薬剤師Y子です。
仕事も子育ても自分なりに頑張っていた1990年代、私は「年1回の家族キャンプ」を、とても楽しみにしていました。
子供の学校、自分の仕事、ご近所づきあい、親戚づきあい。
それらから完全に解放され「ノルマが一切ない場所に家族だけで行き、自分たちのペースで過ごす時間」が、私には必要だったのです。
キャンプの参加メンバーは、いつも同じ。犬が1頭、人間が4名です。
このうち愛犬Lは「いつでもスケジュールが真っ白」でしたが、人間4名は大人も子供も何かと忙しく「子供たちの学校が休みで、子供会やPTAの行事がなく、夫婦とも仕事を休める数日間」を早めに見つけて日程を決める、というのが、わが家の家族キャンプを実行するための最初の、そして最も高いハードルでした。
確か次男Jが小学校に入った年が最初だったような気がするのですが、その記憶は定かでなく、また、長男Cが中学1年か2年の時に部活が忙しくて日程を決めるのに難儀し「今年が最後だね」という話になったように記憶していて、二人の息子は2学年差なので、5年間か6年間、年に一度の恒例行事として家族キャンプを実施していたことになります。
日程が決まったらカレンダーに書き込み、その後は他の予定を絶対に入れないようにします。
それから行く先を決め(毎年ほぼ同じ場所でした)、昨年も使ったテント、寝袋、テーブルなど、必要なものが揃っていることを確認し、足りないものがあれば買い足します。
「その日」が近づいてきたら、天気予報をチェックしたり、食材を買い集めたりします。
そのようにして迎えた当日、早起きしてクルマにキャンプ道具を積み込み、自分たちも乗り込むわけですが、愛犬Lは必ず「ボク、クルマには乗りたくない!」と、かなり強く抵抗しました。それを見て私たちは、彼が「前の飼い主のクルマに乗って、わが家の近くまで来て、なぜか飼い主と離れ離れになってしまった」のだろうと勝手に解釈しました。抵抗したから置いていく、というわけにはいかないので、無理やり抱き上げてクルマに乗せ、一緒に連れて行きました。
クルマに乗るのを嫌がっていたLも、目的地に着くと大喜び。
「そう、ここはボクの縄張りなんですよ。今年も見回りをしないとね」と周囲を走り回り、嗅ぎ回り、テンションが上がってしまってピョンピョン跳ねたりしていました。
そして、キャンプでは誰よりも夫Mが大活躍。
息子たちを従えて何もない場所にテントを設営し、竈(かまど)を作り、飯盒(はんごう)で米飯を炊き、大自然の中の「臨時わが家」を創造するのです。
キャンプは毎年、日常生活の中で満たされない「何か」を、参加メンバーの各々に与えてくれました。
この下にあるような写真も、普通の日には撮れません。ちなみに、夫Mが構えているカメラは、6/17 の記事にある立体写真用のカメラなのだそうです。
ステレオグラム; 立体視できますか? - 理系夫婦Y子とMの昭和から令和まで
https://www.yakuzaishi-y-co.work/entry/2019/06/17/235749
大自然の一部になったような気分を何日間か満喫し、家に帰る日。
やはりLはクルマに乗るのを嫌がるのですが、自分以外の全員が乗り込むと、ここに置いていかれるのはマズイと知っているようで、ゆっくり、しぶしぶ、乗ってきます。
キャンプを終えて家に帰ると、息子たちは率先して後かたづけを手伝い、そのきびきびした動きから毎年、「ああ、ちゃんと成長してるな」と感じることが出来ました。
わが家の場合はキャンプでしたが、お盆の帰省、ハロウィンなど「毎年やってくる非日常的な時間」に、日常の中で不足しがちな「何か」を補っている方も多いと思います。
とにかく忙しい子育て中、孫育て中に、何か「自分への ご褒美」を用意できたら良いですね!