが、暖かいものを避けたくなってきて、床の冷たさが気持ちいい、などの知覚に変わっていく感じ。食欲は落ちていなかったが、温かい食べ物はイヤだ、という感触があって、どちらかというと冷たいくらいの総菜を出来るだけ飲み込んだのだった。消化さえしてしまえばどうにかなる。明日は戦場かもしれないのだ、という気構えで食った!

 どうにか就寝まではそのくらいの状況で推移した。
 ところが未明、ガタガタ来る震えで目が覚めた。時計を見れば午前2時。接種から16時間である。明らかに表面体温が上がっていて、風邪で高熱を出したときの感触と全く同じ。ゴソゴソ起き出して解熱剤を飲み、その辺にある厚手の服をまとって毛布まで掛ける。しばらくガタガタ震えていたが、多分30分程度で解熱剤が効き始めたのだろう、再びの眠りに入れたのが幸いだった。

 翌朝は、普段通りに起きたものの体調は良くない。薬が効いているので熱はさほどでもないが、結構だるい。2時間ほどの運転が必要な移動をしなくてはならないので、解熱剤を追加しながら、どうにか気張った。

 結果的に、運転もどうにかなったものの、接種から30時間ほどは、とにかくだるく、さらに節々が痛く、ファイザーのバカヤロ~~~、と叫びたい気分だった。

 思うに、Mの場合、今回のワクチンは、接種一回目から既存の免疫反応を呼び起こしていたのだと感じる。それが、以前からあるコロナウイルス(当然Mは感染歴があったはず)との共通抗原性に対する反応だったのか、それとも新型コロナウイルスに最近感染していたためなのかは不明だ。
 ファイザーであれモデルナであれ、開発者たちは、新型コロナウイルスのスパイクタンパク遺伝子を調べて、従来型との違いがある構造の元になる遺伝子を見つけ、そのmRNAを合成したはずだ。ただ、そのmRNAから作られるタンパク質は、古くからいたコロナウイルスたちの表面タンパク質と「全然違う」はずはない。むしろ、似ているけど違う、という程度のはずである。だから、今回の、初めて実用化されたmRNAワクチンがそこそこの効果を発揮できたのも、既存のウイルスとの共通性があったからこそだ、と考えることも出来る。「こいつ、あのワル仲間だぞきっと!」と認識できたので、ならば対抗しようぜ、と早期の反応が呼び出されたのだろう。

 正直言って、今回のワクチン接種は、仕事上の必要性がなければ受けたくなかった。多分、結構シンドイ副反応に見舞われるだろうな、と感じていたから。そして、結果的にその通りになった。

 多くの人の命を救うことになっているのは確かだろうが、一方で、今回のmRNAワクチン接種は、世界規模で壮大な臨床試験を行っていることに他ならない、と思っている。実際のところ、安全性試験等を急ピッチで進められたのは「ウイルスそのものを使うのではないから」という一点に尽きる。従来のワクチンでは避けられない、「感染源そのものをカラダに入れる」という危険行為は、慎重にも慎重を重ね、何年もかけて安全性を確認することでクリアしてきた。その時間経費がmRNAワクチンなら回避できるのである。
 それは分かるのだが、はっきり言って、mRNAワクチン自体が、まだ開発途上のワクチンなのだという事実も我々は認識しておくべきだろう。とにかく今回のコロナ騒動では、そんな開発途上のものであっても使わざるを得ない状況を作ってしまった。メーカーにとっては、棚ぼただったはずだ。
 使わなければならない状況に陥ってしまったから、リスク覚悟で各国とも迅速承認して使ってしまった、というのが現実なのである。

 今後、mRNAワクチンは、ワクチンメーカーの主要アイテムになっていくだろう。それは良いのだが、従来型ワクチンのような多能性を持たない「単一指向性ワクチン」である、という特質も軽視しないでもらいたい。従来型ワクチンの利点を踏まえながら、複数種のmRNAをミックスした場合の効果をみるなど、いろいろと検証を進めていくことも試して欲しい。
 デジタル時代にどんどん衰退してしまったアナログアイテムが今になって再評価されているのと同じで、従来型医薬が新型医薬に駆逐されてしまうことのないよう、製薬企業には、コスト最優先だけでなく、効果最優先の開発思考も捨てないで、味のあるクスリ作りを残して欲しいと思う。

顔の左右対称性 おもしろ画像イタズラ

Mです。

 人の顔。二つの目がほぼ同じ高さに鼻を境に左右にくっついているのだが、実際には、それほど左右対称ではない。大きさが違うこともあれば、位置が上下にちょっとだけずれていたりする。鼻だって、まっすぐとは限らない。右に曲がっている人もいれば逆もある。口だって、左右で口角の位置が上下にずれていたり、距離が違っていることもある。そんな微妙な差をひっくるめて、人は他人の顔を眺めているわけだ。
 造形の世界では、人体のパーツ構成に対して”黄金比”なる比率を言い、ビーナス像やダビデ像はその比率になっているのだ、などと聞くけれど、顔の構造だけについてそんなことは聞いたことがない。とはいえ、世界の美女100選とか、顔の造形についての論評も沢山あるわけで、美しい顔のイメージが、各自の脳の中のどこかにできあがっているのだろう。そしてただ一つ思うのは、左右対称性の高い顔の方が、顔の造作イメージとしては「良」ととらえられている気がする、ということだ。

 そんなことを思いながら、月一回通う歯医者さんの待合室で、不思議な現象に気づいてしまった。
 待合室の一番奥に座ると、入口方面を観ることになる。左の壁は一面の鏡になっている。入り口側の壁面は玄関口があるので狭く50cmほどしかない。そこに、ホワイトニングを勧めるポスターがあって、にっこりと笑うお嬢さんが正面を向いている。すぐ左側が鏡なので、壁の端を対称線にして左右反転したポスターが左壁の鏡の中に見えている。この状態で、実に面白いことが起こったのである。

 ここでちょっとだけ、予備情報として補足しておかなければならない。
 以前、ステレオ写真について取り上げたことがある。

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 左右の目の視差を利用して立体映像を観せる仕掛けがステレオ画像なのだが、それに凝ってだいぶ立体視の練習をしてきたMは、道具を使わなくても左右二つの映像を視野の真ん中で合成することが得意である。

 何の気なしに、Mはホワイトニングお嬢さんのポスターでこれを試していた。ちょうどやりやすい位置に、鏡像関係の画像が見えてしまっていたのである。
 そして、やってみたところ・・・
  なんと、鏡で反転している女性の顔が、真ん中で元の画像とほとんど差異なく重なってしまった気がしたのだ。感覚としては、反転映像が完全合致した、という印象だったのである。
 本当に、左右対称の顔なのか!?
 思わず、ガラケーで写真を撮って持ち帰り、PCに取り込んで画像比較してみようと考えたのだった。

 ところが残念なことに、持ち帰ったガラケー画像データは、画素数不足でとても比較に耐える画質ではなかった。無念!
 でもMはあきらめない。
 ガラケー画像にあるポスターの文字情報を元に、ネット検索した結果、ようやく元の画像を見つけ出したのである。それが下のお嬢さん。

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 うーん、確かに鼻の中心線を対称に、左右が揃っている気がする。これなら、鏡に映っていた画像を重ね合わせても違和感がない感じだ。
 そこで、イタズラしてみることにした。この画像を縦に分け、右側成分で作った顔と、左側成分だけで作った顔にして、並べてみようと思ったのだ。その結果が下の2枚である。
左が右成分×2、右が左成分×2、の結果だ。

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  あれれっ! だいぶ違うじゃん!?
  結果は、最初に思ったのとはだいぶ違っていた。右成分だけだと結構強そうな印象の顔になり、左成分だけだとほんわか優しい雰囲気になった。確かに、目の位置などに大きな差がないので、左右対称性の高い顔立ちであることは間違いないが、受ける印象は大きく違ってきたのが驚きだったし、とても面白い。
 人が捉えている顔の印象というのは、やはりパーツで観ているわけではなくて全体をまとめて捉えているのだというのがよくわかった。

 そういえば、中学の頃に百科事典か何かで人の顔の対称性について論じているものを読んだ。そのなかで、人の顔は左右でかなり差があり、どちらか一方の面だけでは全く違う人相になってしまう、という記述があった。例として、故 八千草薫さんの正面写真を題材に、左右2分割画像にして反面ごとに鏡像との合成写真にしたものが載っていた。彼女の場合、最初から左右対称ではない、と感じる顔立ちなのでその差は当たり前だろう、くらいに思っていた。たしかに、本当に別人のように見えたから。
 それに比べると上の女性ははるかに対称性が高いと思っていたのに、それでさえ、片側合成の顔だと本来の顔とだいぶ違う印象になってしまうのだと知って、人の感覚なんて大して当てにはならないものだと痛感したのだった。

 熟練の刑事さんは、指名手配者を見分けるために、顔を見ているのではないだそうだ。目つきだけで判別するのだそうである。顔は、化粧したりひげをつけたりすれば全く異なった印象になってしまうが、目つきの印象だけはたとえ整形しても元の印象を保っているのだ、という。目の形、ではなくて目つき、というところに意味があるのかも知れない。素人には、ほんとかねぇ、としか思えないのだが・・・

 イタズラついでに、動物の顔で片側合成を試してみた。体毛の形や模様が違うとダメなので、ライオンの雌で正面を向いている映像を選んでみた。
 結果は、下のごとく。

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       右反面合成              左反面合成

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 これはびっくり、驚くほど差がない!、と感じる。この個体だけなのだろうか?

それとも、ライオンの顔について、見るべき差を捉えられていないだけなのだろうか?

 人の顔は、脳容積が大きくなってしまったため、解剖学的に見たとき、そのしわ寄せで顔面にゆがみが生じやすいと言われている。とすると、そのゆがみこそが、人の顔の造形を面白くしている要因だ、と捉えても良いだろう。結果として、人間たちは、いろいろにゆがんだ造形のなかから、各人が好みの顔を探していくことになる。

 結果として、人間社会では、ゆがみバンザイ、なのかも知れない。

 

新型コロナウイルスワクチン 接種1回目

Mです。

 ほんとうは、接種を受ける気なんてサラサラなかった。
 数ヶ月前に居住地の市役所から送られてきたワクチン接種券も、捨てはしないまでも、そのままほったらかしになっていた。[新型]コロナウイルスでは呼吸器系疾患が重篤化しやすい、とは言っても、全くの[新種]ウイルスということではなく、何度となく晒されてきて時々は感染成立して「風邪」に罹っていただろう相手である。全く免疫を持っていないとも思えないから、もし感染してもそこそこ抵抗できるだろうと思っていたからである。

 ところが、感染拡大の最中にオリンピックまで開催してしまうという暴挙のなか、感染の広がり方がますます強烈になってきて、ビジネス上でもその影響が顕著になり始めた。
 Mの仕事は、開発受託である。こんなのが欲しい、こういうモノを作りたい、などといったユーザーの要望を叶えるために、希望に添ったモノや仕組みを作り上げる仕事なので、現物を目の前にした打ち合わせが必須であり常でもある。ところが、対面打ち合わせを避けてリモート会議、というのが主流になると、細かな話が出来ないのである。
 それでも先月までは、アクリル板越しにモノを見ながら同じ部屋の中で相談していたのだが、それすら難しくなってきた。Y子の所属企業のように大手企業はどんどん職域接種を進めているし、若年層のワクチン接種を急遽推し進めるという方策が採られるようになると、打ち合わせに先立って「ワクチン、打ちました?」の問いが始まった。Mのような零細企業は、ほぼ100%相手企業の方が大所帯である。その相手企業内で、感染源との接触は控えろ!という号令がかかれば、当然のことながらMさんて、ワクチン打ったのかなぁ?となるのである。
 クッソ~! と思いながらも、ついに撃沈。

 ワクチン接種券を手に、事務所のある区のHPから、近場でワクチン接種をしてくれるクリニックを探した。
 運の良いことに、近場でただ一箇所の接種クリニックは、3年ほど前に喘息を起こして通院していたクリニックだった。ラッキー、と電話してみる。他所の接種券だが接種してもらえるかと聞くと、これまた運良く、OKの返事。しかも「当院最終接種の予約中」だという。9月3日が1回目で、2回目が21日のスケジュールなら可能だとのこと。是非とも、と先週金曜10時前、久しぶりのドアを開けた。
 ワクチン接種日とは言っても、それだけ限定で行っているのではなく、通常の診察と並行して接種を実施しているとわかった。クリニックに入ってみるとすでに4人が椅子にかけていたが、それらの人々は普通の通院で、Mだけがワクチン接種対象。問診票を提出して待つこと10分ほど。診察室に入り、見慣れた医師に挨拶して丸椅子に座る。
 その後、喘息症状はどうですか、と聞かれ、ボチボチですと応える。じゃ打ちましょうか、と左肩にプスリ。何で筋注なんですかねえ、と聞いてみると、皮下だとかなり腫れるそうですよ。能書にそんな記載がありましたから、との返答。よっぽど痩せた人だと困りますが、短い針での筋注は、間違いも少ないしかえってラクだ、とのことだった。接種したモノが免疫原(抗原)そのものではない今回のmRNAワクチンは、身体に入ったあとで周辺の細胞に取り込まれ、その細胞内のタンパク合成工場でウイルスタンパク質がつくられる。皮下注射は、筋肉内注射よりも早く分散して体中にまわるが、その分、分解処理も速く進む。むしろ、その場所からジワジワと時間をかけて広がって少しずつタンパク質合成に移っていってくれた方が都合が良いmRNAワクチンでは、分解されにくい筋注の方が好都合なのだろうと、その話を聞いて思った。

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 接種後30分間、急激な反応が起こったりしないことを観察することになっているので待合室で文庫本を読んでいたが、その間にワクチン希望でやってきたのは3人だった。どうやら、ワクチン接種でてんてこ舞い、というような状況は過去のものらしかった。
 幸い、接種部位の痛みもなければ発熱等も起こらないので、そのまま帰ってきた。

 ところが、である。
 当日の深夜、そろそろ寝ようかという時分になって、接種部近辺の硬化と痛みが起こり始め、表面的ではなく深部での温度上昇を感じた。あきらかに、身体の中で炎症が起こり始めている感じてある。寒気は起こらないし、Y子に聞くと見た目にも変化は無いとのこと。副反応に痛みや発熱があるのは報じられているので不思議はないが、自分自身の感覚では、単純な現象ではないような気がした。
 とはいえ、それほどのことでもないのでそのまま眠りについた。

 ↓ 厚生労働省サイトから引用

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 そして接種翌日の朝、感じていた症状は明らかに進行していた。全身の筋肉がやや緊張気味で鈍く痛んでいる。体温も平熱から比べると明らかに高い。異常と言えるほど高くはないが、たぶん37℃域には入っていただろう。何となく頭がボーっとしている感じもあり、本人の感覚としては、風邪を引いているという実感だった。

 この時に思ったのは、自分が既に新型コロナに罹っていたんじゃないか、ということ。発症もしていたかもしれないが、大きな体調変化にまでは至っていなかったから、分からないまま回復してしまったのではないか、と感じたのである。
 そもそも、新型とはいえ、コロナウイルスという奴らは大昔から人間に感染し続けている。風邪の原因ウイルスとしても、ごく当たり前のウイルスである。当然、Mも何度も罹っては治っていたはずである。そんなウイルスの仲間なのだから、全くの新顔ということでは無い。したがって、Mの身体の中には抗コロナウイルス抗体も存在していて、新型コロナに出会ったときも、全く免疫反応が起こらなかったわけではなかったはずだ。完全防御、とまでは行かないまでも、ある程度は反応する抗体なり免疫細胞があるはず。それらが防御してくれ、新たに新型コロナウイルスに対する抗体も作られていたと思う。結果として軽微な発症で収まっていたのかもしれない、と想像するのである。
 だとすると、既に新型コロナウイルスに反応しているMの免疫系は、今回のワクチン接種で作られたウイルスタンパク質に出会って、「知ってる敵」に対する反応を起こした。時間的経過からも、それが、接種当日の深夜に始まって翌日がピークとなった、ということだろうと思う。現に、体温上昇を含む反応は接種翌日には収まってしまった。敵兵撃破、撤収!、である。

 自分自身の反応を観察して思うのだが、ワクチン接種時の副反応だとして言われている現象も、実は、既知のコロナウイルスに対して持っている免疫応答が、交叉反応としてワクチン由来抗原に反応している証なのかもしれない、と感じている。それならそれで、免疫力増強の観点から、ワクチンはちゃんと効いているのだと判断出来る。

 はてさて、2回目接種時の反応が楽しみである。
 1回目の反応が既存免疫反応の呼び起こしになったのだとすると、次回は、かなりしっかりした全身反応が起こっても不思議ではない。覚悟しておく必要があるかもしれない。
 とはいえ、相手はワクチンタンパクそのものであって、増殖するウイルスではないから、怖いことは無い。せいぜい、解熱剤を必要とする程度のことだろう。サディスティックな期待をしている自分が、ちょっと可笑しい。

 ところで、今回のワクチンに関するしっかりした解説が、お上からちゃんと出されていないのは、なんとも情けないことだと思っている。ワクチンを打てと号令をかけるなら、その仕組み、性質などを、きちんと、しかも簡単に説明することが重要だと思う。しかし、それが出来ているとは思えない。メディアも、わかったようなわからないような説明に終始していて、専門家の話を画面で紹介するだけで、本質的な解説が無いように思う。

 そんな中、すばらしい解説資料を発見した。
 新潟県医師会の峰宗太郎さんという方が、医師会勉強会で用いた手作り講演資料をネット公開している。PDF資料で大きいので、PCから行くのがオススメ。
  ↓
  https://www.pref.niigata.lg.jp/uploaded/attachment/256915.pdf

 専門知識がなくても興味があれば解りやすく、知識のある人なら尚更よくわかる解説である。パワポで作ったのであろう資料は、簡潔で明瞭。重要なページを何度も示しながら、ワクチンとしての作用がどのように生まれてくるのか、そのとき身体はどう反応するのか、どんな現象が現れるのか、等々をきちんと説明していて、副作用についても原理原則を絡めながら不安を払拭できるように作られている。

 本当は、こういうことを厚生労働省医官が行うべきだと思うが、それが出来ていない現状は何とも情けない。
  その一方で、こういうことをきちんとやってくれる医師もいるのだ、と頭が下がった。

 新型コロナの騒ぎは、たぶん年を越すと思う。とはいえ、ペストのような強烈な伝染病とは明らかに異なる相手であることも確かだ。怖がりすぎる必要もないと思う。

 ワクチンが効くこともわかっているのだから、みんながきちんと理屈を理解した上で、やってはいけないことを各自が認識し、新型コロナウイルスとの共存を落としどころにするしかないと思っている。ウイルスを消滅させるなんて、できっこないのだから。 

おもしろグッズ発見 腕時計型アルコールスプレーだってさ!

Mです。

 コロナで大騒ぎのなか、月に何度かぶらつくアキバのジャンク街で、面白い商品を見つけた。

 アキバのジャンク屋街では、必ずしもハイテク秋葉原に縁もゆかりも無いグッズが、あちらこちらの店の棚隅にチョコンと置かれていたりするのが面白い。

 先週半ば、通信ケーブル、工具、生ディスクなどを扱っている店で見つけたのは、昔懐かしいニコちゃんマークが押し型成形されている腕時計のような代物。Note PCあたりの小物で使う菊ねじ用ドライバーセットなどが置かれている棚隅で、透明プラスチック箱にそれは放り込まれていた。ブルー、ピンク、イエロー、ブラックの4色で、名前も何も書かれていない。しかも無包装。
 シリコンラバーのバンドと一体になったニコちゃんマークは、ロレックスのコスモグラフくらい大きい。そしてそのアタマからなにやら突起が出ている。

 

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 手に取ってみると、なんとその突起はスプレーノズルだった。

 ニコちゃんマークの押し型が付いた円筒部の裏を見ると、白いポリエチレン製らしき容器がベルト本体に包み込まれていて、液体が入っている。包装も何もしてないからノズルを押すことができた。ちょっと押してニオイをかいだら、それはエタノールだった。

実に笑える!
正体はなんと、携帯アルコールスプレーだったのである。

 箱には、ちぎったボール紙にマジックで350円と書いてあった。話のネタになるかな、程度の感覚で、ブラックを一個購入した。

 しかしまあ、包装されていないから何にも情報が書かれていない。よくあることだが、売っている側もあまり中身を気にしておらず、見た者が気に入れば買っていくだろう、程度の感覚だ。それでも、オモシロオカシイものは、ジャンク屋をうろつく輩には結構受けが良くて、短期間に売れてしまうこともあるのだ。ただし、安ければ、である。
 ほぼ一週間後の今日、その店を覗いてみたら、ニコちゃんマークグッズを入れてあった箱は消えていた。

 後からネット検索してみたところ、同じようなグッズは海外製の物も含めていくつも出回っているようだ。いろいろな形状があるが、眺めて比較したところでは、今回見つけたモノが、M的にはいちばん良くできていると感じた。

 取り外しできるスプレー容器は、10mlくらいの容量があり、押したときのスプレー状態も申し分ない。スプレーの方向も自由に変えられるし、シリコンゴム製と思われるベルトの感触もベタベタしないし洗いやすいのだ。

 同じ商品はどれかと探してみて、Soperfect(ソーパーフェクト)という会社が扱っている商品だとわかったが、そこにもメーカー名は書いてない。しかも、ジャンク屋で売っていた価格よりずっと高い。その値段には、少々ビックリした。ジャンク屋さんは、売れ残りかなにかを「バッタもん買い」したのだろう。なにしろ、無包装だったのだから。

 ↓ ネットショップ情報はこれ
 https://store.shopping.yahoo.co.jp/soperfect/sdsp001d.html

 出先で作業前にちょっと消毒なんて感覚で使うのも良し、工具を借りた後でシュッと一吹きして返すという心遣いにも良し。このご時世、案外受けるグッズだと思った。

 容器は清潔に保てるから、場合によっては、ウイスキーウォッカを入れておいて、消毒がてらにちょっと一口、なんていうのもイイかも知れない。
 緊張の続くコロナ禍のなか、一服の清涼剤、として捉えることもできそうだ。