理系夫婦Y子とMの昭和から令和まで

都内で働く薬剤師Y子と、パソコン・DIY・生物などに詳しい理系の夫M。昭和30年代から今日までの実体験に最新の情報を加え、多くの方々、特に子育て・孫育て世代の皆様のお役に立つことを願いつつ発信する夫婦(めおと)ブログです。

辛さ つながり;COCO壱番屋 おそるべし!

Mです。

 辛いもの好き、というか、辛さを足して食べることを好む者として、疑問に思っていることをひとつ。

 激辛ブームがあった、というか今でも時々耳にするのだが、あれは、辛さに耐える挑戦なのだろうか。

 ”辛くても旨い” ものや、”辛いから旨い” ものがあるのは確かだが、それらはどんどん辛くすれば旨くなるというものではないはずだ、と思う。激辛挑戦は、味がわからないと言いながらただ辛みに耐えているだけで、何がしたいのか判らん、というのが感想。


 七味やコショーをかけるのは、その料理がまず旨いことが前提で、それを更に自分好みの味に変えたいがための行為だ。不味いから辛さで誤魔化そうというのではない。不味いものは、辛さを足そうとハナから不味いのだから、七味をかけようがコショーを足そうが無駄なのである。Mは、そんな対象に無駄にコショーをかけることはしない。もちろん、食べ物を残すことはしたくないからたとえ不味くても完食はするけれど・・・

  そもそも、辛さに対する感受性は個体毎に大きく異なっていて、ほんのちょっとの唐辛子粉が入っているだけで料理の味がわからなくなってしまう人もいれば、その刺激がたまらなく好きだという人もいる。後者は、さらに辛くすればもっと美味しい、と唐辛子を加えて笑みを浮かべる、なんて光景も浮かんでくる。つまり、辛さの感受性が高い人はピリリとした辛さで充分なのだから、全体のバランスを考えれば唐辛子控えめで調理して貰えばよいし、感受性の鈍い、というか耐性の高い人は、バランスを考えながら辛み増強を頼めばよい。基本は、辛さを食べるのではない、というところがいちばん重要だろう。

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  だから、辛さを足したいというタイプの人は、どんな辛さを足すべきかをいつも考えていて、それを実践してきているはず。辛さが苦手な人には理解できない楽しみ方がそこにある、というだけのことで、何も特殊なことではないと思う。

  そんな辛さのステップアップサービスが、ラーメン屋やカレー屋にあることはよく耳にする。× × 倍の激辛、とか書いてある。それが、味全体のバランスをちゃんと考えている辛さなのかどうかが重要だと思うが、そのあたりの論評はあまり見かけない。

  その点、つい最近になって初体験したカレー屋さん”COCO壱番屋”は、なかなかの技巧派だと感心している。

 

 名前はだいぶ前から聞いていたような気がするし、田舎でも都会でも所々で目にしていたが、わざわざカレー屋に入るのもなぁ、どうせカレーだろう?という気がして、一度も入ったことがなかった。ひょんなことから同行者の勧めで入ってみたのだが、味のバランスを崩さないで辛くしていく技術に感心し、唸った!

 ココイチと呼ばれていてかなりの厚いファン層を持っている店だと知ったのも今年になってから。そういう方々のブログなんかを眺めていたら、辛さは10段階で、5段階経験者でないとそれ以上の辛さは店側が許可しないと書いてあった。へえぇ~面白い、と思うと同時に、ウソだよそれ、と思わず口に出た。

 だって、初回にもかかわらず「一番辛いのください」って頼んで、現に10辛とやらを食べたのだから。

 

↓ COCO一番屋さんのメニューから拝借。この10辛をたのんだ。

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 たしかに、そう注文した時に店員さんが、「本当に大丈夫ですか?」と念を押すようなことは言ったが、「5辛を食べたことはありますか」とは聞かれなかった。相方が、「ホントに10辛いくんですか?」と聞いてきたが、My唐辛子を持ち歩いていることを知っている彼は笑って言っただけ。「問題ないと思います」と店員さんに答えると、厨房内でちょっとザワザワしたけれど、それ以上のことは起こらず、10辛とやらがしばらくしてやってきた。

  見た目は、相方の2辛と比べてけっこう黒い。粘性も高いのかルーが盛り上がって見えた。黒いということは、良くあるいい加減な激辛屋のように、ただただ唐辛子粉をつっこんでいるのとは違うのだと判った。しかも、香りはなかなか良い。これはただ辛みを加えているのではない、と感じてスプーンでひとすくい。ヒョイと口に放り込む。
 なかなかっ!!が、最初の印象。バランスが良いのだ。辛みは、というと、たしかに辛いが舌や咽頭部にしびれを起こすような辛さではない。むしろ、他の香味スパイスと良く混じり合った見事なハーモニー。2さじ、3さじ、と進んでも辛さでうまみがわからなくなることもない。ちゃんといろいろな味が広がっていく。相方がちょっと心配そうに見ていたが、何のことはない、絶え間なくスプーンを進めて数分で完食。

結論、旨かった、の一言、でした!

 食べ始めた頃、スタッフがチラチラ見ていることもわかったが、どうやら大丈夫そうだと安心したのだろう、途中から視線を感じなくなった。

 カレーというだけなら、ほかにもいろいろなコクのあるものを経験してきているが、coco壱番屋さんのカレーは、特別なコクとかを表に出してはいないものの、”バランスのとれた辛さ重視のブレンド”が上手だと思う。そういう点で、きっと上位クラスのカレー専門店なのだろうと感じた。

これからも、ときどき食べたくなってしまうかも知れない。

 そうそう、ココイチといえば、つい3日ほど前に、「ココイチ インド進出!」のニュースをどこかで見た。

 カレーの本場に殴り込むのか、と思ってしまうが、そもそも、日本で育った日本のカレーは、本場のカレーとは異質のモノだ。起源はもちろんインドなのだろうが、ジャポニカ種のもっちりした米に合うように工夫された、ジャパニーズ・カレーなのだ。インド進出の中心を担う三井物産さんのインド現地社員が、研修で日本滞在中に食べた「ココイチ カレー」が美味しかったと、帰国後に評判になったのだそうだ。いける、と判断したのがインド人スタッフの評価にあったのだという。

成功を期待したい。

 

 ところで、辛さのランクに1辛の ○ ○ 倍、とか表記してあるが、あれはいったいどういう倍率表現なのだろう。しかも、5倍、7倍、とか中途半端な倍率が連なっていて理解できない。
 そもそも、ヒトの味覚は、倍率表示できるようなものではなく、あるレベルまでいくと比較できなくなっていくから、○ ○ 倍とかいう表現はそぐわない。すごく辛いと、もうそのあとは辛みを加えても差が判らなくなるからである。

 それは、他の味覚でも同じことだ。
 せっかくだから、辛み成分△△%増量とか、比較できる具体的な表現にしないと意味がないと思うのだが、如何だろう。

 いきもの屋の常で、ちょっとゴネてみました。(笑々)